横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【あなただけにそっと教える横浜FC。結果だけが大事な試合。横浜のウィークは横浜FCのストロングと重なるため相性はよくない。が、横浜FCの攻撃制御は主導権を奪うような迫力や質はない、ボールは握れるはず。後は、クオリティ。 by いた】 プレビュー of [天皇杯3回戦] 横浜 v FC

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フォーメーション・選手起用

  • 今季途中でタバレス監督を解任し、ヘッドコーチだった下平隆宏を監督に昇格させると、チーム状態が好転。クラブ初の7連勝を記録。
  • 基本は4バック、4-2-3-1もしくは4-4-2。
  • 選手起用の傾向として、アタッカー陣は消耗などを加味し試合ごとにローテーションしている節がある。ワイドに速い選手、トップに大きい選手、中央(もしくはワイドの片翼に)にボールポートとなれる選手を配置。
  • 逆に後列の選手は固定傾向。Fマリノス育ちの武田英二郎田代真一がスタメンを獲得している。

攻撃面

  • ロングカウンター及び疑似カウンターシチュエーションを作ることを意図。スペースを得てストロングポイントを発揮する選手が多い。
  • ポゼッション時にはボランチ田代真一が最終ラインに落ちてセンターバックを開かせ、フィードを用いてボールを前進。
  • 右サイドのスペースアタックが最大の武器。スピード備える中山克広、北爪健吾のランニングは脅威。
  • ハイサイドでポイントを作ると、質の高いクロスが入る。イバをはじめとしたCFWが1stターゲットとなるが、サイドハーフが絞ってターゲットとなる約束事。
  • 「何故そこに?」という選手がボックス内にいることも。リスクマネジメントよりも中央の厚みを優先か。
  • セットプレー、イバ、ヨン・ア・ピンの次のターゲットとなる田代真一のニアの頻度高い。
  • レアンドロ・ドミンゲスのスキルが光る。キープと抉るパス、そしてえぐいコースとボールスピードの直接FK。26・27節とメンバー外。
  • U20W杯代表・斉藤光毅。細かいステップのドリブルでカウンターの起点となり、クイックネスを活かしたボックス侵入に輝き。
  • イバ、エース。ワイドからのクロスの質が高まったことでクロスターゲットとしての存在感は高まるばかり。
  • 下平体制で輝く中山克広。抜群のスプリント力を備える右サイドのスペースランナー。細かいスキルは発展途上も、強みとタスクが重なる起用の妙。

守備面

  • 守備時は4-4の配置、ボールサイドに人が収縮し、プレースペースを圧縮。近辺の対戦相手としては清水と似た傾向。守勢時には人数を割いて水際防衛。
  • トップの守備意識にムラがあり、受動的な守備が基本。
  • 攻→守の切り替え、遅れがちなポジション修正、最終ラインのスピード不足がウィークポイント。
  • 細かくラインコントロールしつつ、ボックス付近へのボールポイントに収縮してプレーゾーンを制限する傾向。奪い切れないと周辺にスペース。

総括

はっきりした色のチーム。

横浜のウィークは横浜FCのストロングと重なるため相性はよくない。が、横浜FCの攻撃制御は主導権を奪うような迫力や質はない、ボールは握れるはず。後は、クオリティ。

結果だけが大事な試合、皆様早くお仕事終わりますように。

【決して特殊なことではなく普段着のプレー。相手の強度やコンディショニングというエクスキューズはあれど、恐れずにやれたことは胸を張っていいし、ペップやアルテタの賛辞は決してリップサービスだけじゃない。 by いた】 about [EUROJAPANCUP] 横浜 1 v 3 マンチェスター・シティーFC

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シティさんとの腕試し。

65000人の前での、そして世界中のファンに対してのサプライズを与えたポジティブなイントロダクション。
偉大なるパイオニアであるシティさんにを相手に、積み上げてきたものを臆することなく披露し、手応えを得れた試合、かな。

繋ぎの部分

序盤は特に、だけど、素早い反応から速く丹念アプローチで蓋をされてロストしたり、攻撃方向を制御・誘導されて狙われたりするシーンもあったり、と普段の試合に比べても捕まるシーンは多かったかな。
そこは流石シティさん。あちらにとっても重要な試運転、という位置づけだったのかもね

ただ、時間と共にアジャストし、相手を困難な状況に追い込むぐらいの質を示せた。

  • GKを使ってプレッシャーをいなし空いた中盤の選手を使う。
  • 半身で受けてプレッシャーを外してスペースを狙う。
  • 引き出して作ったポイントからワンタッチパスでプレッシャーゾーンから抜ける。

決して特殊なことではなく普段着のプレー。
相手の強度やコンディショニングというエクスキューズはあれど、恐れずにやれたことは胸を張っていいし、ペップやアルテタの賛辞は決してリップサービスだけじゃない。

守備の部分

通常通りプレスにいっても、一つのプレッシャーでは奪いきれず、キープされて、浮いた外を使われて回避される、ドライブで運ばれる、デ・ブライネのロングスルーパスで裏を突かれる…流石のシティさんだったことは否めず。
速いんだよねぇ、判断が。澱まないからなかなか捕まえられない。

相手も横浜のことを知っていたし、リスクを見逃してはくれなかったなぁ。その上での3失点。必然。
ただ、凌ぎ切ったり、シビアにいって複数でパック出来たり、ラインをコントロールしてオフサイドを取ったシーンもある。恐れてバスを並べていては感じられないこと。
体感、いいレッスンだったかしら。

特にチアゴとパギさんは大きな手応えを得れたんじゃないかな。
アゴの対応力とスピードはシティさんのアタッカーも阻害できてしまう。
アゴは何時も凄いけど、これだけ魅せちゃうと買われてしまうのでは…早く買い取りたい。

パギさんは2失点は喫したにせよ、素晴らしい危機察知と飛び出しで広いゾーンをケアして未然に救った。ビルドアップも後で触れるけど素晴らしい質を示してくれた。
飯倉様を送り出す試合で、その席を奪い、跡を継ぐ選手としてその存在意義をきっちりと示してくれたこと、凄くよかった。

ゴールシーン

【17分:ケヴィン・デ・ブライネ】

クラウディオ・ブラボのロングボールから右で幅を取ったベルナルド・シルバが一発で外から裏を取りポイントを作ると、ケヴィン・デ・ブライネが外を追い越す。
ボックス侵入後、前に入ったDF外して弾丸シュートをニアに突き刺す。

すげえシュート。触ったら腕が吹っ飛んじゃうよ…。
後手に回され、クオリティが示されるとさすがに難しい…
ベルナルド・シルバのキープからの角度を作ってのスルーパスも素晴らしい。うまいよね、ベルナルド・シルバ…ダビド・シルバにしても時間と角度の作り方がうまい。

学べることがあるとしたら、GKからの形。
相手が高いラインを敷き、強いプレッシャーを掛けてきた時にどうするのか。そのモデルケース。
繋ぐことはアイデンティティ、ただ、あくまでも一つの選択肢に過ぎない。パギさん&渓太くん・テルくんに取り組んでほしいパターンかな。

【22分:遠藤渓太】

横浜の培ってきたものが流れを作る。そして、同点弾。

同点弾の前の一つの流れが余りに素晴らしかったので取り上げたい。
一つはGKを使ったビルドアップ、もう一つは抉る畠中慎之輔の鋭い楔。

・素晴らしかったプレス回避

ボックス手前でのシティの攻撃を凌ぎ、ネガトラで前を塞ごうとプレッシャーを掛けてくるシルバ・ジンチェンコをパギさんを使っていなし、彼らが上がって空いたスペースで浮いたテルくんを浮き球パスを使ってプレスを回避(ロドリが切っていたパスコースの上を抜いた)

慌てることなくフリーのGKを使う、パギさんも空いてる選手をしっかりと見つけていいパスを出す、繋ぐアイデンティティはポーズじゃない。培ってきたものが見事に出た。 スタープレーヤーが迫力をもってプレス掛けてくると慌てるけれど、試合の中で順応し、冷静に普段通りのプレーが出来たことに拍手。

・畠中慎之輔の真骨頂、抉る楔2連発

テルくんがプレッシャーをかわして畠中くんへ、そこからDFの間に立ったティーラトンへ楔、ティーラトンはプレッシャーを掛けられて畠中くんへ戻す。
次はトップから落ちたマルコスを見つけて更にもう一本、今度はマルコスがスキルフルなプレーでDFを外し展開。

これぞ真骨頂!そぶり見せずに相手抉る。
特に2本目のマルコスへ通したプレーは二階層を飛ばすパス、痺れた。
マルコスも畠中くんから出てくる認識があると思うから顔出したと思うけど、このラインが繋がると攻撃に流れが生まれそう。
(マルコスのらしいシャペウでマークを外したプレーも流石ね)

この攻撃はゴールには繋がらず、ただ、その後のプレーで畠中くん→タカくん→みよっしに繋がり、みよっしからテルくんへスルーパス、テルくんのフィニッシュ!これは凌がれるもマルコス、そして渓太くんと二の矢三の矢とシュートを浴びせてゴール。
我が後輩が世界のシティさんからやりましたよ!

三好康児に期待したいこと

ゴールに繋がるアプローチとしてみよっしのドリブルからのゴールに直結するプレー、これを今後の試合で期待したい。前述の畠中くん、そしてこのプレーの起点となったタカくん、喜田くんにせよ、うまく浮けばパスは出てくる。

彼は運べる、プレーを加速できる、それが攻撃に迫力とクオリティを与えてくれる。
みよっしにはエジガルを失った攻撃に置いての新たなメインウェポンとなってほしいし、なってもらわないと困る。

マルコスが落ちて引き出す形は増えれば、入れ替わる縦のポジションチェンジで浮くことも出来るはず。
その上で欲しいのは数字、まじで。
10G10Aぐらいお願いしたいの。期待してます。

【39分:ラヒーム・スターリング

ケヴィン・デ・ブライネがダビド・シルバとのワンツーで中盤を打開、そしてアウトサイドのロングスルーパス。ワイド気味にポジションをずらしていたラヒーム・スターリングが完璧なラインブレイク。パギさんとの1vs1を難なく。

これは無理。あいつらすげーわ。

その他

その他新戦力の現在地、という面では風希くんの決定機関与率の高さは面白い。
まだ、一つのプレーアクションで切れるというか、思考して止まる、探すというのが垣間見えるけど、決定機の匂いを嗅ぎ取りいいポジションに顔を出してる、ってところは凄く面白い。
15分で2回かな、凄いことよ。秘密兵器。

そしてやっぱり喜田くんは尊い
90分、勝ちに行った、戦い続けた。質の高いターン、鋭いワンタッチパス、タイトかつシビアなアプローチ、意思を示すってそういうこと。培ってきたプレーを全てチャレンジし続けてた。
喜田くんほんと凄い、最近喜田くんのプレーを見ると泣きそうになるわ。尊い

終わりに

ま、負けは負け。
(特に個人の部分)でクオリティの部分で差が出たとは思うけど、チームとしてチャレンジしてポジティブな要素が示せたのも間違いない。スタッツ見てもシティさんにこういうスタッツ出すチームってそうそうないし。
そんな自信を胸に後半戦頑張りたいね、ということで。

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【ボールを握り、押しこむ展開の中、横浜がチャンスを生み出すシチュエーションは浦和の攻撃移行時だったのが興味深い。横浜のネガティブトランジッション時の反応と守備が浦和の攻撃移行を阻むだけでなく、攻撃の起点となっていた。 by いた】 about [2019-J1-19] 横浜 3 v 1 浦和

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浦和戦。

様々な事象が「起こってしまった」試合ではあったけど、ピッチでは起こったことは判定云々を除けば想定内の試合。
ともあれ、浦和相手にシーズンダブル!素晴らしいこと。

横浜の特徴的なサッカーに対して浦和がどのような対策を講じてくるのか。
これが一つの注目点ではあったのだけど、浦和が選択したのは守備時は前線に興梠を残した5-4となる撤退守備。
ポゼッションを許容し、ボールサイドに蓋をしつつ、中央を締める。スペースを管理できる阿部勇樹の起用は納得。

守備に力点を置いたことで、浦和の攻撃は興梠の裏への抜け出し、ファブリシオの単騎突破のみ。選択肢は大きく限られた。
となれば、試合の入りの時点で横浜がこのゲームの主導権を握ることは約束されていたのかもしれない。

となると、試合の争点は「横浜が崩すか/浦和が守り切るか」。
ボールを握り、押しこむ展開の中、横浜がチャンスを生み出すシチュエーションは浦和の攻撃移行時だったのが興味深い。
横浜のネガティブトランジッション時の反応と守備が浦和の攻撃移行を阻むだけでなく、攻撃の起点となっていた。

・浦和の守→攻の切り替えがおざなりなところを逃さずにボールサイドへ収縮
・興梠へのパスコースはボランチが切る
・狙われると思われたサイドへの対角フィードは献身的なテルくんのプレスバック、ティーラトン・広瀬くんのオリジナルポジションへの帰陣で塞ぐ

その結果、相手陣でボールを奪い、人数を揃えていたはずの浦和の陣形が崩れた隙を突けていた、と。
先制点はまさにその形。タカくんがよく長澤を追った。追ったから橋岡への横パスを選択させ、すってんころりんの呼び水となった。

【37分:遠藤渓太先制点】
橋岡の転倒が起点、逃さずピックアップしたティーラトンが素早く岩波-マウリシオ間にポジションを取っていた渓太くんへ。渓太くんは(少し浮いちゃったけど)素早くターンし、思い切り左足振り抜く!鋭いシュートはマウリシオの股を抜けて、サイドネットへ!
やった!

今シーズン初ゴール!よくやったぞ後輩!←
アンジェも凄くエモーショナルなガッツポーズだったし、皆が待ってた一発。膠着してもおかしくない試合を動かすという意味でも凄く意義の大きなゴールでした。
よく前を向いたし、よく振り切った。数字は必要だからね、結果を出せてよかった。

何よりも素晴らしかったのは「受けた位置」。
岩波-マウリシオの間にポジションを取ったことにより、ターンできたしフィニッシュ出来た。
渓太くんだけじゃなく、マルコスも阿部-青木間を意識していたり、テルくんもエジガルもそう。人を多く並べてもギャップはなくならない。

そのギャップで受けることで複数の選択を相手に「強いる」。
この日はウイングが意図的に5バックのギャップにポジションを取ろうとしてた。意図をもって、ギャップで受けて崩すことを狙っていたのだと思われる。
そんな「意図」のある位置取り、こういう形で結果が繋がると手応えになるね。

余談ではあるけれど、誰かが下りたりすると入れ替わるようにその位置に誰がが入ったり、内に入ったら幅を取る選手が出てきたり、というシーンがちらほら。
エジガルとマルコスの関係、マルコスとタカくんの関係、エジガルと渓太くんの関係…有機的な入れ替わり、意思共有が進んでいるのかも。

【61分:(オフサイドなんだけど)仲川輝人
右サイドをエジガルとのワンツーで渓太くんが打開し、ボックス内に侵入。
右サイドの打開を見てテルくんは大外から中央へ進出、渓太くんはパスなのかシュートなのか強いキックでゴールを急襲。宇賀神のブロックをすり抜け、テルくん押し込む。

この後あれこれひと悶着ふた悶着して、10分ぐらいゲームが止まってオフサイドのゴールがゴールとして認められる訳ですが、このシーンはちゃんとJリーグジャッジリプレイでお話しがあると思うので割愛。

このシーン、是非は置いておいて判定がひっくり返ったときのアンジェのリアクションがスーパーかわいい。アンジェはキュート。
でもって、大槻組長が相当シメオネっぽくなってる。
フラッシュインタビュー後に審判を「殺りにいく」と思われるヤバイ雰囲気とかたまんねぇ…

問題は、この後。
ビハインドメンタリティに燃える浦和の勢いをもろに受けてしまい、実際に取り返されてしまったこと。
レフェリングであったり、その他もろもろ、全ての事象を予測するのは難しく、予想外の事象が起きた時に、どうしてもメンタル的に揺れ動く。

その中でいかに普段と変わらずプレーできるか。
相手の変化を感じ取り、必要な対処が出来るか、という点。
後半頭からではあったけど、宇賀神と橋岡が高い位置に張り出す、とか、マウリシオがマルコスを捕まえようとラインブレイクをする、とか、前から追い始めた、とか、変化の予兆はあった。

浦和がかなりリスキーに仕掛けてきたことで横浜はスペースを得てカウンターを何本も打てたわけだけど、その攻撃が不発に終わると、相手も返す刀でスペースを得てチャンスを作る。
要はオープンな打ち合い。オフサイドになったけど同点になっていても不思議ではない展開に「なってしまった」。

エキサイティングな攻防で見ている側は楽しいのだけれども、オープンな打ち合いはどちらに転がるかわからない。そして、それは少なからず望んだ展開ではない。
アンジェもフラッシュインタビューで話していたけれど、後半はコントロール出来なかった。

理想とすれば、前半同様にコンセプトに沿ってずっと自分達のターンでサッカーがしたかった。
安定したポゼッションとネガトラからの即時回収で押し込み、試合のテンションを落とす。そして相手の気勢を削ぎ、静かにゲームを終えたかった。

結果として3点目を奪い、勝ち点3を得れた。事なきを得た訳だけど、カウンターアタックでのイージーミスでロストして反転攻勢を喰らう、というのは、少し幼い。
アタックするな、ではなく、ネガティブトランジッション及び守備に転換した際の準備の問題。プッシュアップして陣形を圧縮したかった。

まあ勝って反省できることはいいこと。
山雅、大分、浦和と同じように完全にゲームを握ってプレーが出来ているのは素晴らしいこと。これをより長い時間して、勝つ可能性を高めたい。
相手の手を抑え、相手を真綿で締め落とす。理想に一歩ずつ近づいてるのも間違いないから。

【だから天野純を観察できて良かった。こっそり勝手に一方的に応援したり憤慨できて良かった。楽しかった。プロ2年目の2015シーズン、苦しみながらも課題にちゃんと向き合ってる天野純に気付けて本当に良かった。だから天野純、もう十分なんだ。俺はお腹いっぱいになるくらい天野純から、いろんな感情を与えてもらった。なりたい自分に、なれるよう頑張れ。もう観察はしないけど、天野純は俺のヒーローだからあんまり弱音は吐かないように by 蒼井真理】 about 天野純のロケレンへの期限付き移籍

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

いーつのことだか思い出してごらん
あんなこと こんなことあったでしょ
嬉しかったこと 悔しかったこと
いつになっても忘れない…

――でも17歳にもなるとすっかり物忘れが酷くなるから、Twilogに「天野純」って入れて検索していろいろ思い出してる
https://twilog.org/aoi_mari/search?word=%E5%A4%A9%E9%87%8E%E7%B4%94&ao=a&order=allasc

https://pbs.twimg.com/media/D-z5jFfVUAAIiXd.jpg

プロ3年目までの歩みを過去の tweetを編集して振り返った

『2016シーズン終盤、大きなブレイクスルーを果たした天野純について連投する』(214 tweets)
https://twilog.org/aoi_mari/date-170108

2017ー19も編集すべきかと思ったが、量が多過ぎ14秒で諦めたw 3年目までは出番が少なかったからできたこと https://pbs.twimg.com/media/D-z-Os-UwAEdUG_.jpg

「(鳴り止まないアマジュンコールに)…喋っていいですか?(笑) ――実際にここに立つと、自分がマリノスから旅立つのだと実感がすごく沸いてきました」天野純

マリノスに加入した6年前のことを思い返してみると、まさか自分がマリノスで100試合出場を達成して、10番をつけさせてもらい、さらにキャプテンまでやらせてもらえることなんて想像できませんでした。それはファン、サポータの皆さんも同じだったと思います」天野純

「最初の3年間は試合に出られず、紅白戦ですら入れてもらえず、ピッチの外で走っている日々が続きました。しかし、そんな時に支えてくれたのが、この三ッ沢に集まってくれているファン・サポータの皆さんでした」天野純

「その時に温かいメッセージや、時に厳しい言葉をかけてくだり、その言葉に僕は救われました。僕をここまで一人前のサッカー選手に育ててくれたのは、ファン・サポータのおかげです。本当にありがとうございます」天野純

「このマリノスに僕のすべてが詰まっています。皆さんと会えなくなるのは本当に寂しいし、今年から一緒に戦っている最高の仲間と別れるのはつらいです。ただ僕も27歳になり、この海外移籍はラストチャンスだと思っています」天野純

「僕がまだ知らない新しい世界を見たいと思いましたし、ここで行かなければ絶対に後悔するという思いが勝り、移籍を決断しました。ここで学んだすべてをベルギーでぶつけて、ベルギーで一旗揚げてきます」天野純

「そしてまたいつか、自分が海外の舞台で活躍して、一回りも二回りも成長して、このマリノスの10番にさらにふさわしい選手になって帰ってきたいと思います。本当に本当にありがとうございました。――それではベルギーへ、行ってきまあす!」天野純

「アウェイでは大分に負けていたので、今日は借りを返そうという思いでプレイしていた。皆の出足が速かったし、身体が動いていた。こういう試合を毎試合やれれば間違いなくタイトルに近づけると思う。僕はベルギーに行くけど、監督のサッカーを信じて続けていってほしい」天野純

「今日が最後なので、全てを出し切ろうという思いで試合に入ったので、最後までその思いが身体を動かしてくれた。よりファン・サポータとの一体感が生まれるスタジアムなので、ラストゲームが三ツ沢というのは感慨深かったし、三ツ沢でやれて良かった」天野純

Q.チームメイトからはどんな声を?

「頑張ってこいよ、とか。寂しいっていう声は聞かなかったw あとは『成功するまで帰ってくるな』とか。笑顔で行けるので良かった」天野純

「まさか自分が海外移籍するような選手になれるとは6年前は想像がつかなかったし、これは本当に一歩一歩積み上げてきたものだと思うので、海外でも1つひとつ積み上げて活躍して、またいつかマリノスに帰ってきて、その経験を還元して、マリノスのために戦いたいと思う」天野純

「(移籍すべきか)2~3ヶ月悩んで、お腹も痛くなって。メチャメチャ腹を下しながら考えたこともあったし、昨日も緊張し過ぎて腹を下した。ただ、自分の中に停滞感を感じてる部分がある。数年前に自分が感じていた成長速度ではないし『もう一皮むけたい。何か変えないとな』と思っていた」天野純

「行かないで後悔したくなかった。もっともっと相手にとって怖い選手、前で違いを作れる選手になりたい。まだ27歳という言い方が正しいか分からないが、アンパイなプレイでなく危険な選手になりたい。海外は結果が求められると思うし、自分にはそこが足りない」天野純

「英語は少しずつ勉強してきたし、英語を話せたら格好いい。サッカーだけでなく人間としても成長したい。ホームシックになるかもしれないけど、頑張って生きていきたいw」天野純

『もっと相手にとって危険な選手になりたい。前で違いを作る。それが本来の持ち味だと思っている。今が一番脂がのっている時期。安パイなプレイでなく、危険な選手、見ていて楽しい選手になりたい。ベルギーでそういう自分を見せていきたい』

簡単ではないと思うよ。でもなりたい自分があるのなら――

――昨夜の挨拶だったり、あるいは過去の試合後コメント読んでたまに「あれもしかして天野純は俺のtweet読んでる?」と思うこともあったけど、それは自意識過剰というか観察者バイアスなんだろうな…。ユースから10年以上、天野純を見続けてきたけど直接しゃべったの東伏見で偶然遭遇した5分間だけだし

自分の書いたことが選手に影響とかしてほしくない。プロが素人女子校生の意見に耳を傾けてほしくない。どこまでも観察者でいたい。でもひょっとしたら一度くらいは、俺の書いたポエムで天野純が前を向けたことがあったりしたら素敵かもと妄想はする。選手とファンの距離感は、きっとそのくらいでいい

俺にとって天野純は、ユース時代から別に特別な思い入れある選手じゃなかった。高円宮杯優勝メンバの1人。だから順大の4年間も試合を観にいったのは2回だけだったし、プロとしてマリノスに戻ってきた時も「こんなモヤシっ子! 大学4年間で身体つくってこねーとか舐めてんのか」としか思わなかった

ただプロ2年目の2015シーズン、エリク1年目。天野純カップ戦で少しずつ、本当に地道に積み木を積むように1つずつ課題と向き合い、もがきながらも乗り越えていく姿に気づけたことが、私の中で大きな喜びだった。選手のパーソナリティと成長を観察するのが大好きな積み上げ厨なので

そして天野純、プロ3年目の2016シーズン。あと一歩届きそうで届かないレギュラへの扉、破れそうで破れない殻。あとは結果だけなのに結果が出ない――それをブレイクしたシーズン後半。あの日立台、ル杯準決勝1stの落ち着き振り、天皇杯での決勝FK、ミドルシュート

ものすごい脳内麻薬ドバドバ出たw

過去には小椋祥平、また天野純の後には中島賢星という「その成長を見ているだけで楽しい」存在はあったが、この2015ー16シーズンの天野純ほどに、焦らされてヤキモキさせられ、でも地道に正しく課題と向き合い続けてるのは伝わるから信じたい、応援したいと思わせてくれた選手は、他にいなかった

これからも多分、いないと思う。

もう今のマリノスでは難しい。クラブとチームに明確な方向性があり、監督の求める資質を持つ選手が補強され、足りない選手はサヨナラだ。

そもそも天野純なんて、強化責任者が下條さんじゃなかったら2年目で片道切符のローン、いやそもそも獲得しねえ。あんなモヤシ

2016シーズンの最後は長居で終わり、マリノスは1つの時代の終焉を迎えた。新横浜に帰り着き、こんな事を書いた

“心にきめた愛するクラブがあって「あいつはチームにとっての未来そのものだ」と思えるような期待を抱ける選手が1人か2人もいたら、それだけで俺はもう結構お腹いっぱいだよ”

https://pbs.twimg.com/media/D-0RRjXUcAAnezY.jpg

年が明け2017年の正月に、天野純の2016シーズンまでをまとめたキチガイ連投。その最後に、こう記した

喜田拓也天野純は、私にとって「マリノスの未来そのもの」になっていた

https://pbs.twimg.com/media/D-0SaVHVUAA8P4B.jpg

――あれから2年半。さっきまで Twilogで振り返っていたが、まあレギュラになったもんだか褒めたり貶したり忙しいw 最近感じていたほど「チャレンジが足りない成長スピードが足りない停滞してる」わけでもなかった。ある意味で、それまでの3年間と同じ。課題と向き合い、もがきながら少しずつクリアする

でもマリノスは、特にこの1シーズン半で大きく変わった。それはクラブが、チームが強くなるために強く正しいベクトルを獲得する変革であったが、それまでの時間の流れから考えるとあまりに大きな変化で――その話はまた別の機会にするか。 あの中澤佑二でさえ、幸せなラストシーズンを許されなかった

俺は天野純に、マリノスを強くするリーグ優勝をさせる、そのために自分が試合を決める選手になると約束して欲しかった――

少しずつもがきながら前に進もうとしていたが、中心選手になりチームの勝敗に責任を負うようになると時にエゴを抑え地味なサポート役も果たさねばならない

別に「俊輔に変わるトップ下像、10番」を天野純に投影していた訳ではない。これは間違った伝わり方をしている気もする(誰に?)

エリク2年目終盤のボランチ「喜田の斜め前」は悪くない適所だと思っていた。▽のインサイドハーフはアリだが、△での「ザ・トップ下」はちょっとないなと

ボスもクラブも、天野純はチームにとってほぼ不可欠な中心選手として考えていたハズで「天野純の代わり」を補強はしていない。三好康児をローンで獲得しポジションを追われたのは大津祐樹だった。今季の天野純の「迷い」は主に左サイドのメンツが固まらず、それを回す事に苦慮奔走したことが理由だった

だがエジガルと李忠成の負傷が重なり、左WGストライカとして3年契約で獲得したものの今ひとつパッとしなかったマルコス・ジュニオールをCFでゼロトップ起用したことが、全ての始まりだった。

予定調和ではない。様々な偶然や見込み違いが重なった末に、マルコスの変態セカンドトップ資質が発見された

そしてエジガルが復帰するとマルコスをトップ下に置き中盤を△にした「マルコス・システム」が誕生。奇しくも神戸、磐田と組織的にユルい対戦相手が続いた事もあり、破壊的な効果を見せた

「マルコス1人で天野純と三好の2人よりゴールを作り出せる」「ボランチ2枚になるから守備も安定する」

「扇原を使えるから高さも補強できる」「ティーラトンも起用しやすくなる」「和田拓也は右でいいな――」

チーム作りにおいて時に、こういう予定調和でない奇跡的な「組み合わせの妙」が発生する。1つのピースが偶然ハマると、後は全てが用意されたパズルのように組み合わさる…

岡田武史2003シーズンの那須大亮アンカー起用も同じ。大学生CBの那須を中盤の底、CB前のフィルタに据えたら、左右非対称で歪なシステムは抜群の補完関係を発揮した

そして上野良治は弾かれた

https://twilog.org/aoi_mari/date-141106

つまりそういう事だ。天野純が、そして三好康児広瀬陸斗が「シーズン開幕時に比べてパフォーマンスを落とした」とか「チームのためやるべき事をやってない」訳ではないし、別にボスもクラブも「彼らが物足りなく新たな選手を補強した」訳でもない

全ては「偶然発見されたマルコス・システム」のため

チームにおける選手の序列や優劣は相対的なものである。あたり前だ。そしてシステムや組み合わせ――あるいは誰を中心にして配置を決めるか、によっても求められる選手の質とパラメータ、アビリティは変わる。絶対的な序列や、選手の優劣はない。凄くあたり前の話だけど

小さい頃からピアノを習っていて、小学校で毎年音楽会になるとピアノの伴奏という花形ポジションを任されていた女の子がいた。彼女はそれが自慢で誇らしく思っていた。5年生の夏、転校生がきた。彼はその女の子よりピアノが上手でその年の音楽会から、彼女は違う楽器を担当した。ピアノを弾けるのは1人

彼女はピアノが下手になった訳でも練習をサボった訳でもない。ただ彼女よりピアノが上手い転校生がやってきただけ。木琴の上手な子が長く病気で休んでいるから、木琴をやってみないかといわれ練習した。そこそこ上手くなり褒められもした。でも音楽会の前週に、木琴の上手な子がクラスに戻ってきた――

例によって下手な喩え話をすれば、天野純におこった出来事はそういう事だ。確かに、マルコス・システムが「偶然発見されるまでに」2列目のポジションで出場できてる間に、もっともっとゴールに直結するプレイに挑戦しレベルを上げていれば、こうならなかったかもしれない――そんな仮定にどんな意味が?

このタイミングでのオファーが偶然だったのか渡りに船か、あるいは代理人から求めたものかは、もはや問題ではない

長い間、夢に描いていた海外からのオファーがあって、天野純はそれを選んだ。それだけだ。そして海外でのプレイだけでなく、譲れないプライドや矜持が「なりたい自分」があった

それは誰にも否定できない。

マリノスで地味かもしれない、レギュラではないかもしれないけど皆から愛され応援される中で一緒にリーグ優勝を目指した方が幸せだよ』

――それが正しい事か、本当に「なりたい自分」なのか、決められるのは天野純だけだ。周りの意見なんて関係ない

ぶっちゃけて言えば、俺だって天野純が『俺はボランチじゃなくトップ下の選手』とか言うのは、えー? って思うことあるよ! いやでもやってねえじゃん! 隙間で前向かないし! 絶対的にSAQはユース時代から足りねえし!

2ボランチの前寄りか、インサイドハーフ2枚のやや引き気味じゃねえ? と

でも天野純の「なりたい自分」が、イメージがソレなら仕方ない

あの2016シーズン、ル杯アウェイ吹田戦1stで見せた「周りの動きが全部見えて」「少しボールを置く場所をズラしたり1つ間合いを入れるだけで」「囲まれてもボール奪われない」「余裕もって次のプレイに展開する」天野純も、俺は知ってる

喜田拓也だってユース時代からプロ2年目まで足下スキル細かなタッチセンスとか奪ってから最初のパスとか全然ダメで、でもエリクは何を気に入ったか喜田を使い続け、彼も得意でないプレイにも実戦の中でチャレンジと失敗を重ね続けた。足りない時期もあったが、止めはしなかった――そして今がある

だから天野純も、もう一度「それをやらざるを得ない」「やらなきゃピッチに立てない一歩も前に進めない」状況に自分を追い込むことで、過去6シーズン僅かに見せた輝きを、自分のものにできるかもしれない。もうすぐ28歳だけど

遅すぎる事なんてない。本当になりたい自分があるなら、なろうとすべきだ

「本当になりたい自分ある」こと、その自分に嘘や言い訳をせずに、なれるかどうか分からない難しいとか無理だとか人に言われても「でも俺はそうなりたいんだ」と言える人は…なんだろうな、きっと幸せだと思う。俺には特にそういう強い「なりたい」はない。ただ、そういう人を見ていたいだけだ

だから俺は、天野純を見つけられてとても幸せだった。天野純がプロになってからの5年と半分、特に2015ー16シーズンあの苦しんだ末に壁を打ち破った瞬間とか。至福だったねえ。2017シーズンから2年半の中も、全部が停滞だった訳じゃない。何度も満たされるシーンはあったよ

違う場所での挑戦を選んだ天野純を、今までみたいに観察したり「こうしたらいいのに」とか「素晴らしかった!」と評することもできなくなる。無理やり映像探したりベルギー行ったりもしない。いやなんせマリノス、収穫期ですし!

悪いけど天野純どころじゃないんだよね

でも本当に、天野純を観察できて良かった。こっそり勝手に一方的に応援したり憤慨できて良かった。楽しかった。プロ2年目の2015シーズン、苦しみながらも課題にちゃんと向き合ってる天野純に気付けて本当に良かった。あの頃の自分を褒めてやりたい

だから天野純、もう十分なんだ。俺はお腹いっぱいになるくらい天野純から、いろんな感情を与えてもらった。なりたい自分に、なれるよう頑張れ。もう観察はしないけど、天野純は俺のヒーローだからあんまり弱音は吐かないように

じゃあね。行ってらっしゃい

――大学生になってはじめて1人暮らしをはじめる息子を見送る母親の気持ちは、ひょっとしたらこんなものなのかな、と思ったw

追伸:向こうでチームに合流したらチームメイトと食事にいって会話してる様子をインスタ等で「きょうのあまじゅん」としてアップし、「ボッチ耐性◎」コミュ障キャラ克服に努める姿を伝えるように。最低月2でやれよ

Q.天野純選手がこの試合を最後にチームを離れるが?

「純くんか……。5年半一緒にやってきて、似たような境遇というか、すごく近いものがあって。最初は全然試合に出られなくて苦しんで、それも2人で乗り越えてきて、メンバ外の練習も一緒にやったし、残って筋トレだって一緒にやった」喜田拓也

「2人でいろんな話もして、あの時の俺らが今マリノスのキャプテンとしてチームにいるっていうことには当然感じるものもある。ずっとあの人の夢は聞いてきたし、逆にチームに対してどういう思いで、どんなものを背負ってやってきたかっていうのも一番近くで見て分かっている」喜田拓也

「チームにとってもちろん痛いけど、そういうのを見てきた自分としては背中を押すだけだった。最後の試合で(ボランチで)組めて、あの人も楽しんでプレイしていたし、それが勝利につながった。それには周りの選手の姿勢も欠かせなかったと思うし、それは純くんも感じていたと思う」天野純

「そういった仲間に囲まれて旅立てるのは彼も幸せだったろうし、それは僕らが言わなくても分かっていると思う。あっちでその覚悟した気持ちを見せるつもりでいると思うので、僕らはそれを楽しみにしつつ、マリノスも良い結果を届けられるように。それも彼の刺激になると思う」喜田拓也

「今までもそうやって高め合ってきたし、チームは変わってもその関係性は変わらないと思う」喜田拓也

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――喜田さんからはプロ1年目のBチーム練習試合での周囲への叱咤激励からして「パイセン」風しかなく、ずっと「喜田パイセン」と呼んでたのをこの度晴れて「喜田キャプテン」と辞書登録も改めたのですが… この天野純へのコメント、天野純との包容。

やっぱ絶対に喜田がパイセン

【「自分達がこうすればいい試合が出来る」というベースを揃えた上で、「自分達がこうされると困る」という相手の特徴に対しての対策を施していくことでこういう試合が出来る、ということがよくわかった。 by いた】 about [2019-J1-18] 横浜 1 v 0 大分

f:id:harukazepc:20170419104133p:plainいた

大分戦。

改めて見返しても、素晴らしい。
完敗を糧に、ウィークポイントから目をそらさず、必要なファクターをシビアにやり切る。ロジカル、かつ、タフに。
その結果、相手の疑似カウンターを封殺しつつ、自分達が常にゲームを支配。

この試合はなんといっても、前回対戦時の完敗を喫した大分相手のプランニング。
・ネガティブトランジッション時の反応とアプローチ強度
・オリジナルポジション準拠な位置取り
・ハイライン維持、コンパクトな陣形
・狙われるDF背後のスペースをケアするGKの飛び出しによるケア

コンセプト通りの要素ではあるにせよ、大分の疑似カウンター、スペースを使った速い攻撃への対応も各所に。
特にSBが常にウイングバックに蓋をしたこと、逆サイド展開時のウイングのプレスバック、喜田くん・あまじゅんのセカンド回収は、非常に効果的で相手の加速及び攻撃移行を阻み続けた。

それでも裏に出されたときには高い位置にポジションを取りつつ勇気をもって飛び出すパギさんがDFライン裏をカバー。
穴を空けないこと、穴となりえる箇所へのマネジメント、全てよく練られていて、抱えていたリスクを覆い隠した。

相手に与えたチャンスは片手程。守備で相手の手を抑えた上で、攻撃構築は致命的なミスなく。長い時間相手を押し込んで、圧力を掛け続ける。
相手の得意とするオープンな展開を作らせずにゲームをコントロールできたこと。前回対戦と全く違う試合が出来たことは大きな進歩かな、と。
(スタッツ明らか)

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【先制点:エジガル・ジュニオ】
オナイウの前をティーラトンが塞いでカット、粘り強くみよっしーに繋ぐ。みよっしーはすぐさま低いクロスをテルくんへ、テルくんのキープの間に陸斗くんがロングスプリントでオーバーラップ!そして「らしい」ワンタッチでの折り返し(!)

受けたエジガルがコースを開いて強烈シュート、一度は三竿のブロックに阻まれるもリフレクションが幸運にも再度エジガルの元へ、これを振り抜き、相手に当たってコースが変わり、決まる。
きたーーーーー!

ゲームプランの責を担ったSBの二人が絡む、このゲームの象徴的なプレー。
ティーラトンの守備が起点、体力的に厳しい時間でもタスク完遂。加速させず蓋をした。
その上で陸斗くんが同様にタフな仕事をこなしつつ、このシーンでは長いスプリントからのエスプリの効いたワンタッチパス、センスだなぁ…

圧力を掛け続け、攻め続けた結果、相手にも負荷が掛かる。相手もギリギリ。そこでミスも出る。それをエジガルが仕留めてくれた。
こういう膠着した試合を動かせるスコアラーがいるのは大きな強み。
好機を逸していても一つ仕留めれば勝ち。応えてくれたエジガル、オブリガード!

この試合に限らず、だけど。
「自分達がこうすればいい試合が出来る」というベースを揃えた上で、「自分達がこうされると困る」という相手の特徴に対しての対策を施していくことでこういう試合が出来る、ということがよくわかった。凄く大きな手応え。

一回りして、相手にも情報があるのと同じように、自分達にも蓄積がある。それをうまくゲームに反映させていくことで勝つ可能性を高めていく。
この試合だけじゃなく、札幌やセレッソ、東京といった完敗した相手にもしてほしいし、名古屋や川崎、浦和、鹿島といった強い相手にもしていければ。

いい試合でした。
あまじゅんとイッペイちゃんの門出を勝利で飾れたという意味でも凄くよかった。
本当によかった。

補足として。
シュート数以上に相手のパス数が増えたことに注目。
大分のパスは『カウンターシチュエーションを作るためのパス』。
イージーにカウンターに出れていた最初の試合は少なかったけど、この試合はカウンターに出れないから繋がざる得なかった、と。繋ぐことを強いた、うん。