蒼井真理
河治良幸
@y_kawajiマリノスの基本的な戦術理念を少し大きめにまとめました。まずは前編です。
Jリーグが衝撃…横浜FM「ポステコ革命」の真実【前編】 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)
マリノスの基本的な戦術理念を少し大きめにまとめました。まずは前編です。
— 河治良幸 (@y_kawaji) 2018年3月20日
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『ただ、この現象は唐突なものではなく、実はエリク・モンバエルツ前監督の時から仕込まれたものだ。つまり、前任者が種を撒き、水をやり続けた畑に新監督が進化のための肥料を加えたような流れだ』
これを正しく評価し伝えてくれるメディアがある事を本当に嬉しく思う
マリノスのファンやサポータなら、エリクの3シーズンを経由せず、いきなり2014シーズンにアンジェが就任してあのスタイルを提示要求しても、選手たちが「何を言ってるんだこの監督は」「それはマリノスらしくない俺たちのサッカーじゃない」と猛反発をくらってたのは容易に想像できると思う
エリクは実に変格過渡期の、とんでもなく面倒臭くて、自分は畑を耕し種を蒔いて収穫期は他の誰かに譲るという一見損な役割を、彼らしい諦観で遂行していってくれたと――元日の天皇杯ファイナルの後にで感じた事を、今ボスのチームと選手たちを観て改めて思う。そう思える事が、凄く嬉しい
河治良幸
@y_kawajiマリノス後編です。
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マリノス後編です。
— 河治良幸 (@y_kawaji) 2018年3月21日
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『現状は相手を見て調整を加えながら支配的に “アタッキングフットボール” を進めていくことが十分にはできていない』
『よく陥りやすいのが、自分たちから攻撃のアクションを起こしていくスタイルほど、相手に関係なく同じやり方を続けることが重要と考え、相手の分析を軽視してしまう』
以前にも書いたと思うが「完璧なチート戦術などないし、そもそもポジショナルプレイはそれそのものが戦術でなく戦術を再定義する概念。より細かく明確に定義したチーム戦術に対し、必ず相手は対策してくるが、それを上回り続けるための思考施策に終わりはない」
で個人的には「もちろん戦術的柔軟性、相手に即したプラン選択、選手たちの自主性、臨機応変な修正は必要になるが」今季の序盤は「ボスがエグいドラスティックなスタイル改革やってるから、コレのベース部分を選手の頭と体に真に叩き込むまでは」愚直にアレンジ少なめでやるべき――と思っていました
まず基礎問題を徹底的に繰り返しコンスタントに95点以上取れるようになるまでは次のステップ応用問題に手を付けるべきでない、それは基礎の理念や哲学を選手たちが「自分たちに都合よく」ネジ曲げ「やらない」言い訳になりかねないマリノスあるあるだから、基礎は大事だよ公文式のココロ~
でもボスは相手が対策取る(前線の形を変えて同数でハメる、アンカーを狙い撃ちする)ようになると、中盤トライアングルの形を早々に変えてきたし、リーグ初勝利となった浦和戦では選手たちが「自主的にピッチで思考判断決断し」「状況に合わせた修正を施し」上手くやれた、と手応えあるコメント多数
松原健のコメント然り、ダビを前に押し出し後方でバランスを取った天野純然り、素晴らしいのは「ハーフタイムにボスに『自分の判断でこう変えたけどコレでいいか?』と確認し、ボスも『OKだ』とそれを承認してる」とこ。コレ凄く大事だから! 報告連絡相談、社会人の基本! 事後報告で全然大丈夫!
エルゴラ、菊地さんの記事にも
「監督は鳥栖戦の後から『言われたことだけやるのでなく、自分たちで判断してプレイしろ』と明確に選手たちに伝えていた」
「浦和戦の前に『ボスからは “あまり答えを求めないで欲しい” と言われている』と、自分たちで考える必要性を感じていた山中からの決勝ゴール」
選手はボスの要求に妥協なく応えようと懸命に取り組みつつ「従順にやってるフリ」でなく自主性を発揮し、ピッチで思考判断決断をし、自分で自分のケツを拭いてる。目の前の試合とマリノスに対し、自分から責任を取ろうとしている。そしてボスは「もっと自分で考えろ」その姿勢を積極的に後押ししている
ヤバいな。マリノス始まったな。コレは上辺でないマジ本格的なドラスティックでセンセーショナルなレボリューションだぜ…。ハイプレスとかビルド&ポゼッションとか偽SBとか5レーンとか表面的な戦術の部分でなく、最も根本的かつ病巣的にマリノスの「出来てなかった」部分が、変わろうとしてる
最後にリーグ優勝を果たした2013ー14連覇の時でさえ、あれは岡田武史が「奪ったら横や後ろじゃなく縦に」「とにかくサボるな闘え」という “型にハメる&精神論” で、マリノスの脆弱性を消して強みを引き出した。岡田武史は選手たちの自主性を引き出した訳ではない事に納得せず、後に岡田ラボ暗黒時代へ
※最後にリーグ優勝したのは 2003ー04ですよね! 「前世の記憶」になってしまう前にリーグ優勝したいです
本当の意味での主体性、自主性とは何か。それを獲得するために監督や選手にどんなアプローチが求められるのか。その1つの解をマリノスは獲得しつつある。ここまでくるのに25年を費やした。この改革を継続性と持続性ある本物にしていって欲しい
――これは蛇足であり前にも述べたし今後また書くテーマだけど、ボスと選手たちトップチームが真の主体性を獲得しつつある今こそ早急にユースの、アカデミーの改革をだね…。ソレができる選手、自分で考え判断決断できる習慣づけられた選手の育成供給を、ホント是非お願いします。大変切実な問題です
こういう「選手たちが主体性を獲得する」「誰か1人でなくチームとして」体質的な変化、意識改革は時間もかかるし何か1つ決定的な施術やアプローチでなく、複合的な要素により起こるものだとは思うけど、俺は昨季アウェイ川崎戦の0ー3完敗は1つ大きな転換点じゃなかったかと思う
「このままじゃダメだ」「ソレはこれまでのマリノスらしさではない、向き合ってこなかったモノだけど」「本気でソレに取り組まなければ」「俺たちは変われない、勝てない」「勝ちたい、勝たせたい、変わりたい」そう本気でチームが選手たちが思えたのが、あの0ー3川崎戦とそこからの優勝戦線脱落かなと
なんとなくだけど、俺はそう思う。なんとなくだけどね。アレが全てではないけど、象徴的なゲーム。転換点。天野純なんかは「これまでの自分たちは間違っていた」とまで言ってかなり反発くらってたしw リーグ終盤は「できもしないハイプレス」に取り組み、C大阪にボコられたり
2年目終盤の「できもしないビルド&ポゼッション」3年目終盤の「できもしないハイプレス」エリクの3シーズンは、これまでの “マリノスらしさ ≒やらない言い訳” を破壊する3年間でもあった。コレやんねえと勝てねえよな、でもオマエら出来てねえよな、エリクはやんわり丁寧に、選手たちに現実を見せた
…うーんエリクの3シーズン楽しい。振り返り価値を検証するのも楽しい。積み上げ厨にはたまらない…。しかし、もう新たなボスとの挑戦は始まっているから過去を振り返り美化するのは程々に。そのエリクが整備したベースの上に、確かな上物を築き結果を出さなければ。タイトルを獲りに行かねば