横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【後半は目を覆わんばかり鳥栖の拙攻に助けられただけの評価に値しない内容も、ベスト布陣の鳥栖にBチームで勝利。ナ杯GL突破に可能性をつないだ事に大きな意味がある by 蒼井真理】 about [2016-ナ-予選] 横浜 1 v 0 鳥栖

aoi_mari.png蒼井真理

桜もすっかり散り終えた平日夜の三ツ沢、キックオフ1時間前に到着。今日はナ杯GL3戦目、鳥栖

メインからの入場だったので募金箱は「早く帰ってきてくださいね♥」と一声そえて三門さんをセレクト

…階段上がったら選手がズラッと並んでたから正直ビビったw 中澤さん威圧感あるし

で詳しくないんだけど三門さんは、どこの怪我なのかしら?

気温は17℃くらいあるハズなんだけど、冷たい風がぴゅーぴゅー肌寒い夜の三ツ沢。自由席の埋まりもまだまだなキックオフ50分前

アウェイ鳥栖のゴール裏のサポータは50名くらいかしら。スタンド前にはお馴染み「正直田舎者」幕に並んで「被災地へ勇気を」

ナ杯三ツ沢鳥栖戦スタメン

FW 伊藤翔
MF 前田直輝天野純仲川輝人
MF 朴正洙、兵藤
DF 高野遼、新井一耀、勇蔵、金井
GK 哲也

SUB:田口潤人、ファビオ、常本佳吾、中町、遠藤渓太、和田昌士、富樫敬真

柏戦から朴正洙と新井一耀がポジション交換。伊藤翔が先発

ユース3年にして主将、2種登録の右SB常本佳吾が初の公式戦ベンチ入り。フィジカル的にも技術的にも大きな穴のない(ズバ抜けた特徴もない)SBマニアも納得の正統派SB。スローインが上手いです

鳥栖スタメン。週末のゲームが中止になり、ガチガチのベスト布陣。これはGL1戦目の川崎、2戦目の柏より圧倒的に組織的な練度と完成度が高く、強いチーム https://pic.twitter.com/gRBmkA7xws

ナ杯三ツ沢鳥栖戦の注目ポイント

・GL突破には勝点3が欲しい
・柏戦から比較的メンバ変更が小さく
・チームとしての一体感も期待したい
・でも今日の鳥栖はとても強力な布陣
・個々のアピールも期待してるけど
・なかなか厳しいゲームになりそう
・とりあえず2トップを必死に抑える事

「今は三門がプレイできないので、ボランチが少ない。新井もジョンスもこの先を考えて、2人ともボランチでもプレイできる準備と経験を積む事が必要だ」エリク監督

朴正洙のボランチ起用は興味深い。ただ、組織的な圧力を掛けてくるであろう鳥栖に対し、CBの時ほど余裕をもったボールさばきが出来るか? ロングフィードはCBの方が出しやすいが、バイタルで動き直す天野純にはボランチの方が付け易い。期待をもって注目したい

「柏戦の自分は30%くらい。あれではダメ。もう惜しいでは意味がないし、目に見える結果が必要。リーグ戦でのシュンさんは本当に凄いと感じた。同じプレイはできないけど、最終局面での精度を求められるのはどのゲームでも同じ。自分の中でイメージはできているので、精度に拘って臨みたい」天野純

天野純には本当に期待している。厳しい、足りない部分が多いのも確かだが、進む方向性が間違ってない。それに自分で気付ける若手は、これまでのマリノスには少なかった。1つキッカケがあれば、殻を破れる予感と期待はある。今日がそのゲームになって欲しい

「(Uー23合宿に)呼ばれた選手にはチームで成功してる奴もいれば、俺みたいに結果を出せてないのもいる。いろんな奴と喋って勉強になったし、刺激になった。ただ、その経験をチームに還元するとか言える立場じゃない。自分自身が、まず “どん底” から這い上がる事を考えている」前田直輝

「正直、ここまで上手くいかない事しかない。上手くいっている事が何もない。そんな中、自分がこのチームでの存在価値を示せる場が、ナ杯になる」前田直輝

前田直輝の良さは、まだよく分からない。遠藤渓太へのエリクの評価と期待値が高く、マルティノスが加入し早速に存在感を高めている中で、立場的にはとても厳しい。何よりもメンタル的な反発力、反骨心に期待

マリノスのメンバ紹介、中町公祐のコールにはアウェイ鳥栖ゴール裏からちゃんとブーイングがw

鳥栖のダイヤモンドの中盤、奪って速く攻められれば天野純が躍動するアンカーの脇のスペースはあると思うのだけど。奪い方、その時の天野純のポジション、素早くタイミングよくパスを付けられるか

ナ杯三ツ沢鳥栖戦、間もなくキックオフ!

難敵だけど、逞しく勝利を!

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7分経過。互いに攻守に縦方向の意識強くアグレッシブで見応えある序盤展開

前半11分、鳥栖は鎌田大地が傷み交代

新井一耀はとても良い入りができた。天野純は最悪。ここから立て直す逞しさを

最初の決定機は17分マリノス天野純が自らのカットからロングループ。立て直した!

前田直輝も今日はとても良い入りできてる

前半21分、PKゲット。蹴るのは伊藤翔さん

前半23分、伊藤翔さんキッチリPK決めて先制!

こっから受けにまわらない事! 柏戦の反省を生かさねば

金井貢史、素晴らしいトラップからのパス

今日の鳥栖はシンプルにサイドから2トップに放り込んでくる。5分過ぎから、前田直輝がずっと右サイドで仲川輝人が左

うーん先制後、やっぱりズルズル引いてるなあ

鳥栖は柏がやった対マリノスのCKハメ技を踏襲

CKをあたえない、クロスを上げさせない事

もう少し前で守備をしよう。ゾーンを高く保とう

前半の1点リードでズルズル引くなよチキンが

中でしょ! 金井貢史らしい攻撃参加、突破

前田コールに金井厨は憤慨

今日の鳥栖は本当にアーリクロス多用。勝ちに拘ってる

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前半終了、横浜1ー0鳥栖。シュート5:6(枠内3:0、エリア内2:3)決定機3:0。CK&FK3:4。難点、課題も多々ありながらも躍動感を示し、ベスト布陣の鳥栖と互角にやり合い1点リードで折り返し。個々の意欲と責任感を感じさせる。これは何としても勝ちきりたいゲーム

前線の攻⇒守の切り替えが遅く3枚前残り気味、横のスライドが遅い、など守備で切り替える、やり直しの部分が遅い。先制後、鳥栖の遅攻に対し奪い所をチームで決められずズルズル下がりクロスまでいかれてる。この2つは難点、課題。キッチリ修正しないと、豊田陽平を完封するのは難しいよ

相手のハンドで得たPKのみ。まだ誰も「結果」を出せてない。気持ちで受けに入るな守ろうとするな。引いたら絶対どっかで2トップにやられる。貪欲に! 攻め勝て!

さあ後半! 絶対に勝ちきろう!

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相手のイエローカードを引き出す、伊藤翔さんの雑な自陣方向へのトラップ

被クロス、被CKは減らさないとキツいよ

鳥栖が焦りイライラして雑になり自滅モードだけど、それを助長する老獪さはないのだから敢えて攻め勝ちにいくべき

後半29分、仲川輝人⇒遠藤渓太

こんだけ被クロス、被CKあって無失点はほぼ運。後半の質はあんま高くない。頑張りだけ

後半37分、天野純⇒和田昌士

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試合終了、横浜1ー0鳥栖。後半は目を覆わんばかり鳥栖の拙攻に助けられただけの評価に値しない内容も、ベスト布陣の鳥栖にBチームで勝利。ナ杯GL突破に可能性をつないだ事に大きな意味がある。まだ誰も何も得てはいない。次だよ次!

「(鳥栖のGK)林くんとは清水時代に一緒にやってたんで “絶対に跳ぶな” と思ってたんで、真ん中に蹴りました。飄々と蹴りました」伊藤翔

私的マンオブザマッチはCB15新井一耀。マークや対人対応は決してノーミスではないが、被クロスの多い試合展開でよく勇蔵と中央で寄せて跳ね返し続け無失点に貢献。地上戦でも縦に出て潰す勇気と判断よく、つなぎのパスも落ち着いて散らせた。実質的なCBデビュで、及第点以上のパフォーマンス
――ナ杯3戦目、三ツ沢鳥栖戦の備忘録。コメント交えた選手評は、Bチームを牽引すべき4選手から

GK榎本哲也鳥栖の枠内シュートは1本のみで他6つの決定機は何れも枠外、あるいはポストに阻まれた。純粋なセーブ機会は少なく過去2戦のようなビッグセーブは無し。後半は押し込まれ被CK、被クロスが多く修正も間に合わない精神的に疲弊する展開。ヒーロインタビュも喜びより、困憊の苦笑い

「みんな頑張ったと言うしかない。不恰好かもしれないが、勝った事が大きい。俺らベテランが頑張ってるから若手も頑張るのか。若手が頑張るから俺らも頑張るのか。どっちが刺激されてるのか分からない。そうやって、チームが強くなっていけばいい。とにかく大変な勝利だった」榎本哲也

CB栗原勇蔵。試合序盤は果敢にラインを上げ高い位置で力強く跳ね返す「撃墜モード」も、先制後はズルズル下がるラインを押し上げられず。勇蔵の傷み「ダッシュできない状態」がチームの推進力を奪った一因かもしれない。準備時間の少なさを言い訳にせず、次回は90分通したパフォーマンスを期待

「俺たちリーグ戦に出てないメンバは試合時間もだけど、練習時間もあまりない。皆で踏ん張って、テンションを上げて勝てた事がデカい。こういう立場でやるしかないけど、試合に向けた練習はなかなかできない。上手くいかない事が多いけど、それでもこうして試合に勝つ事がアピールになる」栗原勇蔵

「前半30分くらいに肉離れみたいになって、その後ダッシュできない状態だった。最後は一耀もジョンスも足をつっていたが、自分が走れない分カバーしたからじゃないかと情けない気持ちになった。皆がカバーしてくれたから最後までやろうと思って反骨心にも火がつき、俺も頑張れたと思う」栗原勇蔵

CB栗原勇蔵。ナ杯初戦、アウェイ川崎戦の「両足つって交代」は初先発2人を両脇に抱え奮戦した証と胸熱な評価したけれど、鳥栖戦の「30分でダッシュできない状態」でルーキ2人に尻拭いは実に不甲斐なし。そんな中でクロスを懸命に跳ね返し続けたが、終了間際のエリア内後方タックルはリスキィ

ボランチ兵藤慎剛。好調な序盤も押し込まれる後半も直接的なボール関与は少なく希薄な存在感。しかし若い周囲に気を配りサポートし、攻守に穴を埋めて要所を締め、ポイントで時間を作り落ち着きを与える。実に兵藤らしく、ベテランらしくナ杯での初勝利に黒子として貢献した

「このチームで勝てた事がチーム全員の自信になってくれればと思うが、良い時間帯と悪い時間帯の差が激しすぎる。経験が無い分、今すべきプレイの選択ミスが多かった。俺を含め勇蔵くんや哲くんが声で上手くコントロールすべきだが、こういう試合を通して若い選手も学んで欲しい」兵藤慎剛

兵藤の試合後コメントに違和感を感じた事は、ほぼ皆無。常に問題点の指摘が適格で過不足がなく、彼は将来よきコーチになると思う。監督よりは参謀、ヘッドコーチ向き。パンゾーの「いろんな人の右腕になれる人」という評は、おそらく引退後の像としても正しいのではないだろうか。全くの余談ですが

FW伊藤翔。PKを決めた以外、特に印象的な仕事は無し。流れの中からシュートもゼロ。後半2分、被CK後の気の利いた守備や、縦パスを自陣方向に受けて押し戻すプレイに「らしさ」はあったが。PK1本だけでお立ち台に上がり、しっかり笑いも取るコメント含め、27歳にしてベテランの味

「(林彰洋を相手にしたPKで)真ん中に蹴る事は、2年前から決めていた。先発だろうと途中出場だろうと試合に出たら仕事をしないといけない。でも、一定のペースでやっている。焦り過ぎず、ちょっと焦るみたいな。気持ちの浮き沈みは日常茶飯事だけど、そればかりでは良いプレイができない」伊藤翔

「焦り過ぎず、ちょっと焦るみたいな」

その領域に達するまでに「仏グルノーブルでの4年間でリーグ戦出場5試合のみ」とか「交代出場の度にスタンドから溜息つかれる清水での4年間」とか、雌伏の時間があった訳ですよ伊藤翔さんも

だからマリノスの若手の皆も、焦り過ぎず、ちょっと焦れ。

…名言の宝庫やねえ、伊藤翔さんは

右SB金井貢史。26分の朴正洙のサイドチェンジを内側へのトラップで対面外し縦に繋いだプレイ、エンドラインまで侵入した攻撃参加など良さも見られた一方、自陣横パスミス前田直輝とのワンツーパスが長過ぎなどイージな技術ミスも。特徴を出しつつ、ムラは無くす事。あたり前の事はあたり前に

CB新井一耀。私的マンオブザマッチ。実質的なCBデビュ戦で及第点、無失点は鳥栖の拙攻も大きく下駄を履かせた評価ではあるが、被クロス多い展開でのゼロ封はCBとGKにとって何よりの勲章。豊田とのマッチアップは大きな財産となるだろう。繋ぐ意識と度胸、精度とパスの強さも良かった

「無失点で勝てたので、素直に嬉しいっス! 豊田選手は日本を代表するストライカなので、どうせなら自分の持っている力を全部ぶつけていきたいなという思いでいきました。結果的に点を決められそうになったけど、無失点だったので本当に良かったです」新井一耀

左SB高野遼。思い切りの良い強キックとクロス、内側に持ち出し上がるビルド関与意欲に若々しく特徴発揮。一方タッチ際フリーでのトラップミス、苦しい展開でのプレイ選択のミスも多く、技術と判断スピードと精度がまだ「あたり前」のプロレベルに遠い。まだ評価できるレベルでない。経験が必要

高野遼、後半28分の逆サイドからの被クロス対応で、しっかり絞って身体を寄せた守備はSBとしてとても良かったです

ボランチ朴正洙。ボランチとして公式戦で初の起用。遅攻ビルド字はCBの間に落ちて起点に。サイドに流れ、質の高いサイドチェンジが2本。押し込まれる展開、自陣深くでは柏戦に続き攻守にバタつくシーンが散見され、危険なパスミスも。まだ実戦経験が不足。アンカー適正は要経過観察

右SH前田直輝。過去公式戦の不発鬱憤を晴らすように伸び伸び躍動。直線的なプレイの愚直さは変わらずも、それをゲームの中に落とし込めたのは大きな前進。20分の伊藤翔へのクロスは決定的で、33分の高野遼のクロスからのボレーは決めたかった。このパフォーマンスを底に、這い上がって欲しい

トップ下の天野純。見せ場は17分、自身ハーフウェイでカットからロングループのみ。チーム最多シュートに意欲も、大事なところで精度が伴わずトラップやパスが僅かにズレ、チームも自身も波に乗り切れない。技術が無い選手ではない。よりハイレベルな事前の状況把握と予測、プレイ選択の充実を

「このメンバで勝ちたかった。偉大な先輩に引っ張られ、俺たちがついてく感じだけど、俺たちもそういう存在にならないといけない。個人的には長いトンネルの中にいるような感じですけど、少しずつ光は見えつつあります。目に見える結果が出たので、自分を信じて日々練習していくしかない」天野純

左SH仲川輝人。序盤に前田直輝とサイドを交換。前田の躍動と対照的に、決定的な突破やクロス、シュートは無し。守備に不安のある高野遼のカバーの意識も強く、やや割を食った感も。試合後のコメント通り、相手クロスへの寄せはあと1、2歩詰めるべき。キープからの反転、クイックネスは秀逸

「全員でつかんだ勝利! 勝てた事が良かった。個人的には、もっと寄せてクロスを上げさせるなとチームメイトからも言われたので、課題を改善するよう練習からやっていきたい」仲川輝人

後半29分からSHで途中出場、遠藤渓太。1点リード、押し込まれる展開でやるべきプレイ、やってはいけないプレイの選択判断、通じて失い方が悪い。これも全て経験だが、兵藤のコメント通り学習しなくては。特に渓太の場合、この試合が初めてではないのだから

後半37分からトップ下で途中出場、和田昌士。短い時間で、つながらず残念な中央を狙ったスルーパスが1本のみ。あの時間あの展開で、縦パスを狙うなら通さないとダメ。長過ぎたり、直接GKとかでなければズレても良いけどカットされるのはダメ。結果論みたいだけど、ダメなものはダメ

「前半は自分たちのクオリティを出せていた。スピードのあるプレイが出来ていたし、1-0で折り返したのは、ロジカルだったと思う。後半はフィジカル的に落ちて、苦しい戦いになった。だが選手がメンタルの強さを発揮してくれて、その結果として我々が勝利した。選手たちを称えたい」エリク監督

「(リーグ磐田戦の)勝利の良い流れを継続できた事、若い選手にも経験を積ませ試合のリズムやテンポに慣れさせた事、この2点は大きな収穫だろう。メンタル的な強さも発揮してくれたので、こういう経験は選手個々もチームとしても、今後の成長につながって行くと思う」エリク監督

手元トータルスタッツはシュート8:15(枠内3:1、エリア内2:9)決定機3:7。CK&FK3:11。マリノスの決定機は前半の3つのみ。鳥栖は後半のみ7つ。対照的な前後半のスタッツと展開。後半だけで被CK6本、ポストを叩いた決定機2つ。枠内シュート1本のみも、無失点はかなり幸運

とても評価が難しいというか…感情の整理が難しい試合内容と結果。このメンツでベスト布陣の鳥栖を相手に、序盤から積極性と躍動感を示し、PKで先制したあたりから勇蔵先輩が肉バ気味でダッシュできずライン押し上げ利かない展開で、よく後半も耐え忍び勝利した。しかし――

後半は「メンタルの強さを発揮した」とエリクも皆が一丸となりプッツリ切れず押し込まれながらもゼロで凌いだ事は評価している。たとえそれが鳥栖の拙攻、シュート精度の低さに因るものであったとしてもだ。個人のアピールだけでは足りない、勝利と言う結果が必要だった。しかし――

老婆心ながら若い選手たちに勘違いして欲しくないのは、リーグ戦でも出場チャンスを得るためには「個人のアピール」と「チームの勝利」2つがセットで必要であり、どちらか一方では十分ではない、結果として届かないのだという超厳しいけど確かな現実

『格上の相手に臆する事なく、皆で一丸となり泥臭く頑張って、相手のミスやゴールポスト、幸運にも助けられつつ、ハンドから得たPKの1点で勝利した、やったね俺たち!』

そんな話は天皇杯の2回戦、3回戦あたりでもまま話で

そのジャイキリ果たした大学や社会人チームから次のシーズン、2つ3つ上のカテゴリに引き抜かれてプレイする選手がいるかっつーと普通いなくて、あるとしたら「際立ったスペシャルな活躍」をした選手だけな訳で。泥臭く頑張った皆ではない訳で

――で、翻って昨夜の鳥栖戦で誰か「リーグ戦でも使って欲しいスペシャルな活躍、プレイ」を見せた選手がいたかっつーと「いない」訳で。いや分かってますよ? Bチームで準備期間もほぼゼロで、実戦でチームの体を成すよう努力しつつ、自分の特徴を出すっつーのがそもそも無理ゲーに近いなんて事は

でもそれはエリクが監督の間は受け入れるしかない「前提」な訳で。そこを言い訳にしても、仕方がない訳で。なんで俺は天野純でなく北の国からの純みたくなってますか

なので「勝ちが必要、勝たせないと個人のアピールも半減」ってナ杯の度に繰り返してたけど、勝っても個人のアピールが出来てないと、ただの勝点3なの。もちろん「今後のGLでの緊張感」を保つため、大きな意味を持つ勝点3だけどね。でも皆が狙ってるのは、ソコじゃないでしょプロなんだし

「このチームで勝ちたかった」「皆で掴んだ勝利!」その気持ちは尊く大切なものだけど、完全に心の底から本気で言ってたらプロとしてヤバいと思う。いや多分、そんな選手いないと思うけど。みんな自分のアピールが十分でなかった事を、悔しがってると思うけど

そんなこんなで、ナ杯GL3戦目、三ツ沢の鳥栖戦は「Bチームでベスト布陣の鳥栖から初勝利、GL突破の可能性をつなぐ勝点3は素晴らしい」けど「個のアピールや技術と判断のクオリティにレギュラ陣を脅かすものがほぼ皆無」だったので、モヤモヤ。

だから大事なのは「次だ、次!」