横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【選手たちは勇猛果敢を貫いた、誇らしい。ユンユンと山中亮輔の打開、攻撃性が◎。大津とオリバーの2人は現状「出遅れ分を取り戻させるため評価ハードル下げて起用」期間。 by 蒼井真理】 about [2018-J1-6] 横浜 1 v 1 川崎

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

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試合前〜試合中の実況&コメント

2連勝で迎えるリーグ6節ホーム川崎戦。今季初の日産スタジアム開催。昨季王者3位川崎と13位マリノスの勝点差は3。このスタイルへの確信と勢いを得るための大一番、15連戦の4つ目は前半戦の分水嶺。キックオフ40分前に着

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…キックオフ30分前に西ゲートにクソ行列できて全然捌けてねーんだけどww 大丈夫か運営。導線とかもーちっと考えろよ

今季もメインアッパーSS席からよろしくお願いします。やっぱこの視界なかなか悪くないよな

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フィールドプレイヤもアップ中。ホームのゴール裏1階、2階ともなかなかの埋まり具合。バクスタがやっぱスカスカ感でちゃうかなー?

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ホーム川崎戦のスタメン

FW ユン、ウーゴ、オリバー
MF 大津祐樹
MF 扇原、天野純
DF 山中、ミロシュ、中澤、松原
GK 飯倉

SUB:杉本、金井、下平、中町、海夏、渓太、伊藤翔

前節と同スタメン。サブのWGにはイッペイでなく遠藤渓太。渓太がんばれよおおお!

「相手が強いチームなのは間違いない。ここまでリーグ戦とACLが重なりタフな戦いで難しい部分もあったと思う。クラブとしてもサポータとしても川崎戦は楽しみなのではないか。ダービーはサポータにとって大切な試合、勝ちたい試合だと思う」アンジェ監督

「だがダービーもそれ以外の試合でも3ポイントを狙うことに変わりはない。良いチャレンジになる。浦和もボールを握りたいチームだったが、我々が主導権を握ってゲームを進めることができた。この試合も主導権を持ちゲームを進めたい」アンジェ監督

川崎スタメン。小林悠が負傷欠場、CFは大卒2年目でスタメン3試合目のFW20知念慶。大島僚太が代表欧州遠征での負傷から復帰。先発に新加入選手は不在、昨季等々力0ー3から変更は小林悠⇒知念のみ。「王者の完成度」を相手に、どこまで戦えるか。相手にとって不足なし

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川崎サブには齋藤学が初のベンチ入り。アウェイ選手紹介ではそれなりに大きなブーイングもあった模様。前倒し復帰についてはメディカルの判断と本人の意思、最後の起用決断は監督。周りがとーこう言う事じゃ全くないでしょ感

例えば君は「死なないためだけ」に生きられるか? そんな生に何か意味があるか? どうせいつかは人は死ぬもんだ。選手もそれと同じで「怪我をしないめだけ」にプレイしたり選手ではいられない。成し遂げたい何かのために選手でいてプレイしている。怪我はするものだし、キャリアもいつかは終わる

「リーグ戦で連勝して、ル杯にも勝った勢いを持って臨める。やっているサッカーに少しずつ手応えや自信を得て、それが確信に変わりつつある。川崎はポゼッションするチームで、どこからでも点を取れる。それに対し今年のマリノスがどこまで出来るか。去年までとは違うスタイルの戦いになる」中澤佑二

「ボスはボールを握ることを強調しているので、それが川崎相手にどこまで通用するかの戦いになる。せっかく良い形で勝ってきているので、とにかく勝ちたい。相手が対応してきても、自分たちのサッカーを貫く」中澤佑二

アップを終えてドレッシングルームに下がるウーゴ様。いやーこのウーゴチャント、コール連呼からの太鼓連打の流れは神曲だな! 超アガるわー

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川崎を相手に、どれだけボールを握りゲームの主導権を取れるか。ビビらず自陣深くGKからパスを繋ぎ、無難に逃げず、相手を食いつかせ剥がして敵陣にボールを運ぶ段階で優位性を築き、フィニッシュまで持ち込めるか。その質と頻度。まずは何より勇猛果敢な姿勢を、どこまでピッチに表現できるか

――ひょっとしたら「ボールを握る」事そのものへの拘りは、鬼木達の川崎よりもアンジェ横浜の方が強いかも? もしかしたら川崎はポゼッションからの崩しからよりも「マリノスの自陣ビルドを引っ掛けてのショートカウンタ」食いつかせようとするマリノスを、それ以上の強度で食いちぎる狙いがあるかも

大島僚太が復帰し、彼のコンディションに問題なければ如何なるゲームプランを採るにせよポゼッション志向は自然と高まるとは思うが――鬼木達と、一度リーグタイトルを経験した川崎は風間フロンターレより現実的かもしれない、と何となく思う

単純なポゼッション、ボールを握った方が勝点3に近づくゲームにはならないような気もする――が、それでもボスがそれを望み選手たちもこのスタイルを信じ貫くというのなら、罠や落とし穴が沢山ありそうなその土俵で、ボールと主導権を握る事に拘り抜いて欲しいと思う

河治良幸@y_kawaji

明日というか今日は横浜F・マリノス×川崎フロンターレに行きます。異なるスタイルを突き詰めている両雄の対戦。分析的にチェックしますが、純粋に試合が楽しみ。

札幌×名古屋もそうでしたが、もちろん勝ち負けは大事なんだけど、こういう突き詰めのベクトルが違う”異文化交流”的なカードはJリーグの中でも化学反応がたまらないですよね。両クラブのサポーターじゃないサッカーファンも楽しんでほしいです。自分も少しでも視点で盛り上げたいと思います。

アンジェ横浜と川崎のカードで「ポゼッション志向同士の対戦」みたいな向きもあるけど、河治さんも言うように「突き詰めのベクトル」そもそも発想のスタート地点、方向性が大きく異なるチーム同士の対戦。ボールを握りゲーム支配したい志向、ポゼッション率が高くなるのは結果として同じだけど

教祖風間八宏の教えは「パスコースが “見えるか”」より早く多くクリティカルなパスコースが見えて、そこに出せる・そこで受けられる選手が偉い。“見えない”選手はサヨウナラ(^.^)/~~~

チームのレベルは「一番見える選手」が決め周囲を引き上げる中村憲剛大島僚太がいなけりゃ並のチーム

…いやDFライン含めた全選手の「見える」度がリーグでズバ抜けて高いけどね宗旨的に。見えないヤツはサヨナラだから

で「見える」選手を揃えて時間を掛けて個々の「見える」を揃える、即興閃きのシンクロ率を上げる。だから風間八宏のチーム作りはクッソ時間が掛かる

エリク⇒アンジェ横浜の方向性は「見える選手」特定の個にビルド&ポゼッションで依存しない(“選手は移籍するもの”だし時間は有限だから)明確に言語化、提示されたポジショニングやパスルートなどプレイ原則がある。選手に必要なのは「最低限の理解力、何より理解し原則を遂行しようとする姿勢」

――試合前にこの話は長くなるから止めよう。でも思想の出発点とベクトルは異なれど志向的には近い部分もあり、手法的には真逆の部分もある(選手の距離感、ポジションを崩すのか守るのか等)

サッカーにチート戦術はないから、どっちが正解という事もない。そこが面白い

スタメン紹介映像、前節ゴールのウーゴ・ヴィエイラ様はノーマル。つーか今季はホーム側、アウェイ側の映像一緒で顔のアップがないのねー

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民衆の歌とゴール裏のトリコロール・フラッグ乱舞。今季からビジョンにも歌詞が入るようになりました

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選手入場時のゴール裏トリコロール・コレオ

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トリコロール・コレオ&2018ジャイアント・ジャージ

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あの9月9日の等々力0ー3完敗から7ヶ月。マリノスが何と決別し、何を目指し何処に向かうのか。今こそピッチに示し、証明する時。譲れない、負けられない

ホーム川崎戦、間もなくキックオフ!

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【「適正な距離感のもとに▽を作りましょう」「常に “両斜め前に” パスコースを作るように」「ライン間や相手の隙間で」――といった前提を満たした上での修正や自主性でなければならない。あくまでベースに組織のプレイ原則がなくてはならないし、それを組織的な意味で理解しなくてはならない。 by 蒼井真理】 about [2018-ル杯-GL3] 横浜 1 v 0 新潟

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試合前〜試合中の実況&コメント

ル杯GL3節アウェイ新潟戦。新宿高速バスターミナルから6時間。たったの6時間

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6時間もあれば読了できてしまうのではないか。途中で寝落ちるのではないか

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ル杯アウェイ新潟戦のスタメン

FW 渓太、伊藤翔、イッペイ
MF 吉尾海夏
MF ダビ、中町
DF 下平、西山大雅、金井、山田康太
GK 杉本大地

SUB:彩貴、ミロシュ、堀研太、オリバー、仲川、大津祐樹和田昌士

リーグ戦から総取っ替え。ルーキ西山大雅がCBで先発プロデビュ。サブメンバのバランスw

新潟のGKは2013シーズン湘南在籍時「ふしぎなおどり」で一世を風靡したアレックス・ムラーリャ(湘南時はサンターナ登録) 田口潤人はベンチスタート

「連戦は分かっていた事なので、2週間のブレイクでしっかりコンディションを整えている。3週間後は予測できないが、目の前の試合には勝つためのメンバを選ぶ。リーグ戦に出場していない選手にとって良いチャンス。連戦に向けて全員が出場時間を確保するのは大事なこと」アンジェ監督

「(今季初出場となる)杉本大地については彼自身のプレイと、チームとしてやるべき役割を理解できているかを公式戦の中で確認したい。大津とオリバーは20~30分起用したいと考えているが、試合の流れを見ながら決めるつもりだ」アンジェ監督

「今のスタイルではヒロキくんのプレイが理想形だと思う。でも同じことはできないし、自分にしかできないプレイもある。DFラインの背後のスペースに関しては、出る時は迷わずしっかり出る。出ない時は出ない。中途半端が一番ダメ」杉本大地

たぶん金井貢史が鬼のラインコントロールで、下手するとリーグ戦以上に大きなウラのスペースを杉本大地に与えてくれると思うので大地がんばれ

約30分遅れで雨の新潟駅に到着。そしてビッグスワンまでシャトルバス。またバスに乗るのです。キックオフには間に合うので無問題

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雨のビッグスワンに到着

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フィールドプレイヤがアップ中。アウェイ側マリノスのゴール裏は屋根下に。かなりガッツリ雨降ってますからねえ

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アッパーの開放されないビッグスワンなど45点の陸上競技場でしかない。残念

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――うーん流石にこの雨とピッチコンディションでは、バカみたいにライン上げるのは現実的ではないと思うな。ボスと選手たちの判断や如何に

キックオフ5分前。雨はかなり小降りになりピッチは水溜まりもなく芝生の状態も良さげ。これならボスの要求する本来のスタイルを表現できそう。あとは選手の勇気! 杉本大地は迷わず躊躇わず

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ル杯アウェイ新潟戦のビッグフラッグ

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更なるチームの底上げを! 連戦に勢い付ける勝利を! 夢の複数得点を!

ル杯アウェイ新潟戦、間もなくキックオフ!

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【清水戦の大きな反省点はインサイド及びアンカーのポジショニングバランスの悪さ。ボールに寄るんじゃなくて、ボールが君の元に来る。それが正しいポジショニング。ポジショナルプレー。 by いた】 about [2018-J1-5] 横浜 1 v 0 清水

f:id:harukazepc:20170419104133p:plainいた

前半3-0、ポゼッション率82%…本家ぱねぇな…
マンチェスターシティ (プレミアリーグ32節 vsエヴァートン戦)

インサイドの飛び出し、かぁ…ただ、大外のレーンじゃない、そこだよ大津くん。
(僕は、土曜日の大津くんの外への飛び出しはやりすぎだと思ってる人)

スペースで受ける、という要素が足りないと感じて、外に流れてスペースで引き出す、はいいんだけど、本来の受ける位置でどれだけ受けれたのか、ウイングの横でのサポートどれだけできたのか、というか、大外流れるのと、内側で受けるのはどちらが優位なのか、よりよいのか、そういうところなの。

まあ、1試合目だからね、厳しく見すぎるのも良くないんだけど。
それだけじゃだめ。というか、君が大外に流れすぎるとあまじゅんと扇原くんも引き寄せられて、ポジションバランスが凄く悪くなる。

ごめんね、次川崎戦なの、シビアにやりたいの。

(勝ったから言えること)(勝って反省)(個人的にアンジェが大津くんのプレーをどのように評価するのかは気になる)
(守備に置いては外に寄るのは結構メリット)(でも、攻撃面ではマイナス)

清水戦の大きな反省点はインサイド及びアンカーのポジショニングバランスの悪さ。

端的に寄りすぎ。サイド人数かけて崩すは自己満足。そんなことしなくても崩せる。
中の厚み、ボックスの「中」に入る脅威、内側フロートも意識して。 そしたら外はフリーになれるから。

まあ勝ったからいえるんだけどね。

ボールに寄るんじゃなくて、ボールが君の元に来る。
それが正しいポジショニング。ポジショナルプレー。

あまじゅん悪い癖出てるよ。君が良いポジションを獲れば、自然に君の元にボールが来るよ。周りを信じなさい。

矯正するのに苦労した、というエリクのコメントじゃないけど、やっぱりボールに寄るのが習性にはなっているんだと思う。

止まれないし、我慢できない。
実際、流動性という「エクスキューズ」が出来るとボールに寄る。
まだ理解して、意義を消化できてるかというとそうでもないんだな、とは感じたりする

【改めて中澤佑二の今季と新たなスタイルに取り組む覚悟が読み取れる良記事。中澤佑二は一切妥協しない。やっぱこのお方は鬼ですよ鬼 by 蒼井真理】 about 「中澤佑二は速度勝負になぜ勝てるか。ハイライン守備で光る「コンマ何秒」。」

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

Number編集部@numberweb

中澤佑二は速度勝負になぜ勝てるか。ハイライン守備で光る「コンマ何秒」。
#Jリーグ #jleague #fmarinos #中澤佑二
http://number.bunshun.jp/articles/-/830342

number.bunshun.jp

 

「そこは0コンマ何秒の世界だと思う。ボールが出そうだったら相手より半歩早く走ればいいし、半歩前に出ればいい。そういう足の速さって陸上競技のような『よーいドン』ではないので。可能な限りフライングじゃないが、先読みして早くスタートを切れればそれに越したことはない」中澤佑二

「ラインは下げなくていいと監督にハッキリ言われているんで、やるほうとしたらやりやすい。『良いボールが出てキレイにウラ取られたらしょうがない』ぐらいの気持ち。4バックがしっかりとそろって真ん中を絞っておけば、真ん中をやられる事はほぼないと思っている」中澤佑二

「まずは監督が言うことに対して全力で取り組むしかない。(ハイラインは)確かに怖い部分もあるし、今までやってきた事とは違う。たとえ無意識の状態でも、今のやり方が自然とできるように頭と体をしっかり合わせていくしかないし、そこまでやらないといけない」中澤佑二

「このサッカーは走らないとできない。40歳になっても走れるなというのはありますよ。毎日、全力で練習して、試合ではできること、やれることを100%やる。それしかないと僕は思っていますけどね」中澤佑二

――目新しい言葉はなくとも含蓄ある言葉、改めて中澤佑二の今季と新たなスタイルに取り組む覚悟が読み取れる良記事。「よーいドンじゃない」「無意識の状態でも、今のやり方が自然とできるように」中澤さんの優れた部分や、スタイル習熟のため大事なキーワードもチラホラと

中澤佑二と「よーいドン」2016年5月8日、リーグ連続100試合フル出場を達成するホーム甲府戦前の tweetより

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中澤佑二は昨日の全体練習後も、フィジコのグレッグとマンツーマンで「追いかけっこ」に似たダッシュ、相手の動きに合わせたキュキュットした動き出し動き直しとかクイックネス系のフィジカルトレーニングで自分を追い込んでいた。始める前にはグレッグとしっかり話し込んで。終わったら肩を叩き合い

「よーいドン」にしないため、培った予測判断も生かすし、ボスの求める新しいスタイルへの習熟理解も深める(部分的には長い年月を掛けて構築した中澤システムの放棄である)が、単純に「追っかけっこ」のフィジカル部分も妥協しない。中澤佑二は一切妥協しない。やっぱこのお方は鬼ですよ鬼

「無意識の状態でも、今のやり方が自然とできるように頭と体をしっかり合わせていく」この “無意識でも” は少し下書き進めてる連投テーマの頭の部分のキーワード。…練習で意識してやんないと、試合での “無意識” は狙ったように機能しない。脳はショートカット大好きなサボリ魔

【(エリクの3シーズンを)正しく評価し伝えてくれるメディアがある事を本当に嬉しく思う。ハイプレスとかビルド&ポゼッションとか偽SBとか5レーンとか表面的な戦術の部分でなく、最も根本的かつ病巣的にマリノスの「出来てなかった」部分が、変わろうとしてる by 蒼井真理】 about 河治良幸「Jリーグが衝撃…横浜FM「ポステコ革命」の真実」

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

河治良幸
@y_kawaji

マリノスの基本的な戦術理念を少し大きめにまとめました。まずは前編です。

Jリーグが衝撃…横浜FM「ポステコ革命」の真実【前編】 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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『ただ、この現象は唐突なものではなく、実はエリク・モンバエルツ前監督の時から仕込まれたものだ。つまり、前任者が種を撒き、水をやり続けた畑に新監督が進化のための肥料を加えたような流れだ』

これを正しく評価し伝えてくれるメディアがある事を本当に嬉しく思う

マリノスのファンやサポータなら、エリクの3シーズンを経由せず、いきなり2014シーズンにアンジェが就任してあのスタイルを提示要求しても、選手たちが「何を言ってるんだこの監督は」「それはマリノスらしくない俺たちのサッカーじゃない」と猛反発をくらってたのは容易に想像できると思う

エリクは実に変格過渡期の、とんでもなく面倒臭くて、自分は畑を耕し種を蒔いて収穫期は他の誰かに譲るという一見損な役割を、彼らしい諦観で遂行していってくれたと――元日の天皇杯ファイナルの後にで感じた事を、今ボスのチームと選手たちを観て改めて思う。そう思える事が、凄く嬉しい


河治良幸
@y_kawaji

マリノス後編です。

Jリーグが衝撃…横浜FM「ポステコ革命」の真実【後編】 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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『現状は相手を見て調整を加えながら支配的に “アタッキングフットボール” を進めていくことが十分にはできていない』

『よく陥りやすいのが、自分たちから攻撃のアクションを起こしていくスタイルほど、相手に関係なく同じやり方を続けることが重要と考え、相手の分析を軽視してしまう』

以前にも書いたと思うが「完璧なチート戦術などないし、そもそもポジショナルプレイはそれそのものが戦術でなく戦術を再定義する概念。より細かく明確に定義したチーム戦術に対し、必ず相手は対策してくるが、それを上回り続けるための思考施策に終わりはない」

で個人的には「もちろん戦術的柔軟性、相手に即したプラン選択、選手たちの自主性、臨機応変な修正は必要になるが」今季の序盤は「ボスがエグいドラスティックなスタイル改革やってるから、コレのベース部分を選手の頭と体に真に叩き込むまでは」愚直にアレンジ少なめでやるべき――と思っていました

まず基礎問題を徹底的に繰り返しコンスタントに95点以上取れるようになるまでは次のステップ応用問題に手を付けるべきでない、それは基礎の理念や哲学を選手たちが「自分たちに都合よく」ネジ曲げ「やらない」言い訳になりかねないマリノスあるあるだから、基礎は大事だよ公文式のココロ~

でもボスは相手が対策取る(前線の形を変えて同数でハメる、アンカーを狙い撃ちする)ようになると、中盤トライアングルの形を早々に変えてきたし、リーグ初勝利となった浦和戦では選手たちが「自主的にピッチで思考判断決断し」「状況に合わせた修正を施し」上手くやれた、と手応えあるコメント多数

松原健のコメント然り、ダビを前に押し出し後方でバランスを取った天野純然り、素晴らしいのは「ハーフタイムにボスに『自分の判断でこう変えたけどコレでいいか?』と確認し、ボスも『OKだ』とそれを承認してる」とこ。コレ凄く大事だから! 報告連絡相談、社会人の基本! 事後報告で全然大丈夫!

エルゴラ、菊地さんの記事にも

「監督は鳥栖戦の後から『言われたことだけやるのでなく、自分たちで判断してプレイしろ』と明確に選手たちに伝えていた」

「浦和戦の前に『ボスからは “あまり答えを求めないで欲しい” と言われている』と、自分たちで考える必要性を感じていた山中からの決勝ゴール」

選手はボスの要求に妥協なく応えようと懸命に取り組みつつ「従順にやってるフリ」でなく自主性を発揮し、ピッチで思考判断決断をし、自分で自分のケツを拭いてる。目の前の試合とマリノスに対し、自分から責任を取ろうとしている。そしてボスは「もっと自分で考えろ」その姿勢を積極的に後押ししている

ヤバいな。マリノス始まったな。コレは上辺でないマジ本格的なドラスティックでセンセーショナルなレボリューションだぜ…。ハイプレスとかビルド&ポゼッションとか偽SBとか5レーンとか表面的な戦術の部分でなく、最も根本的かつ病巣的にマリノスの「出来てなかった」部分が、変わろうとしてる

最後にリーグ優勝を果たした2013ー14連覇の時でさえ、あれは岡田武史が「奪ったら横や後ろじゃなく縦に」「とにかくサボるな闘え」という “型にハメる&精神論” で、マリノス脆弱性を消して強みを引き出した。岡田武史は選手たちの自主性を引き出した訳ではない事に納得せず、後に岡田ラボ暗黒時代へ
※最後にリーグ優勝したのは 2003ー04ですよね! 「前世の記憶」になってしまう前にリーグ優勝したいです

本当の意味での主体性、自主性とは何か。それを獲得するために監督や選手にどんなアプローチが求められるのか。その1つの解をマリノスは獲得しつつある。ここまでくるのに25年を費やした。この改革を継続性と持続性ある本物にしていって欲しい

――これは蛇足であり前にも述べたし今後また書くテーマだけど、ボスと選手たちトップチームが真の主体性を獲得しつつある今こそ早急にユースの、アカデミーの改革をだね…。ソレができる選手、自分で考え判断決断できる習慣づけられた選手の育成供給を、ホント是非お願いします。大変切実な問題です

こういう「選手たちが主体性を獲得する」「誰か1人でなくチームとして」体質的な変化、意識改革は時間もかかるし何か1つ決定的な施術やアプローチでなく、複合的な要素により起こるものだとは思うけど、俺は昨季アウェイ川崎戦の0ー3完敗は1つ大きな転換点じゃなかったかと思う

「このままじゃダメだ」「ソレはこれまでのマリノスらしさではない、向き合ってこなかったモノだけど」「本気でソレに取り組まなければ」「俺たちは変われない、勝てない」「勝ちたい、勝たせたい、変わりたい」そう本気でチームが選手たちが思えたのが、あの0ー3川崎戦とそこからの優勝戦線脱落かなと

なんとなくだけど、俺はそう思う。なんとなくだけどね。アレが全てではないけど、象徴的なゲーム。転換点。天野純なんかは「これまでの自分たちは間違っていた」とまで言ってかなり反発くらってたしw リーグ終盤は「できもしないハイプレス」に取り組み、C大阪にボコられたり

2年目終盤の「できもしないビルド&ポゼッション」3年目終盤の「できもしないハイプレス」エリクの3シーズンは、これまでの “マリノスらしさ ≒やらない言い訳” を破壊する3年間でもあった。コレやんねえと勝てねえよな、でもオマエら出来てねえよな、エリクはやんわり丁寧に、選手たちに現実を見せた

…うーんエリクの3シーズン楽しい。振り返り価値を検証するのも楽しい。積み上げ厨にはたまらない…。しかし、もう新たなボスとの挑戦は始まっているから過去を振り返り美化するのは程々に。そのエリクが整備したベースの上に、確かな上物を築き結果を出さなければ。タイトルを獲りに行かねば