いた
完敗の記録。頭の整理も兼ねて。
明治安田生命 J1リーグ 第25節
川崎フロンターレ 3-0 横浜F・マリノス @ 等々力陸上競技場
得点者:14'大島僚太 57'小林悠 75'家長昭博試合記録
試合の印象
〇相対的な要素
川崎のネガティブトランジッションが、横浜のポジティブトランジッションを上回る。
→試合を決定づける大きな要因。川崎の出足、収縮、強度、バランスは抜群。大島僚太のセカンドボール回収とイーブンボールでのデュエル勝率の高さは出色の出来。
横浜はその圧力に屈しミスを犯し、意図したはずのカウンターチャンスを作り出せず。結果として守勢に回らされる時間が長くなり、苦しい展開になった。川崎のポゼッションに対して、横浜のディフェンスは奪いどころを見いだせず。
→「焦れない」という言葉が川崎の選手から出ていた通り、無理に中央に侵入せず、ボールを握る時間でも冷静にポジションバランスを崩さずにゲームを運んだ。リードして更にその傾向は顕著に。
横浜は待ち受けつつ、中央で網に掛けたい意図を持っていたものの、相手がそのゾーンでの攻撃を回避したことで狙い通りに事は運ばず。時間帯によっては奪えないことに焦れ、散発的な守備になることも。完全に後手に回った。川崎の激しい球際、速いアプローチに正確なプレー、クオリティの高いプレーを維持できず。
→球際での強度や速いアプローチには川崎の選手たちのモチベーションの高さが表れていた感。粘り強く対応し、横浜のストロングポイントである齋藤学・マルティノスに対しても高い確率でボールを奪いとり、抑え込んだ。
試合をする上で負けてはいけないところで負けてしまった横浜。チャンスを作ったシーンもあったが、全般的にミスも多く、仕掛けの成功率も低かった。これでは勝てない。決めるか決めないか
→凄く端的に。
大島僚太・小林悠・家長昭博が機を逃さず決めきった川崎、決めるべきシーンで決めきれず、やり切れなかった横浜。これが綺麗にスコアに反映された。
①左サイドマルティノスの高速グラウンダークロス→ウーゴ・ヴィエイラのスライディングシュート(キーパー正面、不運…)
②ラインブレイクしてボックス内に侵入するも山中亮輔のラストパスはカット(打ってよかった…打てるんだから…)
③相手のクリアが甘くなったところ、天野純の強烈なシュートは僅かに逸れる(大島僚太は決めたね)
全部決まってれば3-3、サッカーってそういうものだけど。
〇主体的な要素
先制点に繋がるミロシュ・デゲネクのクリアミス
スライディングで奪うも、マイボールにしきれずにロストしてしまった松原健の判断ミス
ミロシュ・デゲネクの雑かつ緩い浮き球のパスを狙われ、扇原貴宏もボールを隠し切れずロストしたミス
→これだけ致命的なミスを低い位置で犯せば、失点に繋がる。彼らだけの責任ではないにせよ、自分たちでゲームを壊した。プレスを掻い潜る、という準備に対しての「目的」の欠如
→川崎がロスト後に強いプレスを掛けてくることはスカウティングできていたし、そのためのプレス回避を準備していたはずだけど、残念ながら回避することは出来なかった。それ以上に奪った瞬間にスムーズな攻撃移行が出来なかったことはこのゲームの苦戦の大きな要因。相手のプレスを外す、だけになっていなかったか。外した上で「前に運ぶ」、「ポイントを作る」、それが出来なかった。奪った瞬間、スムーズにボールが前に入ったシーンは片手で足りるほど。周辺状況もあるので一概には言えないにせよ、マイボールにするために後ろを向く、戻すということに大きな価値はない。攻撃を遅滞させるプレー。
プランニングを具現化できなかった。クオリティ低いセットプレーのボール
こういう苦しい試合だからこそ、ここでチャンスを作りたかったけど、7~8回のセットプレーのチャンスでいいボールが入ったのが1~2回、というのは寂しい。大きくズレるボールもあっただけに修正が必要。
前回対戦時の反省も踏まえ、相手の意図とストロングポイントを把握し、良い準備をしてきたこと。その上で、選手たちが素晴らしいパフォーマンスをしたこと。川崎の出来は素晴らしく、ほぼパーフェクトな試合をしたと思う。
鋭いネガティブトランジッション、プレーへの反応、ボールサイドへのシビアな寄せ、球際の執着、単純な一つ一つのプレー精度、相手の致命的なミスを逃さずに仕留める決定力…欠けるものは何一つなかった。
特に大島僚太の存在感と仕事の質は凄まじかった。
クリアボールを正確に仕留めた先制点は試合の趨勢を決める大仕事。ポゼッションでゲームをコントロールしつつ、ポジショニングバランスに気を遣い、素早い反応によるセカンドボールの回収や仕掛けに対してのデュエルに勝つことで、相手のカウンターの芽を摘み続けたこと。鮮烈な出来。
彼らは勝利に値するパフォーマンスを示した。
相手の出来が良かった。相手の質に屈する形で瓦解した。個としても、組織としても、試合に対してのモチベーションにしても、全て上回られた。これは認めなければならないし、受け入れなければならない。
大一番として臨んだ試合での完敗のダメージは決して小さくない。ただ、これが現実。この試合で至らなかった要素はすべて今後高めていかなければならない課題であることにも違いない。
- 高い位置から圧力を掛けてくる相手に対しての対処
- チームとしてスムーズな攻撃移行をするための術
- プラン通りに進まなかった時の軌道修正と意思統一
- プレッシャーが掛かる中での技術精度の維持
- より速いトランジッションと頭の切り替え
…etc
上げればきりがないけど、取り組まなければ前進はない。これからもう一度顔を上げて、前向きに取り組んでチームとしての質を上げていく。出来ることはそれだけ。
この試合ですべてが決まる訳じゃない、試合は続く。もう一度、みんなでやっていこう。
はっきりいって、凄く落ちる。 個人的に思い入れが非常に強い相手、この試合だけは絶対に勝ちたかった。だからこそ、これだけコテンパンにやられたことのショックは大きい。身を投げたいぐらい。
ただ、今年やり返す機会は恐らくない(天皇杯はあるのか…)
この苦々しい試合の借りは来年にしか返せない。
来年、絶対やり返す。
この思いは一度心の奥底にしまっておいて、目の前のことを、という感じで切り替えていくしかないですね。
頭の整理は出来た、そんな簡単に切り替えられるものではないけれど、次に目を向けないと、ですね。