いた
巡りあわせが悪い、全てが悪いほうに転がってしまった。
こんな日もある、そう思うしか。
明治安田生命J1リーグ第27節
ヴァンフォーレ甲府 3-2 横浜F・マリノス @ 山梨中銀スタジアム
得点者:
甲府/11'&49'ドゥドゥ 81'pリンス
横浜/53'ウーゴ・ヴィエイラ 90'+5'イッペイ・シノヅカ
試合記録
www.jleague.jp
試合の印象
勝負の綾①「先制点献上」
→天野純が身体を張ってボールをキープしようとするところで引き倒されたように見えるもノーファール、イーブンボールを扇原貴宏が滑り込み痛むもノーファール。
中盤中央2枚が置き去りになった中で、ミロシュ・デゲネクのアプローチを物ともせずドゥドゥがキープ、リンスへと繋ぐタイミングで中町公佑がインターセプトを敢行するも及ばず…。
中盤中央3枚のフィルタが完全に消え去った状況で、後手に回るのは必然。リンスに強烈なシュートを許してしまった状況はこうして作られた。
微妙な判定に関して、あれこれ言うつもりはない。判定が正しいと考えれば、天野純も扇原貴宏も負けちゃいけないところで負けた、ということに尽きる。そして中町公佑のインターセプトの判断は「軽い」判断だったようにも思える。
このプレーにより、甲府は自信を深めつつ明確なゲームプランに移行する。横浜は疲弊した選手を抱えつつエネルギーを割いてビハインドを取り戻すためにプレーせざる得ない形に。おまけに失点を食い止めようと身を挺してカバーに入った金井貢史が負傷し、プレー続行が不可能となる不運まで重なってしまう。
試合の趨勢に大きな影響を与えた先制点、このハンディは疲弊した横浜にとって決して軽いものではなかった。
勝負の綾②「横浜の武器を封じる甲府の対策」
→柏戦で機能した"Y・M・O"による左サイドを崩すコンビネーション、当然甲府からしても脅威だったはずで、封じるための対策をきっちりと打ってきた。
インナーセンター(小椋祥平)がサイドに流れる天野純を、ウイングバック(小出悠太)が山中亮輔を捕まえ、ストッパー(新里亮)が齋藤学の進路を塞ぐ。それでも足りなければアタッカー陣も降りてくる。フリーマンを作られないように人を掛けて左サイドを封鎖。これがハマった。
本来であれば、ハイサイドで齋藤学が一枚二枚剥がし、警戒を集める中でコンビネーションを繰り出せれば、捕まえられていたとしてもズレを生むことは可能だった。しかし、そのキーとなる齋藤学は天皇杯4回戦で120分プレーした影響からかキレなく、対面の相手を剥がし、ズレを生み出すに至らず。
崩しのキーとなるべきメインウェポンを封じられたことにより、先制点という枷が重くのしかかる展開となってしまった。
勝負の綾③「ゲームを壊す失点に繋がる致命的ミス」
→幅を取り、相手を崩す意図をもって反撃に転じようとした後半立ち上がり、ウーゴ・ヴィエイラの裏への動き出しから鮮烈なアウトサイドシュートでご挨拶、さあここから!というところで致命的なミス。
ミロシュ・デゲネク、中町公佑、扇原貴宏が左サイドでボールを動かしつつ、楔を入れるタイミングを伺う中で、ミロシュ・デゲネクのワンタッチパスがズレてしまう。そのミスを逃さなかったのはドゥドゥ、前向きにパスをカットすると快足を飛ばして一気にゴール前まで運ばれ、最終的には飯倉大樹の脇を抜くフィニッシュ。これが決まってしまう。
前で受けるべき選手たちがなかなか相手を外せなかったこともある、パスは出し手だけの問題ではない。ただ、ほぼノープレッシャーの状態で後ろ向きのパスをミスするという事象に関しては「やってはいけない類のミス」であるのも事実。恐らく彼自身もわかっているはず。それ以上でもそれ以下でもない。
2日前に120分プレーしたミロシュ・デゲネクとパク・ジョンスのチョイスに置いて柏戦で90分プレーしていたことも考慮し、ミロシュ・デゲネクを起用するもその起用が裏目と出る結果に。このミスの直後、ミロシュ・デゲネクからパク・ジョンスへとスイッチしたのは明らかに懲罰的な形。最終ラインで交代カードを使うリスクを避けるための起用が、自らの首を絞める形となったエリク・モンバエルツにとってみても痛恨のセレクト。完全なる裏目。
交代カードの消費、2点のビハインド、更に大きな枷を背負う形となり、本当に苦しい状況に追い込まれてしまった。
結果としては2-3による敗戦。
マルティノスを左に回すセカンドプランからウーゴ・ヴィエイラがリーグ戦9得点目を上げ、リーグ戦初出場となったイッペイ・シノヅカがセットプレーの流れから初得点を決めるなど、意地も示したが結果としては勝ち点を持ち帰るまでは至らなかった。
劇的な水曜日の歓喜の代償を抱えた中での1戦、難しいことは誰もがわかっていた。しかし、そんなことお構いなしに襲い掛かる負の連鎖、それを跳ね返すことは出来なかった。加えて、エース・齋藤学もエデル・リマとのコンタクトの瞬間に膝をひねり途中交代となるなど次の試合以降にも影響が残りそうな事象まで起きてしまった。まさに泣きっ面に蜂。今はただ、齋藤学と金井貢史の負傷が軽いものであることを祈るばかり。
正直言って、巡りあわせを呪うしかないような1日、この大事な時期に起こらなくてもいいのに、と神を呪いたくなった。しかし、こんな日ばかりじゃない。諦めるにはまだ早いだろう?積み上げてきたことを振り絞って、もう一度。
今は前を向くしか。