横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【今年もまた公式戦という栄養を得て大きく花開く可能性を示す若者が出てきそうな気配がある。 by いた】 about [2017-ルヴァン杯-第3節・第4節] での、賢星・海夏・渓太ら若い選手の台頭について

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リーグ戦、2試合連続の苦き零封負け。

対極的に、カップ戦では2連勝で3位に浮上。

就任当初からエリク・モンバエルツのカップ戦の考え方は変わらない。

リーグ戦で出場機会に恵まれない選手、若い選手に出場機会を与え、公式戦でのシビアな経験を経て成長を促す。

その成果は着実に。

喜田拓也天野純といったレギュラーの座を掴んだ選手も出てきている中で、今年もまた公式戦という栄養を得て大きく花開く可能性を示す若者が出てきそうな気配がある。

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涙のFマリノス初ゴール。

ついに中島賢星が横浜で結果を出した。

怪我やプロの厚い壁に苦しめられた2年間を経て、ようやく掴んだ結果。感極まる姿にこちらも目頭が熱くなった。

ただ、結果以上に素晴らしかったのはプレーの内容。

寄せ切る球際の意識、積極的に参加するプレスバック、前線のギャップに走りこむダイナミズムアクション、トップへのサポートやカウンターに参加するための長距離スプリント…、その全てが能動的。

90分間、常に頭と体を動かし、継続的に、そして能動的にプレーに関与することが出来るようになったこと。隔世の感とも言うべき変貌。

凄く当たり前のことのように思えるが、これまでは全く出来ていなかった。ボールを預けられないと仕事が出来ない、自分で仕事を見つけられない。

言葉にするなら、「王様シンドローム」。

致し方ない部分もある。

育成年代で突き抜けた能力を持つ選手には自然とボールが集まる、預けてもらえる。何もしなくともボールは集まり、仕事をする環境が与えられる。

中島賢星もまた典型的な「王様」だった。

ワンステップで強く、正確なキックが出来ること。点が取れるポイント、チャンスに絡めるポイントに入れる嗅覚を持っていること。鍛え上げた身体の強さもストロングポイント。優秀だからこそ「王様」として祭り上げられた。

ただ、ボールを預けてもらう、与えてもらうことが常になると、自分で仕事を探すことが学べない。ボールを引き出す、スペースを見つける、ボールを奪い返す、ボールがないところでの仕事を能動的に行う癖がない。

環境が変われば、「王様」としては扱われない。プロになり、仕事量の少ない彼がプレータイムを得れないのも必然だった。

しかし、彼は変わった。ゴールを奪った新潟戦に続き、甲府戦でも継続して能動的なプレーを見せてくれた。その変貌は一時のものじゃない。

「王様シンドローム」から脱却し、「はたらく王様」へ、中島賢星のキャリアはここから。

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吉尾海夏がいい。

良く動く、良くボールを引き出す、切り替えが早い、守備意識も高く、強くはなくともコンタクトも厭わない。沢山汗を掛ける。賞賛の言葉が踊り、評価はうなぎのぼりだ。

自分もまた彼の仕事に対して、賞賛したい。賞賛したいのは判断の質の部分。

パスの角度×相手のアプローチ=自分の身体の向き・位置

といった形でボールを受ける状況を把握し、自分がいかにボールを受けるのかを正確に判断できる。小さい体でも良いポジションに良い角度で相手よりも早く入れば優位にボールを扱える。一回りも二回りの大きな選手を吉尾海夏が手玉に取っていた理由はここにある。

ボールを引き出すスペースの察知に関しても同様、動き直しを常に行い、顔を出す頻度が非常に多い。さぼらない。これはチームにとってありがたいこと。

甲府戦、幻のゴールとなってはしまったが、それも吉尾海夏があのゴール前のポジションに入り込んだからこそ。彼の動きに対しての正当な報酬として、ゴールにしてあげたい気持ちでいっぱい。

サイズの不利はあるし、オン・ボールの質は今後も高めていく必要はあるにせよ、彼の動きと判断には価値がある。チームを助ける存在としてクローズアップされる時が来るかもしれない。

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ついに、ついに、こじ開けた。

遠藤渓太がトップチームで初ゴールを記録。

昨シーズンはリーグ・カップ戦合わせて30試合に出場。持ち得るスピードで飛び出したりとチームに勢いをもたらし、得点機にも絡んだが、少なくはなかったチャンスを生かし切れず。

チーム事情で右サイドバックでの出場となった新潟戦。前半には鈴木武蔵の突破を御しきれず失点に絡むなど、サイドバックとして反省点は残ったものの、右サイドでの作りの中でするするとポジションを上げ、伊藤翔のポストを受けて最終ラインを打開し、相手の股を抜くファーサイドへのフィニッシュ。

「小さい頃からマリノスでゴールを決めることが夢だった。ここまで長かった。(ゴールが決まった瞬間は)正直いうと『あっ、入ったな』という感じでした。これで満足せず、リーグ戦でもゴールを決めたい」

試合に出ながら結果が残せない葛藤、U-20ワールドカップのメンバー発表が控える中で本来のポジションで出場できない焦り、ライバルたちが結果を残す報に心穏やかではいられない精神状態、かなり難しい時期ではあったはず。

ここでようやく結果が出て、そして念願のU-20ワールドカップのメンバー選出。緊張から解放されたことで更にパフォーマンスが上がってくれれば。

ともあれ、改めてプロ初ゴール、渓太君おめでとう!

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他にも山田くんのトップデビューであったり(神戸戦)、扇原くんのパフォーマンスの向上といった要素もあったりと、着実に芽は出てきている。

機会を活かし、リーグ戦に絡み、更にはレギュラー争いに絡んでチームを活性化してくれれば。ましてや、リーグ戦では停滞しており起爆剤を求めている側面もある。良いパフォーマンスを続ければ、必ずチャンスは出てくるはず。

チーム一丸、こういうときこそ!

【若さと勇気と勢いを前面に、裏返しの拙さも山盛りながら、今日はそれで大正解 by 蒼井真理】 about [2017-ルヴァン杯-第3節] 横浜 4 v 1 新潟

aoi_mari.png蒼井真理



ル杯ホーム三ツ沢 新潟戦4ー1の備忘録を連投。逆転大勝! 賢星と渓太と扇原にマリノス公式戦初ゴール。山中亮輔は初出場。下平匠が10ヶ月振りに復帰。多幸感に満たされた平日夜の三ツ沢劇場 その記憶

手元トータルスタッツ:シュート17:11(枠内4:4、エリア内6:7)決定機9:4。CK&FK5:6。前半からシュート打ちまくりも枠内はゴールに結実した4本だけ。若さって素晴らしい。最多は賢星の5本。後半新潟の決定機はATのエリア内3連打のみ。逆転後、まずまずゲームコントロール

「今日は我々が勝利に値する内容だった。ポゼッション率も高くシュートも多く打てた。残念だったのは前半、相手に何度かカウンタを許してしまった事。しかし選手たちは高いインテンシティを発揮してくれた。その姿勢を称えたい。最後まで後押ししてくれたサポータの力にも感謝したい」エリク監督

「何度も言うが、21歳以下の選手を先発させないといけないレギュレーションだから若手を起用している訳ではない。彼らはクオリティを持っているから試合に出ている。カップ戦に起用し実戦を経験させて彼らの力を伸ばしていく事は、個人としてもチームとしても必要だ」エリク監督

「私は普段のトレーニングから彼らを見ており信頼もしているので、今日の賢星や渓太のパフォーマンスは特に驚きではない。今後は山田康太や椿直起ら2種登録のユース選手も試合で能力を試す機会があるだろう。育成組織も含め一体となり戦うことはクラブの誇りやアイデンティティにも繋がる」エリク監督

「今日のゲームでもコレクティブな(組織的な連動した)プレイのクオリティが高かった。それによって各個人の力が引き出されたと言えるだろう。その点についても選手たちを称えたい。それにジョンスも忘れてはいけない。彼もまだ22歳と若い選手だ」エリク監督

――結果だけに食い付いた質問をする記者に「いつも見てるからこれ位できるのは知ってるよ。驚きではない」と返すのは、実に「教育者タイプの指導者」エリクらしいコメント。結果は大事だが、常に過程を見ているよと。リーグ戦では「4番目の外国籍選手」になっている朴正洙への配慮を付け加えるのも

Q.SB起用した遠藤渓太と将来性について

「確かに彼本来のポジションではなかった。もっと前の選手だ。しかし今日の渓太に期待したのはチームのサイドを攻撃的にすること。彼のスピードを生かし、サイドで数的優位を作り、裏に出ていく。その起用意図と期待によく応えてくれた」エリク監督

「右SBの経験が乏しく、前半は特に守備で苦労していた。しかし渓太はメンタルとフィジカル両面に強みがあり、後半は修正してくれたことがゴールにもつながった。彼のような若い選手は複数のポジションをこなすポリバレント性も重要になる。それが出場機会と経験を積むことに繋がる」エリク監督

ル杯ホーム新潟戦のチーム総括

・若さと勇気と勢いを前面に
・裏返しの拙さも山盛りながら
・幸運と勢いでプラス面を押し切る
・今日はそれで大正解
・ビビって無難にこじんまりより
・今の自分を押し切って
・勝って反省するコレ理想
・映像使っての反省は
・たくさん時間割いてください

前半18分に先制された時点での決定機数は2:3。序盤から闘志旺盛でガツガツ感は十二分もリスク管理は拙く、エリクの会見通り被カウンタからのピンチ多数。失い方も悪く、またリスクに備えたポジショニングや距離感、ロスト後の対応も良くなかった。バッタバタ。映像使って要反省

しかし失点直後こそ目に見えてガックリ落ち込んだが、よくここからチーム全体で踏みとどまり反発した。1失点以降は前後半通じて、新潟の決定機は後半ATのエリア内3連打のみ(GK杉本大地がストップ) リスク管理が改善したというよりは、若さ勢いで押し切った。攻めの姿勢。今はそれでいい

「前半は風下の中で先制できたが、PKで同点とされた。後半に入ってからも相手にボールをコントロールされて、自分たちが狙っていたような形で起点を作れず、セットプレイから逆転されて全体のパワーが落ちてしまった」三浦文丈 新潟監督

「(後半のプランは)ある程度は前から圧力をかけて、前半マリノスがやっていたように高い位置でボールを奪いたかったができなかった。相手のボールの動かし方が上手くてボールを奪えず、逆にこちらがプレッシャを掛けられてボールを動かせなかった」三浦文丈 新潟監督

――エリクが言う程にコレクティブだったとも、三浦文丈が誉めるほどボールの動かし方がチームとして上手かったとも思わないが、ポゼッション面で言えばアンカに位置した扇原がよく起点になっていたし、ダビと吉尾海夏の引き出す動きと賢いキープ、この3人と左サイドを中心にボールが動いた

特筆すべきは吉尾海夏の働き。パスを引き出し相手陣内に起点を作り、自ら仕掛けるためのアングルを作りつつ、意欲旺盛な左SB山中亮輔の上がるレーンをタッチ際に確保。中央から流れてくるダビも巧みに使い、左サイドは全くノッキングしなかった。実に賢い受け方、持ち方、ピッチ内の距離感

エリクの「コレクティブだった」という評価、三浦文丈の「相手のボール回しが上手くて奪えず」の戦評は、半分以上が吉尾海夏への賛辞だと思って構わない(と私は思う)…逆に言えばチーム全体にはあまり完成度やクオリティは感じず、むしろ拙かった。ウーゴ、前田直輝、賢星も展開関与は全くの不足

新潟のボール回しを制限したプレッシャという面では、序盤からチーム全体で寄せる早さや球際ガツガツ感旺盛で、特に中盤における扇原、賢星、ダビ、海夏の4名の攻⇒守トランジションとアプローチの速さ激しさは秀逸だった。連動してハメるのは難しいが、個々の頑張り

ただ中盤のプレッシャも「個々の頑張り勢い頼み」で連携は不十分、1つスカされると後は全部ズレる。だからDFラインは大変なんだけど、この4枚も急造。SBはデビュ戦の山中と本職でない渓太。しかしそれら悪条件を差し引いても、CB2枚の対応は少し脆すぎた。もうちっと何とかしてくれよん

ウーゴはPK以外ほとんど仕事できてないしキレも不十分、前田直輝もまあ柏戦から中3日で急成長するハズもなくチームとゲーム展開から独立した動き、ダビはマジ巧いけど攻の実効性はイマイチ。チーム全体のクオリティも個々も、全部が全部素晴らしかった訳ではない。むしろ課題は山盛りだ

ただ浦和とのリーグ開幕戦と同じで「勝って反省するのが一番」 柏戦0ー2から反発する意味でも、大きな逆転大勝。単純にポジティブなトピックも多かった。総取っ替えでないミックス布陣で結果が出たのも、次のリーグ吹田戦に繋がる。とても意味深い勝利――にして行かないと! という事ですね

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【喜べお前ら。何を悲観してるんだ、若き勇者たちの闘う姿になぜ後ろ向きな言葉を浴びせる、この盲目の卑怯者たちよ。 by 蒼井真理】 about [2017-ルヴァン杯-第2節] 横浜 0 v 2 神戸

aoi_mari.png蒼井真理



「今日は神戸が賞賛に値するプレイをした。しかし特に前半の我々はやるべきプレイ、ポゼッションして攻撃を仕掛ける形が作れていた。ただその中で相手にカウンタを何度か許し、その1つが失点につながった。先制されその後のゲーム展開は難しくなってしまった」エリク監督

「後半は風が強く、風下の中で長いボールを使い相手のウラを取っていくのが難しくなった。また神戸がより前へプレスをかけてきた中で、それを外すのもチームとして上手くはできなかった」エリク監督

Q.起用した若手に何を期待したか?

「若手だからという事でなく、今日出場した選手も含め全員が我々チームの戦力だ。選手にはそれぞれのポジションで求められるクオリティがあり、またマリノスのプレイスタイルの中で求められる役割がある」エリク監督

「今日の若い選手たちのパフォーマンスには、ある程度満足している。何人かの選手は正確な判断、良いプレイをしてくれた。ただ、前半に何度か慌てたシーンがあり、その中でボールをロストし神戸に速攻からチャンスを作られてしまった」エリク監督

「けれども吉尾海夏や前田直輝であったり、持っている高いクオリティを見せてくれた選手もいる。彼ら若い選手たちには、もっと出場時間が必要だ。試合経験を積んでいく中で、もっともっと彼らの力を高め、リーグ戦にも出られるようつなげて欲しい」エリク監督

「ハーフタイムに3つ注意点を伝えた。1つは、前半は風下で長いボールを蹴る選択が多かったが、もっと工夫しつないでいこうと。2つ、守備でラインのスライドが遅く、サイドで持たれてからバイタルへの展開を許していたので、スライドのスピードと強度を上げるように」ネルシーニョ 神戸監督

「3つ、我々がボールを持っている時の判断。カウンタなのかポゼッションなのか、その判断が曖昧で中途半端だった。自分たちの時間が上手く作れなかった。その3つの修正を後半は選手たちが意識して改善できたと思う」ネルシーニョ 神戸監督

やっぱネルシーニョのハーフタイム修正力ハンパねえ。前半は神戸のロングボールが多かったから、勇蔵や朴正洙や新井がしっかり跳ね返しセカンドを皆で懸命に拾いマイボールに繋げた。2つ目の修正「スライドが遅くサイドからバイタルへの展開許す」は正に(磐田戦でも見せた)エリク横浜の遅攻ポイント

この日のマリノスには「しっかり工夫して下でつないでくる相手」に対し狩場狙いを共有してハメ奪う守備はできなかったし(それはリーグのレギュラ組も同様)スライドのスピードと強度を上げられると、更にそれを上回るブロック内側の細かなコンビネーションは出せなかった(やろうとするとミスが出た)

しかし逆説的に、前半はロングボールにしっかり対応しマイボールに繋げたし(跳ね返す力とセカンドへの反応)、サイドで起点を作り相手のゾーンを寄せて中央や逆サイドに展開し「スライドの遅れ」を誘発させる基本の攻めも出来ていた。少なくともネルシーニョに「後半もこのままで」とは言わせなかった

強い風の影響は確かにあった。昼間はあんなに暖かだったのに夜の三ツ沢はチョー寒かった

…いや前半は追い風で、サイドを変えつつウラ狙いのフィードもハマったし、神戸のロングボールを跳ね返しやすくリズム構築の一助になった。後半は逆風で、フィードやクリアに細かいミスやズレが増えた

ル杯GL2節ホーム神戸戦の総括

・1節アウェイC大阪戦から大きな進歩
・長居では幅を取り高く張り出したSBに
・ノーアイデアで預け「さあどうしよう」
・内側を使う工夫も自主性も全く不足
・プレイ原則に縛られるばかりで
・それを超えてくアイデアやチャレンジ
・残念ながら皆無だった

・しかし三ツ沢の神戸戦では
・リーグ磐田戦で見せた進捗も取り込み
・ブロック内側を攻略する工夫や
・サイドに寄せてスライド遅れを狙う
・エリク横浜のプレイ原則に基づきつつ
・より具体的に体現するための
・チームとしての工夫と主体性が見えた

・アングル付けたフィードでサイドへ
・渓太と海夏WHの2人は内に絞り受け
・SBが上がるスペースと厚みを作る
・アンカ扇原は長短シンプルなパスで
・相手のゾーンを寄せ、開くキーマンに
・渓太や前田直輝の果敢な打開仕掛け

・遅攻の工夫と主体性、進捗と同時に
・最低限求められるガツガツ感
・闘う姿勢を、多くの選手が体現した
・球際の寄せの速度と強度
・攻⇒守切り替えの速さ、アラート意識
・ロストしても「次、次」の前向き姿勢
・最低限「あたり前」なんだけど
・長居より大きく前進した

・足りなかったのはリスク管理力と
・1つのミスや予想外にバタバタしない
・落ち着き、まあつまり場数経験で
・今日の双方のメンバの総経験値
・それを比較すれば、まあ仕方ねえかと
・勇蔵さん1人でリスクヘッジしろとか
・まあそれもあんまりな期待かしらねと

・今のマリノス、今日のチーム的には
・下手にリスク管理に意識傾き過ぎて
・チャレンジできない方が絶対的マイナス
・極論、それで勝点1を拾っても
・チームや個々の前進という意味では
・足踏みや後退に等しい
・チャレンジしての 0ー2全然オッケー
・実に誇らしい戦いを見せてくれた

・チャレンジしてミスって速攻受けた
・だから「何がダメだったか」分かる
・公式戦で体感しないと身に付かない
・練習や言葉の指導では思い知らない
・「最低ココは抑えておかないと」
・そのリスク管理も失点から学習する
・チャレンジしたから、沢山の反省と
・課題、前進する材料を得られた

・もちろんクオリティは全然まだまだ
・スライド対応の強度を上げられると
・内側を崩すことは出来なかった
・ただそこでも、トライがあった
・サイド起点、展開だけでなく
・より狭いブロック内側で密度を上げ
・コンビネーションで崩そうとして
・パスがズレまくった
・実に素晴らしい

・喜べお前ら
・昨夜の三ツ沢のマリノス
・チキンな臆病者はいなかったぞ
・何を悲観してるんだ
・今の自分たちを超えていこうとする
・若き勇者たちの闘う姿に
・なぜ後ろ向きな言葉を浴びせる
・この盲目の卑怯者たちよ

・0ー2の試合後で選手コメントは
・軒並み反省ばかりなのは仕方ないけど
・あまり後ろ向きになって欲しくない
・チャレンジした結果の0ー2は悪くない
・昨季のGL川崎戦や鳥栖戦も
・あれ勝点取れたのほとんど運だから
・ベースの力量や経験値差は
・そんな簡単にはひっくり返らない

・単純な勝ち負けや得失点
・出来た事、出来なかった事
・それは大事だけど それ「だけ」で
・若いチームと選手を評価しない
・「何をしようとしたか」
・前向きに主体的にビビらずに
・チームの方向性や自身の課題に
・自分の特徴をチームに落とし込むため
・チャレンジする姿勢が何より大事

・昨夜の三ツ沢には
・ル杯GL2節ホーム神戸戦には
・チャレンジする姿勢があった
・闘う姿勢をピッチで示した
・長居の戦いから、最も大事な部分での
・明らかな前進があった
・0ー2は結果として受け入れる
・しかし俺は満足だ
・この姿勢を忘れないで欲しい
・さあ、次だ次だ!


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【金井貢史、私的マンオブザマッチ。俊輔のドリブル縦突破を巧みにヒールでブロック。そしてオマケと言うには見事過ぎる落ち着いた決勝ゴール。実に誇らしい by 蒼井真理】 about 選手評 of [2017-J1-6] 横浜 2 v 1 磐田

aoi_mari.png蒼井真理



誇らしい金井貢史、ホーム磐田戦2ー1の選手評を連投。後半48分CKの被決定機のマークミス問題の解答もあわせてどうぞ

GK飯倉大樹。磐田の枠内シュートは失点シーンのみで、直接的にセーブする機会はほぼ皆無。あれを止めてくれとは言わないが、後半48分のCKのマークミスはGKとして気付いて修正して欲しかった。パントフィードは良いものと悪いものが混在。ウラ抜けできる駒は揃っているので更に質の向上を

…ハイここで昼間に連投した後半48分CKの被決定機、SB5櫻内渚にドフリーヘッド許したマークミスの正解発表。櫻内渚をマークすべき選手はCBミロシュでした! 後半、磐田のCKは2本。26分の担当役割と33分の磐田選手交代(高橋祥平櫻内渚)を見ても、マーク引き継ぎ責任は明らか

CKの守備スタイルは大雑把に分けて3つ

1.基本フルマンツー。ニアにストーン2枚ほど

フルマンツーのメリットは責任所在が明瞭。最後まで付き切ればセカンドもフリーな選手は生まれない。ニアへの低く速いボールはストーン役がケア、ファーへの山なりボールはGKがキャッチを狙う

フルマンツーのデメリットは(マリノスがよくやられる)スクリーンプレイでマークを剥がされると簡単にフリーな選手が出来る事。またセカンドに対しボールウオッチャになると、ポッカリとスペースやフリーな選手ができてしまう。これも既視感あるある

2.フルゾーン。選手をゴールエリア近辺に均等に並べ(1列7人とか、5・4の2列)入ってきたボールを跳ね返す

フルゾーンのメリットはマーク剥がれがなく、遠目のシュートやセカンドも密度の壁で跳ね返せる可能性が高い。デメリットは、人と人の狭い隙間にピンポイントで合わせられると無力

フルゾーンのもう1つのデメリットは、ゴールエリア近辺が味方選手で埋め尽くされるので、山なりのボールに対してもGKがキャッチに出にくい事。またエリア内にフィールドプレイヤをほぼ全員入れるため、クリア後の押し上げや速攻がやや困難

逆に基本フルマンツーは、GKのクロスキャッチ能力を信頼し生かす(だからゾーン担当するストーン役はニアのみ、ファーは置くならポスト内側に)という見方もあり。飯倉も、それなりに頑張ってると思いますよファーサイドのキャッチング

3.基本ゾーン+2人ほどマンツー

マンツーとゾーンの折衷案。相手にストロングヘッダがいる場合、1~2人ほどマーカを付けて身体を当てさせ打点高い自由なヘッドを許さない。シモビッチとかにフルマンツーでヘッド許されたら無力化されちゃうから。他の選手は人でなくゾーンを見る

マリノスは伝統的に「基本フルマンツー」高さ強さある選手が多かったから。ニアにストーン2枚も、最近ずっと同じ。ただボランチ天野純と喜田、前線ウーゴとダビ⇒磐田戦みたいな陣容だとミスマッチも生まれやすい。マルティノスも長身だけど空中戦守備は苦手。仲川輝人を使い難い理由でもある

ちなみに磐田戦では後半、ストーン役はウーゴとダビに変更。同点ゴールでニアのストーン役としてヘッドで弾き返せなかったマルティノスは、ペナアークのこぼれ球拾い役になってました

さて後半48分CKの被決定機。映像を見返すとミロシュがCKの直前、自分がマークすべき選手(既に交代で退いた高橋祥平)を探しキョロキョロ挙動不審w で、なんとなくストーン2枚の延長線飯倉の前で3枚目のストーンに。飯倉なり勇蔵が気付いて、櫻内渚のマークに付かせてやって欲しかった

――まあミロシュが自分のマーク担当が交代した事を確認できてなかったミスなんだけどね。でもやっぱチーム全体で、こういう小さな穴を埋めていって欲しいよねと。アレをあの時間帯に決められてたら、メチャメチャダメージでかかったよ。マジで

「自分が出場してからのセットプレイの守備で櫻内をフリーにしてしまった。自分のマークではなかったが、なぜか余ってしまった。そのあたりのマークを自分が明確にできれば良かったが、結果的に失点にならなくて良かった」栗原勇蔵

CB中澤佑二川又堅碁らに背後を取られたように見えるシーンが何度となくあったが、実は多くはミロシュが前に食い付き過ぎて空けてしまったスペースケアの結果。尻拭い。自身のコメント通り、チームとして前から奪いに行く守備をやるなら練習から連携を深める必要がある。ダビへの縦パスは意欲的

CBミロシュ。前に食い付き過ぎ背後を空けるシーンは散見、最後にCKで致命的なマークミスはあったが、とっさの反応や球際の守備、また自陣ビルドにおける長短のパスや持ち上がりに貢献は大きく、よりアグレッシブにチャレンジするチームに本領特徴を発揮。着実にJ1とマリノスに適応しつつある

右SB松原健。相手の守備ブロックを「右に寄せて左へ展開」「縦横に間延びさせる」ゲームプランの中で大きな貢献と存在感。縦方向のフィードのバリエーションは良。守備でも1度アダイウトンにぶっちぎられた以外は堅実対応。松原も着実にフィット傾向。あとはクロス精度、ターゲットとの関係性

左SB金井貢史私的マンオブザマッチ。俊輔のドリブル縦突破を巧みにヒールでブロック。逆サイドからのクロスにも絞り寄せ川又堅碁松浦拓弥にフリーのシュートを許さず。攻めでは高橋祥平に自ら寄り引き付け、学の負担を軽減。そしてオマケと言うには見事過ぎる落ち着いた決勝ゴール。実に誇らしい

「やっと貢献できた。今日は前半から自分のところでチャンスがあって、その場面でシュートを打たなくて心残りがあった。その後のチャンスでもトラップミスしていた。得点の場面は偶然いたのではなく点を取れると思ってあの位置にいた。自分の中でゴールはオマケ。それより失点した事が悔しい」金井貢史

「でも自分がゴールを決めて勝てて、めちゃくちゃ気持ちいい。今日はホームで勝点3が必要なゲームだった。創設25周年記念試合で、会社が勝つために企画してくれた部分もあると思う。会社と一体感を持って戦えたことが大きい。これをベースに頑張っていきたい」金井貢史


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【本来コレが「あたり前」だから。また緩む⇒反省する⇒頑張る⇒緩む ――繰り返すこのマリノス・リズムから卒業しよう。そうしないといつまでも真の強者にはなれない by 蒼井真理】 about 試合総括 of [2017-J1-6] 横浜 2 v 1 磐田

aoi_mari.png蒼井真理



入場者数 38,803人。ホーム磐田戦2ー1の備忘録を連投する

「予想通り我々がポゼッションできる試合展開になり、ある程度は落ち着いて上手くボールを回せた。だがクオリティをもう少し上げていかねばならない。問題は先制後にセットプレイで失点したこと。2点目を取るためもう一度(イーブンな展開から崩していく作業を)やり直すハメになった」エリク監督

Q.やり直すハメになった、とは?

「ホームゲームでは(ポゼッションして相手陣内に押し込み)相手の守備ブロックをどう崩していくかが課題になる。尚且つ、相手のカウンタも警戒しなければならない。そういう丹念な作業を後半もう一度やっていく必要が生まれたという事だ」エリク監督

「自分たちがポゼッションできる展開では、守備の堅さをキープするのが難しくなる。先制した後、少し下がってしまった。ボールホルダにプレスに行けなくなると、守備が非常に難しくなる。今日は途中から入った選手がボールホルダにしっかりと圧力を掛けて守備を向上させてくれた」エリク監督

「前半のうちに同点にできたのは勇気を持てた。(後半10分)アダイウトンが入ってからの10?15分がこのゲームの肝で、1点取れていればという感じだった。負けはしたが昨年のリーグ戦2試合に比べ、マリノスに対してやれる自信が僕自身は持てた試合」名波浩 磐田監督

エリク横浜は先制すると強い。オープン展開になり相手を呼び込み間延びさせれば、カウンタから学やマルティノスがスピード生かし敵陣スペースを存分に活用できる。でも引いた相手を崩す遅攻ビルド、ポゼッションは構築半ばで稚拙。「如何に先制し、リードした展開で試合を進めるか」がエリク横浜の肝

↑コレは昨季のリーグ総括や今季展望でも繰り返し述べたエリク横浜の特徴、強みと課題。で磐田戦は「直近3試合、進捗が見られずチャレンジする姿勢もなかった」遅攻も、質はともかくトライする姿勢は見えた。先制できた。なのに呆気なくまたCKから失点。エリクもいろんな意味「またか」となるわな

エリク横浜は、ポゼッション率やパス本数が優位になる程に得点率や勝点獲得率が低下する。これは今季もまだ変わってない。相手にボール握ってもらい、人数掛けて押し込んでもらった方が(学やマルティノスが使う敵陣スペース生まれて)都合いい。なんだかんだブロック守備はそれなりにカチッとしてるし

でもホームで「意図的にボール保持を放棄して引きこもる」とかダメだし、戦力予算的に下位のクラブからも取りこぼさず上位進出を狙うには、やっぱポゼッションして押し込み相手のブロックを丹念に崩す「リスクもあり面倒くさい」作業を、上手くやれるようになっていかないとダメだよねと。それが現在地

守備もまた同様で「なんだかんだブロック守備はそれなりにカチッとしてる」けど、それは待ち構える受動的な要素の強い守備であり「より前からハメに行く狩猟的な守備」「能動的な(速攻につなげる前提の)攻撃のための守備」の構築は、エリク横浜3年目もほとんど構築進んでません

「勝ったのは良かったが、チームとしての守備でバラバラになった部分がある。今日は前からボールを取りにく守備をしたが、その部分でチームの成熟度がない。練習から整備していけば、去年とは違ったサッカーが見せられると思う」中澤佑二

――とまあ中澤さんも仰る通り「前からハメに行く守備はぶっつけ本番」レベルなのが今のエリク横浜。両翼の突破打開力とブロック守備をストロングにした多分に「堅守速攻」寄りな堅実で現実的スタイル。1年目からポゼッションや、前からハメる守備も「やろうとはしてる」けど、まだまだこれから段階

…こんなに分かりやすいエリク横浜、なんで「方向性が分からない」「スタイルがない、戦術が見えない」とか言う人が未だ絶えないのか全然分からない。スタイルも方向性も、チームの現在地も課題もメチャメチャ分かりやすい。凄く普通。オーソドックス

試合の総括に話を戻す

磐田戦の勝点3以上、プラスアルファで評価できるポイントは正にエリク横浜の課題である「攻は自陣ビルドからの遅攻ポゼッション、ブロック守備攻略」「守は前からハメに行く能動的で狩猟的な守備」に、チームとしても選手個々にもトライする姿勢が見えた事。それに尽きる

3節のアウェイ鹿島戦から指摘し続け前週のC大阪戦なんてその極み的な試合「プレイ原則やゲームプランには忠実だけど」「約束事は守ってますよ感が面に出て」「それを超えていく主体的なトライがない」「プレイが狭苦しい」

今できる事の縮小再生産。課題への取り組み、進歩性がないねと

「新しいマリノス」はまだまだ若く、キャプテン齋藤学が語るとおり「今強いチームでなく、これから皆で強くなっていく」チームのハズなのに、コレじゃダメでしょと。結果も大事だけど、それだけに固執して課題への取り組み棄てちゃダメでしょと。…磐田戦は、ちゃんと反発してチャレンジしてくれた

学は選手ミーティングを開き、エリクも約束事や縛りを減らした紅白戦を実施して選手にダイナミズムを尊重し要求した。選手たちも、それに応えてトレーニングから「課題に挑戦する」「今の自分たちを超えていく」姿勢を示し、それを磐田戦のピッチで表現してくれた。今はクオリティより、その姿勢が大事

「僕がアシストした事より、1人ひとりが走り切って球際で戦い、最後まで戦う姿勢を見失わなかった事が嬉しい。選手ミーティングで意識的な話をした成果は練習でも出ていたし、ピッチに立てない選手のためにも勝たなければいけなかった。C大阪戦とは皆が本当に違った。それが今日の勝因」齋藤学

磐田戦で見えた遅攻のトライ

・序盤マルへの縦ポン多用で間延び誘う
・ダビが引いて受けて前を向く
・↑コレに中澤が縦パスを付ける
・ミロシュの持ち上がり、対角フィード
・マルが内に絞り、大外の松原を使う
天野純の周囲を使うプレイビジョン
・右に相手を寄せて、左の学へ展開

…詳細は選手評で書く。どこまでがゲームプランで与えられたモノで、どこからが選手個々の主体的なアイデアかは分からないが――どちらにせよトレーニングから考え話し合い準備されたものではあるだろう。C大阪みたいな「ボール持ってから迷う」シーンは凄く少なかったから

足りなかった「遅攻の幅と厚み」バリエーションの拡充、それに取り組む姿勢。それを磐田戦でチームと選手個々が示してくれた。もちろん質の部分ではまだまだ全然これから。でもリスク負ってもやんないと、出来るようにはならないから。磐田戦は、取り組む姿勢を最大限に評価したい。これを続ける事

――厳しい言い方をすれば、磐田戦の「攻守切り替え頑張る」「球際で闘う」「攻守の課題に取り組む」とか、ホントはプロとしてはあたり前、最低限スタートラインの部分。前提として、やってあたり前。やんないならピッチ立つなよレベルの話。でも出来なかった事が出来たのは素晴らしいから、評価する

でも本来コレが「あたり前」だから。磐田戦の「闘う、課題に取り組む」姿勢は「あたり前」にしてかないと絶対ダメ。日々の練習から、厳しく互いに指摘し合おう。また緩む⇒反省する⇒頑張る⇒緩む ――繰り返すこのマリノス・リズムから卒業しよう。そうしないといつまでも真の強者にはなれない

…こういう説教臭い意識高い系の安い自己啓発本みたいな事を言うのも、そういう視点でチームも見守るのもなかなか正直しんどいものはあるけれど「新しいマリノス」は常に挑戦者であり続けなければ

リーグ優勝を目指す、その気持ちは大事で高い目標も必要。でもそのために「今できる事」だけに汲々として「今の課題」への取り組む姿勢を失ったり、プレイが縮こまって闘う姿勢を失くしたり、自分たちのミスで萎えるのはダメ。あくまで「今の自分たちを超えていく」姿勢を貫いた先に、リーグ優勝はある

磐田戦はチームとしても選手個々の姿勢も素晴らしかった。それはスタンドのファンにも、分かりやすく伝わった。それは貴重な「分かりやすさ」だ。忘れないで欲しい。続けて欲しい。あたり前にしていって欲しい。続ける事は、反発より難しい。超え続けていこう

新しいマリノスは、まだまだこれから

スタンドのファンも「出来た、出来なかった」だけでなく「やろうとしたか」課題に挑戦して今の自分たちを超えていこうとしているかを見て評価して欲しいと思う。「もう○○は見たくない」じゃなく「もっと出来るだろ?」という期待をベースに見て欲しい。挑戦した上でのミスには拍手を送って欲しい


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