横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【名古屋が堅牢だったのでなく、ただマリノスが臆病で、リスクを他者に押し付け合う卑怯者ばかり。悔しさはなく、ただ情けない by 蒼井真理】 about [2016-J1-1st-10] 横浜 1 v 3 名古屋

aoi_mari.png蒼井真理



のぞみ21号の車中で、ヒマにまかせて名古屋戦の展望。強風に震えながら完遂したゴールデンウイーク初日のスカウティングの成果を

名古屋は3勝1分4敗、7節の福岡戦が未消化で暫定12位。前節はアウェイで浦和に1ー4の大敗。この試合は現地観戦したが、1ー1で迎えた後半は浦和が高トランジションによる相手陣内での囲い込みと再奪取で何もさせず、名古屋の特徴や良さはほとんど見えず終いであった

名古屋は4ー2ー3ー1。どんなチーム? と問われると「シモビッチ」と答えるしかない。名古屋はシモビッチ以上でも以下でもなく、磐田もかなりな「ジェイ」であるが、名古屋のシモビッチ振りに比べれば、磐田のソレはまだ可愛いものだ。特に前節の浦和戦など、ほぼ完全にシモビッチだった

自陣ビルドの起点となるべきCB2人とボランチ2人は、そこそこボール保持し気の利いたパスも出せる。下で繋いで崩すポゼッションへの意欲もある(浦和戦はプリメイロ・ボランチのイスンヒが出場停止で、小川佳純が代役だったから尚更に)田口泰士は、攻守に軸となる落ち着きと知性ある良いボランチ

しかし名古屋は両サイド、SBとSHの4人が「前にスペースあればゴリゴリ行きまっせ」な快足バカ一代タイプであり、前に蓋をされ圧力かかる局面でボール保持しプレスを去なしたり、少ないタッチのパス交換で局面を前進させるビルド関与は不得手。速攻やオープンな展開で生きるタイプ

前節は浦和が高トランジションによるロストした瞬間の相手陣内プレスが大変秀逸で、名古屋は両サイド4人がこれに対しまるで無力。田口泰士や小川佳純が少しマシなキープしても、次の選択肢や逃げ場なく、結局はシモビッチに長いボールを放り込むだけ。実にシモビッチ、ただただシモビッチ

加えて言えば現在の名古屋はトップ下も開幕時の「センスだけでやってます」なボランチもこなす矢田旭でなく、アタッカ色の強いFW寄りで縦への突破系な泉水竜司が務めており、遅攻ビルドはマリノスと同等かそれ以下に絶望的。イスンヒが復帰する今節は、より全身是シモビッチ化は不可避であろう

なので対シモビッチ策としては、浦和ほどでなくとも相手陣内からきちんと圧力を掛けてシモビッチに雑なロングボールを放り込ませて中澤とファビオてしっかり跳ね返し、喜田と中町が懸命に拾い攻めに繋げる。余裕持ってクロスを上げさせると相手はシモビッチなので、そこは脅威だ

ただマリノスさんも遅攻ビルドの絶望感はシモビッチとドッコイなので「あれ、浦和戦より繋げるかも」とシモビッチに微かな希望を抱かせつつ、蓋をされると途端に精度の下がりバタつくSBに誘導し、囲い込みハメボッコにしてショートカウンタが理想か。特に左SBの高橋諒は狙い目

前述の通り現在のシモビッチの両サイド4人は前にスペースあるカウンタやオープン展開には強みがあるので、連動性なき中途半端なプレスやミドサードでの横パスミスはダメ絶対! であり即死。永井謙佑は通常の中澤の3倍のスピードがありルウム戦役では5隻のサラミス級マゼラン級が撃沈である

ただでさえ分の悪いスピード勝負、しかも闘莉王は去り性豪さんは肘亜脱臼で離脱しており中澤さんの対シモビッチ戦モチベーションはダダ下がりである。よって平時以上に神風プレスとミドルサードでの横パスミスは厳禁。如何にシモビッチとは言え、カウンタの切れ味はシモビッチにとどまらない

2013年5月以来、3年振りの豊田スタジアム。GKから始まる、幅を使った華麗なる速攻による兵藤の逆転ゴールと、GK榎本哲也のPKストップ(与えたのはパンゾーでした)による素晴らしき勝利から3年。箱だけで言えば、国内で一番好きな箱

ただ豊田スタジアムは名古屋からのアクセスと、ピッチコンディションがねえ…

カテゴリ4バック大人前売り3100円をQR発券で。このメインとバクスタの傾斜、ピッチを「見下ろす」感覚は吹田と国内双璧、箱としての威圧感や重厚感は安普請の吹田とは比較にならず、やはり国内最高の箱(※アクセスとピッチは度外視して)

メインとバクスタのアッパーのこの急勾配、ちょっと高所恐怖症の人には厳しいんじゃない? ってくらい角度がキツい。いつもゴール裏の人も、一度はバクスタアッパーを経験してみて欲しい

豊田スタジアムでのシモビッチ戦。無料配布のマッチデイプログラム表紙は当然、シモビッチ戦でした

アウェイ名古屋戦のスタメン

FW カイケ
MF 学、俊輔、遠藤渓太
MF 中町、喜田
DF 下平、ファビオ、中澤、パンゾー
GK 飯倉

SUB:哲也、勇蔵、金井、兵藤、前田直輝伊藤翔富樫敬真

カイケとファビオがスタメン復帰。ベンチに新井一耀でなく、俺の金井貢史ががが

「名古屋へこれといったスタイルがある訳ではないが、危険なチームではある。相手のプレスをかわし、しっかり攻撃を組み立てる事が必要。プレッシャがある中でのビルドアップが試合のキーポイントの1つになるだろう。“自分たちがイニシアチブを握る” と選手には伝えたい」エリク監督

浦和戦で、名古屋のDFラインは中盤より前と連動せず押し込まれるとエリア内までズルズル下がり、下がりっぱなし。追い掛ける後半は、前からプレスに行く前線と押し上げないDFラインで間延びしまくり。「しっかりビルド」は確かにキーポイント。連動性乏しいプレスを外せば、使うスペースは無尽蔵

アウェイ シモビッチ戦の注目ポイント

・シモビッチとDF陣のマッチアップ
・シモビッチへのクロス限定、制限
・大外では両SB絞り込みをサボらずに
・カイケのストライカとしての矜持
・エリクの「粋に感じる」起用に応えろ
・ショートカウンタ発動なるか
・狩り所は左SBの高橋諒

フィールドプレイヤのアップ開始。選手入場から、アウェイのマリノスゴール裏はカイケ押し! カイケへの熱烈なコール、ゴールへの渇望を伝える

アウェイ名古屋戦は飯倉や哲也GK陣、右SBパンゾー、そして今日もサブに控える兵藤慎剛が躍動するイメージ。飯倉が止めてくれるハズだけど、パンゾーはPK献上には気をつけてw

遅攻ビルドにせよ、ショート&ロングカウンタにせよ、やはり今日も中町と喜田の両ボランチの「より速く質の高い」状況把握に基づいた展開、キーパスに期待したい。シンプルに縦に速くやり切れるタイミングでは、逃さず速く。それが「カイケを生かす、使い切る」事にも繋がる

スコア展開にもよるが、名古屋の「DFラインが引きっぱで前と連動しない、間延びする」性質的に特に後半、カイケも遠藤渓太も学も、ベンチに控える前田直輝富樫敬真も特徴が生きるシチュエーションは期待できる。シンプルに、縦に速く。できればミドルサードより前での狙いあるボール奪取を

アウェイ、マリノスゴール裏はしつこい位にカイケ押し! 皆の期待に応えろNo.9。今日はアウェイ側のロウワー全面がマリノスのゴール裏で、なかなかの高密度

名古屋戦の無料配布マッチデイプログラムはフルカラーで選手紹介もコメント付きで充実、クオリティ高いなあ。マリノスも一見さんに俊輔や中澤以外の選手を覚えてもらうなら、無料のマッチデイあるといいなあ

スタメン紹介映像は、リーグ最高峰のマリノスが圧勝だな! ホーム名古屋ゴール裏も、とっても高密度

豊田スタジアムで3年振りのアウェイ名古屋戦、間もなくキックオフ!

カイケ、ゴールを期待してるよ!

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喜田はとても良い入りができてるのに、不要なファウルが15分までで2つ。シモビッチ戦で、やってはダメ

16分経過。互いに落ち着いた入り。ボール保持はイーブン。まだ決定機は無し。マリノスは高い位置からハメに行かず、自陣ブロックから

喜田は不用意なファウル以外は、とても良い。遠藤渓太はもっと自信を持って

俊さん、その横パスは絶対アカンやつや

前半の半分が経過。少しマッタリとした展開に。シュートは互いに2本ずつ。学がちょいまたペナ角の人に。ボックス幅で受けてくんないと、マリノスの遅攻は厳しい

遠藤渓太が全然ダメだな。弱気の虫

守備が少し受動的過ぎる。もう少し、狩り所をつくろう。攻撃のスタート地点が深いと厳しい

前半33分、飯倉のポロリもあるよ! でシモビッチ先制。飯倉よお

ちょっと遠いが射程距離内

みんながチャレンジ回避して、ファビオが上がってきてドリブルしてシュートまで定期

このチキン共が

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前半終了、横浜0ー1名鯱。シュート6:6(枠内4:3、エリア内0:4)決定機0:2。CK&FK7:4。落ち着いた入りは悪くないが、時間経過と共にマッタリとリスク回避、責任回避に。飯倉ポロリで失点後も、チーム一帯のチャレンジは見えず。なんだこの反発力のなさ、相も変わらずな童貞臭は

えーと湘南戦の後も指摘したし、戦前にエリクも言ってたよね「個やチームのクオリティの問題でなく(そこは進捗見える)メンタルの問題だ」と。チャレンジする姿勢、リスク冒す責任感。その「ここはやり切る!」勝負所の見極め、「ここ一時」の勇気、勢いであると

見えねえ、先制されても見えねえ

本当にね、守備は受動的過ぎて奪う位置が低いのはアレだけど、概ね攻守に組織的にそこそこカチッとバランス良くリスク管理できてる。リスク管理リスク管理! リスクトライはどうした?

まあ今頃エリクがドレッシングルームで、みんなのハートに着火マンだと思いますが

マイボールになって、前向きにボール持って、名古屋が奪いにくるでなく「構えた」状況で、誰もブロック内、ボックス幅のバイタルやエリア内に入ってこない。そこで受けようとしない。みんな責任回避。サイド、相手守備ブロックのガワガワに逃げる。本当なんなの

「戦ってるつもり」じゃなくて、スタンドにも伝わるような戦う姿勢をプレイで示してください

後半、今日こそ逆転まで

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後半開始からシモビッチはシモビッチを温存する余裕かましてきました

後半4分、飯倉この試合ポロリ2発目で、0ー2

さあ今こそ試される反発力

後半10分、カイケこの試合ファーストシュート。クロスからニアで苦しい体勢のヘッド

学のスルーパスに、カイケがDFラインの隙間で受けてターンを狙うも引っ掛かる。それすり抜けられんのかい

飯倉は1人で試合壊しといて何無駄な時間使ってんの? バカなの?

後半21分、下平匠前田直輝

遠藤渓太が左SBになる例のアレかと思ったら、前田直輝がそのまま左SBに入ってます

俊輔が必死こいて前から限定追い回して、この試合ほぼ初めてミドルサードより前でボールを奪いカウンタ発動

0ー2になって20分経過した、後半23分のこと

交代出場から僅か1分、伊藤翔さんがファーストシュートで追撃弾!

ついに伊藤翔さんに、コメントの神でなくゲットゴールの神が降りてきた

やっぱり学がボックス幅、バイタル手前で受けてターンしないと今のマリノスの攻めはスイッチ入んないね

素晴らしき小林祐三のやらかしパスミスから、速攻浴びて 1ー3。厳しい3失点目

後半36分、喜田⇒栗原勇蔵

明確に3バックにして、両サイドを更に押し上げつつ、その背後をカバーする修正策、パワープレイじゃあないよ

後半41分、この試合数多のセットプレイから初めての枠内シュート、決定機。中澤のヘッドはしかしGK

FKから中澤ヘッドはオフサイドか…

85から90近くまで戻っていた俊輔のフィジカルがまた80あるなしまで低下してる。連戦、アウェイだしなあ。それでトップ下は、正直キッツいわあ(今は2.5列目、あるいはフリーポジションだけど)

そこで抜き切る、やり切るキレが今日の俊輔にはない

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試合終了、横浜1ー3名鯱。決定機5:6。リーグ3連敗。5つの決定機は全て 0ー2とされ20分経過した後半24分以降。名古屋が堅牢だったのでなく、ただマリノスが臆病で、リスクを他者に押し付け合う卑怯者ばかり。悔しさはなく、ただ情けない

手元トータルスタッツ、シュート14:10(枠内9:5、エリア内8:7)決定機5:6。単純に展開と内容、スタッツ的に妥当なスコアは… あんなポロリ2つで2失点あったら無意味。試合が壊れた。問題は、後半24分までエリア内シュート1本、決定機ゼロの無策とチキン振り

前半エリア内シュート無し、決定機ゼロ、1点ビハインドで折り返し「ハーフタイムにエリクから雷落ちたかしら」と思いきや、後半最初の決定機は3分に名古屋、1分後にポロリ再び。そこから20分、後半24分までカイケの苦しいヘッドだけ決定機ゼロとか、スロースタータとかいった次元じゃねえぞコレ

個人的には、喜田とパンゾーの2人はゲーム序盤からリスクトライする勇気とか責任感、主体性みたいなものはプレイの端々から感じられたけど。パンゾーは最近、ずっと高み安定。でも彼のバイオリズム的な好調は、チームのソレと噛み合った試しがない。そして3失点目に直結する永井謙佑へのパス…

さよなら大好きな豊田スタジアム。この宇宙ステーションぽいシルバー基調の内観も好きだよ。来季は瑞穂かしら

ホームでマチさん、パンゾーと2度すれ違いながら遅れている新幹線待ち。「良かったですよ」とは声掛けらんないよなあ、3失点目にガッツリ絡んでるし。でも本当にこの2、3試合パンゾー個人のパフォーマンスは悪くないと思うの

まあね、パンゾーの右サイド高い位置でのビルド貢献、左足ち持ち替えるカットインがアクセント実効性示し、良いパフォーマンスに見える時ってのは「チームのビルドが上手くいってない」時と同義だ、という節もあるけどね…

のぞみ178号で横浜へ。負け犬はすごすごと帰ります。とりあえず飲むか、そんな気分でもないけど。どんな気分でもないから仕方なく飲む

そんな気分でもないけど、とりあえず監督と選手たちの試合後コメントを拾い読み

「パラドキシカル(逆説的)なゲームだった。マリノスの選手は優れたパフォーマンスを見せたのに、大きなミスから失点してゲームを難しくしてしまった。リードされてリスクを冒す必要が生まれ、ハンデを背負ってのプレイになった。ゲーム内容は良かっただけに、悔いが残る」エリク監督

「リードされてリスクを冒す必要が生まれ、ハンデを背負ってのプレイになった」

ゴールデンウイーク3連戦の真ん中アウェイ、省エネ省リスクでの勝利を目指してたのかな。リスクを冒すつもりはなかった、と? 湘南戦の敗戦を受けて? 連戦のマネジメント、分からないではないが………。うーん

「名古屋はカウンタを仕掛けてくるという理解はあった。こういう相手にリードされると苦しいが、そういう展開になった。我々がボールを支配したが、名古屋に引いて守りカウンタという、やりたいサッカーをさせてしまった。我々の意図するプレイは出せたが、結果が伴わず非常に残念だ」エリク監督

「後半の攻撃が最初からできれば良かったと言えるほど、サッカーは簡単なものじゃない。チームとして非常に厳しい状況にある。流れが悪い、という一言では片付けられない。1つひとつ課題をクリアにしていかないといけない」小林祐三

「後半の攻撃が最初からできれば良かったと言えるほど、サッカーは簡単なものじゃない」

実に理屈っぽいパンゾーらしい含蓄あるコメント。できるなら最初からやれ、できないんだなこれが! なんでリスクトライできないのか? 本当に奥深い問題。…でも、出来るんだよ?

できるのに、やらない。やれない。いろんな理由がある。リスクトライを控えたリスク管理は連戦を考慮したゲームマネジメントの一環でもあった。「名古屋と甲府に連勝して、連敗を取り戻す」学もそう言ってた。2つセットで考える。それもリーグ戦を戦う上で大事な事…

⇒甚だ結果論だけど、先の事を考え「捕らぬ狸の皮算用」になって、目の前の名古屋戦を落としてしまった。確かに飯倉が2失点に直接的に絡みゲームを壊した。ブチ壊した。アレがなければ「省エネ省リスクで、強かな1ー0」も有り得たかもしれない…… そうなのか?

そんな事前のゲームプラン、皮算用とおりに展開「しない事の方が多い」のがサッカーという競技の難しさであり面白さじゃないのか? 翻って名古屋戦のマリノスは、想定外の先制点や2点ビハインドに対し、その現実を受け入れて反発したか。できたのか。どうなんだ

『内容的には悲観するようなものでない』

試合後コメントで学と中町、喜田がハモってて草生える。どうしても件のコピペを連想してしまって…。うーん、そうね組織的にはホント悪くないと思うよ磐田戦からの4試合。ソレはずっと言ってる。足りないのはチームのメンタル「ここ一時」の勇気だと

「攻撃が連動してない。個に頼り過ぎちゃってるところがあるから。パスを預けて『行ってこい』ではダメ。効率の良い攻撃はできているんだけど、厚みが足りない」中村俊輔

そうね、足りないのは攻撃の「厚み」とあと迫力かしら。的確なコメントだけど、名古屋戦の俊さんは自分のコメントとおりに厚み加えられずサッパリでしたね。さすがに連戦はキツいんじゃないかしら…。ぶっちゃけ今日なら俊さん外して、学と前田直輝を並べても良かったかも

ただいま新横浜。3連敗の事実は受け入れて、忘れよう。修正するとかしないとか以前のミス2つと、メンタルの問題。4日後のホームは、きっと出し惜しみなくやってくれるハズ。ドトールで読書してアタマ切り替え、これ以上の振り返りは敢えてしないよ

「得点は良い感じだった。GKがクロスを取りこぼす予感もしていたし、自分は良いポジションが取れていたので、落ちてきたところを上手く蹴り込めた。(相手GKのこぼれ球を狙っていた?)GKの背が高くても低くても、こぼれ球を押し込む意識はいつも持って、狙っている」シモビッチ

「前半も同じような形からロビン(シモビッチ)が決めたけど、GKの不安定さというか、スカウティング(映像)の中でも怪しいシーンがあったので、前半からああいうところは狙っていこうと思っていた」和泉竜司

「GKがクロスを取りこぼす予感もしていた」
「GKの不安定さというか、スカウティング(映像)の中でも怪しいシーンがあったから狙っていた」

おお飯倉よ。GK稼業は舐められたらお終いやで。挽回は時間が掛かるけど、クロスに対する守備範囲とキャッチは哲也に対するアドバンテージだしな

審判のジャッジには主観が入る。これは人間がやる事だから必然であり、その全てが悪やミスではない「そういうもの」だと受け入れるべきもの。ラインを割った、割らないは機械でジャッジできるかもしれないが、動きの中の接触プレイ・ファウルの有無を人間以外が裁けるだろうか?

審判のジャッジには主観が入る。「俊輔だから取ってもらえるファウル」は確かに存在するし(重ねて言うが、それをミスジャッジだと私は思わない)中澤は真にクリーンなCBだが、少し旧い例で言えば「井原正巳だから取られないファウル、出されない警告」は間違いなくあった

審判のジャッジには主観が入る。俊輔が「狙ってファウルをもらえる」のはジャッジの基準を把握した上で、相手のファウルを誘い、ファウル基準を満たすと確信した上で倒れているからであり、加えて常日頃から「ファウルを誘っているが、ありもしないファウルを捏造する」行為はしていないからだ

審判のジャッジには主観が入る。ほぼ全ての主審はそういった俊輔の「積み重ねた信頼(シミュレーションをしない)」を既に共有しており、だから俊輔が倒れたら躊躇なく笛を吹ける。それは贔屓や偏りではない、と私は思う。サッカーとはそういう競技で、それも技術の1つであると

2年くらい前まで、学は突破を仕掛け接触があった際に踏ん張りきれず自ら倒れる(跳ぶ)シーンが多かった。実際に足が掛かった、ファウルに相当するプレイも少なくなかったと思うが「それでも、あと1歩堪えるべきだ」と繰り返し指摘した。この1、2年はずいぶん改善されたように思う

それは学には「積み重ねた信頼」が足りなかったから。「あと1歩堪えず」自ら倒れる・跳ぶことを繰り返しては審判に「あの選手はすぐに自分から跳んでファウルを要求する選手」というマイナスのイメージが蓄積される。それはドリブラ――特に学のような細かいタッチの――にとって致命傷になりかねない

実際問題として学のようにラン・ウィズ・ザ・ボールのスピードがあり細かいタッチですり抜けるプレイは「DFの足が掛かったか」「それがファウルに相当するか」の見極めは、とても難しい。審判も常に死角を排し、見やすいポジションを取れる訳ではない。なればこそ「積み重ねた信頼」が大事になる

さて名古屋戦の飯倉大樹だ。2失点目は、相手のファウルがあったかもしれない。私はバクスタアッパーの遠目ながら、正当にボールに競り合った結果の接触に見えた。最後は主審の「主観」に委ねられる

そしてこのシーンでも「積み重ねた信頼」的なものは、その主観に影響すると考える

「GKがクロスを取りこぼす予感もしていた」
「GKの不安定さというか、スカウティング(映像)の中でも怪しいシーンがあったから狙っていた」

対戦相手の選手は、飯倉にそんなイメージを持っていたし、実際に1失点目はキャッチミス、ボールをこぼしてしまった事が失点につながった

審判のジャッジには主観が入る。よりクロスキャッチ技術に定評ある、競り合いに強く滅多な事でキャッチングに行ってボールを取りこぼさないGKと、名古屋戦の飯倉のように既にキャッチミスから1失点に絡んだGKがいて、2失点目のプレイに対するジャッジに「主観」が全く影響しないだろうか?

繰り返すが、2失点目のジャッジが「主観」に満ち溢れた、飯倉にとって不利な、ミスジャッジであったとか、そんな話ではない。「堪えきれず倒れる、跳ぶ」事を繰り返すドリブラが自分の立場を不利にしていくのと同じように、キャッチが不安定な姿をさらすGKは、ジャッジも味方にできない、と

ジャッジもそうだし、それ以上に特にCBとGKは相手選手に舐められたら終わり。単なる技術だけでなく、ゴール前の――特に1対1はメンタル的な駆け引きがある。精神的優位を与えると不利になるのは必然。偉大な実績、存在感あるGKは、相手の心理の中でシュートコースが狭くなる

「GKの不安定さというか、スカウティング(映像)の中でも怪しいシーンがあったから狙っていた」

大卒ルーキにこんな事を言われ、その通りに失点するなどGKにとって最高の屈辱。本当にキツい失点。しかしこれすらも糧に、飯倉にはより逞しいGKになって欲しい。プロはプレイで返すしかない