横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【ビルド&ポゼッションの改善だけでなく、守備の強度と主体性の向上も意識したものであった訳だ。得られた課題に真剣に取り組み、見事に試合で実践して見せた。間違ってない。この取り組みとチャレンジする姿勢を継続しよう by 蒼井真理】 about 備忘録/選手評 of [2017-J1-26] 横浜 1 v 1 柏

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

等々力0ー3完敗から反発する素晴らしき勇気と意思の力。エース齋藤学の今季初ゴールでウノゼロ完遂目前にクリスティアーノの一撃。表と裏の前後半。ホーム柏戦1ー1の備忘録

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手元トータルスタッツ。シュート5:10(枠内2:3、エリア内4:5)決定機4:4。CK&FK5:4。前半の決定機3:0、枠内シュート2:0。後半は決定機1:4、シュート数0:7。分かりやすく前後半で表と裏。1ー1ドローは妥当だが、後半が防戦一方で全てダメだった訳でもない

「非常にインテンシティの高いゲームだった。前半ほぼパーフェクトな良いプレイができた。1ー0で折り返したのはロジカルな結果だが、もう1点取れていたのではないか。後半はボールを奪う部分が前半より難しくなった。カウンタから得点機会もあったが決め切れず、最後に失点してしまった」エリク監督

Q.攻撃が左サイドに偏り過ぎていたのでは?

「右サイドも左と同じぐらい攻撃できれば、もっと良いサッカーができると思う。この質問に関する答えはシンプルだ。左サイドは天野純山中亮輔という2人のレフティが上手く(齋藤学と)トライアングルを形成して機能している」エリク監督

「右サイドも左と同じように攻められれば理想的だが、現状は左サイドのようなトライアングルのバランスを作る事ができてない。もう一つの要因としては、マルティノスが周囲とのコンビネーションを使うよりも、個人のスピードや突破力で前に出て行くタイプの選手だという側面もある」エリク監督

ホーム柏戦 前半のシンプル総括

  • 川崎戦0ー3の反省も踏まえて
  • 攻守に主体的なチャレンジ
  • 勇気あるアグレッシブな姿勢
  • チーム全員の意思の力
  • 且つ左サイドの有機的な連動性
  • 3対2の局面を何度も作り圧倒
  • 先制点だけでなく多くのチャンス
  • 欲を言えばあと1点欲しかった

「前半、前からボールを取りに行けていたのは良かった。柏も『前から来るんだ』とちょっとやりづらそうで、前半はマリノスの時間帯が多かった。後半も崩された訳ではない。決定的なのはFKだけ。あの展開でカウンタに出ていけるチームになれば、2ー0で勝てるようになる」中澤佑二

「前回(8節 日立台0ー2)の完敗イメージはなく『前からいけば柏を相手にここまでできるぞ』というのは見せられたと思う。引いて守るだけでは、サッカーでは難しい局面に陥ってしまう。全員でハードワークして、勝つために疲れることを嫌がらずやれば、ここまで良い戦いができる」中澤佑二

――まず守備ブロック、ゾーンが高く相手のボールホルダに対しアプローチし圧力を掛ける、チャレンジする位置が川崎戦はもちろん過去のリーグ戦に比べても高かった。「リトリート、引いて待ち構え跳ね返す」守備でなく、より主体的に「前に出て奪いに行く」守備。全員の勇気と連動性

2ラインが背後を取られるリスクにビビらず、前の敬真と天野純が中央へのコースを限定、学やマルティノス、ボールサイドのボランチが前に出て(もう一方のボランチはバイタル監視)柏のサイド縦関係2枚を囲み圧力を掛ける。DFラインも勇気を持ち押し上げる(6分までにオフサイド2つ)

個人では前半、扇原の運動量とカバー領域、前に出て寄せ潰す迫力、富樫敬真の限定して終わりでなく「常にプレスバックで挟み込み背後から奪う」意欲と運動量が尋常ではなかった。柏も繋ぐスキルと連携は低いチームではなく、それを圧倒するには数的有利、ハードワークが必要。…その反動は後半に出たが

今週トレーニングのミニゲームや紅白戦で強調した「ハイプレッシャを去なすビルド、素早い攻守の切り替えとハードワーク」はビルド&ポゼッションの改善だけでなく、守備の強度と主体性の向上も意識したものであった訳だ。得られた課題に真剣に取り組み、見事に試合で実践して見せた

「今日は必ず勝たなければならない、という強い気持をもって臨んだ。前半から私たちのパフォーマンスのほうが相手より良かったと思う。それは激しさだったり、精神的な部分。最後のFKで同点にされて本当に残念」朴正洙

戦術やゲームプラン以前の「戦う姿勢、リスクにチャレンジする勇気、球際の気迫、ハードワークを厭わない責任感」中澤や朴正洙が指摘するように、まずその部分で川崎戦0ー3からしっかり反発して、言葉やフリでなくトレーニングから取り組み、ピッチで実践した。素晴らしい

「内容的には良かったが、勝ち切りたかった。川崎戦から切り替えて、今回はいろんな部分で上手くいっていたから、これを続けて次に臨みたい」飯倉大樹

今季リーグ戦、ここまで主体性ある守備をしてブロックを押し上げペースを握ったのは初。ル杯GL広島戦は更にイケイケな前からハメ込み奪う守備をやったが、アレとは相手の繋ぐスキルや完成度も雲泥の差。リーグ戦の痺れる上位対決、川崎戦0ー3の後に、雨の重いピッチでやれた事に意味がある

――左サイドの有機的な連動性。前半9分の先制点のみならず、14分と34分、37分、AT46分にも数的優位を作り出し好形、チャンス構築。柏の修正はハーフタイムまで成らず、やはり前半に2点を取り切り試合を決めたかった…

「相手チームも研究してきて、なかなか後ろのスペースを空けてくれないが、柏は前からプレスに来るので、SBとCBの間がすごく空いていた。そこで自分がパスを出して、叩いての繰り返しが効いたのだと思う」天野純

柏の右SH伊東純也とSB小池純輝に対し、学がタッチ際ハーフウェイ超えて前を向いてボールを持ち対峙。外を山中亮輔が回り追い越し、内側ハーフレーン(相手SBとCBの隙間)を天野純が出入りして、3対2の数的優位を作り出す。前半はこの繰り返しで何度もチャンス構築した

「前半、前と後ろで守備の意思疎通ができず、相手に上手くスペースを使われてしまった。何回か自分たちのサイドから崩されていたし、相手の齋藤選手、天野選手、ヤマに対し、自分とリュウ(右SB小池純輝)という2対3を作られていた。後半は修して、やられる回数は減らせたと思う」伊東純也

「最初は自分達のやりたい守備が出来ず、その時間帯に失点してしまったのは反省したい。前半、相手のペースで試合を始めてしまったことが要因だと思う。J(伊東純也)と自分の右サイドで数的優位を作られた中で、行くのか行かないのか後手を踏んでいた」小池純輝

アウェイ日立台での0ー2完敗では、安直にタッチ際の学に開き預けるだけで有機的なサポート連動が足りなかった。小池純輝は学との1対1に集中し、伊東純也がプレスバックしてサポート。学は一度も打開できなかった

しかしこの前半は、まずチーム全体が「前から前へ」の意識高く押し上げ、ボールを奪う位置や状況も良く、まず学が前を向きボールを持つ状況からして良くなったし、学は自信を持って仕掛けた。その時点で相手は受け身、後手。加えて山中亮輔天野純2人が適切なタイミングでサポートし、数的優位を構築

齋藤学の仕掛ける「俺は抜ける、相手はビビってる」自信と積極性。コレがないと精神的に相手を上回れない。前提として必要なもの。結果が出てない中で、学はこの試合で絞り出した。直近数試合より前を向きボールを受ける位置も頻度も高く、ミスを恐れず何度も縦にゴール方向に仕掛けた

山中亮輔の、学の外側を回り追い越す勢いスピードと絶妙なタイミング。エリク横浜に必要な方向性に合致した補強、チームのストロングであるWHを補完するSBの高い攻撃性、推進力。古巣相手に、自分の選択の正しさと価値を強く示した

天野純の相手SBとCB、ボランチの隙間に入り込むタイミングとポジション取りだけで後手や不自由な二択を強いる、ハーフレーンを出入りし、時に大外を回り受け叩くセンス。前半の柏は天野純を全く捕まえ切れなかった

『左サイド偏重』の指摘は正しいが、エリクの質疑応答の通り、左ではできて右はできてない明白な理由があり、また左を抑えられれば右や中央も必要になり課題ではあるが、柏戦に限れば左サイドだけで十二分に崩しチャンス構築ができていた。崩せるのだから、ある意味偏るのは当然

もちろん左サイド3人のコンビネーションだけでなく、チーム全体が攻守に押し上げてボールを奪う位置と攻めの起点を高くした事、中澤や朴正洙、引いてサポートする扇原や中町を中心に雨の重たいピッチでも柏のプレスにビビらずしっかり繋いだ事も、大きな意味と価値がある

――前半は本当に素晴らしかった。繰り越す課題であった「主体性ある前から奪いに行く守備」「ブロックの押し上げ」に勇気持って取り組み、全員がハードワークとリスクトライを惜しまなかった。左サイドの有機的なコンビネーション、吹っ切れたようなエース齋藤学の果敢な仕掛け。胸が熱い。最高だった


さて後半、柏はハーフタイムにボランチMF6小林祐介を下げてFW8武富孝介を投入。トップ下のMF15キム・ボギョンボランチにしMF7大谷秀和と縦関係に。攻守の形とやり方を変えてきた

前半の柏は、攻は4ー2ー3ー1、守は4ー4ー2ベースながら、攻守「前へ前から」アグレッシブなマリノスに対し後手に回り、トップ下のキム・ボギョンが攻のビルドではボランチ、守ではサイドのサポートに引っ張られており、それが更にマリノスのブロック押し上げるリスクを低減する事に

1点ビハインド、ジリ貧の状況を修正するため下平隆宏監督はFW8武富孝介を投入し攻守で前線に残させ、ポゼッション時はボランチ大谷がCBの間に落ち、両SBは高い位置取り「3ー4ー3」「3ー3ー4」な形に。前線に幅と厚みを出し、マリノスのDFラインをピン止め。押し上げ難くさせる

前半は4ー2ー3ー1のままで、マリノスの4ー4ー2ブロックは対面をハメて限定誘導に行けたが、大谷がCBの間に落ちた3枚に対し、前半プレスバックしまくって疲弊した敬真はアプローチできず。1点リードした状況もあり、リトリート&ブロック形成に

マリノスの前線からのプレスは機能しなくなり、柏がボール握り押し込む時間帯が増える。3ー3ー4的に、右は小池純輝、左はハモン・ロペス。中央は武富孝介がCBを牽制し、クリスティアーノは自由に振る舞う。伊東純也は前半マリノス天野純のように、ハーフレーン山中亮輔と朴正洙の隙間を窺う

名将か下平隆宏。しかし柏は狙い通りボール握りマリノス陣内に押し込む事はできるようになったが、それは「1点リードしているマリノスの守備強度を高め、マリノスの勝ちパターンに誘導する」側面も間違いなくあった。中澤のコメントにもある通り、FKと失点以降までは特に崩されてない

「前半は自分たちのやりたい守備からハメて、良いサイドチェンジも何個かあった。後半は受け身の時間帯が少し長かったし、奪った後に人数をかけて攻撃をしたかったが上手く噛み合わなかった。失点に関しては本当に難しいところがある。そうならないためにも追加点を取りたかった」富樫敬真

「前半は攻守に良い内容で主導権を握り1ー0で折り返したが、後半に押し込まれる展開が長くなった。前半あれだけ飛ばして、運動量が落ちてブロックの位置が低くなって苦しい展開になった。それでも皆で耐えていたが…。1失点はセットプレイや事故がある。2点目を取る力をつけないと」扇原貴宏

「後半は相手が前に人数を割いてきたが、それは想定していた。1ー0のままいけると信じてのゲームプランでもあった。相手があれだけ攻撃に人数と時間を割いてきた中で、ボールを奪った後に一つ踏ん張ることができれば広大なスペースを(カウンタに)使える。そこの反省は共有していきたい」中町公祐

――後半「受けに回ってしまった」という批判や反省はあるが、前半あれだけ守備強度を上げて主体的に、前から前に奪いに行く守備を重いピッチでやれば疲労も出る。特にプレスバックの敬真、カバー領域の大きかった扇原の運動量低下は明らかで、素晴らしい前半の代償として仕方のないものだった

実際問題として、武富孝介を投入し3ー3ー4的に振る舞う柏に対し、前半のような主体的な前からの守備は可能だったか。3枚のビルド起点に対し、敬真が1.5~2人分追い回すか、扇原か中町が前に出てブロックを4ー3ー3としハメ込む――それは前半の疲弊、1点リードした状況からも現実的でない

「それにしてもブロックが下がり過ぎた」問題についても、扇原や学の疲弊と運動量低下が大きかった。前半あれだけ飛ばせば、1点リードで相手が前に人数を掛けてくればリトリートからのカウンタ狙いは合理的な判断。そもマリノスの強みが出る展開。これは中町会長のコメント通り

反省と課題を抽出するならば、多くの選手がコメントする通り、カウンタのチャンスを有効活用し試合を決める2点目を取り切れなかった事。やはりそれに尽きる。後半シュートはゼロでも、失点までに最低3つはカウンタからのチャンス、決定機未遂はあった

後半13分に飯倉パント起点、山中が学とのワンツーからクロスは大外のマルティノスが僅かに合わし切れず。20分に中町のカットから左サイド3人の連携、天野純のクロスは中と合わず。27分も山中の縦ポン⇒天野純の落とし⇒学が前向きカットインも剥がし切れず(敬真が外寄りで浮いていたが)

更に言えば前半も先制した後、2つの決定機と決定機になっていてもおかしくないチャンスが2つ3つあった。2点目を奪い勝つべき試合だった。その一方でウノゼロ勝ちパターンの流れでもあった。後半のゲームプラン、監督や選手の修正能力に不備があったとは特に思わない

ホーム柏戦1ー1の全体総括

  • 意志の強さを示す素晴らしい前半
  • だが2点目を奪うチャンスもあった
  • 後半に押し込まれたのは妥当
  • カウンタをより効果的に強かに
  • 決め切る力が足りなかった
  • 1ー0も2ー1も十分可能だった試合
  • 「誰か誰が」ではなく
  • 不運も含めてこれが現在地

川崎戦0ー3完敗を受け、試合前に指摘した課題に、チームは期待を遥かに上回る意思の強さで応えてくれた。『勝利とリーグタイトルのためには常に2得点が必要』こんな形で実証されるのは嬉しくもなんともなく結果としてのウノゼロで全然良かったし無念だが、選手たちは「やらなかった」訳じゃない

このホーム柏戦も「試され」選手たちはトレーニングから逃げずに真摯に課題と向き合いチャレンジした。強い柏を相手に取り組みをビビらず実践し確かな手応えを得て、そして結果あと少し届かなかった。これが今のマリノス。今の齋藤学天野純。もっと強くならなければならない。まだ足りない

でもこの姿勢を失わなければ、絶対もっともっと強くなれる。ホーム柏戦には確かな大きな手応えがある。よくぞあの川崎戦0ー3から反発して誇らしい試合を見せてくれた。間違ってない。この取り組みとチャレンジする姿勢を継続しよう

継続する事「反省を繰り返さず、後戻りせず前に進み続ける事」は、ある意味で大きな失敗や失意から反発するより、ずっとずっと難しい。「これで十分」という事は絶対にない。スパイクを脱ぐまで満足する事は許されない。常に新しい課題は出現する。常に競争はあり、試され続ける

本当に厳しい。でもやり続けよう。今までの自分たちを超えて行こう。ホーム柏戦は素晴らしかった。1人ひとりのプレイが、勇気と意思の強さが心に響くゲームだった。間違いじゃない。大事なのは折れず、満足せず、続ける事。もっとできる。マリノスはもっともっと強くなれる。最後まで挑戦者のままで


ホーム柏戦1ー1の主観と偏見、思い込みに満ちた選手評

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GK飯倉大樹。後半2分にクリスティアーノ、47分は武富孝介のエリア内決定機シュートをストップ。クロス対応、キャッチとパンチの判断と処理も的確。雨天の痺れる展開で示す安定感。FKの失点はクリスティアーノを褒めるしかない

CB中澤佑二。前半は勇気を持ってラインを押し上げ、プレスを去なし確実に繋ぎ運ぶ。押し込まれる後半は的確なポジショニングと判断でエリア内の密度を保ち、ギリギリで身体を張りシュートブロック。満身創痍の39歳がキャリアハイを思わせる充実したプレイを継続。化け物か

CB朴正洙。8試合振りのリーグ先発、上位対決で高い集中力と責任感、ガツガツ感を発揮。クリスティアーノとも激しくやり合い一歩も引かず。クサビ縦パス潰しがスカされるミスもあったが、その後のリカバリが迅速。余裕あるキープと散らしの展開力でも貢献。先制点も起点は、朴正洙の山中への良パス

CB朴正洙。今週のトレーニングでも常にフィールドプレイヤ一番乗り。リーグ戦から遠ざかっても腐らず良い準備を続けて得たスタメン。大事な試合でも臆さず、強い気持ち責任感を存分に発揮してレギュラ獲りに大きなアピール。その表情の厳しさに強い覚悟

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「良いとこのボンボンか」と思わせるユルさや緊張感の欠如。過去に見せた課題や脆さは、この日のジョンスには皆無だった

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――それでいて試合終了後は、接触プレイで流血させて激昂され胸板突き合わせドツキ合ったクリスティアーノに謝罪し、互いに爽やかな笑顔で和解。男前だぜ朴正洙!

右SB金井貢史。前半33分カウンタ阻止で警告を受け、43分にもハモン・ロペスに対しギリギリのプレイ。押し込まれる後半リスクを考慮し23分に松原健と交代となったが、前半「前から前に」の守備リスクを、金井らしい察知能力でケア。良いサイドチェンジ、学のヘッドに繋がるクロスもあった

左SB山中亮輔。古巣とスピードある対面の伊東純也を相手に攻守にアグレッシブ、高い攻撃性。何度も学を追い越し、先制点だけでなく多くのチャンスに直接関与。後半13分のクロスがマルティノスにピタリと合っていれば、この試合は彼のものだった。それは更なる次の課題だが、実に素晴らしかった

ボランチ扇原貴宏。前半の主体性ある守備における、前に出て寄せ潰す積極性、サイドのサポートなど守備に奔走するケア領域と運動量、CBのビルドをサポートする仕事量はハンパなし。更に攻めで前に出る意欲も。後半は明らかに疲弊し動けなかったが、限界に挑戦する姿勢とガツガツ感を高く評価したい

ボランチ中町公祐。動き回る扇原に比して地味な印象も、映像で振り返るとバランス管理に注力。前半の圧倒的ゲーム支配をクレバーな判断の連続で支える。その中で味のあるロブパス、後半は縦方向に奪い速攻起点にも。6試合振りのリーグ先発で、らしさを存分に見せつけた。扇原との補完関係は攻守に秀逸

――この柏戦で示したチームの勇気と方向性からは、現状は「攻守に幅広く動き回る扇原」「バランスを見てその動きを補完しここぞで攻守にキープレイを出す中町」の組み合わせがベースとなるべきかと思う。俺は喜田を高く買って期待してるし伸びシロは大きいと思うけど、現状では攻めの部分で物足りない

トップ下の天野純。ハーフレーンのタイミング良い出し入れで、頻繁に左サイドのコンビネーションからチャンス構築。最後のクロス精度には課題も、攻めの起点としても変化を付ける部分でも高い実効性。何度も削られるのは、相手にとって危険な存在である証。守備の意識と貢献度も安定して高い

トップ下の天野純。前半34分の左コンビネーション、学の縦パスをエリア内受けて落とした場所がズレて決定機とならず。学の右足少し外に落とせていれば、大谷秀和をかわしフィニッシュまであったシーン。ゴール前の成否は瞬間、数センチの世界。妥協なくディテールを突き詰め、確かな「違い」を

「前回の対戦(アウェイ日立台0ー2)では何もできなかった柏に対して、今日は前半から自分たちのサッカー、自分たちのゲームができた。相手を苦しめられたと思うので、そこは成長した部分だと思う。最後の失点は仕方ないが、チームとしてもう一回引き締めていかないといけない」天野純

失意の川崎戦0ー3の敗戦から、天野純はプレイで「やりたい事、やるべき事、やり続けなければいけない事」を示した。選手はそれでいい。方向性は間違ってない。あとは精度と実効性。ゲーム中のメンタルコントロール、局面の自信と落ち着き。試合を決める、マリノスを勝たせる選手に。もっとできる

右WHマルティノス。攻めの局面ではパスもドリブルも引っ掛かりがちで打開できず、クロスにも合わし切れず。しかし前半の守備の強度と殺気、後半ここぞの戻りは秀逸。右の機能不全はエリクの質疑応答どおり、チーム全体の問題。左で崩し右で仕留める形の片鱗も幾度となく見えた。後は最後のシンクロ

右WHマルティノス。対面の右SBユン・ソギュンはDオリヴェイラをメンバ外としてまで起用した、韓国代表とW杯やプレミアでの実績ある選手。ここ数試合やや個人突破打開が下降線なのは否めないが、チームのために戦う姿勢、献身性はシーズン通して決して低くはない。今のマリノスに不可欠な存在

左WH齋藤学。今季初ゴールは貴重な先制点。試合序盤から「より高い位置で前を向き」「縦にゴールに仕掛ける」姿勢を強く示す。まだ剥がし切れず引っ掛かるシーンも多かったが、その強気の姿勢と優れたコンビネーションが前半の圧倒的ゲーム支配を生み出した

DAZN ダ・ゾーン@DAZN_JPN

#齋藤学 がこぼれ球に右足一閃!!
待望の今季初ゴールが決まり、横浜FMが先制する。

明治安田J1第26節 横浜FM×柏は http://DAZN.com でライブ中。
#DAZN をテレビで観よう📺


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スポーツ報知・サッカー取材班@hochi_football

【 #横浜M 】斎藤学、試行錯誤の今季初ゴール http://dlvr.it/PnVQph

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OptaJiro@OptaJiro

2171 - 齋藤学は2171分ぶりにJ1でゴールを決めた。お帰り。

 

「点を取れたのは良かったが、勝てなかった悔しさの方が大きい。前半、ずっといい形で攻められたのに、後半相手がシステムを変えて上手くいかなくなった。15分ほど耐えた後にカウンタが効きはじめたので、あと5分、10分ほど早くチームとして修正しなければいけなかった」齋藤学

エース齋藤学。あの1点全て吹っ切れた訳ではない。まだもがいている。後手を踏ませても、GKと1対1になっても余裕を持ち自分の間合いではやれてない。先制後に3つの決定機を逃した。でも失いかけていた仕掛ける姿勢、強い意思をピッチに示した。あとはやり続けて結果を積み重ねるだけ

「取るべき選手が取ると、やはり勢いが違いますね。最後も決めてくれたら良かったんですけどw でも、得点やアシスト以外にも、学君がいるだけで相手は下がって、僕のところも空くので。素晴らしい選手です」天野純

前半に圧倒的にゲーム支配し左サイドを攻略し続けたのは、チーム全体の押し上げる勇気や山中亮輔天野純のサポートもあるが何より「齋藤学が前を向き仕掛ける」強気が、柏の右サイドに後手を強いた。まず仕掛ける勇気と姿勢。相手は学が思う以上に齋藤学を怖がっている

「これで残り8試合。ここで諦めるのは簡単だけど、どれだけ上に食らいついていくか。その気持ちを誰かじゃなく、全員で出していければ、このチームはもっと強くなると思う」齋藤学

カピタンらしいコメント「誰かじゃなく全員で」その気持ちを奮い立たせ牽引する絶対エース齋藤学であって欲しい。学にしかできないプレイがあって、それはチームだけでなくクラブ全体とスタンドにも大きな勇気を与える。もっともっとできる。マリノスはもっと強くなる。まだ上に行ける。信頼してます

FW富樫敬真。前半の執拗で鬼気迫るプレスバックはチーム全体に勇気と勢いを与えゲーム支配の大きな一助となった。ターゲットプレイ、背負い受ける強さと競り合い前を向くスキル実効性はまだまだ60点。シュートゼロも課題。更に貪欲に自分を追い込み全ての課題に妥協なく向き合って欲しい

後半23分から右SB松原健。押し込まれインテンシティ高く難しい展開で途中出場し、果敢なオーバラップも見せたが不用意なクリアミスが失点のFKにつながった。DFの途中出場は実に難しい。しかし求められるのは結果。この課題を次への糧に。よりシビアな判断と技術精度を

後半37分からトップ下の喜田拓也。痛恨のファウルFK献上が終了間際の被弾に直結。素晴らしいプレスバックだったが、この試合の判定基準からしてもファウルと判定されても仕方ないプレイ。この悔しさから何を得るか。喜田ならば必ず前を向けるはずだ

ゲキサカ@gekisaka

試合後に異議で警告も…痛恨ファウルに不満の喜田「あれを取られたらきつい」 https://web.gekisaka.jp/news/detail/?226241-226241-fl

#gekisaka #jleague

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「判定が覆るとは思わないし、審判を批判するわけではないが、あれを取られたらキツい。どうやってボールを取ればいいのかという話になる。自分では良いプレスバックだと思ったし、相手が見えてなくて倒れただけ。僕らは人生を懸けてやっているし、判定一つでああいう結果になるのは残念」喜田拓也

「僕らは人生を懸けてやっている」それはよく解るけど、言外に審判はそうでない、結果に対し責任を(自分たち選手ほどは)取らない問われない――と言っているようにも聞こえる。大黒将志あたりが言うのなら兎も角、そういう物言いは喜田拓也には相応しくない

サッカーダイジェスト@weeklysd

新着記事>>【横浜】中澤佑二がレフェリングについて持論を展開「イライラするってことは…」
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=30082
#J1 #Jリーグ #横浜F・マリノス #マリノス #中澤佑二 #誤審 #レフェリング

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「どっちつかずの判定と感じられるものは、おそらくどのチームにも毎試合あるはず。それに対してイライラするっていうのは、勝ててないということだと思う」中澤佑二

「しっかりと勝つことで、レフェリングに対する不満は消せる。レフェリングありきではなく、自分たちのプレイの質をまず先に考えることが大事。レフェリーも人。一生懸命に笛を吹いていますから」中澤佑二

「激しく寄せ当たり奪う」「危機を察知し猛スピードですっ飛んでくる」のは喜田拓也の真骨頂だが、それをファウルと判定され「そこから次の攻撃」につながらず悔しがるのは、別にこの試合に始まった事ではない。起用が増えたエリク1年目から、ずーっと繰り越す課題だ

今日の審判のプレイ基準、審判へのプレイの見せ方、クリーンな奪い方を積み重ねて審判団の心象、先入観を良くさせる事――より深く考え取り組むべき事はきっといくらでもある

なぜ中村俊輔は「狙ってファウルを貰えるか」「主審が安心して疑いなく倒れた時に笛を吹けるか」それは俊輔が常に狙ってファウルを貰いに行くことはあっても審判を欺くシミュレーションはせず、その繰り返しが信頼となり蓄積しているからだ。中澤佑二の対人守備にしても然り

喜田拓也は「危険を察知し猛スピードですっ飛んでくる」「チームの危機を摘むには時にプロフェッショナルファウルも辞さない、強い責任感」公式戦での出場を重ねる中で、ファンがそう彼を認識するように、おそらく審判団にもそういうイメージは意識・無意識下に蓄積されている

よりクリーンな、危機を摘む事を考えながらも相手選手を傷つけるリスクも最小限に抑えたプレイの「見せ方」背後、死角からの激しいチャレンジは「ボールに行っていても」危険なプレイとしてファウルを取られる事はある。ボールに行くつもりでも脚が掛かる事も当然あるし、審判には選手を守る責任がある

優秀なアナウンサは巻きの原稿読みで、どんなに早口で喋っても最後の一文、数フレーズを少しゆっくり読む事で全体のイメージが窮屈で慌てたものにならないようにするという。……相変わらず喩え話がイマイチ不適当で申し訳ない

喜田拓也も、もう少し審判への「見せ方」は工夫する余地があるように思う。実際問題として、強みである激しく寄せ当たり奪う守備が、ファウルと判定され憤るシーンが多いのだから。「審判も俺らくらい人生賭けてやれよ」と言っても無意味。変えるべきは常に他者でなく、自分の考え方と取り組み

……そんな事は生まれもってのキャプテン気質、鋼のメンタル喜田拓也なら今更指摘するまでもない事だとは思いますが、まあ老婆心までに。プレイを変えるつもりはない、あれは不運だと割り切るのも、それはそれで1つの選択だと思います。正解はない

「ファン、チームメイト、スタッフ、勝利を期待していた全ての人たちには申し訳ない。何を言っても言い訳になる。これから自分の姿勢だったり、プレイだったり、そして結果で少しずつ返していくしかないと思います。強い気持ちをもって、前を向きたい」喜田拓也

あれは喜田拓也らしい良いプレスバックだった。ファウルと判定されるのは仕方ないが、失望はしてない。でも何か改善の余地、更なる進歩への糧とするものもあるかもしれない。それは喜田が決める事。俺にとって喜田拓也マリノスの未来そのもの。その期待や信頼は何も変わらない

羊@GP_02A

横浜FMvs柏 レビュー @鏡合わせのような雨中の激戦は1-1ドロー - Togetterまとめ
togetter.com
2人の監督の頭脳戦と選手達のインテンシティの高いプレーの連続。素晴らしい試合でした