横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

★新春★【チームは前向きにチャレンジする姿勢を取り戻し、ここからビルドアップはシーズン後半にかけ目覚まし進歩を示す。柏や鹿島を相手に、自信持って自陣深くから繋ぎ前に運べる程に。指数変化を見ると、やはり中盤期に大きく積み上がった。 by 蒼井真理】 about エリク横浜3シーズンの総括(2)

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

★新春★エリク横浜3シーズンの総括シリーズ


◾️2017新体制 補強・チーム編成

蒼井真理(@aoi_mari)/2017年02月24日 - Twilog

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  • 2010/11以来、激震のオフ。パンゾーに始まりファビオ、哲也、兵藤が移籍。中村俊輔マリノスと決別
  • 扇原、松原健山中亮輔が加入。待望のCFにウーゴを獲得し、始動後にミロシュとダビも加入。5人の外国籍枠を開幕前にフルに埋めた

■エリク横浜3年目 2017シーズン

  • 基本布陣とリーグ出場時間
    FW ウーゴ
    MF 学、天野純マルティノス
    MF 扇原、喜田※
    DF 山中、ミロシュ、中澤、松原
    GK 飯倉

ボランチ先発は喜田20、扇原18、中町17と僅差。天野純も序盤中心に13先発

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  • 2017得点上位選手とスタッツ
    ウーゴ 10
    天野純  5
    マルティ 5
    前田直輝 4
    ダビド  3

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■2017リーグ戦総括

蒼井真理(@aoi_mari)/2017年12月31日 - Twilog

天皇杯ファイナル前夜、大晦日に書いたヤツな。3年目だから3シーズンの総括に直結する部分も大

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  • チームと監督が目指す「スピード・インテンシティ・ポゼッション」を体現する編成(4-2-3-1とポゼッションをベースに両サイドアタッカにストロングポイントを置く)
  • 方向性の明確な編成により「両翼頼み、後半のオープン適性大」「先制できればやたら強い」傾向は、更に強調

――3年目は記憶に新たな部分、3シーズン総括と被る部分も多いのでざっくり以上。

さあようやくエリク横浜3シーズン総括だよ。前振りが長すぎだよ

■「エリク横浜3シーズン総括」本論の本論

□エリクが植え付けようとしたプレイモデル(原則)と、その達成度

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「考え方としては2点。1つは、継続すべきポイントと改善ポイントを整理し、新監督選出の基本スペックとする。2012年以降積み上げてきたマリノスのスタイルを継続しながら、特に弱みである攻撃面を具体的に進化させる。そういうスキルや技術、経験を持つ監督を選んだ」嘉悦朗 2015

「もう1つは選出のプロセスを変える。サッカー界で成功しているモデルを参考にする。具体的には我々が提携しているCFGが持っているノウハウやネットワークを使い、より精度の高い人選をする」嘉悦朗 2015

上記がエリク就任時の嘉悦社長の会見コメント。以下が3シーズンの指揮を振り返ったエリクのコメント↓

「日本に独自のプレイスタイルを持つクラブは多くないが、我々は自分たちのプレイスタイルを確立する事を目的にやってきた。ワイドにアタッカを置き、有効に使っていく。その中でインテンシティを保ちダイナミズムを生み出す――徐々にチームに浸透し、最初の2年より良い戦いができた」エリク監督

「この3年間でチームは戦術的に成長した。我々にはコレクティブ(組織的)なプレイモデルがあり、それを試合で表現できるようにトレーニングしてきた。その結果、ポジショニングや、プレッシャの中でもビルドアップする事や集団でのパス回し、プレイスピードが向上したと思う」エリク監督

――より具体的に、エリクがマリノスに落とし込もうとしたプレイモデル、プレイ原則を再確認し、それを裏付けるコメントを引用してみたい

過去の連投の引用も多いが、重要な部分なので

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■エリク横浜 プレイ原則の再確認
  • 両WHにストロングポイントを置く
  • 奪ってから縦に早く相手の守備が整い切らない(ブロック形成しない)間に攻め崩す
  • プライオリティは「ウラ、前、縦、ワイド」
  • 「ポゼッションのためのポゼッション」の排除
  • 横パスやバックパス「やり直し」ポゼッションはウラやサイドのスペースを生み出すためにある

「攻撃における理想のスタイルは、我々がポゼッションして、プレッシャをかけられてもしっかりビルドアップし、チャンスやゴールにつなげる。ただし、日本でポゼッションと言うとボールを回しキープするというニュアンスで語られる事が多いが、それとは異なる」エリク監督

「我々は常に前に進む事を意識している。ポゼッションにより相手をあるゾーンに引き付けて、それによって空いたスペースに展開し、前に進む。狙いはそこにある」エリク監督

「重要なのはインテリジェンスを持ちポゼッションする事。相手の守備形態がどういう状況か、スペースは何処に空きそうか。それを瞬時に判断して行動する。繰り返しになるが、ポゼッションのためのポゼッションに意味はない。意図を持ちボールを運ばなければならない」エリク監督

◇攻めのプライオリティ

1.相手DFラインの背後(CFやWHのウラ抜け)
2.A:相手DFとMFの間(バイタル)で前を向く形
2.B:WHが前にスペースあり縦や内に仕掛ける形
3.↑何れかの形を作るためのポゼッション

1.極論、エリク横浜の理想は、アジアチャレンジ・バンコク戦の3点目「自陣の扇原からピンポイント・フィードにFW仲川輝人がDFラインのウラに抜け出しGKと1対1を決めた」ゴール。シンプルかつノーリスク。1本の縦パスでDFの背後を取れるなら、ビルドアップなど必要ない

あのフィードを出せるから扇原貴宏を獲得したし、CFには常に相手DFラインとの駆け引きが求められる。故に富樫敬真へのエリクの期待値は高いし、カイケやウーゴも「そういうプレイが得意」と見込んで獲得した

2.A:しかしゲーム序盤やタイスコア、ビハインド展開では相手DFラインも背後のスペースは慎重にケアしており簡単にウラは取れない。なのでCFが相手DFラインと駆け引きしてゴール方向に引っ張り、バイタルのスペースを作り出し、トップ下(インサイドハーフ)や内に絞ったWHが活用する

なのでCF(とトップ下の選手)は、自分がウラを取れる可能性は低くとも常に相手DFラインとの駆け引きを続け、ウラ抜けの動きだしは行わなければならない。それにより相手DFにラインの上げ下げ運動量、精神的な疲弊を強いる⇒ ゲーム終盤の間延びを生む効果も期待できる

2.B:エリクが好んで使う「サイドでスピードアップする攻め」という表現。ストロングである両WHの突破打開力の活用。学やマル、渓太が “前を向き自分の間合いで仕掛け相手DFに後手を踏ませられる” 展開。そこからの縦に深く抉ってのクロス、カットインからのシュート

それを導き出すために、中央3枚のMF(あるいはSB)には質の高いサイドチェンジや「飛ばすパス」が求められる。相手の守備ブロックをボールサイドに寄せ、一気に反対サイドでフリーのWHへ。両翼WHにはスピードと、最後の1枚を剥がしきる単独の突破打開力が強く求められる

「相手が高い位置でプレスをかけてくれば、その背後には必ず大きなスペースがあるから、ショートパスで繋ぐよりウラを狙った長いボールが効果的になる。相手が自陣でブロックを組めば、よりピッチ幅を意識し使ったボール回しをしてスペースを生み出す」エリク監督

3.自陣深くからのビルドやポゼッションは1と2の前提が容易に満たせない「相手が疲弊してないorビハインドで間延びしてない、自分たちのストロングを生かすスペースがない」展開で「1や2の局面を作り出すため」に行う。目的とプライオリティは不変で、ポゼッションはあくまで手法である

「選手の中には『日本のサッカーは欧州とは違うんだから、ハイプレスをかけたり、激しくデュエルを仕掛けたり、スピードに乗ってリズムよくプレイしていく必要などない。ボールをもっと回して緩急をつけ、相手を走らせていけばいい』という事を言ってくる人もいる」エリク監督

「確かに何事にもバランスが重要だ。しかし、そんなスタイルを今のサッカー界で追及していこうとすると、国際舞台で袋小路に陥ってしまう。日本は世界から取り残されてしまう」エリク監督

グアルディオラマリノスが所属しているCFGのボスの1人だし、パスを多用したサッカーをしている。でも私は、パスサッカーばかりに偏るのでなく、最適のバランスを見つけようと努めている」エリク監督

「それに何より、グアルディオラ自身はティキ・タカ(ショートパス至上主義)を推し進めた事など一度もない。彼が目指しているのはあくまでもゴールを奪う事であって、ポゼッションを高めたりボールを回す事ではないのだ」エリク監督

「パスをするのはディフェンスのシステムに穴を見つけ、そこからスピードに乗って激しく攻撃して行くためだ。必要以上にパスを回す必要など無いんだよ。私はマリノスと日本サッカーを愛すればこそ、世界のスタンダードを植え付けようとしている」エリク監督

――実際、2年目のリーグ戦も「先制した試合」11勝3分0敗と高い勝点率を記録。シーズン後半は特に「前半はグッダグダでも、ラスト15分の互いに間延びした展開では一方的にフルボッコ」展開が多く見られた。エリク横浜の攻めのスタイルとストロング、それが生きる展開は実に明白・明快

しかし「先制された試合」は2勝7分9敗と振るわず、先制した試合14試合に対し、先制された試合は18試合。つまりエリク横浜の(2年目終了時点での)課題は「如何に先制点を奪うか」「先制された際に引いてカウンタを狙う相手を如何に崩すか」ほぼ2点に集約される

そのために「未だ間延びしてない展開で、相手の疲弊や間延びを誘い」「自分たちのストロングを活用するためのスペースを生み出す」ためのポゼッションや効果的なサイドチェンジ、対角のフィードが求められる。そのための前季天皇杯の取り組み&オフの放出と補強であった

「質の高いポゼッションをするには3つのポイントがある。『ボールの動かし方』『選手のムーブメント』『適切なポジショニング』だ。Jリーグ全般において、3つ目のポジショニングに課題があるように思う」エリク監督

「(マイボール時、敵陣に)スペースが空いているのに、そこに味方の選手がいない・入り込まないから展開できないシーンが散見される。我々もその点は、これまで以上に意識して向上させていかねばならない」エリク監督

◇守備のプライオリティ

実に単純で、攻めのプライオリティの真逆になる

1.DFラインの背後を取らせない
2.DFとMFの間(バイタル)で前を向かせない
3.サイドで縦や内に仕掛ける形を作らせない
4.↑ための制限、サイドチェンジを出させない

「ただ人数を自陣に割いて守るのではなく、個々がインテリジェンスを持ち守備のプレイ原則をしっかり理解して、コレクティブな守備をしなければならない。例えばウラに抜け出そうとする相手選手を如何にコントロールするか、などが重要になる」エリク監督

「まず相手のパサー(ボールホルダ)に余裕と時間を与えないよう寄せるのが理想。もちろん常に寄せるのは不可能なので、相手が自由にプレイできそうなら、我々は組織を作り構えなければならない。そしてウラに抜け出してくる選手は必ずケアしなければならない」エリク監督

――上記の通り、エリクの示したプレイ原則は攻守に渡り非常にシンプルかつ合理的で、プライオリティ(優先順位)も明確。教科書どおり。その現代サッカーにおける「あたり前な」プレイ原則、プライオリティを「再確認し、習知徹底させる事」がマリノス監督就任におけるエリクの大きなタスクであった

■プレイ原則の習熟度、成否

掲げたプレイ原則をどれだけ習熟させ試合で表現できたか。その成否、達成度と「できなかったもの」と「その理由」について、エリクの証言も交えつつ考察したい。エリク横浜3シーズン総括、本論中の本論でもある

・相手のプレスを回避する自陣ビルド

これは就任1年目の序盤から取り組み、GKからCBを経由したショートパスを繋ぎ、相手を自陣に引き付けて背後の広大なスペースを活用しようとする意図は見られた⇒

⇒しかしチームには「ビルド&ポゼッションは引き落ちた俊輔を経由・依存する」体質が根強く、また後方の中心選手である中澤や勇蔵、GK哲也は足元で持ち繋ぐスキルや適性を欠いていた⇒

⇒GKを哲也から飯倉に、CBを勇蔵からファビオに変えていくなど緩やかなスタイル変更への取り組みはあったが、様々な理由から元の陣容に戻ったり、俊輔も離脱と復帰を繰り返す中で、エリク横浜1、2年目は本来目指す方向性に振り切り専念する環境は整わなかった⇒

⇒加えてコレクティブな自陣ビルド&ポゼッションを徹底できなかった背景には「1人でボールを運べてしまうアデミウソンマルティノス」の加入や、マリノスの取り組みを喝破し対戦相手がハイプレスの頻度や強度を高めた事など、複数の要素がある

だが2年目シーズン終盤に、チームは針を振り切る。天皇杯で「できもしない自陣ビルド」に拘り、自らピンチを招きながらも勝ち進む中で、次第に手応えを得て急速にビルドアップの質を高めていった

3年目、2017シーズンもその自陣ビルドに拘る姿勢を貫くが、序盤は昨季から一進二退。ビルドも、そこからの両翼への展開も工夫を欠いて実効性や結果に繋がらない試合も多く、手応え進捗は乏しかった

だが2017シーズン中盤、カピタン学の叱咤や青空ミーティング、ル杯でのBチームの躍進でチーム内競争が活性化。再びチームは前向きにチャレンジする姿勢を取り戻し、ここからビルドアップはシーズン後半にかけ目覚まし進歩を示す。柏や鹿島を相手に、自信持って自陣深くから繋ぎ前に運べる程に

「(2017年9月)現時点での評価は、ビルドアップはだいぶ良くなってきている。サイドからの仕掛けもそれなりに出来ているが、中央からの連動した崩しは更に精度を上げていきたい。フィニッシュの精度もまだまだ低いと見ている」エリク監督

・サイドからの仕掛け

1年目は左WHの学、後半は右WHに定着したアデミウソン、2年目以降はマルティノスと、スピードと打開力ある個が中心となりチームの強みは明確化。加えて3年目は天野純がハーフスペースで効果的に左サイドを活性化。学が警戒・対策される中での打開の一助となった

・敵陣ポゼッションと中央の崩し

残念ながら3シーズンでの進捗手応えは乏しい。引いた相手を崩せてないし、上位クラブ相手には敵陣に押し込み厚みある攻めもできなかった。ブロック内側、中央にパスを打ち込んでのコンビネーションもほとんど実践できていない

敵陣ポゼッション、中央の崩しに進捗乏しく攻撃のパターンが両翼に偏り、その結果として試合展開や勝ちパターンまで限定されてしまった背景も1つではない。しかし端的に言って「前線で収まるCFの不在」は極めて大きく、それを補完できるトップ下(及びインサイドハーフ)の適性や強度もなかった

⇒方向性に沿った補強も成されたが、前田直輝や遠藤渓太は十分な結果を出したとは言い難い。また「サイドでスピードアップした攻め」を導くための効果的なサイドチェンジやフィードも、3シーズンでの進捗は乏しく積み残した課題である

対戦相手やゲームプランによっても異なるが、基本エリク横浜は遅攻時、ボランチの一方はアンカとして中盤の底で散らし役となり、もう一方がトップ下と並び2人のインサイドハーフとなり中央に▼逆三角形を形成。CFを加えた3名のコンビネーションが中央の崩しの肝となる

しかしエリク横浜3シーズンにおいてボールが収まるターゲット型のCFは不在。インサイドハーフを務める俊輔、三門や喜田、中町、天野純の何れも「相手守備ブロック内側で動きながらボールを受ける」スキルや強さは不十分。どうしても「違いを生み出す」攻め崩しは、両翼WHに依存せざるを得なかった

「我々は攻撃における連動性、動きながらのコンビネーションを重視しているが、天野純はそれを最も理解している選手の1人だ。動き出しのタイミングが良く、状況判断も非常に優れている。今季は素晴らしい成長曲線を描いており、チームにとって重要な選手」エリク監督

「あともう少し、スプリントのスピードと敏捷性、パワーといったフィジカル面が伸びてくれば、天野純は更に多くのフィニッシュに絡めるようになるだろう」エリク監督

エリク横浜3年目にレギュラを掴んだ天野純にはブロック内側の隙間で半身受けて前を向くプレイ指向性はあるが、単独でやり切るパワーやクイックネスはない。そして彼の不足を補うCFのポストワーク、前線で守備者を引き付けたりタメを作る仕事も、残念ながらエリク横浜にはないまま終わった

……本当にウーゴがあの希有なゴールセンスそのままに、あと幾許か前線でタメ収めるスキルがあれば――あるいは天野純に単独で1枚剥がすパワーやクイックネスが、喜田がマイボール時にも貢献できる選手であれば。2017シーズンの布陣でも、もう少しリーグタイトルに迫れたのではないかと思う

・ドリブル回数 リーグ順位

2012  6位
2013  6位
2014 14位
2015  8位
2016  2位
2017  1位

学が復帰しドリブル打開は大きな武器になるも、マルキとドゥトラを失った2014は大きく減退。エリク横浜ではマルティノスの加入が決定打に

・ボール支配率 リーグ順位

2012 8位 51.3%
2013 2位 54.9%
2014 3位 54.7%
2015 4位 54.1%
2016 7位 51.7%
2017 9位 50.2%

↑ドリブル数とボール支配率、そのリーグ順位の変遷は、樋口体制とそれを引き継いだエリク横浜3シーズンの明確なスタイルの変化、攻撃の中心が俊輔から齋藤学(やマルティノス、両翼)に変わっていった様を如実に表している

2017シーズン自陣ポゼッション時のゴール率、シュート率ともにリーグ3位。ただ去なし繋ぐだけでない実効性。ドリブル使用率3位、空中戦使用率18位。およそイメージを裏切らない数値データが並ぶ。指数変化を見ると、やはり中盤期に大きく積み上がった

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2017シーズン敵陣ポゼッション時のゴール率15位。シュート率17位。なかなか絶望的。ドリブル使用率1位、コンビネーションプレイ率17位。学とマルを抑えられると完全に手詰まり、ブロック内側を攻略できない事実はデータも実証

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これも遅攻、ポゼッションが機能しななかった事を証明するデータ。2017シーズン(珍しく)ボール支配率の高かった上位6試合で勝利なし。「引いた相手を崩せない」エリク横浜の積み残した課題の最たるもの

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――以上がエリク横浜3シーズン攻撃パートのプレイモデル成否、達成度の考察。他に攻セットプレイとかあるけど冗長になるから省略。Football LABにはいろんなデータ落ちてるから、ヒマな人は検証してみると面白いよ。守備パートは、晩ご飯たべてから

◾️守備パートのプレイモデルの成否、達成度

――さてエリク横浜3シーズン総括「守備パートのプレイモデルの成否、達成度」この考察の大テーマの1つ

“樋口横浜の最大の強み、成果であった「ロストした瞬間、一歩前へ」「適切な選手の距離感」それに拠る「セカンド回収率と2次攻撃」「敵陣でのゲーム支配」は、なぜ継承されなかったか?”

  • 樋口監督とエリクに求められたタスク、監督としての志向や資質の微妙な差異
  • マリノスが伝統的に苦手とする「ピッチ上の判断、意識共有と修正」
  • J1基準と欧州基準の差異
  • エリク初戦の惨敗、ファーストインパク
  • 求められたタスク、志向や資質の微妙な差異

樋口監督
マリノスのスタイルの確立」
「攻守に能動的なサッカー」
「ブレないチーム作り」

エリク
「樋口横浜のベースを引き継ぎ」
「足りなかったものを埋める」
「世界のスタンダードを植え付ける」
「あたり前のプレイ原則の徹底」

樋口監督は、先ず「理想のスタイル在りき」で組織のフレーム(枠組み)重視。類型的に「組織を構築する建築家」タイプだが、パーツやディテールより「理想とするイメージ」とピッチに体現される現象が優先される。「勇気や躍動感、能動性」前に出る姿勢、距離感やセカンド回収率