いた
凄くよい学習機会だったので簡単に残しておきます。
鳥栖戦。
「非常に残念だった。特に前半のパフォーマンスが良くなかった。その点、鳥栖はしっかり我々の攻めを阻止することができて、いい試合ができたのではないでしょうか」アンジェ・ポステゴグルー
このコメントから見ても、リーグ3試合の中では最もよくないパフォーマンスだったことは認めなきゃいけない。
要因は複合的な要素。
①鳥栖のマンマーキング的プレッシング
②荒れて乾いたピッチ
③選手の技術的な質と自信
まあこれだけネガティブな要因が揃えば、うまくいかないのも納得できる。
①鳥栖のマンマーキング的プレッシング
佑二・ミロシュに対して趙東建・イバルボ、扇原に対して小野裕二、山中、松原に対して福田、原川。
人を当てはめ、前を塞ぐことで横浜の後方ビルドアップを制限。
コンタクト厭わず、寄せ切るアプローチに横浜の選手たちは常にストレスを感じていた。
②荒れて乾いてボールの走らないピッチ
鳥栖のアプローチをより効果的にしてしまった外的要因。
ボールスピードがなく、アプローチする時間を与えてしまう、弾むからコントロールにも時間がかかる。適応しようと速いパスを出そうとすると精度が犠牲になる。
実況で水が撒かれていないって話だったけど
③選手の技術的な質と自信
それでもピッチに適応して通常通りにプレーできていれば問題はなかった。
が、残念ながら圧力に屈し、ミスから失点し、意識を保つことが出来ずに、コンセプトを表現できなかった。
圧力によりストレスを感じ、ミスで失点し、自信が奪われ迷いが生まれる。悪循環。
①・②・③すべてが相まっての結果。
まだまだどんな相手にも、状況にも対応できるほどの逞しさも質も備えていなかった、ということ。
①は日常的に起こりえる要素であり、
②みたいな部分は特にアウェイでは整えられないし、
③に関しては練習して積み重ねていくしかない。
ただ、失敗から学ぶことはいくらでもできると思う。
例えばピッチの部分はホームならホームの運営者としてなんとか準備してほしいところではあるし、優位となるような条件を「整えてほしい」。
そこはこういうサッカーをする上でのクラブとしての「意識」の問題。連戦で難しい側面はあるにせよ…
自信や技術に関しては研鑽を重ねるしかないにせよ、吹っ切れて出来るなら最初からやる。
扇原くんのプレーは特に、かな。
ミスは怖いし、避けなければならないけれど、ミスを恐れてやらないのは違う。
コンセプトの根幹を担うプレーヤーが悪い意味で「今まで通り」のプレーじゃチームは前に進めない。
ルヴァンでも感じたけど、ある程度余裕がある状態で受けて、複数タッチしつつ前を向いてヘッドアップして、裁く場所を見つける、というのは今のチームとはズレがある。
半身で視野の確保を行いつつ次の出し所を見出してタッチ少なくパスを繋ぐことで次の受け手に時間とスペースというメリットを与える。
素晴らしいパスでメリット作り出せる質を持つ選手だからこそ「何かをしてやろう」という意識もわかるけど、コンセプトは違う。
そこの意識の差がここ数試合ベンチを温める結果になったと思う、扇原くん。ここからの反撃、期待してます。
全般的に圧力に押されていたからか、ボールタッチにナーバスになったのかは、頭の動きも鈍くなり、切り替えもポジション取りも遅くなった。
「考えて」止まってしまったことは大きな反省。
テンポを生むための少ないタッチでのパスムーブ、そのための移動が出来ないと前提条件が整わない。
機能しないが故、ポジションを崩してぐっちゃぐちゃになった前半の状況は、アンジェにとって受け入れられないことだとは思う。
同じレーンに複数人収縮、しかも本来優位を獲れるはずのインサイド(アンカー脇で数的優位がとれるはず)が同じサイドに寄る。チームを助けようとする姿勢はわかるけど…
各セクションが自主自立性を持つことが大事。いるべき場所に相手より早くポジションを取り、そのポジションを活かすためにテンポよく相手のアプローチより早くパスを動かす。優位を作るためのポジショナルプレー、自分達で手放さない。
この試合で正解を見出すとしたら、外に張るポジションをスタートにしたサイドバックのところを出口に、相手インサイドを引っ張りだしたところで天野・中町が受ける。
インサイドのところは数的優位、ここを突破口に出来ることがベストだったのかな。
柏戦が主体的な質を突きつけられたとしたら、鳥栖戦は相対的な部分を問われたように思う。
ただ、主体的な要素の質を高め、相対的な対策を上回れるように頑張ろう、ってところは変わらないはず。
出来なかったことは受け入れて、練習していくしかない。まだまだこれから、一歩ずつ。