蒼井真理
天野純が磨き上げた「左足1本」へのこだわり。マリノスで目指す「俊さん」の継承https://t.co/hX9gvoiBzR
— フットボールチャンネル⚽️ (@foot_ch) 2018年5月15日
(取材・文:舩木渉 @watarufunaki ) #fmarinos #jleague「俊さんは左足1本で勝負を決める選手。自分もマリノスにいるので、それを継承していきたいと思っているし、その責任は自分にあると思っている。もっともっと極めたい」天野純
「Jリーグを見ても、一発で(勝負を)決める選手はそう多くないと思うので、そういった特別な選手に自分はなっていきたい。どんどん勝負を決めるような選手になりたい」天野純
鹿島戦と吹田戦のFKだけでなく、ここ最近の天野純のプレイには再び「自分が試合を決める、マリノスの勝たせる」という強い意志を感じる。球際の強さガツガツ感、削られても簡単にオラつかない、左サイドの外へ外へまわらずハーフスペース隙間で受ける、躊躇なくシュートを選択する――
いや褒めてないよ、もう天野純は簡単には褒めない。まだまだ足りない。実際マリノス勝ててないんだから、全然「試合を決める勝たせる」ことできてないし。ただ、燻し銀のバランサ遠藤アキルートまっしぐらかと思ってたのが、また「試合を決める自分がマリノスを勝たせる」方向性を示してるのは嬉しい
――マリノス加入から、特に2016ー17シーズンの天野純の成長を生暖かい目で見守るのは積み上げ厨には至極の時間だった。これだけ数シーズンに渡り継続的に、試行錯誤を続けながら少しずつ一歩ずつ着実に成長しチームの中心選手までたどり着いた選手は、マリノスでは本当に希有な存在ではなかろうか
サイドの限定する守備から始まり、中央にポジションを変えてからの守備。チームに足りない動き仕事を見つけ「やるか、やらせるか」自分の仕事と居場所を見つけ存在感や実効性を高めること。得意なプレイやりたいプレイを少しずつ表現し、苦手なプレイを克服する。球際の強さ、前に踏み出す力強さ――
天野純は試合に出て「ここが課題だなあ足りないなあ」と思った部分を、しばらく公式戦から遠ざかっても再びピッチに立った時には、少しでも出来るようになっていた。分かりやすく自分で課題を見つけ取り組んでいる姿勢が見えた。それをずっとやり続けて、ここまできた。素晴らしい時間だった
でもここから先は、天野純が自らのプレイヤとしての価値を高める作業の難度は大きく上がる。違う種類の取り組みになる。マリノスの中心選手となった。もう自分だけの課題と向き合い克服していくだけでは天野純の価値は上がらない。チームを勝たせる、マリノスを強くする事でしか天野純は先に進めない
吹田戦のFKは素晴らしかったが、勝つべき試合に勝ててない。あの同点FKが決勝ゴールなら、その価値は何倍にもなった。同じFKでも、チームの結果で価値が変わってしまう。これからの天野純は、そんな理不尽さとも向き合っていかねばならない
その自覚があれば、おそらく少しずつチームにおける他の選手たちとのコミュニケーション、ピッチのオンオフ含め「何を伝えるか要求するか」も変わってくる。チームに足りない動き仕事は「自分がやるか、やらせるか」これからは要求する質と量も増えていかねば、天野純は自分の価値を高められない
もう天野純のプレイに「この部分が足りないなあ」と課題を指摘することもないだろう。もう彼は彼1人の成長を生暖かく見守り楽しめた時期を卒業したのだ。これからはチームの結果。マリノスを勝たせる選手になることでしか、天野純の成長を評することはできない。今はまだ全然足りない
それは喜田拓也も同じ。天野純と喜田はマリノスの現在と未来そのものだ。それは予感や期待でなく、それが今のマリノスの事実だ。とても厳しいことを言えば、マリノスが今この順位なのは天野純や喜田がその程度の選手だからだ。でもこの先には、そうでない未来がある事を信じたい