横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【優平・淳吾・まな+兵藤さんのもってるテンポと俊様の溜め、このギャップをチームとしてうまく消化できるようになるといいなぁと。 by いた】 about [2014-J1-34] 横浜 1 v 1 FC東京

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東京戦。
2月から始まった長い長い2014年の最終戦、勝って終われたら素晴らしかったけれど、残念ながらドロー。ただ、賞金圏内を守り、1000万円防衛成功。ちりつもじゃないけど、決して小さな額じゃないので、それはよかったよかった。

ファビオが足首を痛めたようで久々に富澤さんがボランチに、それ以外はここ数試合と同じメンバー。俊様はベンチスタート。

前半戦の対戦では、4-3-3(1-2)のフィッカデンティ監督の元で構築しているソリッドな守備陣形をほとんど動かせず、定機も作れずというゲームだった記憶。そんな相手に対し、終盤戦に少しずつ形になっている攻撃構築であったり崩しが表現できるか、最終試験のような趣。

(相対的な要素として、東京が以前のように3枚のアタッカーがDFの選手の前を塞いでプレッシャーを掛けてくるのではなく、ゾーンで待ち受けるような意図を感じたところには差異があったので単純な比較は出来ないけれど…)

個人的には凄くポジティブな印象。
切り替え早く高い位置でボールを奪い、相手のゾーンを「縫う」ようにポイントを作って、絡んで、崩しにいく形もあれば、大きな展開からのコンビネーションもありと、停滞すること無く相手の守備を混乱させた感。

勇蔵インターセプトから捌いて→兵藤前にいる淳吾へダイレクト→淳吾キープしつつギャップに顔を出した優平に→優平ダイレクトで走りこむ淳吾へリターン→淳吾ダイレクトで翔さんへ楔→翔さんブロックしつつ近い距離の学に落とし→まな走りこむ淳吾へスルーパス(ここでラインブレイクもあわず)

ショートパスがこれだけ繋がり、流動的で美しい攻撃を展開した一例。何がいいかというと淳吾の動きの連続性、優平くんのギャップへの顔出し。動きを伴いつつ、顔を出したり、抜けるアクションを行ってプレーの選択肢を継続的に作ることでボールの流れを淀ませずに崩しきる形が作れた。

その他にも大きなサイドチェンジから奈良輪くんと優平くんから裏を取ったり、楔を優平くんに付けてからワンツーで打開したシーンなどの外の崩し、ショートカウンターで裏を取るなどバリエーション豊かに攻撃を展開できたし、いい流れを作り出すことが出来たかな、と。

だからこそ、いい流れを「ゴール」という形に結実させられないことがもどかしくはあるし、それどころかセットプレーで失点して苦しい展開に追い込まれた。シュート数自体も凄く凄く少ない、アテンプト自体が…

アタッキング・サードのクオリティ、最後の精度ってやつはグループ戦術だけでなく、個人の問題でもあるので、この辺は来期に向けての課題かな。誰が指揮を執るにしてもプレーする選手は大きくは変わらないはずだから。後は俊様がいるとちょっと変わるのでその辺のアジャストも、ね。

ゴールシーンについては、ニア潰れパターン再び。高い位置で浮いた兵藤さんへ俊様から長い楔、兵藤さんがポイントを作って奈良輪くんへ展開し、奈良輪くん低いクロス、ニアでまなが潰れて最後は翔さんプッシュ!この形見えてきてるね、来期も継続したい。

勝てなかったのは残念だけど内容としてポジティブな試合だったし、終盤のオープンな展開、よっちくん・エドゥと佑二さんのマッチアップとか諸々面白かった。

佑二さん
速いよっちくんにうまく距離を取り、寄せるときは寄せと完封。エドゥに1つターンでやられたぐらいで良い対応が続いて自らフルタイム出場を祝った感じ。29失点は本当に素晴らしい数字。速い相手に対しての距離感、前を向かせない寄せた時の対応とか沢山見習ってほしいな、ユースの子達。

奈良輪くん
エドゥにターンを許して河野くんの決定機を作られたシーンは大反省。タイトなディフェンスの意識は○。ただ、身体の大きな相手に対してああいうプレーがあるというのも頭に置かなきゃいけない。ましてやボックス付近、ファールが出来ない、いい経験。攻撃参加はポジティブ、いいアシスト!

パン様
最近のパン様のドリブルのキレを見てるとシーズンが終わってしまうのがもったいない…縦に一気にいけちゃうし、二人の間を割ってしまえたりと馬力見せてる。エンド際で寄せにこられたところで球際で奪われずターンして中央に切れ込む形はパンターンと名づけたい。これが点に繋がるといいなぁ。

優平くん
豊富な運動量で顔を出してはハブプレーにランニングでの裏抜けに、と存在感抜群。欲を言えば、プレーの精度。元々はキックの質を持つ選手、走っているからと精度を犠牲にしてはいけない、まなに出したスルーパスのような質の高いパスを増やすのが来期の課題。

まな
この日はコンディション、凄くよかったのかな?動きの量・幅があって、切り替えも速く守備の意識も旺盛、ドリブルもキレが少しあった。裏への飛び出し、ダイアゴナルラン、ニアでの潰れとプレーに絡む回数がこれまでより良かった。ただ、決めきれない…来期の宿題、ドイツにいく前に来期は15点

翔さん
神戸戦、新潟戦、そして東京戦とクロスボールに対して中央で合わせる形でのゴールに「取れる」感がひしひしと。コメントもエネルギーの使い方とか、ポジショニングの点で掴むものがあったのかな。交代悔しそうだったけど調子も良かったし、確かにまだやれそうだったから悔しいよね。来期二桁。

最後に俊様について。
まず300試合出場おめでとうございます愛してる俊様抱いて!
FK見れなかったのは残念だけど、足首やらなんやらの怪我がある中で最後までシーズンを戦い続けてくれたことにはほんとうに感謝。

で、チームのこと。
優平・淳吾・まな+兵藤さんのもってるテンポと俊様の溜め、このギャップをチームとしてうまく消化できるようになるといいなぁと。

俊様がいると、どうしても預けて、キーパス、そうなると選手たちのプレーが受動的になりがち、これはこれでちょっと問題。いないと結構みんな距離感縮めて動いてとリズムある形を作れてる。この辺の差異は凄く気になってる。

俊様だけじゃなく、中町さん、富澤さんにしても言えるかな。ハブプレーが素晴らしい優平くんや兵藤さんが核になってるってことはあるのだけど、核となる選手によって大きく色が変わることは平気なのかなーと。意識のギャップがうまれそうで…まあ新しい監督が来て新しいコンセプトがあってとなるから…

てか、もう少しシーズンやりたいというかこのチームの進歩を見たい気持ちもあったりして複雑ですが、長いシーズン選手達もようやく身体をやすめられる。とにかく今は契約更新をちゃんとして(重要)、しっかり休んでいただければ。本当にお疲れ様でした。今シーズンも横浜がある生活は幸せでした。

あと、エドゥうちにこないかな…ハマるよ、おそらく。