横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【私的マンオブザマッチの喜田パイセン、アンチ喜田拓也が完全沈黙するハイパフォーマンスを見せた試合後のコメントがコレですよ。奥さん。自分の出来とか1つも語りませんよ。チームの事、ベンチメンバへの感謝と、マリノスが上に行くための姿勢、それだけを語るのが喜田拓也という選手なんですよ・・・ by 蒼井真理】 about [2019-J1-2] 横浜 2 v 1 仙台

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

試合前〜試合中の実況&コメント

2節ホーム開幕は仙台戦。キックオフ1時間前に我らの日産スタジアム到着

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バクスタから移住し6シーズン目。今季もメインアッパーからまったり俯瞰

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ホーム仙台戦のスタメン

FW マルコス、エジガル、仲川
MF 天野純、三好
MF 喜田
DF 高野、畠中、チアゴ、広瀬
GK 飯倉

SUB:朴一圭、ドゥレ、松原、扇原、大津、渓太、李忠成

開幕のアウェイ吹田戦と同スタメン、同サブメンバ。同じ布陣で異なる相手と展開に対し戦い方の幅を見せられるか

負傷離脱は部分合流済みのティーラトンと、椿直起のみ。1月10日の始動からここまで非常に離脱トラブルが少ない。チームにおける「データ革命」は公式戦よりも日々のトレーニングから

トリコロールタイムズ、今季はタブロイド版。正直折りたたまねばならぬので保存の意味では難。まあ保存せずどっかいっちゃうんだけど

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天野純インタビュ。「初心。忘れず いつでも崖っぷち」崖っぷち最高ですね。トップで「壁を乗り越えたと思えた3シーズン目のある試合」はアウェイ柏戦ですね

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仙台はマリノス戦に相性の良いジャーメイン良はベンチスタートで、兵藤慎剛が開幕のボランチから2シャドウの一角に

マリノスのゲームキャプテンは今日も喜田パイセンでなく天野純

2節ホーム仙台戦の大事なポイントは「開幕戦の成功と失敗を繰り返さない」こと。無闇に積み上げない。勝ちパターンなどない。公式戦は常に「応用問題」であり、トレーニングで反復練習した事の正確な再現がアタッキング・フットボールではない

大事なのは位置ではなく位置関係だし、相手は置物ではなく意思を持ち動く。我々のアクションに対し必ずリアクションする。その想定は大事だが、目の前のリアルへの適応はもっと大事だ。「相手のリアクションを想定内とするためのアクション」で「穴を塞ごうとすれば次の穴ができる」事を強いる

昨シーズン終盤の拙い失敗を繰り返さない事。想定外も想定内に。目の前のリアルと向き合い、リアルを屈服させて乗り越えろ

「仙台は去年ウチにやられているので間違いなく対策を練ってくる。チームとして試合の中での対応力を養っていかないといけない。どんなプレイが有効か、強弱も含め考えながらプレイしたい。勝つために何が必要かは監督だけでなく、選手それぞれが考えること」喜田拓也

「自分たちは決まった形がない中で、相手の位置を見てポジションを取っていく。マリノスとしての形がある中で、どうやって自分の良さを出していくか。欲を言えば、また点を取って勝ちたい」三好康児

キャプテンの喜田パイセンも、中盤で攻めのハブ役&スイッチ役となる三好がよく理解しているから、大丈夫だろう。仮に開幕から2試合続けて安い失点から先制を許したとしても――おっとここから先は皆さんにとって未来の話でしたね

キックオフ30分前。フィールドプレイヤもアップ中。バクスタアッパーはゾーン指定になって少し復活したかしら

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アウェイ側、ベガルタ仙台のゴール裏。今季はアウェイもメイン寄りだけでなく中央開放してく方向かしら

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日産スタジアムのピッチは、一部エリア内を除き良コンディションか。かなり短めに刈りそろえられてる感じ

過去は過去。大事なのは今日のリアル。でも、昨季2試合の大量失点とマリノスが開幕戦で見せた3ゴールと多くの決定機は、仙台のゲームプランや選手の意識に少なからず影響する。「相手に考えさせる」「こうしなきゃと縛る」のも、アタッキング・フットボールの一端。そこから先手後手が始まる

普通に考えて、仙台戦の戦術的キーポイントは「仙台の2シャドウの振る舞い(主にネガトラと守備ブロック形成時」「マリノスが如何にビルド&ポゼッションで仙台の2シャドウを狙い通り動かすか」になるだろう。どちらにとっての「狙い通り」か、そこを観られれば楽しい

「仙台の2シャドウはゲームプラン通り忠実にやってんだけど、残念それはマリノスの想定内で手のひらの上」なピッチ展開とできるのが、常に先手後手を作り兵藤慎剛が次の穴、また次の穴を埋めるために奔走させられ疲弊していく展開が理想か

今のマリノスなら畠中槙之輔広瀬陸斗喜田拓也三好康児天野純ならできるハズ。期待してる

ホーム開幕 仙台戦のトリコロール・コレオと2019ジャイアントジャージ

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開幕戦の再現では意味がない。17×2通りのマリノス対策を上回る応用力、対応力を。目の前のリアルを解体し乗り越えろ

ホーム開幕の仙台戦、間もなくキックオフ!

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仙台のブロックは5ー3ー2。兵藤慎剛が見極め斜め下に落ちる形

前半5分、ポゼッションから完璧な崩し左サイドから縦パス引き出した天野純のクロスに大外で広瀬陸斗。ドフリーの決定機を外す

マルコスはネガトラ良いね。このスタイルに合ってる

仙台5ー3ー2の2が門になってて間で喜田や引いた三好康児が受けられてる。良きかな

三好は単純に巧いなw スキルが高い

喜田パイセン素晴らしい誇らしい

17分経過して決定機2:0

三好康児が引いてポゼッション関与、その空けたスペースに天野純が流れてチャンスクリエイトはアウェイ吹田から継続して見られる形

素晴らしい、エジガルのネガトラが今日も素晴らしい

天野純はホント強くなってるなあ-

徐々に攻勢強め、ハーフコートゲームに。23分経過しシュートは6:0

広瀬陸斗スローインからCK獲得

前半25分、マルコス・ジュニオールがエリア侵入受けからのPK獲得!

前半27分、エジガル・ジュニオのPKが決まりマリノス先制! エジガル開幕から2試合連続ゴール!

ウォズになり損ねたな

高野遼、惜しいスローイン。今季はスローインも練習してきてる感

相手陣内での人の縦の出し入れと厚みな! 実にアタッキング

前半33分まではほぼほぼハーフコート。シュート8:0。決定機4:0

喜田パイセンがあそこで安易に外に開かずアングル付けた縦パス選ぶところがもう実にアタッキングで感慨深い

アンチ喜田拓也ぐうの音もでぬパフォーマンス

前半38分、喜田パイセンのチャレンジブルな相手の隙間抜くパスから三好康児仲川輝人クロスに⇒エジガル・ジュニオ! 追加点2ー0!

アンチ喜田拓也はもう息もしてない

聞こえる。俺には仙台の選手たちの心がポキポキ折れてく音が聞こえる

テルはそこに戻ってるもんなあ。ホント仲川輝人は守備でも計算できるもんなあ


前半終了、横浜2ー0。シュート10:0(枠内3:0、エリア内8:0)決定機5:0。CK&FK2:3。ほぼほぼハーフコートで概ねパーフェクトな前半45+1分。仙台は1本のシュートも打てず、ほとんどボールさわれず、常に先手後手。5ー3ー2のマリノス対策も全く問題とせず解体、攻略。強いぞマリノス(語彙

前半終了して、ゴール裏から一発目のコールが喜田パイセンだったことを俺は最大級に評価する。前半の喜田拓也は本当に素晴らしかった…

前半総括とか後半に向けてとか、特に無いス。何も言うことない。強いて言えば、アウェイ吹田では2点リードで折り返して後半はサイド起点のリスク管理して現実策だったけど、ホーム開幕戦だし後半もチンチンにアタッキングして欲しい。もう仙台は「1人ひとり気持ち見せボール追おうぜ」しかできぬ

さて後半

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後半3分、仙台はフィールドプレイヤさからファーストシュート

マルコスもネガトラ素晴らしい…。今季の補強は本当に素晴らしい…

開幕戦の反省が生かされたチアゴのカバーと飯倉の自重

天野純は別に悪くないパフォーマンスなんだけど、もっともっと魅せないと

後半16分、天野純大津祐樹

あんまフィットしなかったか、少し傷め気味だったか

大津アニキがこのメンツの中で何ができるか

後半19分、エジガル⇒李忠成

今日はカード切るの早いなあ

「大外の選手がオフサイドかかるのはダサいよね」

それはマルコス決めて欲しかった! 大津祐樹李忠成と交代2人も絡んでただけに!

畠中槙之輔の対人守備の信頼度が昨季より大幅に上昇

畠中槙之輔素晴らしい

仙台はこの試合、流れの中から初めてのシュート

広瀬陸斗おもしれえ

大津アニキの反則ゴリラチャージ

渓太がスタンバイ

CB2枚が実に安定

後半41分、マルコス⇒遠藤渓太

PKかあー

後半44分、石原直樹のPKが決まり2ー1。さて上手くクローズできるか

大津アニキの真骨頂!

みんなよく集中してる!

開幕2連勝!

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ヒーロインタビュは2ゴールのエジガル・ジュニオ

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勝利の円陣文化はウーゴ様がいなくなっても引き継がれていくのです

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ホーム開幕戦でもトリパラ満開!

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試合終了、横浜2ー1仙台。トータル決定機8:1。シュート数は19:4。仙台ほぼ何もできずPKの1得点のみ。概ねハーフコートでゲーム展開しスコア以上の圧勝! 後半追加点を奪えなかったのは開幕戦に続く課題も、新CFエジガルの連続ゴールは明るいトピック

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試合全体について

ホーム開幕戦の私的マンオブザマッチは、特に前半素晴らしいパフォーマンスを見せて2点目にも絡んでみせた喜田拓也! ビルド&ポゼッション関与、アラートの利いたカバリング、そしてチャンスクリエイトと決定機関与も。無難な選択に満足せず挑戦しつつ締めるとこは締める。実に誇らしい

兵藤慎剛マリノスのゴール裏とメインスタンドに挨拶にきてくれました。そしてマリノス君との熱い包容

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喜田パイセンが図抜けて素晴らしかったわけでなく、開幕戦に続き総じて好パフォーマンス。今のマリノスは、このスタイルは特定の個が輝くチームではないからね。CB2人もとても良かった。安定してたし集中力を切らさなかったし頼もしかった。安心して見ていられた

畠中槙之輔はこの2試合で自分の価値を高めてしっかり認めさせたんじゃないでしょうか。結果が必要な試合で結果を出した。素晴らしい。対人守備の安定度も昨季より向上してる。まだまだ伸びる

ただ思うにCBがドゥレでなく畠中槙之輔なのもアンカーが扇原でなく喜田なのも、新外国籍アタッカの2人の特性(特にネガトラ守備貢献)あと三好康児の存在が大きいかなと。よりボスの志向嗜好が尖鋭化されたチームになってる。振り切れてる。編成の勝利である

よくもまあ昨夏と今冬オフだけで、ここまでボスとボスが志向するスタイルが要求する選手を揃えたものだ…。本当に編成の勝利としか言いようがない。開幕2戦のスタメンは5名が新加入で、CBチアゴ畠中槙之輔の2人は昨夏の加入なのだから

マリノスはチームとして、組織として監督のセレクトや編成レベルから極めて真っ当な進歩を見せて、明確な方向性の下に魅力的なサッカーを展開できている。「次に補強すべきポイント、選手」も明確になるし、それに適合する選手(広瀬陸斗が好例)には魅力的な環境チームで訴求力も↑ 好循環

あとはタイトル、更なる資金。リーグタイトルとDAZNマネーを獲りに行こう。獲らねば。獲らねば奪われる

「ボールを持てる時間が長いのは分析から分かっていたので、どう崩すかがポイントだった。相手は人にプレスに来るというより場所を守るフォーメーション。相手を外すこと、スペースに動くことを意識すれば外れると思っていた」三好康児

「スペースが空いてない場合は自分だけの動きじゃ外せないので、場所を守るディフェンスに対しては全員で動いて空けるしかない。動きを共有することで合わせられる。場所を守っているだけでは自分たちは止められない。相手はどこで誰をつかめばいいか分からないし、嫌だろうなと思う」三好康児

「常に顔を出してくれるし、GKから全員がボールを受けられる。ボールロストの少ないサッカーだと思う。まだ2試合。どこも修正してくるし研究してくる。これからが大事。欲を言えばもっとあったチャンスを決め切れれば圧倒できたし、これからずっと得点のところは拘っていかないといけない」三好康児

――三好康児のコメントが、吹田戦後や仙台戦前に指摘した「位置ではなく位置関係」「型の反復でなく、目の前のリアルへの対応力」を選手目線で説明してくれている。本当の意味での主体性、アタッキング・フットボール。相手を見て、相手の狙いを解体して、全員で意志疎通して崩していく

実に良い選手を獲得した。ローンだけど

「勝つ集団にしていきたい。“勝ち” に貪欲に。『勝つことが全て』ぐらいの貪欲さがあってもいい。何よりも結果。そこは肝に銘じてピッチに立った」喜田拓也

「去年苦しんだ分、あれをただ『苦しいシーズンだったね』で終わらせたくない。無駄にしたくないし、みんなで共有した悔しい気持ちを、次につなげるためにはとなったら、もう結果しかない」喜田拓也

「面白いサッカー、良いサッカーをするよね、だけじゃなくて。結果を手にすることで、自分たちが取り組んでいるものがより評価されていくと思う。それは強く感じたこと。自分たちのサッカーにこだわりつつも、なりふり構わず勝ちに行く。その姿勢も絶対に大事」喜田拓也

「そういうものをみんなが持ってやれているからこそ、今の結果につながっていると思う。そういう気持ちがないと、絶対に勝てるほど甘くはない。勝利にこだわるという “発信” は、みんなの口からも出ている。僕も強く発信していきたい」喜田拓也

「ベンチの選手とか、試合前にアップから帰ってきた時も、声をかけてくれる。それは絶対にチームが勝つためのこと。そういう声を聞いていても『今日もいけるな』って気がした。そういう雰囲気って、このチームにはそこまで多くはなかったと思う」喜田拓也

「試合に出られないのは悔しいはずなのに、その気持ちを押し殺してでも、出ている選手のために頑張れる。それは間違いなく勝ちにつながると俺は信じている。自分は今日はピッチに立てたけど、サブやベンチ外の選手の姿勢には、本当に頭が下がる」喜田拓也

「みんなが勝つための行動、各々が『何をすべきか』を考えて行動する。それがちょっとずつできてくれば、マリノスはもっと上に行けると思う」喜田拓也

――私的マンオブザマッチの喜田パイセン、アンチ喜田拓也が完全沈黙するハイパフォーマンスを見せた試合後のコメントがコレですよ。奥さん。自分の出来とか1つも語りませんよ。チームの事、ベンチメンバへの感謝と、マリノスが上に行くための姿勢、それだけを語るのが喜田拓也という選手なんですよ

『試合に出られないのは悔しいはずなのに、その気持ちを押し殺してでも、出ている選手のために頑張れる』

開幕から2試合ピッチに立ててない、もう1人のキャプテンもそうだと思う。きっと扇原貴宏は立派にキャプテンとして振る舞っている

アウェイ吹田での開幕戦後にも書いたが、今季この「各ポジ2名遜色ない編成」ではシーズン通し切磋琢磨ハイレベルな競争を続け、誰も腐らずチームとして戦い続けることが大事だと思う。その意味でキャプテン3名の果たす役割は重要であると

ポジションを争う喜田と扇原をキャプテンに指名した意味な!

天野純言語化は不得手でもピッチ上のプレイや姿勢、日々の取り組み背中で語れる「どちらかと言えば過去のマリノスのキャプテン型」だが、喜田拓也扇原貴宏は「仮にスタメンでなくピッチに立てなくても腐らずチームの勝利を優先できる」「主語が『俺は』でなく『マリノスは』で発信できる」

キャプテン3人体制とその人選。俺はボスの指揮官として最も優れた資質は戦術家や用兵家、育成指導とかそっち方面の手腕スキームではなく、まず壮大な夢を持ち夢を語る部分ともう1つ、チームと選手に対する心理マネジメントだと思う。これは昨季就任直後の第一印象から変わらない。ゲリラ部隊の親分

――これは閑話だった

俺は開幕2戦のスタメン――扇原でなく喜田で、松原健でなく広瀬陸斗で、ドゥレでなく畠中槙之輔なのは「新加入選手たちが可能にしたボスの志向と嗜好への尖鋭化」において妥当であり理解と評価をしているが「ではこのメンバで固定して最後まで」とは全く思わない

それではきっと、マリノスは届かない

扇原貴宏には喜田拓也には無いサイズ感やリーチの長さプレイスケールの大きさ、精度の高いロングフィードや足の長いパスがある。決して「チームファーストでベンチに置いても腐らないから」だけでキャプテンには選ばれていない。松原健にもドゥレにも、広瀬や畠中に無い彼らの良さがある

必ずこの先、今はスタメンで出てない選手たちのピッチでの活躍が必要になる。彼らが腐らずトレーニングからアピールし競争のレベルを引き上げ切磋琢磨し続けねば、開幕2戦のスタメンが最後まで変わらぬようではリーグタイトルなど夢のまた夢

個人的には特に、扇原貴宏松原健の2人には強い思い入れがある。喜田がスタメンを掴むのは宿願であったし広瀬陸斗のプレイには開幕戦でハートを鷲掴みにされたが、それでもやはり扇原とマツケンにもピッチに立ち、彼らにしかない特徴をチームに落とし込んで勝利に貢献して欲しいと強く思う

扇原と松原健は、多くの中堅ベテランが自らチームを去る事を選択し迎えた2017シーズン「おいおいマリノス大丈夫かよw」と周囲からは好奇の目で見られる中で、マリノスのオファーに応えてくれた。“新しいマリノス” はあの頃から形作られていった

選手の入れ代わり、より環境に適合する者、強き者が残り「チームを勝たせられる選手が良い選手」で老兵や弱兵は去っていくのがプロの世界であり、より高みを目指すチームであれば尚更なことは承知してはいるけれど

だからこそ、扇原とマツケンにはピッチで証明して欲しい

次にピッチに立つ時は「誰かの代わり」ではなく、更にレベルアップしたプレイを、マリノスを勝たせる力強いプレイを、勝利への確かな貢献を、そのための日々の腐らぬ鍛錬を。扇原貴宏松原健には、心から期待している

また練習見学行かなきゃな。その前に水曜日のル杯開幕か!


「(試合後の表彰に)自分の仕事は見栄え的に分かりづらいと思っているが、見てくれているのは当然嬉しい。自分も周りに支えられて、ああいう仕事ができると思うので『いやあ俺が頑張ったな』という気持ちもないし、周りの頑張りが勝ちにつながったのが全てだと思う」喜田拓也

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――喜田パイセンの働き貢献、良さは伝わり難い。それは仕方ない事だ。何故なら彼の役割と最大の特徴は「常にアラート全開で、敵に使われると危険なスペースやパスコースを察知し消していく」プレイにあるから。「喜田拓也が良い働きをすれば、ピッチに目立った事件は “起こらない”」

人間は、人の脳は「起こらなかった事」「起こるかもしれなかった事」を気付き評価するのが苦手だ。無限に近い if を追求すればメモリが幾らあっても足りない。だから「起こった事」だけを見て、その「原因説明」を驚く程簡単に、直感的に下して「解釈」し納得する

脳は、面倒くさがりのサボり屋だ

喜田拓也が素晴らしい危機察知能力で、俊敏かつ献身的に汗をかいてマリノスにとって危険極まりないスペースやパスコースを消しても、それによって敵がその選択肢の使用諦めてしまえば、喜田のその働き貢献は「ほとんどのスタンドのファンには伝わらない」し、データにも数値化は不可能だ

それはサッカーとは「そういうものだ」という前提の上で、敢えてホーム開幕の仙台戦において喜田拓也が彼の役割特徴的に珍しく「かなり分かりやすい評価が容易な」かつ極めて貢献度の高いプレイを示したので、“1匹見つけたら100匹はいると思え” アンチ喜田拓也の駆除のため、少し書き記しておきたい

「前線で3対1くらいで取りに行ったが剥がされ、それだけ枚数をかけたら最終的に4対5くらいになる。人数をかけた場合は取り切らないといけない」仙台GKシュミット・ダニエル

やべっちFCの「解説するっち!」

「まずここで喜田選手が(寄せてくる)相手2人の間を通すパスを出せた事によって、仙台の選手を(マリノス陣内に)5人置き去りにできたのが1つ大きなポイント」仲川輝人

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仙台戦の決勝ゴールとなったエジガル・ジュニオの2点目。アシストは仲川輝人。その前にタメを作り絶妙なタイミングでウラを取らせるパスを出したのは三好康児。だが、この得点シーンで最も大きな価値あるプレイを見せたのは喜田拓也である

仙台GKシュミット・ダニエル、アシストした仲川輝人が言及するように、自陣右サイドのスペースを埋めてボールをリカバリした喜田が「プレスにくる仙台の2人に臆する事なく右斜め前を向き運び、その隙間を抜くパスを選択した」からこそ、仙台は前後5人ずつに分断され、5対5の状況が生まれた

マリノスにとって――ボスの志向スタイルのチャンスクリエイトおいて重要なのは「如何により優位な状況で、数的同数以上の形を作り出すか」であり、この2点目のシーンは「三好康児が敵陣フリーで前を向き」「仙台DFが下がりながらの5対5」を作った時点で、半分以上 勝負ありでござる

あとは仲川輝人のハーフスペース侵入に合わせて三好がパスを流し込み、エジガルも言うように「練習から散々やってるマリノスの形」通りに、DFとGKの間に低く速いクロスを入れ、中央とファーサイドにキッチリ詰めるべき選手が詰めるだけ。最後は「型」通り

最もクリエイティブなのは、喜田のプレイだ

もちろん三好のタメと縦パスのタイミング強さ、仲川輝人のウラ取りもクロス、キッチリ詰め決めたエジガルも、中央に走りこんでた天野純も素晴らしい。素晴らしいが、それはトレーニングの反復、型通りのプレイであり

「その型までどうやって持って行くか」駆け引きやチャレンジやアイデアが必要になる

――蛇足で追記するならば「自陣ビルド&ポゼッションから遅攻で、引いた(餌に食い付いてこない)相手を崩すのはなかなか大変だし相応のリスクもある」

だからハイプレスによる敵陣での奪取や2次攻撃からの、手数掛けないショートカウンタも実装しないと、ボスの志向スタイルは勝率が上がり切らない

で、その部分で新加入のエジガルやマルコスが凄くネガトラ&前線からの守備を頑張る、三好とテルもスゲー運動量で守備もするインテンシティもある――よって今季のマリノスはようやく「ハイプレス&ハイライン」が実装しつつある、と

昨季とか本当あのメンツでよくやってた、やろうとしてたと思うわ今更

でコレもついでに言えば「ようやく本格的にハイライン&ハイプレス実装しつつあるから」中盤3枚も、より「機動力、運動量、インテンシティ、アジリティやクイックネス、反転・旋回力」などを重視して、攻守トランジションのためのパラメータ重視。故の「アンカー扇原でなく、喜田拓也」であろうと

無論、対戦相手やゲームプラン、その時に起用できる選手の組み合わせによっては「喜田拓也より扇原貴宏」な試合や展開もあるだろう。…ただ、エジガルが想像以上にフィットしその適応スピードも早いので、扇原も少し「そっち方向に寄せた適応やアピール、進化」は必要になってくるかもしれない

喜田拓也には、ユースからトップに昇格した頃からその高いプロ意識やキャプテンシ「マリノスのため闘って死ねる」鋼のメンタルこそ評価してレギュラを掴むことを期待していたが、ここに至るまでは何度となく「やっぱ “ボール持たなきゃ良い選手” 止まりか…」と失望させられる試合、時期もあった

もともと足下の技術やパスセンスに特徴ある選手ではなく「ボールを持って(奪って)からのパス」あるいは判断や余裕に、プロ1年目から明確に課題のある選手だった。やり続けねば、チャレンジし続けなければ伸びていかない課題から逃げて「無難な選択しかしてない」ように見える時期もあった

昨季のボス1年目にしても、素晴らしかった開幕2戦の後、負傷からの復帰以降はチャレンジへの貪欲さやチームへの責任感の不足を感じた。物足りない時期はあった。もちろん彼のポジションと役割、特徴において「リスク」と如何に向き合うか、非常に匙加減が難しいのも理解しているつもりだが――

だから今季、この開幕2戦で見せた喜田の貪欲にリスクにチャレンジしていく姿勢と、それが分かりやすい形で結果に表れ報われた事を、私はとても嬉しく思っている。この姿勢と、勝利への執着、チームのための献身を継続して示していって欲しい。 喜田拓也は、マリノスの現在と未来そのものなのだから

――100試合など、単なる通過点だ

よしこれで喜田パイセンも当分誉めねえかんな! つーか実際俺もパイセンの地味な仕事、貢献とかたぶん10%も気付けてねえしww

そんなもんだよサッカーという超多面体のカオス。だから面白い、どんな批評も評価も分析もアプローチも一面的には正しく、そして間違っている