横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【誰か原作部門でネーム書いてジャンプ編集部に持ち込みしろよ。遠藤渓太モデルで1本連載取れるぞ。そのくらい今、渓太がピッチに立って結果を出せてるのは凄い奇跡的なドラマだと俺は思うけどな。 by 蒼井真理】 about [2019-J1-26] 横浜 3 v 0 広島

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

  • 蒼井真理
    • 「遠藤渓太」について①
    • 「円陣」「シャシン!」の恒例化について
    • 松原健」について
    • 杉本大地」について
    • その他備忘録
    • 「エリキ」について
    • 「遠藤渓太」について②
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【このハイインテンシティなゲームは横浜におあつらえ向き。この展開で強度を保つことは通ってきた道。以前はこのインテンシティに耐えきれずに質を落としてた、特に昨年は。でも今は違う、この強度にもテンポにも耐えれる。横浜が優位に立ったのは必然だった by いた】 about [2019-J1-26] 横浜 3 v 0 広島

f:id:harukazepc:20170419104133p:plainいた

広島戦、見返した。色々と本当によかった。

凄く強度が高く、タフで、上位決戦に相応しい質の高い試合。そういう試合に勝ち切れたことは凄く自信になる。

  • いた
    • 【広島の横浜対策】
    • 【勇敢な杉本大地
    • 【SBの粘り】
    • 【捨てきれなかったメインアクター】
    • 【ハイテンポ・ハイスピード】
    • 【先制点:仲川輝人
    • おわりに
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【背景と理由が1つならボスはこの選択はしてないだろう。1つではない。複合的な理由、現実的な判断の既決「CFエジガルとGKパギの不在」「新加入選手の実戦テストと融合」「前回0ー3 C大阪との戦術的な相性」「劣悪なピッチコンディション」 by 蒼井真理】 about [2019-J1-23] 横浜 1 v 2 C大阪

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

ホームC大阪戦1ー2の備忘録。リーグ優勝を最後まで諦めないため不可避の新戦力テストか、劣悪なピッチコンディションに合わせた現実策か。それともボス就任から1年半の継続性の放棄か?

ほとんど下書きないまま連投開始

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ホームC大阪戦のスタメン

FW マテウス、エリキ、マルコス、仲川
MF 喜田(c)、渡辺皓太
DF ブン、畠中、チアゴ、広瀬
GK 杉本大地

CFエリキでマルコス・システム継続と思いきや 4ー2ー4。マイボールとパイプレス時はC大阪とカッチリ噛み合う2ー4ー4。撤退守備は4ー4ー2だが、後半のマテウスほぼ前残り

ピッチの振る舞いから推察されるゲームプラン。チームの狙い

守備面

【守】ロストした瞬間、2ー4ー4(攻の型そのまま)でC大阪の4ー4ー2に対面、敵陣からハメ奪いに行くハイプレス。CB2人もハイラインを保ち、限定よりもボールと人に強く寄せるインテンシティ高い守備。プレス去なされると撤退4ー4ー2

【守】前4枚でハメに行く――特攻精神にあふれたハイプレス守備プランは、エリキ、マルコス、マテウスという「どう見ても連動した組織的守備、その理解と遂行は得意でない」気分屋エキストラ・キッカー3名をぶっつけ本番で同時起用する上でやむ得ない選択か。彼らなりに頑張らせるシンプルなプラン

「まずハードワークするのは大前提で、守りの時は前からプレスをかけて、ボールを持った時は力強く前へ、前へというプレイを要求されていた」マテウス

【守】「ロストした瞬間、前から強度高くハメに行くハードワーク」は試合序盤はエリキマルマテウス3人含め頑張ったが、C大阪もシンプルに蹴ってくるためハメ切れず。先制された後はC大阪がやや受けに回り引いたためハーフコートに押し込めた。後半はエリキマルマテウス3人の前残り、守備しない時間が増

【守】3人の「前残り」はオープン展開を作るためにもアリだけど、全く限定も戻って助けることもやんないのは…。被カウンタでもないのに簡単に後手後手になり2CBが晒され、ギリの対応になるシーンも。テルだけが1人奔走し疲弊してしまい交代

「攻撃的な選手が多いので、守備になるとどうしても上手くいかないこともあった。でも後ろの選手や中盤の選手が、用意していたものとは違う判断でやらないといけないこともあると感じた」畠中槙之輔

『後ろの選手や中盤の選手が、用意していたものとは違う判断でやらないといけないこともあると感じた』

槙之輔は、結構露骨に「前残りした3人が全然守備とか限定しねえから後ろは後手後手の対応になる」と言ってる。『用意していたものとは違う判断』つまりチーム本来の約束事、前提ではないと

――この槙之輔のコメントはEXPにしか載ってないから藤井さんにはそれだけで高い存在価値がある。試合前コメントやインタビュ記事も他の媒体にないものは全て貴重。プレビュやレビュも俺は毎回5秒以上かけ熟読してる

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攻撃面

【攻】2ー4ー4。ハイプレスと同形あまり変形しない。喜田は引き落ちてCBと3枚の形になりビルド起点の数的優位を確保するが、両SBの内に絞る頻度は控えめ。エリキとマルコスは縦関係にならず、ゼロトップ 2シャドウ的にバイタル浮遊。「どちらか一方はCBを引っ張り縦の奥行きを作れ」な意図は見えず

【攻】前半、特に先制を許して以降はC大阪がやや受けに回り、エリア前に縦横コンパクトな4ー4ブロック形成。前半のマリノスは劣悪なピッチでも敵陣中央でボールを繋いだが、エリキとマルコスが「バイタル浮遊」で縦に奥行きを作らないためSBがそんなに内に絞らないのに渋滞。相手ブロックを動かせない

「相手がブロックを敷いてきた中で、外で受けることが多くなってしまった。自分とかが間で受けないと崩れないし、そういった仕事も増やさないといけなかった。まず相手は間、真ん中を通されるのが一番イヤだったと思うので、少ないスペースで如何に間で受けられるかが大事だった」渡辺皓太

「みんな足元、足元で受けたがっていた。誰かがオトリになったりウラへ抜けたり、自分が自分が(スイッチを入れる、味方のためスペースを作る)というプレイも必要だと思う。チームのために、どれだけ犠牲になれるかが大事」広瀬陸斗

【攻】エリア前に縦横コンパクトな4ー4ブロックを敷き内を閉じて隙間を与えず、前の2枚で外に誘導する4ー4ー2を、今季のマリノスは攻略し切れてない

前半のマリノスは渡辺皓太や陸斗のコメント通りで、ハーフコートに押し込んでもその先の工夫がなかった

【攻】縦横コンパクトに圧縮された4ー4ブロックを攻略するには、如何に幅と奥行きを使い作り、相手のポジション位置関係と意識を縦横に引っ張り「隙間を作り広げ活用するか」が課題であり、それを出来るチームになるのがボスに課せられたタスクであり1年半に渡る取り組みであったのだが――

【攻】如何せん「エリキとマルコスが2シャドウ的にバイタル浮遊」して奥行き作る動きをせず、エリア手前が渋滞するため期待した渡辺皓太の「チャンネルに飛び込みフィニッシュに絡む」働きも果たせず。やろうはしていた。でもあまりに狭すぎた。左右に幅取りワイドに広げる、飛ばすパスも不足

前半のスタッツ。ボールは握れてるしシュート数は上回り決定機数も互角だが、マリノスの枠内シュートと決定機は2つ共に広瀬陸斗のエリア外からのシュート。C大阪の決定機2ほど決定的ではなかった。とにかく狭く窮屈で、賢くない印象

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2ー4ー4で前から同数ハメに行く、そのためのエリキとマルコスの横並びは全然OKだと思うけど、ボール握ってハーフコート押し込めてる展開下では「マルコスとエリキ、どちらか一方は相手CBをゴール方向に引っ張るウラ抜けを繰り返して奥行きを作れ」という指示は、予め落とし込んで欲しかった

ハーフタイム:

「良いプレスを掛けられている。後半もやり続けよう。前の動き、フリーランを増やして攻撃の選択肢を広げること。シュートまで持っていこう。後半スタートから、アグレッシブに自分たちのサッカーを見せつけよう。絶対に勝とう」アンジェ監督

『前の動き、フリーランを増やして攻撃の選択肢を広げること』

当然ながら素人でも指摘できるようなことは、ボスも見てて気付く訳ですが。試合前にね、1つ最低限の約束事としてエリキとマルコスにキッチリ落とし込んでおいて欲しかった…

後半スタッツ。シュート数、決定機数で圧倒。前半1本だけだったエリア内シュートも8本を記録。…ただ個人的にはマリノスが修正したというよりは、C大阪が「受け身はダメだよ主体的に!」ロマン主義に寄せて前から守備にきたり後ろけら繋いできたことに理由が大きい印象

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確かに前半、先制された後のC大阪は「受け身に回る、全体的にゾーンを下げる」傾向見られたし、それでマリノスはハーフコートに押し込めてたけど…

ティーナの哲学と理想的にNGだったのかな? 後半の頭から前からプレスに来たし自陣深くから繋ぐ頻度を上げてきた。もっと主体的に! と

マリノスはエリキマルマテウスの3枚が「前残り」する傾向が時間と共に↑

あと敵陣中央で繋ぎ押し込む頻度は↓

手っ取り早く左の槍マテウスにボールを渡し、ゴリゴリ仕掛けさせる

オープン展開やシンプルな個の仕掛けサイド攻撃が増え、相対的にマリノスのチャンスや決定機が増える

『オープン展開やシンプルな個の仕掛けサイド攻撃が増え、相対的にマリノスのチャンスや決定機が増える』

後半↑この部分だけに注目すると「エリク時代への逆行」「この1年半の積み上げは何だったのか」となるワケで、マテウス獲得も含め「頑なにやろうとしてきたスタイル曲げた?」と言われるが…

――だが個人的な解釈では「このスタメンと布陣、ゲームプラン、後半の戦い方」は「その選択に至る複数の要素、背景があり」ボスの思考と決断を推察トレースすれば、そんなに不自然なものでも継続性の放棄や哲学への背任でもないであろうと

大前提として、試合は勝つためにやっている

この選択に至る背景や理由の考察

1.CFエジガルとGKパギの不在
2.新加入選手の実戦テストと融合
3.前回0ー3 C大阪との戦術的な相性
4.劣悪なピッチコンディション

背景と理由が1つならボスはこの選択はしてないだろう。1つではない。複合的な理由、現実的な判断の既決

いよいよ備忘録連投の核心にさしかかったところで飽きてきた…

1.CFエジガルとGKパギの不在

最も大きな問題はCF「偉大なる9番」エジガル・ジュニオの長期負傷離脱。得点源としてはもちろん「CBを牽制ピン止めする、奥行きを作る、クロスにニアで潰れる」「ファーストディフェンダとしてプレスや限定する守備を賢く献身的に行う」攻守における戦術的キーマンだった

アウェイ清水戦の1人少ない状況でGKに突っ込み失点の起点その一因になった李忠成、昨夜のエリキやマルコス後半の守備貢献度の低さを見ても、如何にエジガルが賢くマジメで守備面でもチームのスタイル方向性において重要な役割を担っていたか分かるだろう

ハイラインもまず前線の限定ありきだ

「何故エジガルの代役となるCFタイプを補強しなかったのか?」

あんなマジメに攻守に渡りチームのゲームモデルを成立させるための貢献が期待できる(ブラジル人FWらしくない!)CF滅多にいねえし、いてもメッチャ高額。予算内で獲得できる選手を見つけられなかった、という事だろう

前回のエジガル負傷離脱時のようにマルコスCFゼロトップ起用しても「全く同じ」にはできないし、その際に中盤2列目に置ける天野純三好康児はチームを去った。渡辺皓太は新たな選択肢としてあるが、また少し2人とはタイプが異なる。今回は扇原も出場停止だった

マルコス・システムの発見で「よしこの方向性でリーグ優勝だ!」と新たに舵を切り固めていこうとしたタイミングで天野純が移籍しエジガル負傷し三好康児も移籍した。とりあえず2試合、大津祐樹を「偽エジガル」的にCF起用したがハマらず2連敗、その流れでのホームC大阪戦だった

GKパギの負傷離脱は、ほぼトドメ。とにかくエジガル不在が痛い。GK杉本大地はリーグ初スタメンだったが、ハイラインは継続したし、あの劣悪なピッチコンディションでは仮にパギでも割り切って繋がず蹴る頻度はどっこいだったと思う

杉本大地が本当に試されるのは、次節以降だと思う

2.新加入選手の実戦テストと融合

エジガル離脱と天野純、三好の移籍で補強とその新戦力の「早急な実戦テストと融合作業」は至急課題に。トレーニングで目処が立ってから…では間に合わない。ぶっつけ本番でも実戦投入し「やりながら勝点拾いながら」最適解を見つけねばならぬ。博打なのは仕方なし

9番タイプCFの不在という意味では、伊藤翔さんが鹿島に移籍し今季エジガルと共に新加入した李忠成が、毎度エジガル負傷と同タイミングで離脱し、今もコンディション的にフィットせずベンチ入りすらできてないのが小倉勉SDとしては全くの誤算だろう。しかし補強とはそんなもので全部が当たるハズもない

今季ここまでのチュンくんには「年長者としてのピッチ外でメンバへの声がけ雰囲気づくり」とか「練習場でファンへのフランクで丁寧な対応」といった部分しか評価材料がない。残念だ。シーズン終盤に向けてなにか1つでもピッチでチームに確かな貢献を示してくれることを期待している

エジガルの負傷が分かっていれば(あるいは先なら)天野純をあんな条件でローン移籍するのをフロントもボスも許容できなかっただろうし、パギの負傷が分かっていれば(あるいは先なら)飯倉も同様。そも2人もマリノス残留を選んだのではないか。三好の移籍は止めようがない。どれも全く詮無き話だ

今チームにある戦力、選手でやりくりするしかないのだ。そして今はリーグ優勝を目標に「勝つために」やっている。ボス就任1年目の4月や8月ではない。スタイル哲学は勝利やタイトルのためにあり「見栄えがいいから」アタッキング・フットボールをやっている訳ではない――これは過去にボスも明言している

3.前回0ー3 C大阪との戦術的な相性

4ー2ー4にも見える布陣とハイプレスを強調したゲームプランの採用は、対C大阪を意識した部分も大きいだろうし、前述したようにエリキマルマテウス3人の「守備戦術理解度の低さや気紛れさ」を少しでもチームの中でプラスに持っていきたい意図は感じられた

4.劣悪なピッチコンディション

ホーム日産スタジアム2試合連続で敗戦後にボスが痛烈に指摘。ピッチの影響はお互い様だしサッカーは雨や台風でも行われる競技だから「だからできません、勝てません」は欠陥戦術、言い訳でしかないが――しかしボスが言いたくなる気持ちも理解できなくはない

Q.「コンディションが難しい」と言われたが、それはピッチコンディションの事か?

日産スタジアムはこのリーグ戦2試合、ピッチが非常に難しいコンディションだった。そのため我々は、本来やろうとしていないサッカーをやらざるを得なくなっている」アンジェ監督

『そのため我々は、本来やろうとしていないサッカーをやらざるを得なくなっている』

試合前はいつも通り「やることは変わらない」と言ってたけど、それは「選手が変わっても」という意味かな。『やろうとしてない事を(曲げて)やってる』とボスがマリノスで明言するのは初めてじゃないかしら

「クラブとしての成功をもたらすためには、ホームスタジアムをしっかりコントロールし我々に有利な状況に持っていく必要がある。開幕からずっとホームで無敗だったが、ここ2試合は連敗した。ピッチコンディションが敗戦の原因になっているという気持ちも、正直ある」アンジェ監督

「選手たちは全てを出し切ろうとやっているが、あのようなピッチコンディションでは難しい。選手たちの安全を考えても、怪我につながるようなピッチ状況で試合をするのは…。今日は怪我人が出なくて良かったが、世界中のどんなスタジアムと比べても、このピッチ状況はあり得ない」アンジェ監督

「これから行われるラグビーW杯までには改善すると思うが(※皮肉)他のJリーグのスタジアムは非常に整っている。2週に1度のホームゲームで、こんなピッチ状況では難しい。皆さんも自分の家はいつ誰が来てもいいようプライドを持って綺麗に整えているのでは? それと同じだと思う」アンジェ監督

「自分たちのホームスタジアムなので、そこはしっかりやって欲しいし、本当に残念な気持ちだ。何を言っても言い訳になってしまうかもしれないが、やはりこのピッチではファン・サポータをはじめ観に来てくださっているお客様にも恥ずかしく思う」アンジェ監督

――ボスのコメントは7割嘘とはぐらかしだから「言いたくない事は言わない」ためにピッチコンディションへの不満を全面的に出して言い訳に使ってる部分もあるとは思うが、まあ本音だろう。長い梅雨と開けての猛暑、天候やスタジアム構造的にもう仕方ない面もあると思うけどね。だから逆に言いやすい

ラグビーW杯に合わせたピッチコンディション作りしてんだろ?』的な皮肉も入ってるしオフィシャルサイトもカットしてないけどなw

そこら辺もほぼ政治的な話になるしなあ

――それがどの程度「仕方ない」ことかクラブの努力や意識が足りてないかは評価も難しいところだが、劣悪なピッチコンディションが「あのスタメン布陣やゲームプラン、後半の戦い方」に影響した部分は少なからずあるのは間違いないのでは。それが全てではなく、複合的な理由の1つだけど

試合評の総括

――試合評の総括としては

・本来のスタイル方向性を
・ちょっと曲げたり棚置きして
・現実的な起用やゲームプラン
・あると言えばあった
・でも背景理由と意図は推察できる
・勝点3が欲しかったけど
・展開とスタッツ的には
・「勝てば良かろう!」な可能性も
・十分にある試合だったかな

実にありきたりだけど

「このホームC大阪戦を踏まえて」

次のアウェイ名鯱戦をどう戦うか、どういう結果になるか、シーズン終盤へ如何にチームを仕上げ底上げし勝点を粘り強く拾いタイトルへの可能性を追求できるか

リーグ戦だからね。「この1試合」で見てもしょうがないよね、という普通の結論

おわり。

追記

左WGマテウスは大宮時代のイメージ通り「1人でゴリゴリやっつけちゃう」縦の仕掛けから決定機につながるクロス2本あったし、攻守に組織的な連携とか知ったこっちゃない感が満載で「コレはチームのスタイル方向性的にアリかナシか」みたいな話はあると思うけど、とりあえずゲーム体力スゴいね

「個の質的優位で殴るのも、位置的優位などを使い組織的に崩すのも手段の違いで目的が敵えぱ同じ」

ソレは1つ正解だけど「クロスを入れる」ではなく「クロスを入れゴールを奪う」が最終的な目的。その確度を高めるため「エリア内や近辺の敵味方の位置関係」も大事。それをチームはずーっとやってきた

その意味で、C大阪戦のマテウスは左WGとして「大外アウトサイドレーン」と「その内側ハーフレーン」を区別する5レーン意識がほぼ皆無で「左・真ん中・右」で「俺は左サイド使う」3列思想

で後ろからティーラトンが追い越し関与しようとしても蓋をしてコンビネーション不全。もったいない

マテウス1人でもクロス上げてるからソレで良し!」ではない。そこにティーラトンも絡むなら連携した動きで「もっと相手DFを釣って外に引きずり出したり、意識や目線を惹き付けたりして」エリア内の守備密度や堅牢さを低下させねば…

1+1が2以上になるよう追求せねば、それこそエリク時代への逆行だ

次週の名鯱戦は契約上マテウスは出場できないので、2週間で彼の「3列主義」意識に5レーンの感覚を――左でも大外と内側ハーフレーンをSBと共有し被らないよう使い分け相手DFを困らせる――最低限の落とし込み頼むマジで

大宮や名鯱のファンが驚くくらいにマテウス魔改造してあげてピーター&パパス!

【マリノスの被CK1本に対する失点率は2.1%。そんな決まるもんじゃないっス。そして被CKよりむしろ攻CKこそ、もっと被カウンタのリスク管理を考えよう!CB2枚、せめてスピードあるチアゴは自陣に残し「全部ショートCK」でいい。「普通にやる」のは確率論的に阿呆です by 蒼井真理】 about CKからの失点と得点の確率から見直す対応

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

――今夜のホームC大阪の連投下書きが長くなったんでオマケの話を先に投下します。吟遊詩人には珍しく数字の話

テーマは【身長とCKの失点率】

https://pbs.twimg.com/media/ECIsk5RVAAA6mkp?format=jpg&name=large

どうせなら和田拓也(170cm)も入れて欲しかったな!

「扇原の不在で被CK守備が不安…」そんな声も聞こえてきますが、CK1本が得点になる可能性なんて3%前後です。圧倒的に高さのないマリノスの失点率が仮に5%だったとしても【被CK4本で1失点以上する確率】は約19%

――実際リーグ22節まで28失点、被CKからは2失点だけ(アウェイの湘南戦と清水戦)

被CKから決定機は沢山作られてるし、チビっ子なりの対策は必要だけど。そんな決まるもんじゃないっス。全失点の7%に過ぎない。失点を減らすため考えるべきは他にもある。

被CKに関しては「1試合5本以内に収める」努力を。そして被CKよりむしろ攻CKこそ、もっと被カウンタのリスク管理を考えよう!

「CK取ったらCB2枚は必ず上がるもの」みたいな安易な考えやめて欲しい。チアゴと槙之輔の2枚だけでは、普通にやって3%ない。せいぜい1%。被カウンタのリスクだけが跳ね上がる

CB2枚、せめてスピードあるチアゴは自陣に残し「全部ショートCK」でいい。「普通にやる」のは確率論的に阿呆です

ちなみにリーグ22節までマリノスが与えたCKは95本(1試合平均4.3本)で2失点なので、マリノスの被CK1本に対する失点率は2.1%。なかなかリーグ平均と比べても優秀な数値だよ!

1試合で5本のCKを与え1失点以上する確率は約10%。他にもっと対策すべき事あるんじゃないかなー?

「チビっ子ばっかり集めたことに対する分かりやすいリスクへの注目」「被CKからの失点が2試合続いた」などがバイアスとなり、単純な確率論よりも大きな脅威・編成の偏り・ボスやスタッフの手抜かりだと評価され批判される――誰もが色眼鏡をかけずにサッカーを見たり語ることはできない

ついでにマリノスが22節まで得たCKはリーグ最多の135本で得点は天野純⇒扇原ヘッドの1得点のみ。CK1本の得点期待値は0.7%と1%切ってる。やっぱ攻CKはCB2枚とも上げるのマジ無駄なリスクだから止めるべきだし全部ショートCKにした方がマシだと思うよ

今日みたいなメンツならば、尚更に

「それって本当かな?」と考えて「リーグ全体の複数シーズンに渡る平均値」と「マリノスのシーズン20試合以上の数値」を比較したりする――印象的な1プレイや1試合でなく、より長期的な数値の積み重ねの比較から「本当かな?」を読み解くアプローチは、時々やった方がいいです。自分の偏りに気づくから

【プレビュー代わりのざっくりセレッソ。ロティーナは、相手に選択を強いて、コントロールする。そこで相手がミスをする、崩れていくことを待っている。老獪おじいちゃん。ただ、今やメンバーは大きく変わってる。相性に変化が起きるとしたらこんな時かも。 by いた】 プレビュー of [2019-J1-23] 横浜 v C大阪

f:id:harukazepc:20170419104133p:plainいた

フォーメーション・守備面

  • 縦・横の均等な距離感の4-4ゾーン。ボールポイントに合わせてスライドし、前を塞いでコースを消す。
  • 意図として、一つのアプローチで奪う、というより、前を塞ぎつつコースを消し、選択肢を絞った上で次のパスターゲットを狙い撃つような意図。論理的な守り方。
  • 守備の開始位置はハーフライン付近。深い位置から追うのはネガティブトランジッション時程度。焦らず、正しいポジションを取ればいいという落ち着きがある。宏太がちょっとそわそわしてる。
  • 各選手のコーチングの多さは、皆で正しいポジションを取ろうという表れ
  • カウンターシチュエーションでも、飛びこまず、正しいポジションを取ってスペースを作らない、自分達で穴を広げない。
  • CK守備はフルゾーン。メインターゲットにだけにマンマーク
  • ピンチになるときは担当エリアに複数の選手が入る、ピンポイントの精度や思いもよらぬタイミング、局面を打開される、といった綻びが生まれた時。
  • 東京戦の3失点目みたいにピン止めした上ですぐそばの裏を抜けるみたいな形は構造上凌ぐのが難しいのかな、とも。
  • 後は、体力的に落ちて間延びする、ポジションに戻ったり、スライドが遅くなったりするときに、少しカオスになる傾向が。守ろうとして守れるチームではあるけれど、綻びはできやすくなるか。

攻撃面

  • 攻撃時も一つのプレーに対してのアクションに約束事があるように思える。
  • サイドハーフは絞ってのプレーが中心。ただ、スペースランで外に流れる、CB-SB間を突く、という動きも見せる。
  • サイドチェンジ多用、ゴールに対してクロスアプローチが多い。深みが出来たところで、逆手に浅い位置でのミドルシュートも。
  • 2トップのブルーノ・メンデスと奥埜は、状況に応じてプレーを変化させつつも、互いを意識してリンクして動いている感。
    • カウンター時にワイドのスペースへ流れ、もう一枚は中央で
    • 外に流れたら、合わせて距離を寄せる
    • クロス時に入れ替わったり縦位置取り
  • ブルーノ・メンデスのダイヤゴナルランやら入れ替わりからのロングカウンターは毎試合数回必ず出る。収めると、ゴリゴリバモバモと前進、強引にフィニッシュまで持ち込みゴールメンデスしてくる。コンタクト耐性があり、相手の逆が取れる、柔と剛のミックス
  • セットプレーは、マテイ・ヨニッチ、木本恭生、ブルーノ・メンデスがメインターゲット。深い位置でのスローインがロングスローなのも忘れずに。共に藤田直之から。

総括

  • ティーナは、相手に選択を強いて、コントロールする。そこで相手がミスをする、崩れていくことを待っている。
  • 横浜も位置取りを大事にしているし、その傾向は同じだけど、プレーイズムは真逆。凄くいやらしいチーム。真綿で首を絞めるようなイメージ。
  • 前回対戦の記憶を掘り起こしても希望が見いだせる要素がほぼない試合だった。戦略的に戦えて、相手の弱点もしっかり落とし込めるロティーセレッソが難敵なのは間違いない。老獪おじいちゃん。
  • 相性が良くないのは、個々のクオリティが高いことが大きな要因だと思っていて。
    シンプルなプレー原則の中で精度が伴ったり、局面でしっかり蓋をされる。そして、宏太に飽きもせずやられて、気づいたら負けてる。
  • ただ、今やメンバーは大きく変わってる。相性に変化が起きるとしたらこんな時かも。
  • 今日の試合で日産スタジアムと当分お別れ、なんと次は12月。悲しい。ラグビーのバカ。
  • 何より3連敗ダメゼッタイ。熱中症には気を付けてがんばろー。