今季最後の試合を振り返る。色々と現在のチームの問題・課題が浮き彫りになり発見というか再確認できた試合だった。全部の項目を論うと匿名掲示板なんかにありがちな脊髄反射的批判・悲観論になるので1点だけ
今日の柏戦、30節名古屋戦の後半、天皇杯名古屋戦の前半。相手が想定外の動きをした時に「見」に回って慎重に様子見になると今のチームの良さが全く出なくなる。そこで樋口監督の修正能力とか、ピッチ内で意思統一して全員同じ方向を向かせるリーダの不在が問題になるわけだが
ハマると強いが、ハマらないと脆い。まあこれはどんなチームでも一緒だけど、ゲームの中で修正適応に時間がかかるのは今のマリノスのウィークポイント。その辺を見越して、ピクシーやネルシーニョは自分たちの型を崩し想定外のことをやってきた節はある
シーズン終盤に見せた質の高いゲームの数々、コンセプト達成度の急激な上昇は決して偶然ではなく、監督と選手たちが我慢の末に手にした確かな成果。過程には少なからず"塞翁が馬"的な幸運もあったとは思うけれど
では来季は開幕から常に質の高いゲームを続けられるか、と言うと容易ではないだろう。理由は2つ。1つは前述の通り「想定外の状況」への修正適応力の低さ。策士タイプの監督は、手を変え品を変えて混乱・フリーズさせようとするだろう
あるいは単純に、今日の柏のように蹴り続ければマリノスは奪いどころを失う。今のマリノスの良さはまず守備からスタートしているので、奪いどころを作らせてもらえず2ndボールの球際で肉弾戦に持ち込まれると(まさに今日の柏戦、3節の鳥栖戦も同様)厳しいのは間違いない
もう1つの理由は、今のコンセプトの質を保つにはチーム全体が常にアグレッシブに、リスクにトライする動機付けが必要なこと。肉体的にも精神的にもフレッシュで前向きな状態でないと質が極端に落ちるが、シーズンを通して維持するのは非常に困難
負けが込むと懐疑的になることもあるし(今季は上手く乗り越えた)、逆に勝ち慣れても惰性でサボりだす選手が出始めたりする。そういう状況下で、レギュラ選手でも懲罰的に早い時間で交代させたりしてチームのモラルを保つことができるか。あるいはピッチで厳しく叱責するリーダが出現するか
今季終盤に見せたコンセプト達成度、質の高いゲームの数々を思えば、来季優勝争いに絡むためのベース作りはできたと思う。だが優勝するためには、技術や戦術論よりもベタベタな精神論に近いマネジメント、リーダシップ問題の解決が必要であると改めて感じた、そんなシーズン最終戦だった