横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【両SBとGKを除けば、各ポジションの競争は凄く激しくなってる。ゴールは今年横浜が取り組んでいるサイド寄せが功を奏した形。 by いた】 about [2015-J1-7] 横浜 3 v 0 湘南

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湘南戦。
快勝、日産スタジアム今季初勝利、待ち望んだアデミウソン齋藤学の今季初得点、中村俊輔ラフィーニャ今季リーグ初出場、久々の完封と、言うことなし!良いゲームが出来てよかった!

何度見ても美しい3つのゴール、痺れました。
特に先制点となるアデミウソンのゴールは、今年横浜が取り組んでいるサイド寄せが功を奏した形、意図を理解したスペースメイク&ユーズ、出来すぎってぐらいの美しいパスワーク、パーフェクトです。

下平がGKからのフィードをカットしたところからスタート、三門が中央からタッチライン際でパスを引き出して、すぐに同じタッチライン際から顔を出したまなへ、まなは内に切れ込む動き方でパスを受けてドリブルで打開、この過程で大槻・高山・菊地の3枚を置き去り。ここが第一段階。

まなが打開した事で遠藤はまなのドリブルを意識しスペースケア、中央アデは楔を受けようとポジションを落とす、これでA・バイアを引っ張りだす、これにより空いたスペースに兵藤がダイアゴナルランで入り込み、まなはここに楔。兵藤さんのランで三竿が引っ張りだされペナアークに大きなスペース。

最終的に一度落ちたアデミウソンが兵藤のヒールでのスイッチパスをダイレクトで打ち込む(GKから逃げる軌道!)遠藤がすごいスピードでカバーに入るも間に合わず(これはまなのピン止め効果)これでゴールとなったけど、アデミウソンだけじゃなく、翔さんもこのスペースを捉えてフリーで走りこんでる

サイド寄せは局面を打開する、前進する以上に、相手の最終ラインにズレを生む仕掛け。本来埋めたり、カバーすべき選手を寄せることで大きなズレを作り出す。柏戦の翔さんのゴールもそうだけど、選手達が意図を理解して着実に形になりつつある。チームとして崩せた素晴らしいゴールでした。美しかった!

アデちゃん初ゴールおめでとう!決めたアウトサイドでのシュートにしても、浮かせてダイレクトで打ち込む!みたいなイメージも痺れた。まだ少しのズレがあって周囲の選手と合わないシーンもあるけど兵藤とのヒールスイッチからのフィニッシュが2つあったりと間違いなく合ってきてる。これから楽しみ!

守備はチームとして答えを持って入れた。ライン高く、コンパクトな陣形を保ち、プレッシャーを掛けて制限しつつ楔を狙うこと、特徴的なアウトサイドの二重のオーバーラップをサイドハーフサイドバックでケアすること、嵌らなかった時間帯もあったけど、両方がうまく出来たことで相手の手を抑えた。

策はもちろん、それを表現する選手達のパフォーマンスも素晴らしかった。佑二さんの集中力抜群の楔対応とタイトなマーキング、三門さん・喜田くんの抜群の危機察知、高速オリジナルポジション戻り、広いカバー範囲、激しいアプローチ、まなと兵藤さんの献身性、下平・パン様の絞ってのディフェンス…

湘南相手に切り替えで劣らず、ズレを作らなかったことは、横浜の選手が真摯にゲームに取り組んでくれた何よりの証拠。湘南のパフォーマンスが低調だったことは差し引いても、その価値は落ちない。こういうパフォーマンスが見たかった。

で、らふぃにゃんと俊様がリーグ戦でも復帰。
らふぃにゃんに関しては問題なさそう。ショートカウンターで抜群のスピードを見せて決定機に絡み、富澤さんのゴールをお膳立てして1アシスト。スペースを感じ取る嗅覚を持ってる選手だし、自らもやりきれる。後はコンビネーションのすり合わせ次第。

俊様はエリクのアデちゃんに対してのコメントと俊様のコメントが現状を示しているのかな、と。

「今日のゲームは非常に高い強度でした。まだ中村選手はその高い強度を何度も繰り返す、そのリズムには十分ではありません。まだ100%ではないので、彼には時間が必要だと思っています。まだ高い強度で90分はプレーできませんので、もう少し辛抱強くコンディションを戻していくことが必要です」

「DFラインと中盤のライン、その間でプレーできる選手は非常に少ないのですけれども、彼はそこでプレーするクオリティーを持っていると思います。そこでボールを受けて、そこでプレーをスピードアップさせていく。彼は、それができる選手です。」

エリクのトップ下へのオーダーとして低い位置に落ちてポゼッションに絡むMF然したプレーより、アタッカーとしてバイタルで攻撃に絡む、スピードアップさせる。名古屋戦のパフォーマンスを見ても、現状の俊様のコンディションやプレーイメージでは充分ではないということ。

俊様自身も今の「速い」テンポチームの中でいかに自らがプレーするかというのを模索している段階。対戦相手によっての違いは出るにしても、求められている要素は大きくは変わらないはず。コンディションを上げ、自らで答えを見つけ、結果を出せるか。聡明な俊様がどのような答えを見出すのか楽しみ。

で、勇蔵さん。
本来であればナビスコでおやすみして、この試合に合わせてきたはず。しかし、ポジションは用意されずベンチを温める。単純に対戦相手の違いもあるとは思うのだけど、エリクの中でファビオの評価が高いってことでもある。勇蔵さんにとっては危機感は高まる出来事のはず。

両SBとGKを除けば、各ポジションの競争は凄く激しくなってる。勇蔵さんや俊様がベンチというのはありえなかったし、逆にコンセプトに殉じ汗をかき、激しく戦い、更には結果を出してポジションを確固たるものにしようとしてる三門さんや喜田くんが信頼を勝ち取っていることもそう。

だからこそ、今がチャンスと捉え、求められる要素を咀嚼して表現し、自らのクオリティで+αをもたらせるか。日々の練習から、だね。

ともあれ快勝やったー!まな初ゴールやったー!喜田くんサンキュー!兵藤さんのヒールスイッチとダイアゴナルランさいこー!ばんざーい!次は広島戦!良い準備できますように。パン様出場停止かぁ。