横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【長い間マリノスに尽力してくれた現場スタッフの多くがチームを去り、刷新が成された。しかしクラブの目的は「末永く皆で仲良く」ではない。人と人の繋がり「縁」は大事だが、それが主目的となる事はプロの現場では決してあり得ない by 蒼井真理】 about 2017年チーム・スタッフ編成

aoi_mari.png蒼井真理


――新体制発表を受けて、2017シーズンの始動に臨むマリノスの現場体制を確認&備忘録


監督

エリク・モンバエルツ 61歳 3年目

ヘッドコーチ

松橋力蔵 48歳 ★新任(前ユース監督)

テクニカルコーチ

マルク・レヴィ 55歳 3年目

GKコーチ

松永成立 54歳 11年目

フィジカルコーチ

アレシャンドレ・マルレス 37歳 ★新任

アシスタントフィジコ

松本純一 33歳 ★新任

コーチ(分析担当)

小坂雄樹 39歳 8年目

テクニカルスタッフ(分析担当)

杉崎健 33歳 ★新任


Diario de F. Marinos@DdeFMarinos

超エリートな新フィジカルコーチ・マルレス氏のプロフィールを簡単にご紹介。 https://diariodefmarinos.wordpress.com/2017/01/15/... 

実に14年間の長きに渡りトップチームのフィジコを務めた篠田さんは、契約満了で今季から川崎のフィジコに就任。樋口体制1年目から小坂コーチの下で分析担当を6年務めた岡村コーチも退任

アシスタントフィジコに就任した松本純一氏は33歳。熊本出身で2008年から昨季まで8年間 J2ロアッソ熊本で非常勤トレーナ、フィジコを歴任

テクニカルスタッフに就任した杉崎健氏は33歳。東京出身でサッカーのデータ分析企業「データスタジアム」を経て2014~15年に神戸、昨季は仙台で分析担当を歴任。より複雑な数値データから選手とチームのパフォーマンスを読み解く、CFGの提供データを活用する人材として招かれた模様

■ドクタ

深井厚⇒★新任

■トレーナ

日暮清⇒(チーフ)★新任

佐々木康之⇒★新任

宮内信泰⇒★新任

所澤、太田原、松田、3名のトレーナが全員退任。96~2007年にヘッドトレーナを務め、08~16年は新潟に在籍した日暮さんが10年振りにマリノスに復帰

2016⇒2017のマリノス「フィジカル&メディカルのスタッフ全員刷新」の大改造人事に

フィジカルコーチは「始動からシーズン通して選手が(監督の求める)安定して高いパフォーマンスを試合で発揮できるよう、選手個々のコンディションを見極め適正な負荷を設定しフィジカルメニュを与える」のが仕事。居残り自主練では個々の相談に乗り、メニュを与え付きあう事も多い

メディカルスタッフは「主に負傷した選手に適切なリハビリメニュを与え速やかで安全確実な復帰を促す(サポートする)」のがトレーナの仕事。メンタルケアの役割も大。ドクタはその指針となるべく負傷を診断しトレーナ(やフィジコ)と共に負荷と復帰時期を判断する

「フィジコがダメだから負傷者が多い」といった批判は多いが、ぶっちゃけ怪我は、選手の体質やプレイスタイル含め「運」の要素が90%。怪我する時はする。8%が選手個々の意識、節制や積極的休養、日々のケア。スタッフがカバーできるのは残る1~2%の僅かな領域――というのがド素人の自論

シーズン中、次の試合に向けてトレーニングの強度を決定するのは最終的に監督であるし、実際に身体を動かすのは選手であり、今の自分のコンディションを体感的に判断できるのも選手。「練習で発生する筋肉系や関節の負傷がフィジコの責任」であるケースなど、冷静に考えればあるハズもない

――ただ負傷が連続する、しかも同じ部位や左右交互で負傷したり、パフォーマンスが戻り切らない… など「スぺ体質化」の問題は、メディカルスタッフが受け持つ責任は大きいかもしれない。怪我をすると身体のバランスを崩したり、負傷部位を庇い別の部分に負荷が掛かったりする傾向もあり⇒

⇒そのリスクや不安をリハビリメニュや対話を通じて選手から取り除く手助けをするのがトレーナの仕事だからだ。豊富な知識と経験、そして何より選手との対話力・共感力が強く求められる。言葉に説得力、選手との信頼関係が築けなければやっていけない

「選手との信頼関係」が大事な仕事(長期離脱選手にとっては愚痴や弱音の聞き役)であるが故に「来季はトレーナ全員入れ替えるよー」というクラブの判断に、彼らとの付き合いも長いベテラン選手から反発が出たのも――まあ分からなくない話ではある

……おそらくクラブとしては、そういった反発の声も聞き入れ、12年間マリノス在籍経験ある日暮さんをチーフトレーナとして呼び戻したのだと思うけど。日暮さんと仕事した事ある選手は、中澤と勇蔵と飯倉の3人だけになってしまったな

■通訳

松原英輝(仏語・コーチ兼任)⇒留任

高橋建登(韓国語)⇒留任

松崎裕(英語)⇒留任

木下伸二(ポル語)⇒★新任

細川パブロ大(ポル語)⇒退任

※松崎裕氏の役職が前年の「チーム管理サポート」から再び「通訳」に(在籍は2014年から)

■チーム管理統括

袴田聖則⇒留任

■キットマネージャ

山崎慎⇒留任

■副務

緒方圭介⇒留任

――フィジカル・メディカルスタッフを中心に、長い間マリノスに尽力してくれた現場スタッフの多くがチームを去り、刷新が成された。しかしクラブの目的は「末永く皆で仲良く」ではない。人と人の繋がり「縁」は大事だが、それが主目的となる事はプロの現場では決してあり得ない

シゲさんがGKコーチとして留任した事は、小さな驚きだった。GK4人のうち3人がチームを離れ「テツが凄く優しくて若手の面倒見もいいから、GK練習が悪い雰囲気にならない」と評していたGKの長兄、哲也も浦和移籍を決断した。昨季7月に練習中エリクと激しい口論になったという報道もあった

――2010年、木村和司体制1年目にハマトラ紙でインタビュさせていただいた際のシゲさんの言葉を読み返し、思うところがあった部分を以下に引用する

「僕ら(コーチングスタッフ)も結局そのシーズン誰が監督やるか分かった上で契約する訳で、その体制がイヤなら契約しなきゃいいだけ。仮に何か不満があったとしても契約したなら、その監督がやりやすいよう100%協力するのがあたり前なので」松永成立GKコーチ 2010年

「どっちにしろ現役の頃からこういう(プロの契約)世界で生きてきているから。ハンコ押したらもうウダウダ言わずにやるだけ。チームの順位をひとつでも上げるためとかじゃなく、優勝するためにやっている」松永成立GKコーチ 2010年

■チーム世代構成バランス

1978 中澤佑二

1983 栗原勇蔵

1984

1985 中町公祐

1986 飯倉大樹

1987 鈴木彩

1988 ウーゴ 伊藤翔 下平匠

1989

1990 齋藤学 金井貢史

1991 マルティノス 天野純 扇原貴宏

1992 仲川輝人

1993 富樫敬真 新井一耀 松原健 山中亮輔 杉本大地

1994 前田直輝 喜田拓也 朴正洙 高野遼

1995

1996 中島賢星

1997 遠藤渓太

1998 吉尾海夏 原田岳

1987年以降生まれの選手は、昨季始動時に10名在籍したのが、今季は5名に半減。1991~94年生まれ(23~26歳)のボリュームが増し「3年先にピークを見据えたチーム編成」という視点でも、バランスの取れた若返り編成が実践された

■ポジション編成

GK 飯倉 鈴木 杉本 原田

CB 中澤 勇蔵 朴正洙 新井

SB 松原 下平 金井 山中 高野

DM 喜田 中町 扇原 中島

OM マル 齋藤 天純 前田 仲川 遠藤 吉尾

FW ウーゴ 伊藤 富樫

GK 飯倉 鈴木 杉本 原田

4人体制は変わらずも3人が入れ替わり、J1で実績あるGKは飯倉だけになった。飯倉、哲也、六反と遜色ない3人が同時に在籍した当時が夢のようだが、ある意味では金の使い方を間違っていた。とにかく今季は飯倉に怪我なく安定したパフォーマンスを期待したい

CB 中澤 勇蔵 朴正洙 新井

ファビオが移籍、岩波拓也高橋祥平ら若く実績ある選手の獲得もならず。エリク就任時「最も層が厚く計算できる」「堅守の屋台骨を支える」ポジションが、最も不安要素の強いセクションとなった。他のCBを補完できる存在であったファビオの流出は実に痛手

最大の難点は4人共にスピードを欠く事。どう組合せても自陣から繋ぐ、ラインを押し上げるスタイルにおいてリスクが高い。中澤と朴正洙は絶対的なスピードを欠き、新井は反転アジリティが低い。ファビオと組み良さを発揮できるタイプ。勇蔵も往年の快速は失われ、3人を補完できる程ではない

中澤と勇蔵の「跳ね返す力」は未だリーグ屈指だが、チームが目指す「世代交代」「自陣からのビルド」2つの題目から両者の同時起用は現実的でない。勇蔵は中澤のバックアップでしかなく、朴正洙と新井には絶対的に経験実績が足りない。ファビオが抜けずとも実績ある20代CBの獲得はマストであった

――利重さんの表現を借りるなら

◆選手の成長ステージ

1.ブレイクスルー(突破・進歩期)

2.デベロップメント(発展・成長期)

3.ピーク  (完成・到達期)

4.トワイライト(晩年・黄昏期)

朴正洙と新井は「1」中澤と勇蔵は「4」のステージ。「育ち盛り働き盛り」の選手が不在

3年連続フルタイム出場を果たした中澤だが、流石に今季は徐々に出場時間を減らし世代交代を進めて行くべき。しかし現状の朴正洙と新井を組ませリーグ戦を戦うのは(2人に経験を積ませ成長させる意味でも)リスクが大き過ぎる――シーズン前半、どちらかが急激に伸びてくれる事を期待したいが…

高橋祥平(25)は4年越しのオファーに応えず磐田を選択。年齢、サイズとスピードのバランス、足下の技術と得点力、J1・J2で200試合を超える出場経験――ファビオの穴を埋める意味では申し分ないタレントであった(素行面、エリクとの相性問題はさて置き)

総合的に岩波拓也(22)が理想だったのは確かだが――同じクラブで自分より若くレギュラの岩波にアプローチしていた事が印象を悪くしたか? 昨季、磐田から神戸に移籍した伊野波が高橋のポジションを奪い、今オフ高橋が磐田へ。1年越しCBトレード。両者の年齢を考えると磐田は丸儲け

SB 松原 下平 金井 山中 高野

昨季始動時3選手だったSBは左右バランス取りつつ5名。松原と下平は怪我もあり昨季フル稼働しておらず、左右こなす金井の存在はバックアップに限らず心強い。山中と高野は守備の向上が課題で、場合によっては一列前、左WHでの起用もあり得るか

ボランチ 喜田 中町 扇原 中島

守備的なボランチはアンカー展開型の朴正洙もいるが「待ち構える守備」になりやすく、喜田にはフル稼働を期待。機動・展開型には天野純も。中央3枚は固定か、使い分けか。扇原も獲得し選択肢を得たエリクの判断が問われる。中町の残留は非常に大きい

2列目 マル 齋藤 天純 前田 仲川 遠藤 吉尾

リーグ屈指のドリブラ昨季18ゴールに絡んだ学の去就が目下焦点。俊輔の移籍は、むしろ中盤構成においては方向性が定まりエリクの悩み軽減。「旧態依然としたトップ下」は今季のエリク横浜に不要となり「実質的な4-3-3」化が進むだろう

中盤3枚はマイボール時は守備的なボランチを底に1枚残し、残り2枚はインサイドハーフ的に(天野純や中町、吉尾)展開と崩しの局面に積極関与する。1トップが孤立するようなら前田や仲川を1.5列目、縦関係の2トップ的に起用する――エリク横浜は「4-2-3-1」と見ない方が理解しやすい

FW ウーゴ 伊藤 富樫

結局ターゲット型、ファーストトップの補強は成されず。ウーゴはウイングに近い7・11番タイプで「学の始動後の移籍も前提として」の補強と思われる。より2トップに近いシステムも考えられるが、現状では敬真が化けねば積年課題のリアリズム克服は難しい

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?207869-207869-fl

「(横浜FMは)ケガで試合に出ていなかった自分に期待してオファーをくれた。その期待に応えたいし、自分自身すごく試合に飢えている。(背番号は)ひと桁がいいと思っていた。6番を与えてもらい、マリノスでこういう番号を付けられるのは光栄な事。この番号に恥じないプレイを見せたい」扇原貴宏

「(オフの騒動に)メディアの方はそういうのが好きで、ニュースになりやすいけど、残った選手が一つになって戦うだけ。僕らはピッチでやるだけだし、そういう姿勢を示せばサポータの方も認めてくれると思う」扇原貴宏

マリノスがひとつでも上の順位に行けるように、ACL出場権を獲得できるように僕自身、貢献したい」扇原貴宏

――なんだお前ら、皆してマリノスファンの涙の井戸を枯らしにかかってんのか! 扇原貴宏、絶対にマリノスで復活しろよ!

育成組織から一筋とか生え抜きとか、外様とか関係ねえや。今目の前でトリコロール纏って、マリノスのため闘ってくれる選手に全部の愛を注がなくて何がファンだサポータだ

ゲキサカ@gekisaka

横浜FM加入の杉本が守護神を争う“目標のGK”「YouTubeでもプレーを見ている」 http://web.gekisaka.jp/news/detail/?207883-207883-fl…

「高校3年生のときに天皇杯準決勝のマリノス対サンガの試合を国立に見に行って、飯倉選手は凄くキックが上手いと思った。そこからYouTubeでも飯倉選手のプレイを見るようになった。気持ちもあるし、技術も高い。キャッチングの技術や予備動作の動きは参考にしている」杉本大地

「身体能力が自分の売り。そこに技術を付けて、マリノスのゴールを守れる選手になりたい。(松永GKコーチは)日本サッカー界のレジェンド。そんな方に教えてもらえるチャンスはないし、オファーが来たとき、すぐに決断した」杉本大地

――コレまたくすぐるコメントだな、杉本大地

まずはカップ戦のスタメン争いと、ファンサービスエリアでの指名率&拘束時間 No.1の座を狙うところから

…ひょっとしてだけど今季の新加入選手、ウラに構成作家とかいるの?

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