横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【選手たちは短い修正時間で、ホントよく理解し前半正しくゲームとリスクをコントロールした。後半も、動き落ち押し込まれ始めた時間帯もフルチン相手にチャンス作ってたし、なんとか修正しようとはしてた。タコ殴りにはされてなかった。分かる、分かるよボス!完全妄想世界だけど俺には分かるよ! by 蒼井真理】 about [2018-J1-13] 横浜 1 v 1 名古屋

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深夜のバスから「結果論」で振り返るアウェイ名鯱戦1ー1(トータル決定機9:3)

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「結果だけ見れば、毎週毎週非常に残念な結果になっている。しかし最初の45分、我々はしっかりコントロールできていた。後半プレッシャを掛けられ自分たちのゲームにならない中で同点にされたが、最後に決定機が4、5回あった。勝利するにはああいうチャンスを確実に仕留める必要がある」アンジェ監督

手元トータルスタッツ。シュート13:6(枠内5:2、エリア内10:4)決定機9:3。CK&FK5:3。後半はシュート8:4(枠内3:2、エリア内6:4)決定機7:3。後半だけ見ても、後半のスコアも上回って然るべきスタッツ

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逆に後半は被決定機3なので、1失点は押し込まれる時間帯が決して短くなかった展開的にも全くあり得るもので、全く理不尽ではない。だが1ー1という結果、その1失点や時間帯、局面、ブロックとラインが下がった事だけを切り取り「やれてない、何故やらない」と批判するのは的外れであると私は思う

――尊師風間八宏の会見コメントは相変わらずブッ飛んでて我々には共感の難しい境地にあるので、名古屋の選手たちが実際ピッチでどうマリノス戦を感じ捉えてていたかをコメントから引用しよう

「監督からの指示は特にはなかったが、マリノスが立ち上がりから前から来ると思っていたので、相手の背後を狙うということはチームとしてあった。でもなかなかボールを持てず、相手に握られてばかりだったのでなかなか難しかった」八反田康平

「すごく相手の立ち位置が上手く、誰がどこに行くかハッキリしないままで失点も自分のサイドからのクロスだった。相手のSBは中を取ったり、背後を狙ってきたりと本当に上手くて、自分の周りに2人、3人、4人いるくらいだったので、なかなか的が絞れずに難しかった」八反田康平

――いやあ、いいね八反田くん。そういうコメントもっともっと欲しいなあ。ホント前半は、マリノスの選手たち中2日の短い時間でよく修正して距離感バランス、相手を動かし不自由な二択を迫る位置関係、ネガトラに備えたポジショニング、凄くよくなってたと思うよ。相手が名古屋という事を差し引いても

「勝ち切りたかった――と言いたいが、ピンチもあったしGKに助けてもらい勝点を拾った部分もあると思う。後半は自分たちが修正できた部分もあるが、相手が前半ほど動かなくなったというか、動きが少なくなったというのが正直なところ。でも後半、マリノスの運動量が落ちるのは分かっていた」和泉竜司

『後半は相手が前半ほど動かなくなったというか、動きが少なくなったというのが正直なところ』『後半、マリノスの運動量が落ちるのは分かっていた』

和泉くん、正直な感想をありがとう!
2年前の飯倉ポロリの時といい、君は実に率直なコメントをするね! 少しは胸にしまう事も覚えた方がいいかもね!

うーんとね、前半あんな一方的にマリノスがボール握って1ー0で、そもそも風間八宏のチームは「まずボール握ってるのが前提」で「ロストした時のこと」「ボールの奪い返し方」とか全く練習しないようなチーム、前半どうしようもない。だから後半、もう半ばヤケクソ気味に前に前からくるのは想像できた

だから後半の頭の入り方、名古屋がギア上げてつーかもともと在って無きが如しの安全弁を外しフルフロンタル、全裸フルチンで向かってくる勢いを、上手く去なす熟練は今日のマリノスにはないから、それ以上の勢いで「ああやっぱダメだ~」と思わせないとダメだなとハーフタイム明けくらいに思ってました

先日「グアルディオラ総論」から引用した、正に↓この部分、カスパロフの思想

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後半頭からちょっと勢い負け、受けちゃったかな… とは思ったけど後半も最初の決定機マリノスですし。やっぱ名鯱さんフルチンになってるんで、簡単に渓太からのウラポン2つで決定機作れてる。天野純と大津かな。――こういう部分、試合全体の「文脈と状況」は見ておくべきだと思いますよ

後半、ただただマリノスがビビって受け身になって引いて押し込まれた訳じゃない。名鯱さんフルチンになってた。後ろのリスクとか完全無視して前に厚み出してきた。だから、後半も先に決定機作ったのマリノスだし、後半だけみてもマリノスの方が決定機多いですし

ホントささいなボタンの掛け違い、セカンドボールがどちらに零れるか。距離感バランス的にはマリノスが拾って然るべきとこを、偶然前掛かり勢いで名鯱の選手が前向いて拾う――それもサッカーではある事

理屈で言えば後半、名鯱がそうやってフルチン(後方リスク度外視で)向かってくるのは想定内。マリノスの前線3枚が、攻守に手薄になった名鯱の最終ラインとその背後を、単発でなく波のように連動し突いていけば、名鯱はホント後半も何もできなかったでしょう。脱ぎ損です

でも大津祐樹のCFとか初めてですし、当然この3FWのセットも初。攻守に波のように打ち寄せる連動性とか望むべくもないし、単発でなくブロック全体を押し上げるには、チーム内全体のコンディションのバラつきがあまりに大きかった。連戦の中では、揃わない。後半それは露骨に響いてくる

「本当もったいない。後半になって距離感が悪くなり、疲れも見え始め中盤を支配された。自分も失点に絡んでしまい本当に申し訳ない。相手のチャンスらしいチャンスは失点のシーン、あとは1、2本あったくらい。自分たちが圧倒的に決定機があって決められないのが今季を象徴しているのかなと思う」松原健

「あとは僕やミロシュ、テルといったところが連戦でなく、比較的みんなよりフレッシュな部分があったので、もっと右サイドで起点を多く作れても良かった。今日だけに限らず右サイドで結果を残さないと『左だけのチーム』と言われてしまう。そのあたりの精度をもっと高めたい」松原健

松原健は試合前から「連戦でない自分たちが」と言ってくれてて、その意気や良し! なのですが、やはり今のチーム本来のやり方、機能性は何かと言うと肝はやっぱり「正しい距離感バランス、位置関係」なので、1人2人がまわりをカバーするという考えが、そもそもそぐわない

だから15連戦の頭の方でも既に指摘したかと思いますが、このスタイル方向性だからこそ連戦は厳しい。何より選手のフィジカルコンディションにバラつきが大きくなるのは不可避だが、どんどん機能性が落ちるよと。極論、ポジショナルプレイは連戦に弱い。極論つーか暴論だな…

うーん。だから「結果論」で言えば、後半はもう割り切って間延びさせて、全体的に動き落ち始めてんなと感じた後半20分までに前線に、スピードあって縦ポンからウラ取り狙えるオリバー、隙間見つけてパス引き出しキープできるユンユン、2人を入れて相手陣内で時間つくるのが、目先の勝点3を考えれば上策

「結果論」では思いますけども。でもボスの気持ちも分かるんだよ…。選手たちは短い修正時間で、ホントよく理解し前半正しくゲームとリスクをコントロールした。後半も、動き落ち押し込まれ始めた時間帯もフルチン相手にチャンス作ってたし、なんとか修正しようとはしてた。タコ殴りにはされてなかった

後方リスク度外視したフルチン相手なら、大津祐樹はゴールを決められそうな予感もあった。それは渓太やテルも同じ。彼らにここて取らせ自信を付けさせる事にどれだけ大きな価値があるか。何より、難しい局面展開を「監督の交代采配なく」ピッチの選手たちの判断で乗り切る事に、どれほどの価値があるか

分かる、分かるよボス!
完全妄想世界だけど俺には分かるよ!

ボスは凄く選手たちの自主性というか「選手が自力で目の前の壁を乗り越える、問題を解決する」その姿勢をまず尊び、求め、そこに価値を見いだす理想主義者でロマン主義者。エリクとはまた異なる教育、指導観のある人

だと思う

だからね、なんつーか適当な表現かわからんけどボスの選手への視線やアプローチって凄くゴール裏のサポータとかに近いものがある。部分的に

ハーフタイムや会見でキレる時のキレ方や発言内容も「それ試合で負けた時に選手がゴール裏から浴びるヤツやん」ってのが結構多いよ。姿勢を求める

「チャレンジしてのミスは全然オッケー、俺は絶対せめないよ」とか「でもオマエらビビらずやったか? やってねえよな?」とか「怒鳴られてからやるとか舐めてんの?」「サッカー好きでマリノス好きなら、それをプレイに表現しろよ!」とか、もう全部モロですやんw

だから俺、そんなボス好きだよ。選手たちには、そんなボスの期待に応えてポジティブなチャレンジを続けて、ボスが「もう限界だ…仕方ない」とアレコレ細かくルールで縛って手綱をにぎり鞭を振るう前に、目指すスタイル方向性の中で自主性を発揮して、自分たちの力で壁を壊していって欲しいと思うよ

それが出来たら、ホントそれはマリノスが25年の歴史でずっと抱えてきた課題から脆さからの脱却になる――本当に強いクラブ、チームのメンタリティを獲得することを意味するから。5レーンとかポジショナルプレイとかそんな小さな話じゃないよ。超レボリューション、マジなパラダイムシフトだよ

ボスがやろうとしてる、選手たちに求めてるのはそれくらい大きな価値ある改革だよ。ハンパないよ。だから難しいよ。今はそのために小手先の修正もしてないよ。あんま結果でないとさすがにやり始めると思うけど。だから結果ほしいよ。でも結果以上に、選手たちに自力で壁を壊して欲しいと思うよ

マリノスは、マリノスの選手たちは25年なんやかんやレジェンド級の影響力ある選手や、監督の提示するルールに依存してきた。自分たちで考え判断し決断し責任取るより、ラクだからね。手っ取り早く結果に結び付くシーズンもあった。暗黙含むルールの内側で、その範疇で自分がやりやすいようにやってきた

たぶん学生でもなんとなく分かる、社会人ならもっと分かると思うけど「暗黙含むルールの内側、範疇で」「その枠を外れないとこだけはキッチリ抑えつつ」「のびのび自由にやる」「怒られない程度にしっかりマジメに、適当に、手を抜いてやる」のが一番ラクなんだ。ルールの中に自分のルールをつくる

でも「ルールの中にルールを作って」「のびのび自由にやる」のは本当の自由や、自主性ではない。とても限定的な自分のためのものだし、組織のルールには責任を持たない。決定的な部分では組織のルールのせいにする。安全地帯にいる。責任を負ってないし、本当に組織をチームを動かし変える事はない

――いやあ深夜の連投は話が大きくなるというか、厨二ライクに捗りますね!

えーとアウェイ名鯱戦の振り返り?

だから矮小な結果論でラインが低いだの交代が遅いだの、もうチンコ小さすぎて嫌になるよねと。もう少し局面より展開を、プレイより状況を、結果より内容や背景を見たらどうかしらと

決定機9:3でも負けることもある、それがサッカーだ。以上

もちろんディテールも大事だし「悪いなりにも勝ちきる、勝点拾う」とか強かさも大事。でもアウェイ名鯱戦この1試合については、直近数試合からの文脈から見てかなりポジティブな内容だったと思う。後半押し込まれた時間帯があり1ー1という結果も、足りなかった部分にも意味や背景があるよねと

とりあえず現地でバクスタアッパーから観戦して、深夜のバスでいろいろ考えて思うのはそんなとこです

また家で映像を見たら、また違う印象と感想はあるとは思うけど。観直す心の余裕があるかはわかりません

お疲れさまでした

『Brave and Challenging ~勇猛果敢~』

とりあえず今季↑このスローガンが「ラインを高く保つこと」や「GKがゴールを無人にすること」ではないと理解するところからはじめようぜ!

【もう一度「新しいスタイルへの挑戦」の意味を中身を、問い直して欲しい。ホント今は形骸化も甚だしい。今のマリノスの問題は、扇原が間違っているのは「ミスは起こり得る」ことを前提とした思考とボールとは直接関与しない振る舞いだ。 by 蒼井真理】 about 「スタイル本来の方向性や原則」と現状 ([2018-J1-12] 横浜 1 v 3 磐田 を受けて)

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

ホーム磐田戦は酷い試合だった。あまり個人批判はしたくないが、あの軽い対人守備だけは看過できない。マークに付いてたのに簡単に振り切られた。責任持って、ファウルしてでも止めるべきだった鈴木秀人(磐田ヘッドコーチ)

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少しマジメな話をすると、ホーム磐田戦1ー3をマジメに振り返る気分にはならない。失点シーンを映像で振り返るとため息しかでない……試合前の連投で指摘したことを「過去形」に換えて読んでもらえば、それで磐田戦の振り返りはおしまい

連戦に入る前から「コレおかしくね?」「選手の “自主性” がどんどん本来の方向性から違うとこに行ってね?」「プレイ原則って何だっけ」と指摘してる部分は、改善傾向よりむしろ悪化してるし勝利した鹿島戦でも変わってないし、磐田戦も同じ問題から同質の失点を繰り返してる。でも修正されない…

「三角形の底辺をタッチラインに作って密集しちゃダメだよ」「ポゼッション時には相手ゴール前を底辺に、ゴール前フィニッシュ局面の選択肢とネガトラに備えた中央の密度を保たないとダメだよ」ちょっと映像見返せば、今季ここまで上手くできてた時間帯とダメな時間帯、何が違うか明白じゃないか…

なんでこの問題が放置され続けるのか、それでいてボスや選手たちは「内容は悪くない」だの「ブレずにこのスタイルを貫く」だの「メンタルの問題」だの繰り返すのか意味がわからない…。ここ数試合の問題の多くはポジショニング位置関係バランスとリスク管理、心身コンディションじゃないかしら…

左右中央バランス良く攻められてはいない。ゴールや決定機の起点とアシストは左サイド、山中亮輔とユンユンと天野純の3人に偏っている。そこに過剰に4人目が絡む事でネガトラ時のバランスを崩してるし、山中やユンが疲弊するとシュートや決定機の数そのものが減る

左に寄り過ぎ細かく繋ごうとするからタッチ際での変なロストも増える――とまでは言わない。多少はあるかもしれないが、単に個々のスキルと判断が稚拙なだけな理由がほとんど

ただ直接ロストした本人だけでなく、パスの出し手が下手くそ&無責任なケースも多い

「ちょっと分からない。相手はたぶんボールを持たせていいと思っていて、ボールの取られ方が悪かった。でもちょっと分からない」山中亮輔

…悪いこと言わないから怪我する前に一度休め、山ちゃん。山ちゃんいないと左サイドの攻め手も半減だけど、逆に一度そうしてチーム全体のバランスを見直すべきだ

「同じ失点の仕方をしているので修正しないといけない。ビルドアップの時は大樹があまり上がらないほうがいいかもしれない。相手は迷いなくシュートを打っている」中澤佑二

ホラこうやって選手たちはスタイルへの疑問を募らせて、“自主性” を発揮して修正しはじめるよ

「ビルドアップの時はGKは高い位置を取らない方がいい」「そうすると背後をケアする選手いなくなるから、CBも無理にハイラインはやらない方がいい」

半年後のマリノスが目に見えるようだ。そうじゃないだろと。問題の前提部分、定義が間違ってるんだよ。プレイ原則守れてないでしょと

ハイラインも、GKのゴールを無人にする高い位置取りも「相手ボールホルダに圧力が掛かっている」ネガトラ時、即座にゴール方向正面にファーストディフェンスが入るのが大前提でしょと。そうすれば精度あるウラ狙い縦ポンもロングループも打たれない、蹴られても精度はお察しレベルだよねと

そのために必要な、ネガトラ時ボールに圧力掛けるための「リスクを考えた位置関係バランスに基づくポジショニング」できてないのが、止まらない「安い失点」の最たる原因でしょ? 同サイドに4人目5人目が寄り集まり、中央をスカスカにしたり相手が狙ってるスペース空けてるのが問題でしょ?

いやもう何度も何度も何度も同質の、似たような安いロストからの安い失点繰り返してるんだから、いい加減に気付けよ修正しろよ…

2007早野スクランブルも大概ざっくりした戦術で対応されたら終了だったけど、それでも「失った瞬間ボールホルダに食い付く」のは徹底されてたぞ

ロストした瞬間の位置関係バランスも考えない同サイドに偏るオナニーポゼッション&ハイラインとか、そりゃ自殺行為以外の何ものでもない訳で

それを延々やり続けながら「勇気を持ってスタイル貫く!」とか言われても

俺らも腹を括って看取るべきですか?
その自殺行為を?

だから決してボスと選手たちが取り組む、今季の挑戦的なスタイルそのものに不信も不満もないよ。やり切って欲しい。目先の結果には惑わされず信じて見届けたい

でも、そのスタイル本来の方向性や原則が「とっちらかったまま」なのを、いいよいいよこのままで信じてやろうぜ! とは思えないんだよ

「手段と目的を履き違えるな」「本来手法でしかないものを目的化するな」

マリノスの選手は真面目でピュアな選手が多いから、すぐに手段を目的化して「やってる」気分になるよね。もちろん褒めてないよ。バカだと言ってる

ハイラインは目的? ポゼッションは目的か? 違うよね。エリクに何を教わった? 大前提は何だ?

エリクも「ラインを上げるな」とは決して言わなかっただろ? 大前提として「内を閉めろ、背後を取られるな」「それを満たした上で可能な限りブロックを押し上げボールに圧力を掛けろ」と

「ハイライン」は「より高い位置でボールを奪う」「受け身の守備でなく主体的に圧力を掛ける」「相手陣内でのプレイ時間を増やし主導権を握る、圧倒する」それにより「勇猛果敢に勝利する」ための「手段」だ。目的ではない

その手段を採用活用しリターンを得るため、守らねばならない原則がある

守らねばならない原則「ネガトラ時は即ボールホルダに圧力掛ける」「奪えないまでも味方ゴール方向正面に立ち塞がり精度ある縦ポン、ロングループを打たせない」「バイタルやその前中央のスペースに(相手の陣容に合わせた)最低限の選手を適切な距離感で配置する」

それを満たした上でのポゼッション

「ハイライン&ハイプレス」は

「勇猛果敢に勝利する」目的のための

1つの手段であり、それを採用しリスク相応のリターンを得るには

「満たさねばならないプレイ原則」が前提としてある

もう一度整理しよう。そこが満たされてないから、今は「やってるフリ」でしかない。勇猛果敢でなく、猪突猛進

――問題にしてるのは方向性、そもそものスタイルとプレイ原則。それらが言葉や上っ面だけでなく貫けて闘えてるなら、敗戦にも拍手する。こんな鬱々とした気持ちにはならない。選手たちが新しいものに挑戦しようとする中で結果がでない時に信じて支えて後押しするのはファンの本懐だよ。でも今は違うよね

例えば最近は「プレイ原則が」とチームや理解度の低い選手に批判的な一方でユンユンを凄く評価してるけども。逆にチーム全員がプレイ原則をバッチリ理解し遂行できるようになったら、ユンユンは今のままだと「左足のクロスが貧弱ポンコツ」だと叩かれる存在になる。…言ってる意味伝わるかしら

自主性。自主性ってなんだろうね。難しい。マリノスと指導者には永遠のテーマ

さて中2日でアウェイ名古屋戦。反省したり修正する時間はありません!

ただ、喜田パイセンが先発復帰する可能性は高い。本来ボスが、チーム皆で解決すべき問題で誰かに頼るべきではないけれど

それでも鬱々とした俺は、喜田拓也天野純の2人に期待してしまう。とりあえず2人でチームが進むべき方向と採るべき修正を話し合って、それをチームに上手く落とし込んでみて欲しい。喜田と天野純ならできる、もう既にやるべき立場にあると俺は思う

喜田 喜田 喜田 喜田 おー喜田拓也
やり切れハマの舵取り おー喜田拓也

――ビビったり遠慮してる場合ではない。舵を取れ。自分が正しいと思う指針を示せ。チームをまとめろ


「主導権を握ることが成功する攻撃者となるための鍵であることは既に述べた。動いているのが自分たちであればそれはアクションであり、リアクションではない。つまり試合の流れをコントロールしている訳だ。我々の相手のリアクションは限定され予測もできる」ガリー・カスパロフ

「我々は有利な立場から前を見て、自分たちの動きをコントロールし続けられる。脅威を与え押し込み続けることで主導権を維持できる。ポジティブなサイクルが生まれることに加え、状況把握には有利なポジションにいるし、勝利にも近い。これが攻撃者のアドバンテージである」ガリー・カスパロフ

「主導権を握ったら休みなく使い続け、養っていかねばならない。ビルヘルム・ステインベッツ(最初のチェス世界王者)は『アドバンテージを持っている競技者はそれを失いたくないなら攻撃し続けなくてはならない』と言っている」ガリー・カスパロフ

「それは動的なものであっという間に失われてしまう。主導権を支配し続けることは大きなアドバンテージになる。主導権を強化していけば相手はそのリズムについて行けなくなり、敗北を認めざるを得なくなる」ガリー・カスパロフ

「それは我々の勢力を唯一の強大な武器に集中することを意味しない。そうしてもいいのだが、人生には(チェスにも)スター・ウォーズデス・スターのようにどんなものも破壊する武器は存在しない。我々の競争相手はリアクションし、守りの準備をするだろう」ガリー・カスパロフ

「だからこそ我々は主導権をクリエイティブなやり方で使い、成功への視点を維持しなくてはならない。攻撃は一か八かでなくていいし、電光石火である必要もない。重圧を掛け続けることは相手を弱体化させ長期的な勝利へ導く効果的な方法になり得る」ガリー・カスパロフ

「偉大な攻撃者というのは不可能なことをしようとせず、優位から最高の結果を引き出す者だ」ガリー・カスパロフ(元チェス世界王者)

「私はウインガが大好きで、バイエルンにはもの凄いウインガがいる。だが彼らを有効に使うには事前に最初のボール出しの時点から、そのアドバンテージが生かせるような状況を用意しておかなくてはならない。その事前準備は簡単ではなく、複雑で長いプロセスとなる」ベップ・グアルディオラ

「一歩前へ踏み出すことは相手を崩し、動かして弱みを晒すことに繋がる。守備者は空いた穴を塞ぎに行かなくてはならないが、圧力を掛けられ続けてそれをやるのはいずれ不可能になる。1つの穴を塞ぎに行くことは別の穴を空けることを意味し、その内に何かが壊れ攻撃が遂行する」ガリー・カスパロフ

「チェスには『2つの弱点の原則』がある。1箇所を攻撃するだけでは強敵は倒せない。1箇所に集中せず、圧力を他の部分に分散させて弱点を見つけださねばならない」ガリー・カスパロフ

「主導権を握るための主な手段は、動き、柔軟性、陽動である。唯一のポイントに全精力を注ぎ込むことは守備時には弱点にもなる。ノルマンディ攻略戦ではナチスに作戦を知られ防御準備させないよう多くの陽動が事前に行われた」ガリー・カスパロフ

「サッカーには導きの糸があり、全てが発明済みで全ての状況に適応済みであるかに見える。違うのは過去のシステム、方法、役割をいつ、どのように、どの選手にやらせるかということ」ノエル・サンビセンテ

「サッカーの奥にあるのはアイディアをめぐる討論でありディベートである。だから本当に大事なのは勝ち負けでなく、どんなアイディアをなぜ選ぶかだ。サッカーの豊さは、常に起こっているアイディアの交換にある」ノエル・サンビセンテ

「文脈は変わる。変わらないのは不可能だ。80mを続けて上下運動できないSBならそれに合わせないといけない。ウインガが中に入ればSBが追い越しサイドを上がらなければならないが、それができないSBなら彼を中に入れてウインガを開かせる」ベップ・グアルディオラ

「私のSBが上下運動を繰り返すマシンなら、上がらせてシュートさせる。だがポジショナルプレイの考えから言えば80mの上下運動を1シーズン継続できる野獣はいない。あるいは1シーズンは耐えられても翌シーズンは苦しみ、3シーズン目はもうできなくなる」ベップ・グアルディオラ

…おお、なんたる山中亮輔

グアルディオラ総論」第4章『主導権を握る(カスパロフによる)』に書かれたカスパロフやベップの言葉は、現在のマリノスが見つめ直すべき、掲げるスタイルの意味や主導権を握るための手法、その在り方や思想の背景がある

なぜ、なんのために、どのように、それを行うのか。もう一度「新しいスタイルへの挑戦」の意味を中身を、問い直して欲しい。ホント今は形骸化も甚だしい

『一か八かでなくていいし、電光石火である必要もない』『1箇所に集中せず、圧力を分散させて弱点を見つけださねばならない』

カスパロフは、アンジェが掲げる「アタッキング・フットボール」主導権を握り我々がアクションし続け、相手をリアクションさせ続け疲弊させ敗北を認めざるを得なくさせる――思想背景とそのために採るべき姿勢を示している

成功する攻撃者となるために、主導権を支配し支配し続けるため主導権を強化する

人生にもチェスにも、そしてサッカーにも「デス・スター」絶対的な武器や戦術は存在しない。相手は必ず我々の強みに対しリアクションし守りの準備をする(それが相手にとっては攻撃のための準備でもある――昨夜の磐田のように!)

故に主導権を握るには唯一の強大な武器(左サイド)に依存すべきでない

リアクションする相手に主導権を握り続けるため必要なのは、動き、柔軟性、陽動

ポゼッションも、バックパスや「やり直し」も選手たちのポジション交換も、全ては相手の守備者に「1つの穴を塞ぐため別の穴を作る」ことを強いるための陽動である

なぜリアクション要素の強かったマリノスの強みやスタイルを棄て、新たなスタイル「主導権を握るアタッキング・フットボール」を目指すのか

その意味、そのために採用するハイライン&ハイプレス、それを機能させ実効性とするためやるべきこと、周知し守るべき原則――今一度整理し、考え直そう

「私はリスクを最小限に抑え、メリットを最大化するプレイ原則を選手に伝えようとしているだけだ」ベップ・グアルディオラ

「ベップがバルサバイエルンにもたらしたのは素晴らしい守備組織を作り上げたこと。人は攻撃こそメリットだと言うがそれは間違いだ。ポジショナルプレイを使った攻撃ま良かったが、輝かしかったのは守備の組織だ」エネスト・バルベルデ

「ポジションもシチュエーションも既に起きたことと、プレイを支えるために今後君がやろうとすることと関連付けられていないといけない。ポジションとシチュエーションの両方の意味を持ちしかも戦術的な意図も込められた言葉とは『配置』である」ファンマ・リージョ

「人は簡単で限定的な定義で理解することに慣れている。だが我々の提案は違う。ラインごとにシンプルに見るのではなく、より複雑な見方、全てのことは全てに関係し起こり得ないことは起こらないが、選手間のアクションはアクションでなく相互アクションである」パコ・セイルーロ

「プレイのアクションという言い方をするが、そうではなく相互アクションだ。何故なら私のやることが君に作用し君をを変え、君は私のことを変えるからだ」パコ・セイルーロ

「守備者は受け身で攻撃者は能動的であるように見えたのは、攻撃対守備という軸で考えていたから。サッカーは常に単純な二律背反で考えられてきた。良し悪しとか実践とロマンとか。複雑なプレイの隅々を見ていくことをしなかった」パコ・セイルーロ

「我々はサッカーにプレイはないと言っている。普通はあると言っている。テレビが『メッシのプレイ』とか使うが、まるでメッシ以外に選手がいないかのように、メッシが世界中と戦っているように聞こえる」パコ・セイルーロ

「あるいは『このプレイはあのプレイと似ている』とも言う。しかしサッカーとはプレイの連続でなく複雑な状況の連続だと理解すべきだ。メッシがボールを持ち、ある状況にいるのは事前に何かが起こったからだ。そしてメッシがそうしている間にもそれを可能にしている何かが起きている」パコ・セイルーロ

「サッカーにプレイはない」「サッカーとはプレイの連続ではなく複雑な状況の連続である」「メッシがそうしている間にも、それを可能にしている何かが起きている」

この一連の言葉の意味を、中町や扇原や大津は噛み砕き咀嚼し理解して欲しい

左サイドで山中やユンや天野純がチャンスを構築し、同時にチームが守備時のリスクも担保できるのは、彼らがミスなくプレイするからではない。ボールには直接関与せずとも、彼らから離れた場所で君たちが適切な振る舞いをしているからだ。それがなければ、必ず何かが何処かで破綻する

「このサッカーをしている以上、ミスはしちゃいけない」扇原貴宏

そうではない。トラップやパスのミスを「してはいけない」のではない。メッシでさえもミスはする。今のマリノスの問題は、扇原が間違っているのは「ミスは起こり得る」ことを前提とした思考とボールとは直接関与しない振る舞いだ

磐田戦の1失点目。天野純の受け方、ボールを置く位置が間違いだった。同時に相手守備者が狙っているタイミングで丁寧でないパスをなんとなく付けた中町にもミスがあった。直接ボールに関与してない扇原も、あと1m後方に備えあと1秒ネガトラが早ければ磐田の速攻に置き去りにされなかったかもしれない

2失点目も、3失点目も、繰り返す「安いボールロストと安い失点」には、全て同じような背景と問題がある。選手もファンも、ついボールのある場面と直接関与した選手にばかり目が行く。しかしサッカーはプレイの連続でなく状況の連続。何か1つ誰かのプレイのミスで、失点に直結することは、ほぼ無い

そこの部分を「プレイでなく状況に問題があった」という視点を持ち込まなければ、このスタイルを貫きつつ問題を修正するのは、おそらく不可能だ。ミスが起こっているのは個人のプレイではなく、チーム全体の不協和がもたらす「状況」にある

「アタッキング・フットボール」を貫くために必要なのは「無闇やたらにラインを高く保ち」「ボールサイドにより多くの選手が関与し」「誰も1つもミスせずパスをつなぐ」ことではない。ミスは必ず何処かで起こる。主導権を握り続けるためには、できるだけ早く、高い位置で奪い返さなければならない

そのために、何をすべきか。適切な距離感やピッチ上の選手「配置」は如何なるものか。「我々のサッカー」を表現するためには、相手の意図を正しく読み取らなければならない。我々がアクションすれば必ず相手はリアクションする。サンドバックではない

相手のリアクションを我々の想定内のものとし「1箇所の穴を塞ぐため新しい穴を作ってしまう」状況に追い込むためのアクションを考え準備しなければならない。サッカーは複雑な状況の連続であり、我々のスタイルや個人のプレイはそれだけで完結することは決してない。1つの結果には無限に近い背景がある

…いやまあ3失点の中でも扇原のミスはズバ抜けてヤバいミスで、アレを織り込んで周囲も準備しろとは言えないけど。でも単純なスキルミスなのか。受ける準備、次のプレイのイメージなく「なんとなく受けちゃった」から起こったミスじゃないのか

喜田のプレイ、ビルド関与にはずーっと「とにかく予測を磨け」「足元スキルや閃きセンスが爆発的に伸びることは多分ない」「でも判断の精度と質に限界はない」と言い続けてきた。停滞期、無難なプレイしかしない時期もあったが、喜田は止めなかったからこそ今季開幕2戦の輝きがあった

トレーニングのロンドを見ても、扇原の「止める蹴る」の柔らかさと技術的な精度はチームでも屈指。しかし予測し判断を磨いた喜田は「ボールに触らなくても」ビルド関与し、相手を動かせる。ボールや人だけでなく、それらが作りだす「状況」を見て関与する質を高めたからだ

扇原にはサッカーの見方、関与の仕方をボールを中心としたものから「状況」にシフトしていって欲しい。でなければ頭打ち、扇原はここまでだ。しかし変わることができれば、扇原の遠くを見てそこにボールを正確に送り届けられるセンスとスキルは、数倍輝く。復活や再生でなく、マリノスでメタな変革を

扇原はホントこのままだと厳しいと思う。でも2017シーズン「おいおいマリノス大丈夫かよw」と周囲から言われる中でオファーに応え「メディアはそういうのが好きでニュースになるが残った選手が1つになって戦うだけ」と言ってくれた扇原には、マリノスで輝いて欲しい。俺は扇原貴宏を諦めない

【勝って反省できるのが一番! (ユンユンは)今のマリノスの方向性の中では絶対正義でもある。本当に「ポジショニングと賢さだけで」相手DFを動かしたり背後を取ったり、チャンスを作り出す。 by 蒼井真理】 about [2018-J1-11] 横浜 3 v 0 鹿島

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試合前〜試合中の実況&コメント

15連戦の9戦目はリーグ5連戦の3戦目、ホーム鹿島戦。14位の鹿島と15位マリノス、26年目のオリジナル10最後の生き残り「俺の屍を越えていけ」対決は前半戦のヤマ場。日産スタジアムにキックオフ1時間15分前着

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前日の発券枚数は 21,385枚。大型連休初日、好天土曜のナイトマッチ、どこまで動員できるか

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ホーム鹿島戦のスタメン

FW ユン、ウーゴ、渓太
FW 伊藤翔
MF 天野純、中町
DF 山中、金井、中澤、山田康太
GK 飯倉

SUB:杉本、ミロシュ、下平、松原、扇原、大津、仲川

伊藤翔とウーゴを同時起用し4トップ! 実質は伊藤翔さんセカンドトップの縦関係か。右SBには山田康太がリーグ戦初スタメン

「最近の結果について残念に思うのは当然だが、チームの雰囲気は良いし、我々のスタイルを信じる力は強い。ミーティングでは全体的にポジティブなメッセージを伝えた。攻撃も守備も修正するところがあるが、どちらも大きく変える必要はない。今のサッカーを続けることで結果はついてくる」アンジェ監督

「鹿島戦は中2日なので、前日練習は札幌戦に出場したメンバが回復しているかの確認だった。それに関してはしっかり回復して良い状態になっている。ただ、ホームでよりハイテンポなサッカーをやるために走れる選手、フレッシュな選手の起用も考えている」アンジェ監督

3/31日本平で始まった15連戦。8戦終えて
○○△●●△△●

リーグ戦は
○△●●△●

中2日で逆転負けから気持ちを切り替えるためオフを与えると、前日練習もリカバリ&コンディション調整。ゲームプランは映像での確認、落とし込みのみ

直近のリーグ3敗(広島、神戸、札幌戦)は全て「先制しながら逆転負け」△湘南戦も「2点差を追い付いた直後に失点」と、先制すれば圧倒的な勝率を示したエリク体制からは大きな体質変化。現状は、ピッチにおけるリスクとリターンの収支が合ってないのは確かだ

ただしエリク横浜3年目の終盤から「より主体的に全体のブロックを押し上げ前線からハメ奪う守備」にトライしており、逆転負けは増えていた。決してエリク有能、アンジェ無能という話ではなく、スタイル変革に取り組む過程で「意図的に強みを捨て、得意でないことに挑戦している」ことを忘れてはダメ

失点増にも様々な理由があり、それぞれの失点にそれぞれ複数の原因がある。サッカーという競技において、殊更今のマリノスの方向性で「誰か1人のミスや責任で失点する、失点が増える」ことは無い。連戦でツラいのはそれを1つひとつ分析検証し、トレーニングに落とし込み修正する時間がないこと

エリクの3シーズンで叩き込まれた「中を閉じろ背後を取られるな」それは今のスタイルの中でも忘れず生かせているか? ハイラインの前提として前線からの限定制限、ボールホルダへの圧力は不可欠だが、やれているのか?

局面における個々の責任感や球際での頑張りは十分か? マイボール時を含め常にアラートを利かせ、集中力を維持しポジションの微調整はできているか? 目の前の変化に対応できているか?

過去の「堅守マリノスの伝統」も、ただ引いて守ったり中澤ら個人の能力に拠ったものではなかったハズだ

今のマリノスが目指す――というより現代サッカーの非可逆的な方向性として、攻と守を分断し考える事はできない。「攻撃はよくなった、守備に問題がある」そんな事は有り得ない。「失点増には必ず攻撃面(ポゼッション時)にも問題がある」その逆も然り

今のマリノスで顕著な問題は「失い方」何処でどれだけのリスクを負うのか、そしてロストした瞬間のチーム全体のポジショニング、ボールと人の位置関係。大きな問題にならないボールロストと、失点に直結する致命的なロストがある

ただ勇猛果敢にチャレンジすれば全てが許され報われる訳では決してない

その「失い方」も含めビルド&ポゼッションにおけるパスルートや、全体のポジショニング位置関係が、あるいはリスクとリターンについての考え方が、エリク⇒アンジェ体制の文脈から逸脱して選手たちの判断に投げられてはいないかと。連戦で仕方ないとこもあるんだけど、その点が目下の懸念材料

――あんま試合前に相応しくないな。連戦中は連投のタイミングもおかしくなる…。まあそこら辺が、今ひとつ「今は結果でなくて苦しいけど、この道を信じて進むだけ! きっと結果はついてくる」と楽観的になれない理由。『なんか方向性そのものが少しずつズレてきてねえか? 微調整できてるか?』と

そうは言っても連戦はまだ半分終わったばかり。今夜の鹿島戦は、とにかく勝ちたい。勝ってラクになりたいんじゃなくて、選手たちにも「勝って反省」して欲しい。連戦中で逆転負けが続いたら、寝て忘れるしかないもの。負けたら反省もできない。反省して修正するために、勝利が必要というジレンマ

2018シーズンも2/25シーズン開幕し、5月の3週末20日まで21試合、水曜9試合、リーグ戦は15試合

13週の中に水曜開催4→9試合。W杯イヤーとは言え前半詰め込み過ぎだろコレ

キチガイ過密日程で、どのクラブも修正したり次のゲームプラン落とし込む時間ないけど「やることシンプル明確で割り切ったスタイル」とか「勢いに乗った」クラブは、下馬評を覆した順位につけてる印象。広島とか札幌とか長崎とか。スタイル変革元年なクラブは厳しい。マリノスとか吹田とか名古屋とか

名古屋は監督就任2シーズン目? バカ野郎、風間八宏のチーム作りは3年目が終わるまでずーっと改革元年なんだよ! それまでの主力や功労者も、いつだって干され切られるから気をつけろ! しかしトヨタマネーと風間八宏は凶悪コンビだな、今更ながら

マリノスは名鯱みたいな金満クラブではないので、地道に現有戦力でコツコツとスタイル変革に邁進するのみ。…でも噂では夏のウインドウで外国籍選手の獲得狙ってるとかいないとか

マリノスが夏に動くなんて、何シーズン振りかしら!?

…クラブの「リーグ優勝目指す」「新しいマリノスへの変革」への覚悟は嘘ではない。夏の補強は、この現状では外国籍選手1人では済まないかもしれない。15連戦が終わったらウインドウ開くまでル杯プレイオフはあるけどリーグ戦はない。だから選手は、特に今チャンス貰えてる選手は死ぬ気でやんないと

本気で目指すと決めたんだ。もう後戻りはできない。変革に、高い目標設定についてこれない選手は置いていかれる。マリノスとはサヨナラだ。マリノスに残るのは、マリノスにいられるのはマリノスを変えられる、強くできる選手だけ

言い訳無用、ピッチで結果で証明して

――いやあ、そう考えると「15連戦、正直しんどい」とか言ってる場合じゃないっスね。今日の鹿島戦を含め、リーグ戦『たったあと5試合』結果出してボスの構想の中軸に入ってかないと中断期間のキャンプも後半戦もBチームで若手以外は来季の居場所なくなるよ

危機感持って、ピリピリしていこう!

「練習後にシゲさんと話して『勝つためにリーダシップを取ってくれと言われた。このままズルズルいくと『良いサッカー』と言われても、できなくなってしまう。点を取るためにアクションを起こしている訳で、それを守備でもできれば攻撃につながる。そこで自分が何かを発信していけたらいい」飯倉大樹

ズルズルいかないよ! ズルズル引かない! 前からイキます! 渓太も康太も今夜ズル剥けます!

そんなホーム鹿島戦になりますように

――ついに下平匠が先発か! との予想もあったが山中亮輔へのボスの信頼と期待値は変わらず高い。実際チームトップのアシスト、決定機関与率を残してるし左サイドは山中がWG、ユンがIHにスライドし天野純がバランスを取っている。右とは違う機能性

今日は中央、おそらくウーゴと縦関係になり右IH的なポジションでスタートする伊藤翔さんと、中町公祐の仕事に注目して観たい。正直、厚別では俯瞰できず札幌サポータに挟まれる環境でゲームに集中できなかったから、今日はいつもの場所から選手の距離感を高いとこからボンヤリ眺めたい

フィールドプレイヤのアップ開始

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水曜の札幌戦で2失点に直接関与し、試合後のコメントでは凹んでた山中亮輔へゴール裏からはいつにも増して大きなコールとチャント。心身かなり疲弊してると思うけど、怪我には気をつけて頑張って

ピッチ外でも仲良く互いにリスペクトし合うウーゴと伊藤翔さんの縦関係をスタメンから同時起用する試みは楽しみ。今季はウーゴに縦パス当てて落とす中央のコンビネーションも少しずつでてきてる。そこに伊藤翔が上手く絡めれば。ボスは大津祐樹に、その働きを期待して我慢して起用してたと思うけど

伊藤翔さんがウーゴを追い越しファーストトップ的に、前線のターゲットになったり相手DFの意識を引っ張る仕事も期待できる――で結局、ポゼッション時の中央のバランス維持やリスク管理は、天野純に掛かる割合はまた高くなる。やや損な役回りかもだけど、その責を果たしつつ違いを作る仕事も!

アウェイ側の鹿島ゴール裏。2階席は開放されずも、それなりの密度。鹿島サポータさんはメイン指定のお高い席を買って横から観る人も多いからありがたい

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――鹿島アントラーズとの25年の激闘の歴史、それは暗転演出トリコロール・ギャラクシーの歴史。鹿島とのホームゲームは過去2シーズンも常に暗転演出、集客望めるビッグゲームであると、クラブは鹿島をリスペクトしてきた

2016年8月

2017年10月

そして2018シーズンの鹿島戦である

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LED照明になってパワーアップしたトリコロール・ギャラクシー

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ホーム鹿島戦のジャイアントジャージ圧巻の4枚出し!

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なべぶたの盾vsひのきの棒――そんな事は言わせない。強い鹿島を倒し踏みつけ、その屍を越えてマリノスは前に進む

ホーム鹿島戦、間もなくキックオフ!

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【チームが欲しかったポジショナルプレーの成功体験としても大きなものであるような気がしてならない。あまじゅん素晴らしかった。 by いた】 about [2018-J1-11] 横浜 3 v 0 鹿島

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鹿島戦。

支配率 49% - 51%
シュート数 7 - 19
枠内シュート数 6 - 11
CK数 3 - 11

「コントロールできなかった」というアンジェ・ポステコグルー監督の言葉通り、鹿島の一つ一つの圧力に苦しみ、標榜するプレーモデルを具現化したとは言い難く、劣勢だったことは否めない。

が、結果としては3-0、このスコアとなった要因は、試合をする上での原点、本質を一人一人が意識できたこと、そして点に繋がる部分でのクオリティが伴ったこと。

印象に残ったことを書き記しておきます。


本質/球際で戦う、水際で身体を張る、集中力を高く保つ

あくまでもコンセプトやゲームモデルは優位に試合を運ぶための施術。
自分たちの「攻撃回数」「チャンス」を増やし、相手の「攻撃回数」「チャンス」を減らすこと。

ただ、それだけで試合は決まらない、というのをここ数試合いやほど味わってきた。

それを代表するのが札幌戦。
ゲームをコントロールしてアドバンテージまで奪っておきながら、集中力を欠き、緩くなった局面での代償を支払う形になった。しかし、札幌戦後に中澤佑二伊藤翔、中町公佑を中心に話し合いがもたれ、全員で反省し、その結果、決壊を免れた。

目指すべきものがあり、意識がコンセプトの具現化に向くのは当然のこと。
ただ、一人の選手として眼前の敵に勝つ、タフかつシビアに戦うという要素もまた大切なこと。チープな失点を繰り返していたことをコンセプト上のリスクだけで片づけていたけれど、最後に踏ん張ることでチャラに出来たりする。

球際で戦う、水際で身体を張る、集中力を高く保つ。
どんなサッカーをする上でも大事なこと。
それはコンセプトの追及、具現化と同様に凄く意義のある事。これからも大切にしてほしいし、継続してほしい。

上記において特に目を引いたのが、この試合がリーグデビューとなった山田康太。彼が示してくれた「戦う意思」は凄く尊かった。

決して泥臭く頑張るキャラクターじゃない。エレガントな技術とインスピレーションでプレーする選手。しかし、右サイドバックという与えられた役割の中で身体を張ったブロック、ひるまないコンタクト、繰り返したスライディング、その全てが戦う意思に溢れていた。チームのために身体を張ってくれた。
リーグデビューのルーキーがそんな姿勢を示したことで、チームに火を付けてくれたのかもしれない。

山中亮輔も素晴らしかったよ!)
(後方からの後追いでもあきらめることなく、素晴らしい近足タックルでカウンター阻んだり!)
(前節の失態を経た今節でも使ってくれた信頼に応える、そんな意思に溢れていた、集中力)
(左サイド偏重のチームに置いてアップダウンする回数が極端に増えるため負荷が高く、攻守両面でクオリティを保つのが凄く難しい状況。その中で疲労に蝕まれ、プレーの質が落ちるのは彼だけのせいではない)
(ただ、それを言い訳にせず責任を背負い、矜持を見せた)
(素晴らしい意志の籠ったプレー、よかった)


クオリティ/天野純が示したクオリティ

先制点に繋がるギャップに入り込んでのフィニッシュ、1本目のコーナーキックのボールスピード、ユン・イルロクへのワンタッチでの素晴らしいスルーパス

試合の入り方、フィーリングのよさに手応えがあった中でのポストを直撃して決まったFK。抜群のボールスピード、コース、鋭い変化…非の打ち所のないパーフェクトなフリーキック。鳥肌が立った。

このフリーキック以外にも痺れるプレーを魅せてくれた。
SB-CB間を走り抜けるユンユンにずばっと通したワンタッチスルーパス。凄く狭いスペースを抜けるユンユンの足元へ糸を引くようなパスは見事の一言。このプレーのフィーリングを見て「今日のあまじゅん、抜群にいい」と感じたり。

彼には期待の大きさから、かなり厳しい目線を向けられている。
常に頭をフル回転させつつチームのコンセプトに準ずるプレーを求められ、その中で運動量、強度も求められる、その上で質を…というのは酷な要求なのかもしれない。ましてや常軌を逸した連戦。

それでもやってくれなくては困る存在、質を担ってほしい存在、それを自らのプレーで示してくれたことは賞賛以外にない。素晴らしいクオリティワーク、あまじゅん素晴らしかった。


コンセプト/成功体験となるゴールへの道筋

この試合で決まった遠藤渓太、そして中町公祐のゴールは非常に美しく、試合の中でも大きな価値のあるゴール。
その上でチームが欲しかったポジショナルプレーの成功体験としても大きなものであるような気がしてならない。

中町公祐が上げた3点目を例に。

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1. 高い位置での強度の高いプレッシング

クォン・スンテから三竿健斗へスローされたところで、天野純が強烈にコンタクトを伴うアプローチで奪い切る。
ここで本気度の伴う守備をしたからこそゴールという得られた対価が得られたことは、選手たちにとって凄く意義がある。

相手ボールとなったら、素早く切り替え、ボールサイドにシビアにアプローチに行く。
自分達が設定するエリアから相手を出さない。
その上で攻撃方向を制限して、手厚く人がいるエリアでボールを奪う。

これが人数を掛けて攻めるチームが抱えるリスクをカバーする上での必須なコンセプトワーク。しかし、疲労や意識の低下からおざなりになることも多く、カウンターを食らうこともしばしば。

そんな中でこのタスクをしっかりやることでゴールに繋がる、という形が実際に示された。大きな成果がぶらさがれば、選手達の意識は変わる。そういう意味で大きな成功体験。

また、後半の疲弊した状態でこれだけの意思を示したこともまた素晴らしいこと。天野純はここでもとても良い仕事をした。

2. 幅を保ち、開いたギャップを突く。

天野純のプレスによって相手陣高い位置でボールを奪回し、遠藤渓太がボールをピックアップ。
そして、すぐさまインサイドのギャップに飛び込んだ天野純へ。
天野純は身体を回転させながらワンタッチでの折り返し。
中央のターゲットには合わずも、ファーサイドに詰めていた仲川輝人エンドライン際で追いつく。

エンドライン際でキープした仲川輝人は、フリーで走りこむ中町公祐を捉え、タイミングを合わせたラストパス。中町公佑はニアでクォン・スンテの逆を突いたフィニッシュでゴールネットを揺らした)

鹿島の守備は、人に食いつき、圧力を掛けることをベースにしている側面があるので、幅を取るとボールサイドに寄る。
となれば、オリジナルポジションを離れるので選手間のギャップは開く。
そのギャップを埋めるために隣の選手がスライドで賄うのだけど、間髪おかずスライドして埋めきることが出来るわけではない。
その間隙を突いたのがこのプレー。

ギャップが開く傾向を捉えて、天野純が外に寄るのではなく内側のポジションを維持し、そのギャップを突いたことが大きな勝因。

先制点も、外に開いたユン・イルロクの平行パスを内側のギャップで引き出し、良いファーストタッチからフィニッシュに繋げたことで、結果として遠藤渓太のゴールを導き出した。

「内側」を崩す再現性ある崩し。これこそが目指しているもの。
この成功体験が更なる「内側」の崩しを進める機運となれば、横浜の攻撃は「怖さ」を増す。

二つの成功体験を含んだ素晴らしきゴール、酔わずにはいられない。


褒めてあげたい選手が沢山いる、というか本当にみんな頑張ってくれて、中身の伴うプレーをしてくれたことは感謝しかない。苦しい試合だったからこそ、余計に。

次はコンセプトを具現化し、ゲームをコントロールし、中身も伴う、全てが揃う形で成功体験を得たい。

続けよう。お疲れ様!

【バカには処理できなかった「中央」というカオスな世界を縦に3つに割って「お前はこのレーンに移動しろ」「WGとIHは同じレーンに立つな」と説明できる。ポジショナルプレイという「明瞭に言語化、イメージ化した」概念や5レーン理論という説明法は生まれた by 蒼井真理】 about 「ポジショナルプレー」「5レーン理論」「ハーフスペース」はバカにはできない?

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

――早朝のとりとめなき備忘録。いろいろ連投したいテーマは蓄積してるけど、なかなかまとまったものにならない(飽きっぽい)ので例によって下書きなしの着地点なしだ!

・今季マリノスが取り組んでるボスのスタイルや「ポジショナルプレイ」の概念はバカにはできない、理解できない説

↑俺コレは真逆の意見なんだよね。川崎戦の前に少しだけ『教祖風間フロンターレとエリク⇒アンジェの方向性の違い』について書いたけど

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教祖風間八宏はエリート主義。「よりクリティカルなパスコースが “見える”」選手が偉い。見えてソコに出せる、ソコで受けられる感覚と技術のある選手が偉い。その素養資質ある選手を揃えて、次に「目を揃える」同じように見える感じられる選手の集団に、チームを育てていく

今のエリク⇒アンジェ横浜「ポジショナルプレイの概念」では「見える」選手に依存しない。その資質を敢えて求めない(少なくともラスト1/3の局面までは)

「見える」タレントの出現、獲得、育成というチーム作りにおける不確定要素を嫌う。「見える」選手の有無、獲得の可否、在不在で変化する事を

そもそもジョゼップ・グアルディオラという現役時代「世界中でも最も “見える” 選手の1人」むしろその才能だけを頼みにトッププレイヤであったような選手が、何故プレイヤとしての自らを否定するようなポジショナルプレイという概念を掘り起こし磨き上げ、その大家となったか

全く個人的な推察だが、グアルディオラは彼自身が「誰より “見える” 選手であったからこそ」指導者となった時に、彼が預かり指揮する選手たちが「誰も自分のようには “見えない”」ことを再確認し(おそらく選手時代から気付いていた)それ故に「見える選手を必要としない」指導、戦術概念を構築した

コレが木村和司なら「得点を増やす方法?」「ワシが教えちゃる」で監督引き受けて「ちゃぶれ」「わかっとらんのー」「なんでできんかのう」とボヤき2年で終わる話。木村和司は最後まで「他の選手には自分のようには見えない」事を真に理解できなかったし「教えられる」ものだと思っていた

和司さん試合中継の解説やってても未だに「見えてないのう」「感じてなかったですねえ」とか言ってるからね。何が、を具体的な言わない説明しねえ解説とかありえねえだろとw

「5レーン理論」「ハーフスペース」とか、考えて見れば全然小難しい理論じゃなく、むしろ「そんな大雑把でいいんスか?」な理解方法、戦術概念

ピッチ両端アウトサイドレーン、これまでWGやWB、SBと呼ばれるポジションの選手が上下していたレーンと「中央」という複雑系な「見える選手」のための世界

その「中央」という複雑で曖昧な幅を縦に3つ「真ん中」とそれを挟む2つの「ハーフスペース」に切り分ける。元あった両端アウトサイドを足して5レーン

バカには処理できなかった「中央」というカオスな世界を縦に3つに割って「お前はこのレーンに移動しろ」「WGとIHは同じレーンに立つな」と説明できる

クライフやグアルディオラ風間八宏に言わせれば「5レーン? 俺には125のレーンが見える」「いや俺なら5インチ刻みだ」「ピッチは無限宇宙だ」くらい言い始めるだろう。天才だから。5レーンなど、あまりに大雑把な「バカに分かりやすく説明するための簡略化、抽象化された概念だ」と

つまりサッカー監督は哲学者でも宗教家でもなくサッカー監督なのであり、自分だけが理解到達できる真理や究極思想を獲得しても何の役にも立たない。だから「バカにも分かるよう教えられるように」ポジショナルプレイという「明瞭に言語化、イメージ化した」概念や5レーン理論という説明法は生まれた

先日も書いたが

みんな時々は「サッカー選手とは球蹴りゲームが超絶巧い、ただの青年やオッサンである」事を思い出したほうがいい

無論中には戦術理解力、サッカーIQの高さで球蹴りゲームが上手い選手もいるが、中には「とにかく足が速い身体が丈夫」を取り柄にサッカー選手やってる者もいる

まあ平たく言えば、私たちと同じように1/3くらいはそこそこ賢く、大半はバカだ。ビジュアルイメージでは理解できても言語理解力が低く、口頭で説明しても分からないバカは少なくない(練習見学に行くと、新しいメニュ説明の理解度でソレが窺い知れて楽しい――よりむしろ残念な気持ちになる事が多い)

だから本当は無限に細分化できるスペース、横幅を5つに切って説明する。虹の色を7色に分けるように

それでもバカには口頭では分からないから、実際ラインを引いて5分割して見せる。更に両ハーフスペースの奥にミニゴールを2つ設置し、ゲームをする中で「ハーフスペースに入る、使う」感覚を落とし込む

――そんな面倒くさいバカに程度を合わせて監督はプレイ原則を落とし込む。…125レーン見えるタレントを連れてきて中盤とゲームを仕切らせた方が早い? 名波浩はそうした。エリク⇒アンジェ横浜は、CFGの方向性は「見える」選手には依存しないスタイルだったから、俊輔は出て行った。引き取り先もあった

だからあの移籍は必然だったし、マリノスにとっても俊輔にとっても名波浩と磐田にとっても幸せな誰も損をしない移籍だった――と今になって改めて思うし、俊輔が「引退間近のこの時期に)そこで壁にぶつかっていく必要はないかなと思った」と言った意味もよく理解できる

――すぐに着地点を見失う

えーとつまり「ポジショナルプレイ」は「お利口な監督さんがバカな…じゃないや “クリティカルなパスコースやスペースが見えない、使えない” 選手のために目線を下げて」より理解難度を下げるため抽象化した説明法――な一面もあるよと

「バカには理解できない」んなこたーない

「ポジショナルプレイ」の概念をチームに導入する上で重要なのは、選手がバカじゃないこと――ではなく、監督が「バカでも理解できるよう丁寧にスタイルとプレイ原則を抽象化、言語化、イメージ化して説明する&トレーニングに落とし込む事」それが1つ目

2つ目は選手たちがその監督の説明する「プレイ原則」を順番に正しく理解し「チーム全員で共有する」こと。守るべきルールの優先順位、位置関係――自分のポジションは他の選手のポジションで決まる。好き勝手は許されない。自主性はあくまでも原則の正しい理解の上にあり、逆はない

「バカには理解できない」んなこたーない。もしそうなら、それは指導者の力量不足だ。まあ前田直輝みたいなのもいるから監督は大変な職業だなと思うけど

選手に必要なのは「理解し、チームのため実践しようとする姿勢」大事なのは取り組む姿勢。理解力はその次

『好き勝手は許されない。自主性はあくまでも原則の正しい理解の上にあり、逆はない』

その部分で、今のアンジェ横浜に「最近ここ数試合おかしくない?」「選手がどんどん自己解釈アレンジ加えてない?」と指摘する声がでているわけですね

…そういったボスがやろうとしてる構造改革的な本質部分への指摘として扇原を「プレイ原則が要求する事をやれてない、やろうとしてない」と批判すると『なに言ってんの変なロストもないし上手く散らし展開してたよ!』とか言われる始末。それでいいなら俊さんで良かったやん…と凄く残念な気持ちに

『自主性はあくまでも原則の上にあるもの』中途半端な理解度でアレンジダメよーな指摘は、3節鳥栖戦の後に書いた

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ところがどっこい続く4節浦和戦から「早速選手たちが自主性発揮してピッチ上で修正アレンジし始めて」「エリクも実は鳥栖に敗戦後、浦和戦の前から『あんま俺に正解を求めてくんな』『ちったあ自分で考えろ』とか言ってた」始末

これをどう捉えるべきか、という所で

この部分に、エリクとアンジェの監督としてのタイプの違い――「諦観のベテラン教育者」と「部下の戦意を気遣うゲリラ部隊長」の手法差異が現れてるんじゃねーかなと

エリクは教育者なので、原則をキッチリ四角四面に落とし込みます。後々のベースとなるものを落とし込むのがエリクのタスクだったので例外は許しません。俊輔の適性はトップ下にない、ボランチやらせます。でも同時に「諦観の将」でもあるので、スター選手がイヤだと言えば諦めます

ボスはエリクより遥かに理想主義者。ハイライン&ハイプレス、ビルド&ポゼッション。現有戦力的に難しくても、選手たちに要求する。それが自分のスタイルだから――でも一方で「教条主義的か、諦めか」のエリクと違い、ボスは「選手も所詮は感情持った人間よ」モチベータ型の指揮官でもある

ボスは自分の高い困難な理想のスタイルを選手たちに要求する。ただそのためにも「選手たちがソレに応えようチャレンジしよう」とする姿勢を引き出す、保つための施策にも相当配慮するタイプだと、私は理解している。口数少なく強面、如何にもボスっぽい雰囲気も、雰囲気作りイメージ戦略

練習見学で指摘した、飯倉やダビへの練習後のさり気ない個別のフォローを見ても、ボスは凄く選手の気持ちを自分と自分の要求するスタイルに向けさせるためメチャクチャ配慮してる――心理マネジメント型の指揮官。「どんなアプローチを取れば選手たちの気持ちを掴めるか」凄く心を砕いている

えーとつまり「ボスが結構早い段階から『選手の自主性を認める、求める』方向性を打ち出したのは」「ただプレイ原則で縛りコントロールするだけでは」「選手は『やらされてる感』が強くなり、結果が出ない中でスタイル変革へのモチベーションを維持するのは難しくなるだろう」そうボスは考えたのではと

いや完全な個人の主観、妄想ですけどね

でもハリル代表のアレとか、正にそっち方面な問題じゃないスか。アレ選手サイドの気持ちも全く理解できなくもないんスよ。実際やってて全然楽しくない「やらされてる感しかしない」中で戦えって、なかなか難しい問題もある

日本って平和で豊かだし尚更ね

だから「中庸と諦観のエリクより、ボスはずっと厳格で理想主義的なのに」「なんでこんな早い段階で選手の自主性を認め、求めたか」

それは「要求が高いからこそ」「部分的に主体性を認めて求め」「やらされてる感でなく『俺が俺らがやってる感』を引き出してかないと」「選手の意欲は続かない」と

「所詮はロボットじゃねえ、感情持った人間がやるもんだろうがサッカーってのは」という思想がボスの根っこに近い部分にあるように感じるんだよね、なんとなくここまでの発言や雰囲気や何気ないアプローチに

クソ神戸戦後の選手庇うコメントとか、正にソレなんじゃないのかと

でまあその妄想ついでに言うとですね。今の山中亮輔のプレイ振りですが、チームの基本原則を曲げたり、時々ポジション戻るのサボったりはあるけれどトータルで見れば、彼の自主性「他のヤツがやんねーなら俺が、俺なら」な自主性はチームにプラスの方が大きいと、私は見てますよと

そういう自主性「チームに足りない他のヤツがやんねーから俺が」そして「実際それが勝点とか結果にも結びついている」場合、それは認めるべきだと――組織論的にも、それはアリであると私は思います。その裁量の幅もまたサッカーの面白い部分だと。ロボットじゃないから、感情持った人間のやる事ですから

――えーと「なんでお前ら山中も天野純も皆がみんな左アウトサイドレーンに入りたがる樋口ペナ角崩しの出来損ないみたいな狭いプレイするんだ」って、そりゃあタッチ際なら180℃はラインが壁になって自分を守ってくれるから。プレイが簡単、寄せが四方八方からくる中より厳しくないから

天野純は「間あいだで半身で受けて前向く」プレイが理想、とか言いながら怖がってやんねーし。まあマリノスだと出し手の問題もあるかねえ… ってもまずソコで要求してやって見せてナンボでしょ。結局、やる度胸もスキルもねえんだ。だからタッチ際に逃げる。外を回る

山中亮輔は自分でハッキリ言ってる「自分はずっとサイドプレイヤとして育ち生きてきたから、タッチラインがないと不安。中央でプレイする怖さはある」 スゲー分かる。俺も草サッカーや体育の授業で右SBしかやんなかった。視界90°の安心感! ボランチとか意味分かんねえよ…。視界360°とか絶対無理

――ってもねえ、誰か1人くらいはミドルサードでなくラスト1/3のボックス幅、バイタルの隙間で縦パス呼び込み受ける選手いないと、ボスのサッカーは結構早めに限界点迎えると思うけどね…。あとはより高額で個の打開力あるWG、決定力高いストライカ買うだけだよね。本当にそれでいいの、天野純

あーあと確か神戸戦のプレビュで藤井さんが「トレーニングではオリバーと渓太には内に絞る動きも要求していた」とか書いてたような……。ボスも常にWGがアウトサイドレーンで、IHがハーフスペースで――って訳じゃないっしょ。相手や起用する選手の組み合わせによっても変わる

で今季のボスの採用するスタイルやポジショナルプレイ、その試合を観て難しいのは「個別の選手評」コレほとんど無理なんじゃねーかとすら思う。基礎概念として「誰か1人が特別な才能や頑張りで問題を解決するのでなく、選手と選手の位置関係や距離感、連動性によってクリアしようとする」ものだから

「誰か1人のおかげ」も「誰か1人のせい」もない。元々サッカーそういう競技だけどね…。より責任所在が組織そのものになるっつーか。チームのプレイ原則、その試合における個々に与えられたプレイ原則を網羅し理解できてないと(つまりチーム内部の人間しか)「アイツがルール無視した!」って言えない