横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

★新春★【こうして振り返ると、1年目の後半から2年目、3年目と「両翼頼み、後半のオープン適性大」「先制できればやたら強い」傾向は、強調の一途だったと改めて実感。それ以外の積み上げに、なかなか着手できなかった by 蒼井真理】 about エリク横浜3シーズンの総括(1)

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

★新春★エリク横浜3シーズンの総括シリーズ


「エリク横浜3シーズンの総括」エリク・モンバエルツ監督がマリノスにおける3年間の任期で果たした仕事について、主観と偏見と閑話に満ちた考察を連投する

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より具体的にエリクの仕事と成果――年間の順位や勝点、得失点、採用したシステムや戦術構築、如何に選手を起用し成長を促したか――を振り返る前に、「監督の仕事」そのものについて考察する。前振りが長いのは芸風だから気にするな

クラブにおける監督の役割、仕事

まず大前提として、監督は「現場のボスであり現場における全責任と決定権を持つ総責任者」であるが、クラブレベルで見れば「中間管理職」である

クラブ、フロントから「与えられた限定的な環境」の中で「クラブの設定する指針、方向性に基づき」要求された「タスク(仕事、目標)」達成のために最善を尽くすのがサッカー監督の役割、仕事になる。クラブ全体で見れば役割も権限も限定的なもので、決して全てをコントロールできる神ではない

およそ凡ての監督には大なり小なり「こんなチームを作りたい指揮したい」という理想や志向、趣向はあるが、クラブには予算規模があり、その中で戦力維持や補強に使える「チーム人件費」も決まっている。それを左右するのはクラブの「経営努力」で、監督にできるのは結果で貢献する事だけだ

「監督は1人ひとり、このチームをどのように機能させたいか構想を持っている。来季に向けてクラブと立てる補強計画も、それを実現するため必要な選手を揃えるのが監督の立場からすれば一番の狙いになる」カルロ・アンチェロッティ

「とはいえ現実に監督がチーム作りのプロセスに責任者として参画する事は難しい。希望する選手リストを提出するし、少なくともどんなタイプの選手が必要かはクラブ首脳に伝えるが、最終的な権限はない。監督の要請が満たされる割合は50%といったところではないか」カルロ・アンチェロッティ

「それは最終的に、どの選手を売って誰を獲得するか左右する最も大きな要因が、監督のニーズではなく、クラブが持っている経済力だからだ。そのため監督は、クラブの運営状況について基礎的な知識がなければならないし、国内外の移籍情報にも通じていなければならない」カルロ・アンチェロッティ

――最終的にどのポジション、選手を放出し補強するか権限と責任はフロント、強化編成部(現マリノスならアイザック・ドルSD)にあり、監督の要求が全て通る訳でない。またクラブ財政状況を知り「買って買って! じゃないと勝てないよ!」と駄々こねず「欲しがりません勝つまでは」精神も求められる

かつてのサー・アレックス(ファーガソン/マンU)やベンゲルアーセナル)のように強い編成権を持つマネージャ・タイプの監督は、欧州にも稀な存在。日本でも西野朗岡田武史のような存在はあったが、現在は編成権と現場のトップ(監督)は切り離され分業がほとんどである

なんとすれば監督は「運が50%」という不確実性の高い試合の最前線で戦う現場指揮官であり、正しい補強や正しい指導が(短期的には)必ずしも正しい結果に結びつかないカオスなサッカー界で、時に「自分がクビを切られる」事で最後の貢献を果たさねばならない。司令部との兼任はリスクが高すぎる

「最終的な編成権はなく監督の要請が満たされる割合はせいぜい50%」の上に、就任1年目の監督は「ほぼ100%フロントに与えられた戦力」でチームをやり繰りして、クラブのタスク要求に応えていかなければならない。これは1年目のエリクも、来季のアンジェ・ポステコグルーも同様

来季へ向けたチーム編成「今季の評価と来季への補強」の構想と話し合い水面下のアプローチは、オフでもリーグ終盤でもなくシーズン半ば(Jリーグなら7、8月)にはスタートするからだ。でなければ市場における獲得合戦に出遅れ、予算に見合った効率的な補強はままならない

――これは就任1年目の監督の不自由さと同時に、シーズン終盤ギリギリで昇格を決めた(特にプレイオフ)クラブが翌シーズン苦しむ理由の説明でもある。昇降格、戦うステージが変わる事は編成、運営面に大きな負荷と火急の対応を要求する

よって「新監督の就任決定が遅過ぎる」「もっと早ければアンジェと話し合い補強が進められた」という批判は、妥当性に欠ける。11月でも12月でも編成作業的には今更であり大きな違いはない。学さんが批判したと一部報道もあったが、それは本当に「監督決定の遅さ」についてだったのかな…

…俺が学なら、よりチーム内で自分も生きて本気でリーグ優勝を狙うため思うなら「ちゃんと金を掛けて15点計算できてもう少し前線で収まるCFを獲得してマジで」と要求してるけどな…。そういうCFがいれば学自身の得点もアシストも増え評価も上がる。現状はWHに求められるものが大き過ぎる…

――また「エリク横浜3シーズン総括」から脱線してるっつーか本論にすら入ってないが、仕様だから気にすんな。そういう雑談、あれこれ足りなかったものも含めエリク横浜3シーズンだ

閑話休題。――クラブ、フロントの強化編成の決定において「単純なチーム戦力」の枠を超えた思惑が影響する事もある。「ファンの存在」「マーケティング、スポンサやメディアへの露出」「チーム内カースト影響力」 …つまりアイコン(象徴)やスター選手、バンディエラや生え抜きと呼ばれる存在

時にクラブ、チーム、メディアやファンに対し特別な(フロントや監督以上の)発言力や影響力を持つ選手が存在する。その扱いはフロントにも監督にも極めて難しく、慎重な対応が要求される。些細な思惑違いが、ファンやメディア、選手あるいはチーム全体の猛反発に繋がる事も。実に恐ろしい

そういった特別な存在、アイコンをフロントや監督が「支配しコントロールする」のは不可能に近い。コミュニケーションを密にし「あなたの敵ではない、あなたの価値を認め信頼してます」といった姿勢を伝え上手に付き合うか、バッサリと排除するかの二択。関係を拗らせ放置すると実に面倒な事になる

サカつく」ではない。シミュレーションゲームではなく機械でもない。感情を持った人と人の集団コミュニティで、クラブもチームも社会の縮図というより、社会そのものだ。一方で、プロの契約社会であり選手も監督も皆が、それぞれの技能を売り価値を高めようとする「個人事業主」特殊な業界でもある

詰まる所、監督は「ゼロベースから」チーム組織を、自分の理想通りに作り上げる事は不可能だ。目標タスクもクラブに要求されるもので自分で設定する事はできない。結果とプロセスを評価するのもフロントやファンやメディアであり、現場の総責任者で全ての結果に責任を負うが、権限は限定的である

選手を預かり、指導しチームを運営しシーズンを戦う中でも、監督はフロントやファンやメディア、そして何より選手たち――感情をもった自尊心の強いプロ選手と上手く付き合っていかねばならない。特に内外への影響力中心選手、ベテラン、アイコンの扱いは難しい

(だから昨日の敗戦後の会見でも、エリクは最後に中澤とサポータ、メディアに感謝の言葉を残したのです)

監督もフロントも、様々な理由から「ぼくが考える理想のスカッド(選手構成)」は構築できない。単純に全ての選手を入れ替えるのはコスト面から不可能で、複数年契約してしまっている選手もいる――昨季のジェフみたいな例は希有であり荒療治だ

どこまでも監督の仕事は「中間管理職」的であり、人とコミュニティのマネジメント能力も求められる。「単なる戦術オタク」では長く務まらない。20~30名の戦力は与えられたもので、ピッチに立たせられるのは11人。選ばれなかった選手は必ず不満やストレスを抱える

それでも監督は、在任中は与えられた環境(主として選手、現場スタッフ)について不満を公には口に出来ない。なんとすれば「現場のボス」であるため、仕事が上手くいかない理由を彼らに求めては現場の求心力を失い、チームのモチベーションは地に落ちる

…この辺は普通の会社の中間管理職、現場責任者と何ら変わらない。上から与えられた環境と人材で、与えられた目標達成のためベストを尽くすのみ。「コイツらじゃ無理ゲー」とか言った瞬間、上にも下にも見放される。「評価されてない信頼されてない」と感じた現場スタッフは、最低限の仕事しかしない

監督は孤独だ。不満があっても愚痴も言えない。一般社会の中間管理職以上に、サッカー監督には言える相手がいない。エリクが「我々には3シーズン、ストライカが不在だった」と言えたのも、退任が決まった3年目のシーズン終了間際だった

――だから世の監督にエリクに同情しろ、と言ってるのではない。「監督とはそういう仕事」なのだ。それを受け入れられないなら、やるべきではない。与えられた環境の中で、求められるタスクの達成度を少しでも高め、より良い結果を残すためにベストを尽くす。監督にはある種の「諦観」が不可欠

諦観、本質の見極め。ある種の諦め。環境や選手、結果に理想通りの100点満点を求めない。追求しベストを尽くすが、それを得られなかったからと大きく失望したり投げ出したりしない。理想通りいかない事、結果は結果として受け入れる――その上で、チームと選手への情熱を失わない

実にサッカー監督とは孤独で、因果な商売だ。環境はコントロールできない領域が多く、結果には全責任を負わされる。不確実性の高い競技故にチームの指導育成はプロセスが重要だが、それが振り返り評価されるのは「結果」が出た後だけ。成功者だけが、過程を振り返り評価してもらえる

この冗長な前振りで何が言いたいか

2015  7位
2016 10位
2017  5位

こんなリーグ戦の順位だけで、エリク横浜3シーズンの仕事を正しく振り返ることはできない、もっと見るべきものが沢山あるという事だ

  • どんな状況でチームを引き継いだか
  • その時の選手構成は、クラブ財政は
  • 前季までのチームの成績や課題は
  • 何があり、何が足りなかったか
  • クラブに求められたタスクは何か
  • チームに何を成し残したか
  • 一過性か、持続可能なものか
  • 有形のものと 無形のもの

リーグ戦の順位やカップ戦のタイトルの有無は1つの結果に過ぎない。もちろん監督とは、その「結果だけで評価され責任を負う」仕事だ。その事は否定しない。だが “その前後や内側” にも見るべきものは必ずある。監督がクラブとチームに残すものはあると、私は思う

――ここまでがエリク横浜3シーズン総括の壮大な前振りである。自分としても既にお腹一杯である。本論の下書きをこれから始めるが、雑で薄っぺらい内容に終わったり、あるいは何も連投されず新体制発表の日を迎えても「ああ面倒臭くなったんだな」と お察し下さい


小学生でも5分でわかる!マリノス経営危機とCFG提携まで
  • 2014年4月
    日産から10億円の特別利益計上

  • 2014年5月
    CFGとマリノス、日産が三者提携

  • 2014年11月
    樋口監督の退任リリース

  • 2014年12月
    エリク監督就任が基本合意

  • 2015年5月
    マリノスタウンからの移転リリース

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  • ところが2008年のリーマンショックで、再び日産の業績は悪化し赤字に転落。それ以前から業績伸び悩みもあった中、ジャブジャブ経営で赤字を垂れ流していた左伴社長は引責退任

  • 2007年途中から就任した齋藤社長は日産から「コストカット、身の丈経営」を託されます

  • 齋藤社長就任から2年で、マリノスの広告料収入は26億から13億に半減。DAZNマネーもビックリな減収

  • 日産の「赤字補填」は段階的に終了して基本は「相場に色を付けた胸スポンサ」という、本来プロクラブとしてはあたり前の関係に

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  • それでも齋藤社長の2007~09年、単年の収支はほぼトントン。つまり「身の丈経営」が大前提、広告料収入が減るのは就任時に織り込み済み

  • その分コストカット、チーム人件費も半減。加入するのは高卒選手ばかり⇒ 当然チームは万年中位に

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  • そんな中で経営と成績回復のための起爆剤として中村俊輔マリノス復帰計画。しかーし土壇場で頓挫。齋藤社長は厳しく責任を追求され体を壊し退任

  • 2009年途中に引き継いだのが我らが嘉悦社長でした

  • 嘉悦社長は「身の丈だけでは先細りするだけ」「強いマリノスを取り戻す」と方針転換

  • 左伴時代ほどでないにせよ、人件費を拡充し「強くなって動員と収入を増やす」投資を断行。当然の結果として、単年の赤字は積み上がります

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  • 嘉悦社長にとって計算外だったのはJリーグが、連続の赤字や債務超過を認めないクラブライセンスを導入した事

  • まず投資して「今は赤字でも強いチームを作り長期視野で負債は返す」目算が狂ってしまった

  • 更に大震災や長引く不況もあり動員や収入も、そして成績も思ったほど伸びていかない

  • 2012年決算は6億の赤字、債務超過16億円。14年以降、単年度の債務超過でライセンス剥奪――あと2年で去年6億の赤字だった経営を毎年8億の黒字に変えなければ

  • そんなの無理ゲー。嘉悦社長は日産と話し合い、翌年10億の特別利益計上を認めてもらいます

  • 日産もポンと10億を補填してくれた訳ではなく、嘉悦社長の就任以来の経営努力、今後の経営自立への青写真など総合的に評価しての事

  • その中には「マリノスタウンからの移転」「CFGとの提携」なども織り込まれていたハズ

  • 嘉悦さんは退任時の言葉通り、自立への道筋は付けていかれた

――CFGとの提携の背景や意味なんかは過去の連投↓を参照されたし

■まとまらない思いを箇条書き

蒼井真理(@aoi_mari)/2016年11月05日 - Twilog

■CFGと日産がマリノスに求めるもの

蒼井真理(@aoi_mari)/2017年02月12日 - Twilog


……本論のハズが、全然エリクの話が始まらねえ。仕様だ芸風だ言いつつウンザリしてきた

でもホント監督の仕事って「与えられた環境」の中でだから、クラブ財政や経緯も理解してないと評価しようがない。お金がないと持続的に強いチーム作るのは基本無理

そして今のマリノスは金満ではない

マリノスは2007年からこっち、一面的には世間の人が思うようなビッグクラブであるけれど経営的には今もってカツカツで、結構ギリギリなんだって事はファンの皆さんに理解しておいてもらいたい。今季からバクスタが指定席になり値上げされるのも、生暖かく受け入れてクラブに金を落として欲しい


「エリク横浜3シーズンの総括」本論

  • どんな状況でチームを引き継いだか
  • その時の選手構成は
  • 前季までのチームの成績や課題は
  • 何があり、何が足りなかったか

昨日の続きだよ! 今度こそエリクの話するよ(たぶん

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□ 樋口横浜3シーズンの成績

2014 勝点51 7位 14勝9分11敗 得37失29+8
2013 勝点62 2位 18勝8分 8敗 得49失31+18
2012 勝点53 4位 13勝14分7敗 得44失33+11

□ エリク就任前年2014シーズン
基本布陣とリーグ出場時間

FW 伊藤翔
MF 学、俊輔、藤本淳吾
MF 中町、小椋※
DF 下平、中澤、勇蔵、パンゾー
GK 哲也

ボランチは中町、小椋、富澤、兵藤の4人で流動的。兵藤は両SHでも起用

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2014得点上位選手とスタッツ

伊藤翔  8
齋藤学  4
ラフィ  4
中村俊輔 3
藤本淳吾 3
兵藤慎剛 3
栗原勇蔵 3

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  • 37得点は樋口&エリク体制6シーズン7得で最低の数値、リーグ13位。リーグ34戦で無得点試合が1/3以上の13試合
  • 失点29はリーグ最小、樋口体制3シーズンで毎年減らし続るも圧倒的な「課題はそこじゃない」感、閉塞感
  • 7月加入のラフィーニャが3試合連続ゴールも負傷、帰国
前季までのチームの課題は
  • 何があり、何が足りなかったか

2013チーム得点王、前線で収める&限定守備で16ゴール以上の貢献あったマルキーニョスが移籍した穴を全く埋め切れず。DFラインに限らず、全体の距離感や守備への切り替えも良好。堅守ベースで中位も、絶望的に得点力が不足

攻撃回数2位、インターセプト数1位、タックル数2位。ボール支配率3位

2014シーズン樋口3年目は「全体の距離感を適切に保ちゾーンを押し上げ、ロストした瞬間の切り替えとセカンド回収率を高める」「より相手陣内でゲームを進める」目指した方向性のバランス、完成度は高まっていた

しかし前線の核であったマルキを失い、後に少しずつ適応していく伊藤翔も1トップCFタイプではなかった。トップ下の俊輔はFWを追い越すプレイは不得手、前年は「左ペナ角崩し」の主役であった学もマルキとドゥトラのお膳立てを失い、打開する型を新たに構築するため再び悩みの森へ

――方向性は明確でベテラン中堅も円熟期。完成度は高まるもCF不在、それを補い打開する個も組織もない。ゴールが絶望的に足らず、シュート打てず、チャンス構築できない

絶対的なCFを獲得するか、組織を(主に攻め崩しの部分で)再構築する≒監督交代か。強い閉塞感があったのは間違いない

□樋口体制3シーズン総括

蒼井真理(@aoi_mari)/2014年11月10日 - Twilog

□樋口退任からエリク就任まで

蒼井真理(@aoi_mari)/2015年01月02日 - Twilog

とんでもなくヒマな人でなければ読み返す必要はありません


――よし! ようやくエリク就任1年目2015シーズンにたどり着いたよ

■2015新体制 補強・チーム編成

蒼井真理(@aoi_mari)/2015年01月18日 - Twilog

↑この連投はエリク横浜3シーズン序章の振り返りとして、後半の「人格分裂漫談」含め悪くないのでサラッと目を通して欲しい

面倒な人のためにポイント部分をキャプ引用

  • 2015チーム世代構成

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  • 2015 IN&OUT

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即戦力補強ゼロ! 前年リーグ13位の37得点、無得点試合が13試合なのにCF獲得せず! ラフィーニャのフル稼動に期待! そんなエリク就任1年目

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■クラブに求められたタスク
  • 得点力、チャンス構築力の向上
    「守備はできてるから得点力たのむ」でもCF獲得せず! ラフィの復活に期待しつつ新監督に丸投げ!

  • 樋口体制ベースの引き継ぎ活用
    継続性が大事! 補強費ないし、既存の戦力と戦術フルに使って上積みよろしく!

明文化しない裏タスク的には

  • CFG提携を今後フル活用していくため現場全領域で(戦術もトレーニングも選手の評価も)欧州トレンド、手法を徐々に取り入れベース構築
  • 世代交代への準備、若手の育成

樋口3年間かなりレギュラ固定、即戦力補強の金もない。自前で若手を戦力化したい

  • 脱・俊輔&中澤依存

コレはあったか。ないかなあ。2010年末のアレがトラウマになってた嘉悦さんとしては、頭の隅にあり続けた懸案事項だったハズ

でもエリクに直接どうこうしてくれってのはなかったかなあ…。逆に「俊輔をちゃんと大事に使ってあげて」ってお願いはあったかもね

□2015シーズン開幕前の選手評

蒼井真理(@aoi_mari)/2015年03月07日 - Twilog

こういうヤツは毎年書き残すべきだと思うのです。思うのですが


■エリク横浜1年目 2015シーズン
基本布陣とリーグ出場時間

FW 伊藤翔
MF 学、俊輔、アデミウソン
MF 喜田、三門
DF 下平、ファビオ、中澤、パンゾー
GK 飯倉

※アデはCFやトップ下、三門もトップ下10試合先発

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  • 俊輔が開幕前に手術。スタメン復帰は2ndの1節から。最初の4試合はボランチ起用も後にトップ下に
  • アデミウソンが2月に加入。2節から出場し俊輔不在の穴を埋める活躍
  • 喜田と三門がエリクに重用され飛躍的に出場機会を増やす
  • 飯倉が哲也から、ファビオが勇蔵からレギュラ奪取
  • シーズン序盤は俊輔不在、トップ下には喜田や三門、アデミウソンを起用
  • 樋口時代からの大きな変化として「中央3枚はインテンシティ重視」4ー2ー3ー1より 4ー3ー3に近いイメージ
  • シーズン序盤は序列に大きな変化なく、少しずつ違うポジション、選手を試し独自色
  • 2nd9節 浦和戦、俊輔は問答無用の超絶パフォーマンス示し、トップ下に復権
  • トップ下にインテンシティ型を置いた 4ー3ー3に近いスタイルは放棄
  • シーズン後半は「右WHアデ、左WH学の両翼がゴリゴリ運ぶ」が基軸。後のエリク横浜ベースが構築される
2015得点上位選手とスタッツ

アデミ  8
齋藤学  7
伊藤翔  6
ファビオ 4
三門雄大 4
中村俊輔 3
藤本淳吾 3

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■2014⇒ 2015 比較

得点:
37⇒ 45(リーグ13位⇒6位)
シュート:
13.0⇒13.8(リーグ12位⇒6位)

課題だった得点力とチャンス構築力が大きく向上! ほとんどアデミウソン効果だが――上手く彼をチームに落とし込んだ

アデミウソンと学の2人で、チーム総シュート数の 37%を占める。決定率はアレですが

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  • エリク横浜1年目の後半には「両翼WHがゴリゴリ運んでビルド&ポゼッション省略」「チャンス構築もお任せ」「ロングカウンタ、オープン適性大」の型を構築
  • 一方で俊輔が復権し「流れの中で点に絡まないトップ下」「前線で収まり15点計算できるCF不在」の問題は棚置きのまま

――以下、2015リーグ最終戦後のエリク会見コメントを引用

『今シーズンやって来た事、その積み上げが出たゲームだった。特にプレイの連続性。遅攻からボールを失っても、すぐに奪い返す部分は出せた。これは来季にもつながると思う。だが相手の下がったブロックに対し、“取り切る” 力を付けないと、リーグでトップ争いをする事はできない』エリク監督

『もちろん、この点を取る――引いた相手から “取り切る” という部分を改善するのは、とても難しい事。しかし、ここが必要な(今のマリノスに足りない)部分だ』エリク監督

『客観的に見て、今シーズン我々を苦しめたのは、“ラフィーニャが年間を通してメンバにいない事” だった。FW、ストライカとして多くの役割と責任が伊藤翔だけに掛かった。両サイドのアデミウソンと学は、もう少し取れたと思うが、このポジションでは十分な得点数を挙げてくれた』エリク監督

『やはり、ラフィーニャの負傷離脱が大きかった。2ndステージは、ほとんど試合に出る事ができてない。確かに富樫敬真も決定的なゴールを(ホーム瓦斯戦で)決めてくれたが、FW陣の競争が今シーズンは少なかった。来季は、この部分も必要になる』エリク監督

就任1年目の終わりから既にエリク「CFなんとかしろ マジたのむ」言ってたね…

攻撃回数 2位⇒11位
インターセプト数 1位⇒ 8位
タックル数 2位⇒ 9位

  • 樋口時代の「奪った瞬間、一歩前へ」を戒め「内を閉めろ背後を取らせるな」を徹底した結果、敵陣でのボール奪取、セカンド回収率、2次攻撃は大きく低下。前体制との特徴的な大きな変化に

この守備面、ネガティブ・トランジションの変化「樋口体制に積み上げた最大の強みが継承されなかった」問題については、3シーズントータルの総括で改めて触れる。…エリクも「やらせない」つもりは決して無かったんだよなあ

――以上、2015エリク横浜1年目の振り返りでした。このシーズンは総括サボってる。オフは2ヶ月以上あったのに

でも3年間を終えた今、改めて1年目を振り返ると新たな気付きがあるね。「問題の本質はずっと変わってない」「今に至る問題の萌芽が既に」とか、そういった類の気付きだけど

■2016新体制 補強・チーム編成

蒼井真理(@aoi_mari)/2016年02月27日 - Twilog

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  • 前年の得点力、チャンス構築力↑に多大なる貢献を果たし、ビルド&ポゼッション省略可能とする「ゴリゴリ運ぶドリブル」で戦術的にも存在意義の大きかったアデミウソンが吹田にしがらみ移籍
  • CF補強またしてもゼロ! 即戦力補強は前田直輝金井貢史と超ビミョー
  • ラフィーニャが開幕前にまたまた負傷、全治6ヶ月の長期離脱
  • 長谷川スピード社長はスピーディに外国籍選手の補強に動き、迅速にFWカイケを4年契約で獲得!

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4年4億 カイケ様のオマケで、キュラソー代表の格安選手も獲得してきたよー

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■エリク横浜2年目 2016シーズン
基本布陣とリーグ出場時間

FW カイケ
MF 学、俊輔、マルティノス
MF 喜田、中町
DF 金井、ファビオ、中澤、パンゾー
GK 哲也

CF伊藤翔、左SB下平も一定数先発。俊輔はスタメン17試合、不在時は2トップ採用も

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2016得点上位選手とスタッツ

齋藤学 10
中町公祐 6
伊藤翔  5
富樫敬真 5
マルティ 4
カイケ  4
中村俊輔 3

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■2014⇒ 2015⇒ 2016 比較

得点:
37⇒ 45⇒ 53(13位⇒6位⇒5位)
シュート:
13.0⇒13.8⇒13.7(12位⇒6位⇒5位)

アデが移籍、カイケ素行不良も、学がエースとして覚醒し終盤に爆発。中町と敬真も望外のゴール数、2年連続で得点数+8

□2014⇒ 2015⇒ 2016

ドリブル数:
 14位⇒ 8位⇒ 2位
攻撃回数:
 2位⇒ 11位⇒ 11位
ボール支配率
 3位⇒ 4位⇒ 7位

樋口3年目からエリク2年目、スタイルとチームの強み、攻撃の中心選手の変化を如実に示すデータ

チームの中心は、俊輔から学へ

■2016リーグ戦総括

蒼井真理(@aoi_mari)/2017年01月03日 - Twilog

こうして振り返ると、1年目の後半から2年目、3年目と「両翼頼み、後半のオープン適性大」「先制できればやたら強い」傾向は、強調の一途だったと改めて実感。それ以外の積み上げに、なかなか着手できなかった

  • 俊輔がリーグ戦の半分不在。いるといないでサッカーの質が大きく変わってしまい、攻守に継続的で方向性ある積み上げが困難
  • カイケはフィットしないまま素行不良で謹慎。CFを固定できず、2トップのテストも中途半端に
  • シーズン終盤ようやく自陣ビルドに着手し天皇杯で一定の手応え