蒼井真理
◆鹿島2016シーズン獲得賞金
1stステージ優勝
・5000万
年間勝点3位
・2000万
CS準決勝 勝利
・1500万
CS優勝
・1億
CWC準優勝
・4億7000万
天皇杯優勝
・1億円
7億5500万円
◆横浜2016シーズン獲得賞金
ルヴァン杯ベスト4
・2000万
天皇杯ベスト4
・2000万
計4000万円
来季2017シーズンはリーグ優勝クラブと5位以下で、18億(獲得賞金+強化配分金)の格差が生じる(※2位8億2000万、3位4億1000万、4位1億8000万)
次オフは今季以上に「刈る側、刈られる側」格差が広がり、翌2018-19シーズンには「より大きく決定的に」なるだろう
なんせ「18億円」は近年のマリノス「年間チーム人件費」に等しい(昨季トップ浦和でも21億円) マリノスが何かの間違いで来季リーグ優勝できたら、全選手の年俸を倍、あるいはもう1チーム作れる収入になる。それが5位以下ならゼロだ
今季J1クラブで言えば「18億円」は甲府、湘南、福岡あたりならクラブの年間予算(チーム人件費でなく、全収入≒全支出)に等しい、あるいは上回る金額
来季からの2、3シーズンで「国内での刈る側、刈られる側」の格差と立ち位置は決定的になる。資金力を得た2~3クラブが4位以内に絡めない中位以下のクラブから「結果を出したストライカ、芽を出した有望な若手」を買っていく。買われていく側のプロテクトは極めて困難
「格差拡大」は「ビッグクラブを作りたい」「コンテンツとしての価値、ライト層への訴求力を高めたい」Jリーグおよび電通やパフォームの企図する所。現在の「開幕前にどこが優勝するか分からない混戦Jリーグ」は我々には楽しいが、コンテンツを販売する側には都合が宜しくない
2014シーズンC大阪は、岡野社長の主導でフォルランをリーグ史上最高年俸6億(全年俸の約50%)で獲得も、チーム成績振るわず動員も目論見程に伸びずクラブはJ2降格、社長は退陣。リーグ全体にコンテンツ価値を高める大きな話題を提供してくれたが「投機は怖えな」の印象も強く残した
「格差拡大」は「C大阪のフォルラン獲得」のようなリーグ全体のコンテンツ価値を高めるための「投資」をより低いリスクで躊躇なくトライしてもらうため、リーグに2つ3つの「ビッグクラブ」をつくるための施策。今のJリーグに、年間210億円をパフォーム(DAZN)が払う価値はない
来季からの2、3シーズンで「国内での刈る側、刈られる側」の格差と立ち位置が決定的になる。強化配分金の3シーズンに跨る入金もあり、1度リーグ優勝すれば余裕をもって中位以下から刈りにいける(と同時に来季以降に備え有望選手は高額年俸・複数年でプロテクトできる)
「刈る側、刈られる側」の格差が広がる⇒刈る側は補強されチーム力は高まり、保有選手をプロテクトする・刈られる側(中位以下)は強奪されチーム力は下がり、保有選手も決め打ちでしかプロテクトできない(※逆に決め打ちプロテクトしても刈られる⇒その違約金を糧とするしかない)
2、3シーズンで「国内での刈る側、刈られる側」の格差が決定的になった次の段階として「刈る側の立場を確固としたビッグクラブ」は、チーム予算・人件費のベースを拡張し、いよいよ「国外ビッグネーム」の獲得に挑戦していく。動員も増やす⇒アジアでの競争力も高める⇒新規スポンサも獲得する⇒
今までは中国の金満クラブが爆買いしていくのを指を咥えて見てるだけだった「欧州の1.5線級のビッグネーム」を獲りに行く――それが「次の2、3シーズン」4~6シーズン後の、リーグと電通、パフォームが描くヴィジョンであろう。そうなって初めて年間210億の投資に見合ったコンテンツになる…
――来季からの2、3シーズンで「国内での刈る側、刈られる側」の格差と立ち位置が決定的になり「ビッグクラブになる資格」の有無が問われる。だから昨季~今季のオフから神戸や鳥栖あたり、特に吹田は「先行投資」に必死であり、既に「刈る側、刈られる側」の構図は(中位クラブ間でも)できつつある
鹿島(鈴木満)が今季、石井監督でなく造反的な態度を取った金崎夢生を守ろうとした事も(鹿島の規律価値観的にはあり得ない)この「格差拡大」のリーグ潮流の中で生き残るために必死だったからでは――。鹿島も優秀なブラジル人FW、アタッカを獲得できなくなって久しい⇒
⇒金崎は鹿島にとって「来季からの格差拡大リーグ潮流を生き残る」「(土居や鈴木優磨を)刈られる側には回らない」「そのためにCSを獲り、再び王者のプライドと来季の原資を得る」ため不可欠な、外国籍FW枠に等しい存在であった。だから曲げて守った。CS獲った。大きな博打に勝った
こんなん結果論やで! CSで勝って金崎に「石井さんの元でチーム一丸となっていた」と言わせたから全部結果オーライなっただけ、本当は絶対にダメ。鈴木満は曲げた、石井を切り捨てても構わないという非情な策を採った。それしか無い博打に勝った。なんなんスかねこの鹿島の勝負強さは…
――また話が脱線した。俺は本当に鹿島の話が好きだな これまで「予算に比較的余裕ある上位3~4クラブが」「中位クラブの準エース級や4~5番手、低予算下位クラブのエース級を」買ってった地味なマーケットが、「リーグで優勝を経験し大きな強化費を得た2~3クラブが」「中位以下の全クラブから、軒並みエースおよび準エース級を強奪していく」⇒
⇒そんな殺伐とした弱肉強食「富める者はますます富み、奪われる者はますます奪われる」(エース級を強奪された中位クラブは、戦力的に上位と伍するのはますます困難になる)マタイ効果はばつぐんだ! な格差拡大リーグになります。それがリーグと電通とパフォームの企図だから、まあ多分そうなります
――リーグとパフォーム的には「浦和と吹田」+1個くらいビッグクラブができれば東西のバランス的にも良いのかしらね。スタジアムの絵面も良いし
…個人的には「格差拡大」は良い事だと思ってます。少なくともJ1の「トッププレイヤ」「若くても価値ある選手」の年俸は上がる。「6年前までA代表その名残で1億超もらう選手がいる一方、現在のエース級が3500万で飼い殺し」とか、そんな状況は許されなくなる(ブッこ抜かれます)
「高額年俸のため、とにかくA代表定着」「そのために試合出れるか分からんけど、とにかく欧州挑戦」みたいな状況も多少は変わっていくのでは。リスク冒しても海外挑戦する若者は消えないでしょうが「代表と欧州が全てではない」そんな価値観、それに対する評価報酬ができてくるだろう、と
単純にビッグクラブが生まれ、予算規模の拡大でネームヴァリュある外国籍選手がまたJリーグに名を連ねるようになれば新規への訴求力も上がる。(ビッグクラブと対戦する)リーグ全体の動員数や中継視聴者数、全体のインフラやゲームの質も向上し――良いことばっかですやん
まあ中位以下の「刈られる側」に回るクラブのサポータは毎年、冬がくるたび涙ながらに「ドナドナ」を歌わなければならなくなるのですが。まあ違約金設定を高くして「ビッグクラブ」もケチケチとゼロ移籍を狙わず、どーんと違約金を払う、それで中位以下はなんとか生きて行く、育成を頑張る⇒
⇒それが「真面目に頑張る育成クラブ」も育て、ひいては日本全体の底上げやレベルアップにもつながるんじゃないんスかね。ココは本当にリーグ主導で、各クラブGMや代理人のみなさんも集めて一度話し合ってほしい。「育て損」は絶対ダメ! ちゃんと買っていただける環境づくり
……いや別に、マリノスが「育てて買われていくクラブになればいいな♡」と思ってる訳ではもちろんありませんが
俊輔と学と他数名が列をなして出て行く状況も既に覚悟していますけれど2、3シーズン後に喜田拓也と天野純がビッグクラブに札束で顔ひっぱたかれ「僕らも家族を養っていかなきゃならないんで」って出て行ったら俺は全力で泣くからな。泣きわめくからな! ワンワン泣くぞ
――そんなご時世なんだから、マジ「年チケ買い控えます」とか言ってる場合じゃないんだよ? ここはフロントへの不信や不満もぐっと腹に納めて(いや言いたいこと言っていいけど)出すものは出さないと! 来季の原資削って「補強がヒットしたら間違って優勝するかも」な可能性を下げてどうするのかと
ウーゴ・ヴィエイラが加入して何かの間違いで30点くらい取って、なんだか学さんも残留して15点くらい取って奇跡的に来季リーグ優勝しちゃったりしたら、マリノスにも「ビッグクラブ」への道は開けてくるかもしれないんだよ! 買おう年チケ!
何かの間違いで来季優勝したら、2016シーズン鹿島が奇跡的な勝負強さを発揮して獲得した7億5500万円の2倍以上、18億円を手にすることができてしまうんですよ奥さん! 後の10年、20年「毎年冬に買い物をする側か、ドナドナ歌う側か」の分れ道。来季マジで夢を追いかけてみようよ