蒼井真理
2018シーズンのマリノスの現場体制をリーグ開幕3日前に確認&備忘録
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— 蒼井真理 (@aoi_mari) February 22, 2018
監督
アンジェ ポステコグルー 52歳 ★新任
ヘッドコーチ
ピーター クラモフスキー 39歳 ★新任
コーチ
松橋力蔵 49歳 2年目(前ヘッド)
フィジカルコーチ
グレゴリー ジョン キング 36歳 ★新任
GKコーチ
松永成立 55歳 12年目
エリクが3シーズンの任期を終えてマリノス25年の歴史でほぼ初となる円満退任。元オーストラリア代表監督のアンジェが新監督に就任。片腕となるヘッドコーチに親交あるピーター(元豪州Uー17代表監督)フィジコにはグレッグ(アデレードU)を招聘。オーストラリア人3名が現場首脳となる体制に
昨季フィジコのマルレスはシーズン途中退任、後を引き継ぎアシスタントから昇格した松本純一氏も退任。8シーズン分析担当コーチを務め2004年からマリノス在籍の小坂雄樹コーチも退任し今季は浦和のコーチ。前年14シーズンの長きフィジコを務めた篠田洋介氏の退任に続き、現場体制は大変革された
――篠田フィジコ、小坂コーチ、岡村コーチ、久保田&所澤&太田原 トレーナ、工藤ドクタ。この3シーズンで長くマリノスの現場を支え続けたスタッフの多くがクラブを去った。樋口さんとエリクが3シーズンずつ監督を務めるまで監督とヘッドコーチは頻繁に変わる中、現場スタッフの刷新は少なかった
篠田さんにはハマトラ紙でインタビュをさせて頂き、練習見学の際にお話をさせていただく機会もあった。小坂さんと岡村さんは工学院の監督を務めた頃から、いろいろお世話になった。それぞれ川崎、浦和、柏と在籍クラブを変えて寂しさはあるが、これも不可避の変革だろう
岡田監督以降から樋口監督までの約10シーズンの現場体制が、逆に歪だった側面もある。監督だけが成績の責任を問われてチームを追われ、監督を支える現場スタッフはヘッドコーチ以外は安泰。新しい監督が、変わり映えしないスタッフの中に放り込まれる。やり難さはあっただろう
特に第2次早野体制や木村和司体制では、現場における監督とスタッフの距離感や一体感に難があるのは、傍目から見ても明らかだった。樋口体制以降、少なくともヘッドコーチは監督自らが招聘しマシな現場体制が構築されるようになったが、それまでが結構露骨にアレだった
監督とコーチ陣がトレーニングの場でほとんど会話をしない。コーチ同士が話し合い選手に接触するが、監督を露骨に無視するとか女子校のノリ。「試合に負けて喜ぶクラブスタッフがいた」とかいうアレな話も聞いた。その監督を据えた派、それに反対する派。企業クラブあるあるですわ
監督のアンジェが親交あるヘッドコーチを招き、フィジコも同朋を指名。ボスとその両腕、オーストラリア人3名が現場を仕切る。欧州では「あたり前」な監督を中心とした監督の要求に基づくセット招集、現場体制。マリノスでは95年のソラリ体制以来か。CFGとの提携で、現場の体制作りも変革
――そんな中で松永GKコーチが留任したのは昨季に続き小さなサプライズ。…ただ個人的には、指導手腕が評価されているというよりはCFGによる変革のソフトランディングによるものかなと邪推。シゲさんは今のマリノスにおいて、中澤と同等かそれ以上のレジェンドだから
ビデオアナリスト
杉崎健 34歳 2年目
コンディショニングコーチ
安野努 39歳 ★新任
■ドクタ
深井厚 2年目
■トレーナ
日暮清(ヘッド) 2年目
佐々木康之 2年目
宮内信泰 2年目
メディカル部門は昨季と同体制。日暮さんの肩書きはヒューマンパフォーマンスダイレクタ(分かり難いw
■通訳
今矢直城(英語)⇒★新任
松崎裕(英語)⇒留任
高橋建登(韓国語)⇒留任
木下伸二(ポル語)⇒留任
新任の今矢直城氏は少年期をオーストラリアで過ごし、選手としても豪州で5シーズン以上のプレイ経験あり。2010ー17は早稲田U監督。完全に「アンジェのため」の人選
エリクの通訳に松原英輝氏を付けた前3シーズン然り、近年マリノスの通訳セレクトは「サッカー人でありサッカー言語を理解する(指導者経験もある」「通訳する言語地域のサッカー文化に直接触れている」人選が為されており、実に素晴らしい。後は監督と通訳の人間的な相性だけ
■チームオペレーションダイレクタ
袴田聖則⇒留任
■主務
山崎慎⇒留任(副務から昇格)
■副務(キット)
遠藤伸明⇒★新任
■ホペイロ
緒方圭介⇒留任
慎くんが8年務めたホペイロを卒業し主務に昇格。アウェイの荷造りは新任の遠藤氏が引き継ぎ、緒方くんの肩書きは副務からホペイロに変更
■チーム世代構成バランス
1978 中澤佑二
1983 栗原勇蔵
1984
1985 中町公祐
1986 飯倉大樹
1987 鈴木彩貴
1988 ウーゴ 伊藤翔 下平匠
1989
1990 大津祐樹 金井貢史
1991 天野純 扇原貴宏
1992 尹日録 仲川輝人
1993 松原健 山中亮輔 杉本大地
1994 ダビ 喜田拓也 ミロシュ
1995 イッペイ
1996
1997 和田昌士 遠藤渓太
1998 吉尾海夏 原田岳
1999 町野修斗 堀研太 山田康太 西山大雅 生駒仁
ベテランの退団はなかったが、93ー95年組が5名去り高卒5名が新加入。チーム平均年齢は24.7歳に下がり、吹田と瓦斯に続きリーグ3番目に若い陣容に。世代構成バランスは一見良好だが、エリク2年目に積極起用された20代前半「伸び盛り」の選手たちは多く移籍の道を選んだ
■ポジション編成
GK 飯倉 杉本 鈴木 原田
CB 中澤 ミロシュ 勇蔵 西山 生駒
SB 松原 山中 下平 金井
DM 扇原 喜田 中町
IH 天純 ダビ 吉尾 康太
WH ユン 渓太 大津 仲川 イッペイ 堀 椿(2種)
FW ウーゴ 伊藤 和田 町野
キャプテン:中澤佑二
副キャプテン:勇蔵、中町、飯倉、喜田
◆チームスローガン
『Brave and Challenging ~勇猛果敢~』
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『Brave and Challenging ~勇猛果敢~』 pic.twitter.com/WBur5VbMGD
◆2018強化テーマ
- 「攻撃的」「リーダーシップ」「スピード」 3つの相乗効果
- ピッチ内の修正と対応、最適なオプション選択自主的に行なう。プレイだけでなく判断のスピードを上げ「勝つための攻撃的なプレイ」
- 常に自分たちのサッカーを貫く「5400秒、ブレイブ。相手は関係ない」
■IN 9名
尹日録(FCソウル)大津祐樹(柏)仲川輝人(福岡※)和田昌士(山口※)山田康太、堀研太、西山大雅(ユース昇格3名)町野修斗(履正社高)生駒仁(鹿児島城西高)
■OUT 5名
齋藤学(川崎)マルティノス(浦和)朴正洙(柏)前田直輝(松本)富樫敬真(瓦斯※)
◆ローン⇒ローン
カイケ(サントス※⇒バイーア※)高野遼(甲府※)
◆ローン⇒完全移籍
新井一耀(名古屋)中島賢星(岐阜)田口潤人(新潟)
2018シーズンは30名体制でスタート。昨季は27名で始動しキャンプ後にミロシュとダビが加入、開幕戦から出場。実質29名体制。シーズン中に新井一耀、高野遼、仲川輝人、中島賢星がローン移籍
昨季3名だった新卒加入が5名(しかも全員高卒)の今季は、戦力的に質も厚みも低下は否めず
本日発売のサッカーダイジェストにボス、アンジェ監督のインタビュ記事が3ページ。藤井さんエルゴラはアレになったけど仕事してるよ。次はアイザックや利重さんや古川社長に突っ込んだインタビュお願いします
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— 蒼井真理 (@aoi_mari) February 22, 2018
発売中のオフィシャルハンドブックにもなかなか濃密なボス、アンジェ監督インタビュ記事が4ページ。エリクの築いたチームの印象とその引き継ぎについての言及もあり、ボスがマリノスをどう変えていこうとしてるのかシーズン開幕前に確認するには必読テキスト
pic.twitter.com発売中のオフィシャルハンドブックにもなかなか濃密なボス、アンジェ監督インタビュ記事が4ページ。エリクの築いたチームの印象とその引き継ぎについての言及もあり、ボスがマリノスをどう変えていこうとしてるのかシーズン開幕前に確認するには必読テキスト pic.twitter.com/MUOVHZBEfx
— 蒼井真理 (@aoi_mari) February 22, 2018
――始動から約1ヶ月、マリノスの新しいボス、アンジェ監督ここまでの印象は「ザ・ボス」なイメージ。教育者的で合理主義的で選手たちへの育成の愛はあっても感情的な接触は避けようとしたエリクとは対照的で、その感情的な接触にも重きを置く「ロボットじゃねえ所詮は感情的な人間がやるもんだろ」と
トレーニングではグレッグやピーターに任せ少し離れた所から寡黙に観察する時間も多いが、トレーニング中も後もピンポイントで選手に声を掛ける。キレべき時はキレる。凄く「そのアプローチで受け取る側の選手はどう感じるか」「結果選手のアクション態度はどう変わるか」を考えている印象
黙ってる時間が長かったり表情を変えなかったり選手と距離を置いたり言葉を選ぶのもボスの威厳を保つ言葉に重みを出すためのイメージ作り。何考えてるか分からない、起こったら怖そう、だからこそ声掛けられたり誉められたら嬉しい。この人に認めてもらいたいと思う――そんな雰囲気は出てる
どんなに理論が正しく合理的でも「感情的な生き物である選手」の心にアプローチできなければ、その指導は届かない。おそらくエリクに最も足りない不得手な部分(モチベート、マネジメント)であったと個人的に思うので、強そうなボスが来たのは対象事例として非常に興味深い
是非シーズン開幕後でも、ボスの醸し出す雰囲気の確認にトレーニングを観に行って欲しい。凄くボス感出てる。社長や王様でなく「ゲリラ部隊の親分」って感じ――分かりやすく言えばランバラルみたいな。親父にも打たれた事ない小僧でも「あの人に勝ちたい、認めさせたい」と思わせるような雰囲気が
――ただボスがそんな雰囲気を出せていて、今は選手たちも過去に取り組まなかった不得手なスタイルに真摯に取り組んでいても、開幕から2つ3つと手応えなく敗れ続ければランバラル感とかザ・ボスの貫禄とか全部新聞紙より軽く風に飛ばされる。サッカー怖い。ホント早めに手応えと結果出るといいなあ…