横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【終盤もう一度厚みと勇気あるトライ、その中から生まれた天野純の決勝ゴール。痺れるなあ。また天野純が1つ大きな殻を破った。 by 蒼井真理】 about [2017-J1-15] 横浜 1 v 0 F東京

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

リーグ15節アウェイ瓦斯戦。市原方面からハシゴ時間調整してキックオフ50分前に味スタ着

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バック上層自由席前売り3100円。専スタじゃない箱の中ではビッグスワンと並び、バックスタンドのアッパーからの視界良好で味スタそんなキライじゃないです。俯瞰厨にはまず高さが大事なんで

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アウェイ瓦斯戦のスタメン

FW ウーゴ
MF マルティノス、天野純、学
MF 扇原、中町
DF 山中亮輔、中澤、勇蔵、金井
GK 飯倉

SUB:杉本大地、朴正洙、新井、下平、渓太、前田直輝富樫敬真

勇蔵と山中亮輔が今季リーグ初スタメン。下平匠が満を持してベンチ入り

松原健は警告累積で出場停止。ミロシュとダビは代表招集で不在。金井貢史が今季初の右SB起用。左は山中亮輔、CBには勇蔵がリーグ初スタメン

負傷離脱は喜田と伊藤翔仲川輝人

「ミロシュとダビが不在、松原健も出場停止で、先週から試合までに複数のオプションを試してきた。ただし怪我人が6、7人いるので天皇杯と完全にメンバを分ける事はできない。中2日の天皇杯は今日ベンチスタートだった選手たちを中心にスタメンを組むだろう」エリク監督

「最近までル杯を戦ってたし練習試合もあったから、ゲーム体力の不安はない。今回は前から(ミロシュの不在で)出番があるかもと思ってたので準備は万全。ボンバーとはずっと一緒にやってきた。少しブランクがあっても、試合をやっているうちに合わせられると思う」栗原勇蔵

「ル杯のメンバはリーグ戦につなげようと思っていて、その中で自分にチャンスが巡ってきた。やるしかない。チャンスは何度もやってこない。ドリブルやランニングで前への推進力を出すのが自分の特徴。マルちゃんは1人でボールを持って行けるが、追い越せる場面は全部追い越していきたい」山中亮輔

「トレーニングで左足首を痛めたが問題ない。コンディションは上がってきている。最近はゴールを決められているが、自分のメンタルは普通。このチームはもっと上に行ける可能性があり、クオリティの高い選手もそろっている。昔のように優勝争いできるチームになるはずだ」ウーゴ・ヴィエイラ

「リーグ戦でやっとチャンスが巡ってきた。自分の中ではいつでも行ける準備はできているので、集中を保って試合に臨みたい」下平匠

ル杯は敗退したが、ウーゴや扇原や中町や山中亮輔、下平らはル杯GLで結果を出してアピールしたり、負傷から復帰してゲーム感を取り戻しつつリーグ戦出場へ向けた足掛かりを築いてきた。ル杯が終了してしまったからこそ、ここからリーグ戦で彼らがレギュラに食い込み競争を激化し底上げする意味が

特に今のタイミングでは扇原と中町のボランチコンビは更なる進化が期待されるし、前節の川崎戦でも小さくない手応えがあった。左サイドでは山中亮輔がリーグ初先発。金井は右SBに回り、中央3枚と両SBのポジション争いは急速に激化している。ウーゴと富樫敬真のFW争いも同様

今日の瓦斯戦は単に勝点で相手を上回りリーグ上位を窺うためだけの一戦ではない。最も大きな意味合いは「チーム内競争」底上げと競争原理が生む緊張感、戦術的なオプションの拡充。リーグ序盤1/3であまり先発できてない選手たちがアピールに成功すれば、チームの総合力は大きく上がる

新たな力がアピールに成功するため、もちろん結果が必要。まずチームの勝利ありきで、更に分かりやすく如何に勝利に貢献できたか。結果を示す事が、同ポジションのライバルを刺激する。高みを目指すにはチーム全体が高みへ上がっていかねばならない。ただ「勝ちたい勝ちたい」だけでは届かない

扇原や中町や山中亮輔、あるいは「右SB金井貢史」ウーゴはもちろん途中出場するであろう富樫敬真、そしてチャンスあれば下平匠(欲を言えば左サイド山中を一列上げたセットも見てみたい)彼らがどれだけ「分かりやすく勝利に貢献するか」今日の瓦斯戦の意味はそこにある

フィールドプレイヤがアップ中。下平匠はスタメン組のパスゲームにフリーマン参加

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アウェイ側マリノスゴール裏。昼から雨が降り続く天候、アッパーはほぼ満席

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瓦斯スタメン。「元永遠の恋人」前田遼一ではなくピーター・ウタカが先発

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マリノスのスタメン紹介、瓦斯ゴール裏から最もブーイングが大きかった(イヤな奴として認められてる)のは中澤と齋藤学。勇蔵や扇原、あと初ゴール決めた富樫敬真もそれなりに

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アウェイ瓦斯戦のビッグフラッグとトリコロール・バンデーラ

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ここから上を目指すため更なる底上げ、より熾烈なチーム内競争を。限られたチャンスでチームを勝利に導く確かな結果を

アウェイ瓦斯戦、間もなくキックオフ!

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学は川崎戦と同様、まずは攻め残らずしっかり自陣に戻り守備のタスクから。当然

序盤からウーゴがキレある動き。とりあえず左足首捻挫の影響はないかな

ビルドはDFラインをスポイルしないスタイルから。ボランチ2枚はあまり引いてこない

8分経過。まあまあな入り。守備ブロックがかなりマンツー寄りな印象あり、クサビ入った際のギャップは少し気になる。瓦斯の攻めは組織より個の力、という解釈に基づくゲームプランか

前半11分、ファーストシュートは瓦斯。エリア外から中島翔哉

少し雨足が強くなってきた。距離感が少し遠いように見えるが、コレでボール回せてリスク管理できるのなら問題ない

学は自分の間合いを見失ってるなあ

前半15分経過。シュート0:1。枠内ゼロ

どちらにも主導権のない序盤、前半17分まで

とりあえず今のところはマルティノス次第

最初の決定機はマリノス。前半20分、FKセカンドから学のアーリクロスにウーゴがヘッドで巧みに合わせるが枠右へ。狙いの形

最初の決定機から続けてマリノスにチャンス。ポゼッションから。ビビらず繋げている。1つマリノスの時間帯に

シンプルなポゼッションから両翼を使えている。主導権とボール握る良い時間帯

前半25分経過。マリノスは2つ形を作った。瓦斯はここまで全く形ナシ。最初にペースを掴んだのはマリノス

とてもシンプルにサイドで準備した崩しの形を出せてる。悪くない

前半20分から30分まではマリノスの時間帯

ウタカのカウンタも、しっかり天野純が戻り寄せて遅らせる

前半32分までは扇原と中町のボランチコンビの攻守バランスがとても良好。スコーンと抜かれそうな距離感ではあるが、その分腰が引けてない。縦パスも普通に入る

ここまでの学は、今日も普通の選手

前半37~38分、この試合初めて瓦斯の時間帯。2つ大きなチャンス、際どいクロスと中島翔哉に枠内シュート

39分には速攻左サイドマルティノスのグラウンダクロスにエリア中央ウーゴが惜しくも届かず決定機。2つ目

前半41分、大久保嘉人に初シュートはエリア外から。ああ、いたの感

前半45分、瓦斯1つ目の完全な決定機、エリア中央ドフリーでプレゼントパスを受けた大久保嘉人がまさかのシュートミス。助かった

学のウタカに対するプレスバックが一瞬遅れたのが起点の被決定機

前半終了、横浜0ー0瓦斯。シュート2:5(枠内0:2、エリア内1:2)決定機2:1。CK&FK4:1。前半35分までは緩やかにマリノスのペース。終盤は瓦斯にもチャンスと決定機。いつも通り塩っ気高めな前半、全体的には悪くない。準備とプランの体現。あとは学が違いを出す、リスク管理徹底

シンプルにサイドで起点作り、コンビネーションでクロスまで⇒そこそこできている。クロスに対しウーゴはほぼ常に惜しいポジショニング。この形を継続すれば、どこかで1点くらいは取れそうな手応えは有り。ウーゴか敬真か。学さんがもう少し違いを出してくれないと複数得点は難しい

となるとやはり先制点が肝になるが、それで腰が引けてはダメだ。扇原と中町のポジショニング(DFラインとの距離、バイタル隙間)には危うさもあるが、川崎戦みたく締め過ぎると撤退戦になる。前半35分までは高い位置でのインタセプトやビルド関与も見えた。是非その方向でやりましょう

喜田不在、このボランチコンビだと1試合に2つ3つは中央スコーンと抜かれるだろうけど、そこは勇蔵さんや中澤さんや飯倉の尻拭い、相手のミスに期待しよう。中町と扇原のセットには、喜田にはないロマンがあるのだから

ロマン枠を活用しつつ、1ー0で勝つのが理想。もちろん複数得点できりゃいいけど、お互いに2得点以上を望むのは難しそうな展開。あくまで前半を見る限りですが

さあ後半。ロマンと勝点3を

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「とりあえずウーゴにクロス入れる」回数を増やす方向性はシンプル。ひねりや工夫は足りないけど、入りはソレでいいと思います

マルが寝過ぎ

大久保嘉人のエリア内シュート決定機を、栗原勇蔵が乾坤一擲のブロックで阻止!

後半の序盤は明らかな瓦斯ペース

瓦斯が後半スタートからギアを上げてきて、なんとなく受けてしまった感

オープン気味になる展開、扇原がギリギリてフィルタとして機能

CB2枚が意識してか否か、少し深くなって撤退戦感に

勇蔵さんは深く取り過ぎる…

ウーゴ今日もいいなあ

学、マルティノス、天野純の3人の誰かが無理をして違いを出さないと得点の匂いがしない

試合の入りはそうでなかったのに、気付けば少しずつ旧態依然としたマリノスらしいウノゼロ目指す展開になってしまっている

マリノス後半のファーストシュートは20分、エリア外から学

うーん勇蔵と中澤のCBコンビになった時点である程度は仕方ないのか…。発展性がない

このマリノスらしいスタイルになると、中町と扇原のロマン枠が輝かない。守備で頑張るだけ、むしろ扇原はリスクになる

学が今日イチの入り方をしたからリターンしてあげて欲しかったけどウーゴのチャレンジは、それはそれで素晴らしい

シンプルに山中亮輔⇒マルティノス⇒ウーゴ。ほんの僅か。全部が決定機未遂

ベンチは凄く動き難い展開

山中亮輔、今日一番の仕事マイナスクロスも天野純のシュートはバー上へ

ホンマ最後のクロス精度だけなんやけどなー

後半37分、ウーゴ⇒富樫敬真

後半30分過ぎて痺れる展開の中で攻めにバリエーションと厚みを出せてトライできているのは凄く好感。勝ちきりてえなあ

学、あと一歩!

後半43分、均衡破る一撃は天野純の今季初ゴール! まさかのエリア外右脚一閃! 一振りで! 一振りで突き抜けた!

AT4分

痺れるなあ

また天野純が1つ大きな殻を破った。大きな価値ある一振りだった

試合終了、横浜1ー0瓦斯。トータル決定機4:3。かなり悪くない前半、少しずつ「旧態依然なスタイル」でウノゼロを目指す展開となった後半。しかし終盤もう一度厚みと勇気あるトライ、その中から生まれた天野純の決勝ゴール。大きな大きな価値ある勝利

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私的マンオブザマッチは決勝ゴール天野純! 直近数試合、この試合も攻守に地味なチームの下支え「あたり前をあたり前に」の貢献はコンスタントで決して小さくないが「チームを勝利に導く分かりやすい結果」だけ足りなかった。今日の天野純には何の不足も不満もない。一振りで突き抜けた。最高だ

天野純と新しいマリノスが、また次のステージに一歩踏み出した。積み上げた。天野純は「たまたま右脚ミドルが決勝ゴール」で殻を破ったのでなく「分かりやすい結果」以外の地味な下支えを着実にずーっと続け、リーグ戦フルタイム出場を続ける中での初ゴール・決勝ゴールだから価値があるのだ

OptaJiro@OptaJiro

32 - 天野純はJ1通算32試合目の出場で初得点を挙げた。勝利

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Jマジ!~19・20歳はJリーグ無料招待@jmaji20

横浜F・マリノスのイケメン代表は天野純選手!キラキラとした瞳に爽やかな笑顔がキュートな天野選手ですが、ひとたびピッチに入ると闘争心むき出しの激しいプレーで闘います💕見た目と試合中のギャップがたまりません✨#天野純 投票はこちら⚽↓

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Goal Japan@GoalJP_Official

明治安田生命J1リーグ第15節

FC東京 0-1 横浜FM

88分:天野純横浜FM

試合終了間際の劇的なゴールで横浜FM勝利しました。

@prompt_fmarinos

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ゲキサカ@gekisaka

「今季は足を引っ張っていた」値千金V弾の天野純、J初ゴールは右足で http://web.gekisaka.jp/news/detail/?219163-219163-fl… #gekisaka #jleague

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🎦 ゴール動画 🏆 明治安田生命J1リーグ 第15節 🆚 FC東京vs横浜FM 🔢 0-1 ⌚️ 88分 ⚽️ 天野 純(横浜FM) #Jリーグ その他の動画はこちら👇 http://www.jleague.jp/video/

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今日の天野純J1初ゴールが「解説するっち」に採用されてなかったら、俺はテレ朝を許さない


大きな価値ある前進。このウノゼロは今までの「マリノスらしいウノゼロ」と似て非なるもの。進化の萌芽を示しつつ今季初の3連勝。アウェイ瓦斯戦 1ー0の備忘録

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手元トータルスタッツ。シュート8:11(枠内4:3、エリア内3:5)決定機4:3。CK&FK6:4。後半のシュートは6:6で枠内4:1。スタッツ的には1ー0はまずまず妥当なスコア。大久保嘉人が2つの完全な決定機を外してくれたのは確かに幸運だった

「我々がボールポゼッションしてゲームをコントロールする展開にしたいと思っていた。特に後半は、それが実践できていたのではないか。我々がゴールを奪い勝利したのもロジカルな事だと思う」エリク監督

Q.瓦斯の攻撃をうまく封じていたが

「特別に何かを指示した訳ではない。良い守備をするため中をしっかり締める・閉じるのは普段から意識をして練習している。瓦斯の攻めはインサイドの縦パスからスピードアップしてくる傾向攻撃があり、中央を締める・閉じる事はより重要だった」エリク監督

Q.後半に向けた攻撃面の修正は?

「サイドでスピードのある攻撃をする――我々の攻撃において大事なポイントの1つだが、これも特別な指示ではなく普段からトレーニングしている事だ。まだまだ試合を通して質を高めていきたいと考えている」エリク監督

「川崎戦あれだけボールを持たれたのに比べ、今日は『ボールを保持する時間』と『ボールを持たせて守備する時間』の差をつくれた。内容が良いのにスコアレスで進んだのは最後の精度の問題。こういう試合で早く先制できれば、もう少し強いチームになると思う」齋藤学

「前半はチャンスを作れず守備でもプレッシャを掛けられなかった。なかなかマリノスのリズムにならず『先制されてはいけない』という危機感があった。焦らず我慢強く、割り切って守るところは守れた。マリノスはこういうゲームをして初めて “普通” なのかなと思う」中澤佑二

瓦斯戦のゲーム展開と内容「ウノゼロの意味」を考えるにあたり興味深い学と中澤さんのコメント。部分的には中澤の言うように「マリノスらしいゼロで耐える美学」があったが、学が指摘するように「それだけではなかった」「90分の中で展開の使い分けができた」のが実にマリノスらしからぬ。大きな前進

・前半20分まではどちらにも主導権なし
・前半20~35分 マリノスの時間帯
・ボール握り、シンプルに左サイドへ
・手数をかけずクロス放り込む
・ちょっと雑だけどそれなりに決定機も
ボランチ中町と扇原も攻守に高め
・ビルドで落ち過ぎないし
・ブロック守備でもDFラインに近過ぎず

・素晴らしく最高ではないが
・かなり悪くない ビビってない
・でも前半35分からは瓦斯ペース
・前半45分には大久保嘉人に決定機
・後半の序盤も勢いは瓦斯に
・ピンチが2つ3つと続くと
・中澤と勇蔵のDFラインは深くなる
・するとボランチ中町と扇原の2人も
・下がらざるを得ない

・そんな感じで前半35分から
・後半30分あたりにかけては
・少しずつDFラインが深くなり
ボランチ含め全体が撤退戦モード
・とにかく「先制点は与えたくない」
・「マリノスらしいウノゼロ」狙いな流れ
・ ↑中澤さんのコメント通り
・両翼の単発速攻かセットプレイ頼み
・そんな展開

・ところがどっこい!
・アウェイ瓦斯戦のマリノス
・受動的になったまま終わらなかった
・後半30分あたりから少しずつ
・足の止まった瓦斯に対し
・もう一度ポゼッションして
ボランチは勇気もってポジション上げ
・主体的に仕掛け、勝ちに行った
・先制されてでなく 0ー0でだよ?

・後半43分 天野純の決勝ゴール
ボランチ扇原の縦パスを
天野純が隙間、半身で受けて前に叩く
富樫敬真はシンプルに落とす
天野純の右足一閃
・0ー0の痺れる展開でマリノス
ボランチ⇒トップ下⇒CF⇒トップ下
・縦中央のコンビネーションから得点
・ちょっと有り得ないw

・瓦斯戦、後半43分の決勝ゴールは
・それまでの展開の変容も含め
・実に大きな価値がある
・中澤や勇蔵が象徴のマリノスらしさは
・引いて跳ね返し続けゼロで耐える
・忍耐の美学。ウノゼロの美学
・一度引くと決めたら
・先制されるまでは引いて跳ね返す
・得点は速攻とセットプレイ頼み

・でも瓦斯戦のマリノス
・展開的に「引いて跳ね返す」流れに
・なったけどラスト15分で前に出た
・両翼とCF行ってらっしゃい
・間延びオープン展開どんとこい
・ ↑ではなく、ボランチ2枚が押し上げた
・だから決勝ゴールの起点は扇原だし
天野純はバイタル隙間に半身で受けた

マリノス的に革命的な決勝ゴール
・一度は撤退戦、引いて跳ね返す
マリノスらしいウノゼロ狙いモード
・しかしそこからラスト15分
・先制された訳でなく0ー0のスコアで
・全体が前に押し上げて
・中央縦ラインのコンビネーションで
・トップ下の天野純が決勝ゴール
・姉さん事件です!

――で学のコメントは「我が意を得たり!」なんだけど中澤さんは、どっちかというと「旧態依然なマリノスらしいウノゼロ」観が強く出てて、もしかしたら学と中澤&勇蔵あたりではゲームの捉え方にも違いがあるかなと。どっちが正解とかそういう話ではないんだけど

そもそもアウェイ瓦斯戦の決勝ゴールがどこまでマリノスにとって革命的なものか、どれほどチーム全体に「前に出てリスク負って勝ちに行く――単発速攻セットプレイ頼みでなく」意識共有があったのか。賢明なフォロワの皆さん承知の通り、私は過剰に「意味を読み解こうとする」傾向がある

もしかしたら加入1年目まだマリノス堅守伝統文化を身に染みて理解できてない扇原貴宏が、中澤さんあたりに言わせれば「空気読まず」0ー0の試合終盤にバイタル開けて(天敵の永井謙佑も投入されてるのに!)前に前に出て絡もうとしたのが「たまたま奏功しただけ」なのかもしれない――

正直、前半からボランチ2枚の位置取りとCB2枚の深さ――距離感、バイタルの広さは気になっていた。CB2枚が多分にマンツー寄りな守備だった事も含め、川崎あたりと比べ瓦斯の攻めは、個の能力頼みで連動性コンビネーションが乏しく、エリクの会見通り「縦パスをケアすれば」なイメージあったか…

――瓦斯戦のウノゼロと決勝ゴールはマリノス的に革命的な価値ありの印象ある一方で「チーム全体が意識共有イメージシンクロして」意図的に展開を操作しリスク負って前に出たものでなく「試合中も試合後も」展開の捉え方や狙いとしていたところにズレがある印象――特にCB2人と、扇原や学の間で

別にズレてたとしてもダメって訳でなく結果オーライな部分もあるし、そもそも認識に違いズレがあるのはナチュラルな事だし、それぞれのポジションで自分の判断に責任を果たせば良い事でもある――うん、いつも通り着地点を見失っているよ。革命的であり、偶然であり、可能性でありリスクでもある…と

ただ思うのは大いなる可能性であり同時にリスクでもあるから、アウェイ瓦斯戦のウノゼロと決勝ゴールの意味を、学や中澤あたりを中心に話し合ってイメージのすり合わせをしておいて欲しいなと思う。中澤さん的にアレは有りだったのか、結果オーライなのか――なんなら前半からのバイタル距離感含めて

マリノスが「引いて跳ね返す」展開のタイスコアから「前に出る」主体性を発揮、「先制され仕方なしに」でなく90分の中でプレイモデルを変化させ、それによりゲーム展開をも変え(相手のポゼッション・耐える⇒自分たちのポゼッション・コンビネーションで崩す)決勝ゴール。偶然で終わらすには惜しい

…考え過ぎ? 意味を見いだそうとし過ぎ? でも仮に契機が「扇原が空気読まなかっただけ」だったとしても、ソレが過去になかった今まで出来なかった価値ある可能性なら、チームの皆でその意味を話し合って、次からは「意識的に、チーム全体でイメージ共有して」ソレが再現できるようになれば素敵だな

アウェイ瓦斯戦、主観と偏見に満ちた選手評。印象に残った選手やリーグ先発機会の少ない選手だけ

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CB栗原勇蔵。今季リーグ15節にして初先発。中澤とのコンビにブランクは問題にならず、完封に貢献。縦パスとエリア内に入ってくるFWをギリギリの対応もあったが間違いなく潰した。この2人のコンビでピンチが2つ3つ続くと深く構えてしまうのは不可避。跳ね返せる強みと表裏一体、評価は難しい

左SB山中亮輔。リーグ初先発。マルティノスとのコンビネーションはほぼぶっつけ本番ながら、特徴である攻撃性は示した。クロスも捻りなく単調に放り込むだけ感はあったが、現状は仕方なくウーゴの存在もあり可能性はあった。守備面もまだ評価は保留。とりあえずシンプルな縦への意欲を出したので良し

ボランチ扇原貴宏。90分通し非常に意欲的、関与意欲高く攻守にボールに対しプレイした。CBとの距離感に不安もあったが、前後の運動量でガツガツ感を見せつつ球際でファイト。守備でも貢献。清水戦から3戦続け「スイッチを入れる&決定機に直結する」縦パスを見せ、決勝ゴールの起点に

ボランチ扇原貴宏。諸々に荒削りな部分が多く、危険なパスミスや担当ゾーンを埋め切れてないシーンも散見。しかし何より「ミスを怖がり無難に」プレイしてないのが素晴らしい。ヤバいプレイも勇気持ってチャレンジしてこそ。いろんな意味で、空気を読まずマリノスの体質を変える存在になるかもしれない

――扇原がマリノスに加入し少しずつ球際ガツガツ感が出てきて守備でも頑張り見せてるのは、彼の努力と意識改革はもちろんとして、やっぱ伝統と周囲の感化はあると思う。過去にも「新人が1人か2人と入った布陣でも」「今日はとにかく守るぞ!」ってなったらスゲー堅いブロック作れたりしたっしょ?

監督が指示したり、皆が口だけで「今日はとにかく守るぞ!」と言ってもダメで、やはり超守れる跳ね返せる守備職人2、3人と、彼らと守備の文化を共に形成してきた3、4人と、成功体験と、あとやっぱ最後の水際でなんとかしちゃう中澤佑二みたいな鬼がいてこそ、扇原みたいな選手も感化されると

やっぱ引いて守るとエリア内へのボールと人の侵入は許してしまうから際どいボールとか事故の確率は増える訳で。そこで失点すると「今日はとにかく守るぞ!」って言ったばっかりに余計に萎える訳で。それを無理くり跳ね返す。だから今のマリノス堅守伝統文化はある意味、中澤佑二そのものだなと

良くも悪くも。アウェイ瓦斯戦を見る限りでは中澤と勇蔵のCBコンビだと伝統職人ウノゼロの美学、世界観がガッツリ出過ぎて進歩性ねえなと。いやまあ趣味の世界の良し悪しですけど。勇蔵とのコンビは、たぶん中澤さんには「やりやす過ぎる」んだと思う。それは勇蔵にとっても同じか

トップ下の天野純。プロ4年目のリーグ初ゴールが貴重な決勝ゴール。今季リーグ戦フル出場を続け、この試合も序盤から地味に攻守両面でチームの下支えとなる仕事を運動量多くこなしながら、終盤88分にバイタル隙間で縦パスを引き出しキッチリと枠内にねじ込んだ事に大きな意味と価値がある

天野純は、ゲームの流れを作れるチームにとって重要な選手。運動量も常に多くチームに貢献しているし、戦術的な役割も非常に高いレベルでこなしている。今日の彼のパフォーマンスとゴールを非常に嬉しく思う」エリク監督

トップ下の天野純。フル出場を続けているのはセットプレイのキッカーとして必要だからだけではない。エリクの評する通り、まずベースとなる攻守の働き「あたり前の事をあたり前に」の質と量が安定して高い。サボらない。ただ動き回っているのではなく、チームに足りない働きを常に考え実行している

初ゴールの天野純。特に今季はボランチでもトップ下でも、守備における貢献が安定して高い。球際で足元に奪いきる力はまだ不足だが、攻から守の切り替え、ネガティブトランジションの質が素晴らしく高みで安定している。瓦斯戦は決勝ゴールしか仕事をしてない? 一体何を見ているのか

天野純。攻守に「ゲームの流れを作る」ベースとなる部分での貢献、戦術的な役割をコンスタントに果たしている安定感。直近数試合も「チームの足を引っ張っている」とは思わなかった。ただ満足はしてなかった。今季の天野純には「マリノスを勝たせる」選手になって欲しいという期待があったから

「前半から、タカ(扇原)があの位置で持ったとき相手のスペースが空くのが分かっていたので『後半に相手の足が止まったとき俺がそこに入るから』とタカに言っていた。敬真の落としが良かったので、イメージ通りシュートを打てた。右足ということは全然意識してなかった」天野純

「今シーズン試合に出させてもらって、ここまでチームの足ばっかり引っ張っていたし、サポータも僕のパフォーマンスにフラストレーションを感じていると思っていた。気がついたらゴール裏に走っていた。ようやくチームに貢献できたが、これに満足せずもっともっと点を取っていきたい」天野純

天野純が、ついに期待していた「バイタル隙間で半身で受けて」決定的な仕事をした。88分に瓦斯の足が止まった時間帯で、それをやり切った。ずっと待っていた。マリノスに希有な、中村俊輔にはできなかったプレイ。トップ下の選手が流れの中から決める事は、今季のマリノスには大きな意味がある

右WH齋藤学。シュート3本はチーム最多。ウーゴへのアシスト未遂もあり。でもまだ剥がし切れない。全然スペシャルじゃない。自分の間合いを見失ったまま試行錯誤の迷いの森。全然普通なので、川崎戦から前残りせず守備は頑張ってます。完璧じゃないけど。学が不調のまま3連勝。これはむしろ期待感

学さんはたぶん考え過ぎだと思うし、もう少し感覚的に閃きでプレイしてもいいんじゃないかと思うけど、思考モードがクソ真面目な積み上げ型みたいなので(でロジック組み立て下手くそ疑惑)悩み抜いてください。シーズン後半に爆発したら、ひょっとしたらマリノスあるんじゃないかと期待してるよ♡