
田崎遼太郎の素晴らしさに気付いたのは、ほんの5日前の日曜日。Cピッチで行われた東山高との練習試合。歩道からの観戦で、右サイドハーフに入った彼を眼前で観ることができた。ピッチレベル視線で数メートルの距離だったからこそ、その素晴らしさに気付くことができた
田崎遼太郎の素晴らしさは何よりも、圧倒的なボディバランスの良さ。上体がほぼ常に姿勢よく起きていて、重心移動が素早くスムース。これはおそらく、天性のもの+幼少期の運動経験だろう
加速時やターン、相手選手との接触などで重心が動いた際のリカバリが、めちゃくちゃ早い。「次のプレイ」への切り替え・始動が早く、常に視野を高く広く取れ状況判断も早く正確になる。なので単純なスピードやスキル以上に、反応速度が早くドリブルで突破できる
例えばドリブルでフェイントをかけた時、急加速した時。並の選手は上体が加速方向に傾き、次のプレイ方向が制限される。田崎遼太郎は上体が起きる(重心がフラットになる)のが極めて早いので、すぐ次のプレイへ移ることができる
この田崎遼太郎のボディバランスの良さは、小野裕二にも近いものがある。彼も上体のフェイントだけでマークを外すことができる選手(だから昨季も、ペナ角付近からのアーリクロスやシュートが多かった)
ただ小野裕二が極端な前傾姿勢からも倒れず踏ん張りが利く、より野性的なボディバランスだったのに比べ、田崎遼太郎はそもそも重心移動の幅を小さく抑え、且つリカバリが早く姿勢を保つタイプ。ボールを持ち運ぶ際の立ち姿は往年の中田英寿にも似たものがある
加えて、田崎遼太郎は左右両足のキック精度とパスセンス、ドリブルを仕掛ける積極性、落ち着いてゴール隅を狙うシュートスキルも、ユース2年の現時点でまずまずそれなりのものを有する。今大会の得点はいずれも、冷静に狙いすましたビューティフルゴールだった
だが際立つのは、やはり圧倒的なボディバランスの良さ。是非とも今季のユース公式戦会場に足を運び、田崎遼太郎のちょっと非凡なボディバランス・ボールを持ち運ぶ姿勢の良さを確認してほしい。プリンスリーグ関東1部開幕は、4/7(日)http://www.princeleague-kanto.com/1st_division_01.html