横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【メインキャストの交代、その萌芽を十二分に感じさせるアウェイ鹿島戦だった。 by 蒼井真理】 about [2016-J1-1st-12] 横浜 0 v 1 鹿島

aoi_mari.png蒼井真理




カシマスタジアム。アクセスやその他諸々は抜きにして「箱」だけで言えば、豊田スタジアムと双璧、国内で2番目に好きな箱かな

良いなあ、実に良い箱だ。ピッチと観客席の適度な距離と、メイン&バクスタの傾斜角度。ピッチコンディションも含めると豊田スタジアムも上回る

コーナ最奥、最後列からの視界がコレだから。「観客席から見難いピッチエリア、見難い席」がほぼ皆無。観戦のための劇場としての完成度の高さと、スタジアムそのものの威圧感。カシマスタジアム素晴らしい…

アウェイ鹿島戦スタメン

FW 伊藤翔
MF 学、俊輔、マルティノス
MF 中町、朴正洙
DF 下平、中澤、勇蔵、パンゾー
GK 飯倉

SUB:哲也、新井一耀、兵藤、遠藤渓太、前田直輝富樫敬真、カイケ

負傷のファビオに替わり勇蔵、喜田の出場停止で朴正洙がリーグ初出場

サプライズは、強敵・鹿島戦でのボランチ朴正洙スタメン起用。4月のナ杯、鳥栖戦で初めてボランチ起用されたがバタバタ感は否めず、ナ杯川崎戦でのCB起用に見せたエレガントさは感じられず

「若い選手もチームの一員。朴正洙はナ杯にも出場しているし、マリノス加入前にボランチ経験もある。喜田が出場停止で、三門はまだ万全でない。ボランチとして攻守のバランスをとる仕事を求めたい。鹿島戦は攻守のバランスが重要になる」エリク監督

「中町には後ろから出て行くパワーがあり、ヘディングも強い。縦方向にパスを出せる、マリノスに稀有なMFの1人。コンビを組むボランチより少し高い位置で、前へ出て行くプレイが特徴。兵藤や三門も同じ役割ができるが、後方で守備的な仕事をする喜田と同タイプがあまりいない」エリク監督

――つまりエリクの評価、価値判断では「兵藤はボランチ起用するなら中町や三門と同じ、少し前目でより攻撃に絡むセグンド・ボランチ」であり、後方に残りDFライン前のフィルタ、リスク管理するプリメイロ・ボランチではないと。喜田の代役は、兵藤ではなく朴正洙。実にエリクらしい選択

エリクは就任1年目から「このシステムのこのポジションにはこういうタイプを置く」「この選手はこういうタイプ」という価値判断が、とてもハッキリしている。「兵藤はベテランで万能型で、中盤どのポジションでも計算できるから」という樋口さんのような起用はしない。凄くハッキリしている

エリクほぼ唯一の例外が「ホーム浦和戦以降の中村俊輔」だ。俊輔はあの試合で、自分は「特別」だという事を誰の目にも明らかなプレイの数々で証明し、エリクも認め受け入れた

エリク就任…特に昨季の後半以降、特に兵藤と勇蔵の2人は彼らがマリノスで示してきた実績や実力からすれば受け入れ難いような起用… スタメン起用から遠ざかる日々が続いている。しかしエリクの評価、価値判断基準は実に明快であるし、それによって芽を出し花開く若い才能もある

対鹿島戦、今の力関係を考えても「無難で計算できる」のは中町と兵藤のボランチコンビだろう。ただ、それは「2人の役割分担が曖昧になり、2人とも自分の特徴を発揮できない」リスクとも隣り合わせ。正直、朴正洙のプリメイロ・ボランチとしての適性はそれ以上に未知数だが、楽しみではある

「喜田の出場停止でジョンスが入ったとしても、自分の役割は基本的に変わらない。自分が前線に上がった時にチャンスになっているデータでも出ているらしい。コンビネーションに不安はあるけど、後ろに入る勇蔵くんと一緒に協力して守る」中町公祐

前節、ホーム甲府戦の前半に見せた「少し前目のポジションでタクトを振るう中町公祐」その可能性を萎めないためにも、兵藤でなく朴正洙のボランチ起用は「役割分担を明瞭に」という部分では、悪くないかもしれない。そうなって欲しい

「今週はボランチでのトレーニングになり自分も驚いたが、良い準備ができたと思う。しっかり守備をしてDFラインの前でフィルタになる。攻撃ではビルドアップに積極的に参加して、サイドにボールを展開したい。高校までボランチだったので、思い出しながらプレイするつもり」朴正洙

アウェイ鹿島戦の注目ポイント

・朴正洙のプリメイロ・ボランチぶり
・朴正洙と中町の距離感、関係性
・中町が前目で質の高いプレイできるか
伊藤翔さんの前線限定する守備
・チーム全体の主体性を表現できるか
・ミスを補い合うチームメンタルの有無

正直、リーグ初出場の朴正洙をボランチ起用して強敵・鹿島を相手にチーム全体で主体性を発揮したり、中町が前目で質の高いプレイをするのはヒジョーに厳しいと思う。ほぼ無理ゲー。でも、兵藤でなく朴正洙を起用したならば、それにトライする姿勢と勇気は示して欲しい

鹿島スタメン。遠藤康が負傷欠場。中村充孝も離脱中。右SHは162cmのドリブラMF32杉本太郎。ファーストトップはジネイでなく赤崎秀平 https://pic.twitter.com/0iHJvysYoA

昨季、エリク横浜1年目の鹿島戦は
ホーム ●0ー3(6月)
アウェイ●0ー2(11月)

2試合共に、試合後のモンモン会見コメントは「鹿島は良いチームで、我々より強い相手と対戦し敗れた」と実にシンプルな総括。特にアウェイではナ杯優勝で勢いある鹿島に、ほぼ何もできず完敗であった

「鹿島は、私にとってリーグ最強チームの1つ。強さがあり前にダイレクトに仕掛けてくる。最も欧州に近いスタイルで、攻守のトランジションがポイントになる。相手の強いプレスをかわさなければいけない。前線には強い選手がいるので、しっかり守る事も大事。厳しい戦いになるだろう」エリク監督

3位の鹿島は、11節まで6勝3分2敗
○○●○△○○●△○△

直近4試合で1勝2分1敗、昇格組の大宮・磐田とドロー「勝ち切れず」らしさ無し。1試合消化少ない浦和との勝点差は4に。鹿島にとって今日は、タイトル争うには勝点3がマストなホームのマリノス

鹿島の11試合で失点7は浦和に次いでリーグ2位だが、15得点はマリノスの16より少ない。昨季リーグ1位タイ、17得点あった「セットプレイからのゴール」が現在リーグワーストタイの2得点である事も「鹿島らしくない」

今日の試合に向け、かなり練習に時間を割いたらしいが、さてさて。

開幕前の勝点予想、鹿島は【CS進出有力候補】1位。昨季後半は上向きであったし、オフも十分でACLも無し。加えてマリノスが一本釣りし損ねた金崎夢生を完全移籍で獲得、残留。戦力。正直もっと強いと思ってたけど、まだ昔日の「憎たらしい位の勝負強さ、勝負への拘り」には至らないのかな

バクスタアッパー、イーストゾーン大人前売り2500円。この視界でこの価格。俯瞰厨には最高クラスの観戦環境

さあ、難敵相手にプライドを示せ!

アウェイ鹿島戦、間もなくキックオフ!

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今日も鹿島はスタートから縦方向の圧力高め
マルティノスはオーバリアクション

主審はコンタクトプレイを辛めに取る。さてどう影響するか

前半5分、右サイドでスタートしているカイオへ良斜めフィード。エリア内へのカットインに対し飯倉が勇気ある対応で、しっかりボールこぼさず好捕

前半9分、マルティノスの不用意なファウルで与えたFK。柴崎岳ファーサイド金崎夢生のヘッド。鹿島が最初のシュートと決定機、課題のセットプレイで先制

前半15分経過。序盤の主導権は完全に鹿島。まだ中町は相手陣内でパスを受けられず

マルティノスは今日も… 厳しいかな。失い方、その後のアピール

マルティノスは自分の感情をコントロールする事から。全く不要な警告

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前半終了、横浜0ー1鹿島。シュート3:6(枠内2:3、エリア内2:2)決定機1:1。CK&FK3:4。35分までは完全に鹿島がゲーム支配も、ラスト10分は反発、マルティノスに決定機も。しかし好機は学の単独打開がほぼ全て、気持ちの強さはチーム全体で示すも完成度の差は如何ともし難い

前から自陣ビルドにも厳しく寄せ圧力かけられると俊輔がかなり消される。ボランチとSBでタメを作り、能動的に相手を押し下げる時間帯を作れると良いのだが…。守備は主体性、意欲的な姿勢が少し裏目、結果的に後手に

修正は難しい。総合的に上回られているので。昨季のアウェイ鹿島戦と同じ、現実的には「ゲームを壊す、ゲームをしない」事なのだが、それではチームの進捗もない。難しいジレンマ。ただただ勝点に拘るか、内容的な前進にも重きを置くか

伊藤翔さんの頑張りに胸が熱くなった前半。でもスタンドはすごーく寒いよ鹿島国

絶対に「何か」を掴み取り、もぎ取って帰らねばアウェイ鹿島戦、さあ後半

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GK飯倉⇒哲也に交代

気が付いたらボールが自陣エリア近辺まで押し下がってる伊藤翔さんのポストプレイ。頑張ってキープしてるんだけどねえ

後半は5分までに、中町の相手陣内でのパス受け&プレイ関与が3度。これを生かしたい

俊輔のキレがまた80くらいに落ちてる。今日はここ一瞬のキレもない。戻りきらないなあ

土居聖真はほぼマリノスが育てたけど、これ以上はやらせないよ

後半27分、勇蔵⇒カイケ。朴正洙がCBに落ちて、俊輔もボランチ気味に

この流れ、今のチームでカイケは楽しみ。とてもマリノスらしくない、動きながらのコンビネーションがある(俊輔を使わない)

少し、新しいマリノスの可能性が見える。形にするには結果が欲しい

今のチームに俊輔はピルロでいいの。リズムを切らないで

1点ビハインドだから出来てる、そうじゃない事を示すためにも追い付きたい

全く俊輔に依存しない連続的な攻め、かなり新しいマリノスの可能性、手応え。せめて同点に…。結果が欲しい

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試合終了、横浜0ー1鹿島。トータル決定機4:2。後半25分以降はピッチに俊輔を残しつつ「俊輔抜きで」圧倒的に押し込み「マリノスらしくない」動きながらのコンビネーションでチャンス量産、あと一歩に迫る。結果が欲しかったが、新たな手応え

メインキャストの交代、その萌芽を十二分に感じさせるアウェイ鹿島戦だった。これを1試合、後半25分からの「頑張り」で終わらせてはいけない。自信を持って、次に繋げて欲しい。学、パンゾーは極上だった。そして皆が俊輔を探し迷う事をしなかった

ちょっと冷静には振り返る事が難しいゲーム。冷静に振り返りたくない、新たな可能性や価値を見いだしたいゲーム。クッソ寒いカシマスタジアムだったけど現地観戦できて良かった。この感じ方、新しい何かがあった感覚は絶対にディスプレイ越しには伝わらない

とりあえず今夏に、学との契約を更新し直そう。年俸を倍にして追加で5年。齋藤学は「これからのマリノス」そのものだ。絶対に絶対に、外に出してはいけない

今日の学は本当に超絶ヤバかった

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ただいま横浜。往復、屋根下バスにお世話になりました。ありがとうございました!

負けちゃったけど、新しい手応え新しいマリノスの可能性を感じられたアウェイ鹿島戦でした

日付またいで、もう少しだけアウェイ鹿島戦の振り返りを選手評を中心に続けます

アウェイ鹿島戦の下平匠。「最近の下平匠には全く納得いかない」半端なパフォーマンス続きだったが、鹿島戦はパンゾーの評と同じ方向性――前の学やマルティノスをサポートする仕事の方向性と勇気の部分で、個人的に評価している。失点は自責だが、8割は柴崎岳のキックと金崎夢生の飛び込みで決着

鹿島戦の下平匠。マイボール時、高い位置取りで前の学やマルティノスをサポート。パンゾーと下平が勇気と責任持ってやんないと、本当に「学頼み、マルティノス頼み」になる。鹿島戦は、そうではなかった。特に下平は帰陣スピードないから、凄く勇気がいる。鹿島戦の匠には勇気もガツガツ感もあった

鹿島戦の下平匠。最近パフォーマンス高み安定な右のパンゾーに比べると、全然足りない。特に「下平匠ならでは」のキーパス、クロス。鹿島戦はガツガツ感あったけど余裕はなかった。そんな展開じゃなかったとも言えるが、もっと「らしさ」を。イケイケ展開の中に、皆を騙すパスを紛らせて欲しい

「後半は受け身じゃなく、自分たちで仕掛ける事ができた。全員で意思統一できれば、こういう試合もできるという事を感じた。追いつけなかったが、チャンスも結構つくれた。得点できなかったのは前の選手だけの責任じゃない。今日の試合を浮上のきっかけにしたい」下平匠

下平匠も、学や中町と表現は異なれど「今までとは違う、主体性ある攻めの手応え」のコメント。カシマで感じた「新しいマリノス」の可能性、感覚を、プレイした選手たちも手応えとして感じるコメントが見れたのは、かなり嬉しい。あとは自信を持って発展継続し、結果を出す事

アウェイ鹿島戦の俊輔。試合後コメント無し。「新しいマリノス」裏のキーマン。脱・俊輔依存「とりあえず俊輔に預ける、戦術・中村俊輔からの脱却」「スローに寄り過ぎない」「シンプルに縦に速く、がそもそもの1stチョイス」

対鹿島、俊輔のフィジカルが上がりきらない中で、見えたモノは何か

鹿島戦の俊輔。まず前提として「鹿島のマリノス陣内からの前線守備の強度と連動性が高い」「昨季のアウェイ鹿島戦は俊輔なーんもさせてもらえなかった」「高い位置に残っても何もできない、3列目に引いて受けるとこでも圧力かかる」

鹿島が先制し、前半30分以降は前からの圧力下がったけど

鹿島戦の俊輔。それでもフィジカル、身体のキレが90%以上なら、少なくとも前半30分以降は「もっといろいろ」できたハズ。しかし連戦終えて、中5日でも上がりきらない。80%未満。例えば前半33分のボールロスト。自分で奪い返したが、朴正洙が身体をねじ込みフォロしてくれたからこそ

鹿島戦の俊輔。後半14分、自陣最後尾パンゾーからの素っ晴らしい斜めのフィードが左タッチ際の俊輔に。縦に仕掛けるも対応で後手に回ったカイオを外せず、足にボールつかずCKすら取れずゴールキックに。分かりやすい2つのキレないプレイの他にも、らしくない簡単なミスが多かった

鹿島戦で「新しいマリノス」を感じたのは、そんな中で周囲の選手が「とりあえず俊輔に預ける」を止めて、学とマルティノスを軸に、そして皆が勇気持ってポジションを高くし、攻守のトランジションも高め、相手陣内に押し込みチャンスを作った事。脱・俊輔依存の萌芽

「俊輔がコンディション的にフィットしてないし、学とマルティノスがキレてるんだから当然でしょ?」と思うかもしれんが、今までのマリノスは「こういう状況と展開」だと、相手が引いて一見押し込んでるように見えて、その実「俊輔は狭い相手ブロック内に入りたがらずボランチの位置で配球役」⇒

⇒「相手守備ブロックの手前、ボランチの位置に3人が無駄に並び」「ブロックの手前と外(サイド)側ガワだけでU字にボール回し」「内側への縦パスは入らず」「結局はボックス脇から学、マルティノスが横方向に2人、3人を外しに行くドリブル」そんな光景を、甲府戦や大宮戦で厭きるほど見てきた

でも鹿島戦は違った。皆が俊輔を探し迷わなかった。学は自分の判断で俊輔の要求を無視しサイドに叩いた。中町はバイタルで「出し手でなく受け手になる」プレイを増やし、パンゾーと下平匠は学とマルティノスの選択肢(タッチ際での&中に絞る)を増やすため高い位置取りとサポートを勇気持って続けた

エリクは後半27分、勇蔵を下げてFWカイケを投入。俊輔がボランチにスライドしたが、それでも「ラスト1/3、前に出る」のは中町で変わらなかった。俊輔に求められたのは中盤の底からシンプルにボールを散らすレジスタピルロ的な役割だった⇒

⇒中継を見返すとピッチサイドから「交代に際し、エリク監督が中町を呼んで指示」とレポートがあった。「俊輔を後方に、中町が前に」はピッチの判断でなくエリクの指示。この日の俊輔のコンディション的に当然かもだが、マリノス的には結構痺れる、何かの転機となり得る交代と采配だと思うのだが

対鹿島だったから、フィジカルが80%未満だった、1点リードされ鹿島が引いて押し込む試合展開、学とマルティノスがキレてた――。この試合に限った理由もある。しかし一方、俊輔のキレが戻り切らないのは事実としてあり、また甲府戦からの流れで「新しいマリノス」の手応えは選手たちも感じている

結論を急ぐことはないが、ホーム甲府戦とアウェイ鹿島戦の流れ、特に後者の試合は後に「新しいマリノス」の萌芽、大きなパラダイム・シフトの契機となる試合として振り返られる可能性が、あるかもしれない。ないかもしれない

だって俊さん、こういう逆境にホント強いからなあw コメント無いのはたぶん、感じるとこがあったからだと邪推する。危機感持った時の俊さんの反発力は凄いよ、本当にズルいと思うくらい凄いよ。「ここで結果ださなきゃ俺は消える、居場所なくなる」って時に「黙らせる」力はやっぱスターだよ

昨季ホーム浦和戦なんかは真骨頂。「ズルいよ俊さん、だってソレ毎試合は絶対無理じゃん! つーか今日もほぼ前半だけじゃん!」って思うけど、人に非ずなプレイして見せる黙らせる。エリクも認め受け入れるしかなくなったもの。それを「ここでやんなきゃ俺は」な試合でやってきたのが、俊輔

俊輔がまたしても強く反発して「今まで通りのマリノス」がまた少し続くのか、それとも学たちが俊輔に頼らず自分たちの力で内容だけでなく結果も出して「新しいマリノス」を築いていくのか、はたまた「どちらでもなく、このままズルズル沈む」のか。さてさて

…こういう事を書くと気分を害する俊輔ファンは多いと思いますが。でも私は「俊輔とリーグタイトルが取りたい」と強く思っても、「只いつまでも俊輔を見ていたい」とは思わないし「でもみんな俊輔に期待して俊輔を見にきている」という声にも「あんな俊輔を見に来てる訳じゃないと思うよ」と

やっぱり選手それぞれに「期待値」「要求されるクオリティ」は違って、下世話な話「もらってるお給料」も違うのですプロだから。伊藤翔さんなら「まあでも頑張ってるよね」と言われても、俊輔や中澤はそれでは許されない。70点か90点か、その評価基準がそもそも違う

ファンやサポータは評価するんじゃなく、応援するのが役割だ! そうかも。でもじゃあ何故みんな、今のカイケの現状にあんな失望してるのかっていうと「長い時間と高いお金をかけて」「ようやく獲得した外国籍FW」だからで。評価はともかく、やっぱ「選手それぞれの期待値」は厳然としてある

まあそんな事は俊さん自身が、ずーっと前から自覚してる事なんですけど

「年齢が年齢なんで、コンディションとメンタルを崩さないように。一歩踏み外すとベテランだし高いお金貰ってるんで、すぐ(クビ切られるジェスチャ)されちゃうんで。…でもまだ、輝いていたいって意欲が湧き出てくる。それを表現したい」中村俊輔

コレは2014年のシーズン開幕前(つまり目前でリーグタイトルを逃した後の)2月のインタビュでのコメント

――惰性でダラダラとアウェイ鹿島戦の選手評

ボランチでリーグ初出場の朴正洙。過去のナ杯出場は、CB起用の川崎戦でエレガントに◎ CB柏戦はバタバタ△ ボランチ起用の鳥栖戦もバタバタ△ ルーキらしく「試合の入り方」次第で、出来は乱高下。ボランチ起用は2試合目、それがリーグ初出場の鹿島戦、本人も「今週のトレーニングで驚いた」

アウェイ鹿島戦のボランチ朴正洙。戦前は大きな不安要素だった。手堅くいけば兵藤だろうに、この勝ててない流れで、リーグ初出場のルーキを本来のCBでなくボランチ起用か! 実にエリクらしい「実績よりも、タイプ判別・適性への拘り」

朴正洙はその判断と期待に、応えて見せた

鹿島戦のボランチ朴正洙。守備では前半の自陣ブロック形成では「DFライン前のフィルタ」になる意識高く、縦のパスコースとバイタルのスペース消す事に首をフリフリ注力。挙動にぎこちなさはあったし、ガチンコな突破阻止などはなかったが、分かり易く決定的な仕事も許していない

ボランチ朴正洙。前半23分には中澤の危険なリスタート横パスミスを即座にカバー。前述した前半33分は俊輔の軽率なロストを身体をねじ込み、俊輔の再奪取をフォロー。御大2人のミスをルーキがカバーする不思議な光景。2つともアラートが利いた、とても速い反応・対応だった

後半27分からはCB朴正洙。後半34分には「マリノスが育てた」土居聖真のエリア侵入、縦突破に身体を寄せてファウルギリギリ(でもフェアな寄せ)でCKに逃れる。局面での強さも見せた。厳しいシーンは少なかったが、守備もまずまず及第点以上のパフォーマンス

ボランチ朴正洙。特筆すべきは「サイドに散らす中距離フィードの精度」そして「ハーフウェイ付近でボール持ち、プレッシャを受けても落ち着いていなし、自陣ゴール方向でなく前を向いて展開する」度胸と確かなキープ力。これはCBでもボランチでも、近年のマリノスに圧倒的に足りなかったスキル

ボランチで先発、後半27分からCB朴正洙。これは遠からず「ファビオと朴正洙のCBコンビ」を試してみても面白いのでは? エリクならやってしまうのでは? と思わせた鹿島戦。試合毎のムラは大きいのは確かだけど、高いボール保持率が見込める相手なら…

後半27分から途中出場、FW9カイケ。シュートは42分、下平匠のアーリクロスに当たり損ないのヘッド1本のみ。匠のクロスも、そんな質の高いものではなかったけれど。少し引いてのワンタッチでの落としは、DFに囲まれても結構巧み。ただ馬力、ゴリゴリ行く力やスピードは無い。それは分かった

FW9カイケ。最大の見せ場は相手ゴール、エリアを離れフラフラ引いてきた所をブラック中町公祐に見咎められて、「オメーは前にいろ、前に!」的に(※発言は想像です)マチさんが鬼の形相で宙を全力で蹴り上げたシーン。これはカイケの見せ場でなく、マチさんの見せ場という見解もありますが

あの時もう少し、カイケとマチさんの物理的距離が近かったら、つまり直接蹴り上げられる距離感であったなら、きっと今頃マチさんは

「二代目 俺王」

の尊称を継承していた事でしょう

嘘ですよマチさんはチームメイトのケツを力一杯蹴り上げたりしませんよ。パンゾーさんの言うとおり「自己演出過剰」で、なんか「ドス黒い」フリもきっとマチさん一流の演出ですよ。たぶん

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昨夜のアウェイ鹿島戦を、少し冷静に振り返る。珍しく映像でフルに見返したら、やはり現地で感じた印象とは事なる――まあ、結果を知ってるから当然な面もあるのだけど

手元スタッツ:
前半:シュート3:6(枠内2:3、エリア内2:3)決定機1:2。CK&FK3:4

後半:シュート5:4(枠内1:1、エリア内4:3)決定機3:1。CK&FK3:3

トータル決定機は4:3。映像を見て前半の鹿島決定機を1⇒2に訂正

90分を通した展開、内容と決定機 4:3のスタッツ的には勝点1以上の結果も妥当であった。押し込む時間帯も多かった後半、枠内シュート3本が致命的。前半1、後半3つの決定機で何れもシュートは枠を捉えられていない。フィニッシュ精度、リアリズムの欠如、ストライカ不在…

現地観戦での印象では前半「食い付いて後手」の印象もあったが、映像で見返すと「ほぼ自陣ブロックで待ち構え」「自陣で奪って(あるいは相手のミス待ちから)前線3枚にスペース使わすロングカウンタ」がメインプラン。昨季のアウェイ鹿島戦の反省、警戒リスペクトもあったか

なので思った程、前半30分までも一方的にゲーム支配されてはいない。マリノスの1stシュートは25分に齋藤学。ボール支配は鹿島で、チャンスが散発、単発で厚みなかったのは間違いないが。鹿島にも、流れの中から多くのチャンスがあった訳ではない

昨季カシマで鹿島が見せた「タテに前に激しくインテンシティと予測・関与意欲高い」攻守の連動性は、今回は無かった。やはり「あの時の鹿島」はナ杯制した直後、バイオリズム的にピークで「ちょっと強過ぎた」。昨夜はFKから先制した事もあり、前半25~30分あたりから前から追わずブロック形成

前半の終盤から、鹿島が前線圧力を低下させ「落ち着かせ」に入ったため、マリノスも少しボールを握る時間は増えたが「攻め手が前線3枚使ったロングカウンタのみ」は後半13分頃まで変わらず。対鹿島では俊輔は前で効果的な仕事ができず、攻撃に厚みがでない。伊藤翔も周囲の押し上げ待つタメを作れず

潮目が変わったのは後半15分過ぎから。中町が相手陣内、ラスト1/3に顔を出し関与する頻度を高め、少しずつ相手陣内での厚みと押し込む時間を増やす。チーム全体もロストした瞬間、ルーズボールへの反応と積極性が高まり、後ろも狙い持ってインタセプトを狙う

リードした鹿島がメンタル的に受けに回った、昨季アウェイ対戦ほど強度と連動性を維持できなかった――その側面もあるし、マリノスも打開は学とマルティノス頼みの部分は大きかった。しかし、後半の後半に見せた「相手ゴール方向」への強度と速さ、厚みと連動性は、ずっとチームに不足していたもの

特筆すべきは、現地で「メインキャスト交代の萌芽」と表現したモノ。チームの皆が「俊輔を探さない、ノーアイデアで俊輔に預けない」事。中町だけは「隣の俊輔に簡単に預ける」傾向あったが、その中町にしても「預け、自分はエリア近辺に入って厚みを出す」狙いがあり、実効性もあった

俊輔がフィジカル的にフィットしておらず、前半からコントロールミスやボールロストが多めで、彼自身の関与意欲もそこまで高くなかった。「対鹿島でフィジカル90%未満の俊輔は実効性に欠ける」のは、本人も周囲もピッチレベルで感じていたのではないか。その中で、押し込む時間と厚みを作った

解説の木村和司は「俊輔が低い位置にいても怖くない」「ラスト1/3にいてこそ」「ボランチ2人が押し上げないと」と繰り返したが、実際問題フィジカル90%未満の俊輔が、あのスピードと強度の中、ラスト1/3で仕事するのは難しい。「動きながらコンタクトしながら」技術を発揮するタイプでない

アウェイ鹿島戦は「どんな展開、どんな局面でも皆がボール持ったら俊輔を探し、俊輔に預ける」マリノスの悪癖、「常に俊輔を中心に回る『戦術中村俊輔』なチームカラー」からの脱却の萌芽に価値があった。特に学は、隣に俊輔がいてボールを要求してもサイドに叩き、自分も絡んでいくシーンが何度か

今のマリノスの攻めをリードし回しているのは齋藤学。鹿島戦ではマルティノスのスピードと突破も効果的だったが、「両WHの打開任せ」ではなく、両SBが高い位置取りで2人をサポートしているのは見逃すべきでないチームの機能性であるし、後半は中央に中町が厚みを加えた

本当に「学とマルティノス頼み」ならば、如何に「昨季アウェイ対戦時の強過ぎる鹿島ではなかった」にせよ、リードした鹿島からあそこまで連続的にチャンスは作れない。そこまでヌルくはなかった。継続的なチームとしての機能性の進捗は、確かにあると思う。特に甲府戦からの流れ、脱・俊輔依存の傾向…

個人的に、鹿島戦は学やマルティノスだけでなく、パンゾーはもちろん、課題はありつつも中町と下平匠の2人も、機能性への貢献という意味ではもう少し評価されるべきだと思う。関与の方向性、積極性が良いだけにアラも見えるのだけど

「非常に高い強度のゲームだった。少なくともドローが妥当な内容だったのではないか。相手よりも多くのチャンスを作っていたが、セットプレイで失点してしまった。選手たちのパフォーマンスは本当に素晴らしかったが、あのセットプレイからの失点が悔やまれる」エリク監督

「立ち上がりは理想的な戦い方ができたが、相手の速いSH2人にカウンタを受けて流れが悪くなった。今週練習していたセットプレイの形で決められたのは非常に良かった。後半も自分たちの形を保ってゲームを進めたかったが、攻守のバランスが悪くオープンな戦いになってしまった」鹿島 石井正忠監督

『今週練習していたセットプレイの形で決められたのは非常に良かった』

昨季リーグ1位だったセットプレイからの得点が、今季は前節までワースト2得点、勝ち切れない試合が続いていた鹿島。本当に今季のマリノスは、苦しんでる相手をブーストさせる勝利と勝点を献上する優しさに満ちてるね…

「厳しい試合だった。押し込まれる時間も多かったし、勝点3を拾えて良かった。チャンスらしいチャンスも少なかったが、なんとかセットプレイで取れて良かった。チャンスも与えてしまったが、運というか相手のミスにも助けられた。その辺は反省しなければいけない」柴崎岳

「前半の(学の3人抜きからの)マルティノス選手のシュートが一番危なかった。他は距離があったり、スピードもそんなに速くないシュートだった。最後のところでディフェンスが身体を張ってくれた。苦しい中で勝点3を取れたのはすごく大きい」曽ヶ端準

「耐えたという感じ。この勝ち点3は大きい。相手は点を取りに来ていたし難しい試合になった。内容は良くなかったが1点を守り切れてよかった。先制後は(マークしていたマルティノスも)前残りしていたので、そこのケアを考えていた。スピードがあって左利き。独特で初めてのタイプだった」山本脩斗

――鹿島も決して良くはなかった。苦しかったし、苦しめた。鹿島側の試合後コメントからもそれは窺える。やっぱり「流れの中からの枠内シュート2本」「決定機4つのシュート全て枠外」「絶望的なCF、ストライカの不在」ゴール前のリアリズムの欠如は如何ともし難い…

前半は、ほぼ自陣ブロックからのカウンタのみであったので流れの中からのシュートは学とマルティノスに1本ずつ。CKから勇蔵のオーバヘッド。後半は、流れの中から伊藤翔、学、カイケ、マルティノスに1本ずつ。FKから中町のヘッド

――試合後のコメントを拾い読みつつ、主観に満ちた選手評とか脱線とか

「鹿島には圧倒される事が多かったが、今日は失点してからチーム全体がアグレッシブにいけるようになった。行くとこ、行かないとこがハッキリしたしチャンスも作れた。結果は結果で受け入れないといけないし、チームはまだ苦しい状態だけど、少し明るい道が見えたかなという感じがする」齋藤学

アウェイ鹿島戦の齋藤学甲府戦に続き、オチャクラ全開。攻撃隊長として、だけでなくゲーム展開を俯瞰して見極め効果的に局面に顔を出し、チームを回す。今のマリノスのメインキャストは、間違いなく学。単なるドリブラではない。本当にいろんなものが「見えて」いる。だから実効性がハンパない

鹿島戦の齋藤学。どこでボールを受けるか、叩くのか運ぶのか抜き切るのか、前残るか戻って守備を頑張るのか――局面だけでなく展開が見えている。過去には「見え過ぎて」情報量と選択肢がオーバフローになり迷いの森に入る事もママあったが、今の学には迷いがない。自分の中でキッチリ整理できている

齋藤学。だから無理な突破でロストしたり、ノーアイデアで「隣の俊輔に預ける」事もない。俊輔が要求しても、自分の判断でサイドに叩く。今の展開でチームが得点するためにすべき事を、自分で判断し直接・間接の両面で関与しつつ、チャンスメイクのメインキャストを務める。主体的に攻撃を回している

齋藤学。自分の突破やアシスト、ゴールだけでなく「周りも使い」自分のスペシャリティを「チームに落とし込んで」いる。今季の、最近の学のこの「見えてる」感とスイッチ入れる、打開する、フィニッシュに絡む「幅の広い実効性」は、ちょっとヤバいレベル。プレイヤとして完全に一皮二皮ズル剥けた

齋藤学。確かに自身のアシストやゴールという結果は不足、物足りない。でもそれは学だけの問題ではないし、逆にあんだけ「リーグではかなり別次元な」アタッカを擁し、こんだけ得点できないのも相当アレだし運もない。今は得点を「学から逆算」すべきかも

齋藤学。あんだけ幅広く実効性を示し「それでも得点できない、勝てない」と、さすがにまたオーバフローになる危険性もある(もっと、もっと、で)なんとか早いとこ結果がついてきますように。あとやっぱ学もだけど、それ以上にFWにゴール欲しい「学を潰せばOK」になるから。過去の俊輔みたく

学の試合後コメントが「少し明るい道が見えた」と、鹿島戦をポジティブに見てる事を嬉しく思う。本当に、強がりや負け惜しみでなく「新しいマリノスの可能性」が、見えた気がするんだよ。自信を持って、次に臨んで欲しい

「自分たちの感覚と結果が、必ずしもリンクしないのがサッカーだとは分かっている。今日は自分たちの中で “今までとは違うチャンメイク” をできた。ただ、本当に細かい部分で勝負に徹する事が重要なので、もう一回見直していきたい」中町公祐

アウェイ鹿島戦の中町公祐。「新しいマリノスの可能性」そのキーマン、中町。後半の後半に見せた『今までと違うチャンスメイク』その手応えは、中町がポジションを上げてラスト1/3での関与を直接・間接に増やした時間とリンク。単純な厚み、ヘッドの高さ強さだけでなく「そこに入るタイミング」

鹿島戦の中町公祐。現状「そこに入るタイミング」が良くても「狭く相手の守備強度が高いエリア」であり、中町の「動きながらのボールスキル」は不足。だから不出来が目立つ部分もある。でも、まず「そこに入る」事が何より大事で、マリノスに足りなかったモノ。俊輔に出来ない(やりたがらない)事

中町公祐。今のマチさん(と喜田)への評価はとても難しい。まず「新しいマリノス」を成立させるための要求値がべらぼーに高いので。ただ、甲府戦の前半と鹿島戦の後半、やろうとする方向性は全く期待通り。2.5列目でシンプルに捌き、ボックス幅のバイタルやエリア内にタイミング良く入っていく

中町公祐。本当は「2.5列目で」シンプルに叩く(鹿島戦ではボランチに落ちた俊輔に簡単に預けるシーン多し)だけでなく、もっと効果的なキーパスも欲しい。バイタル狭い所でのバタつきを無くしシレっとに「動きながらダイレクトで」ボールコントロールして欲しい。コンタクトの強さはあるのだから

中町公祐。9月に31歳になるプレイヤに「もっと巧くなれ」と結構無茶な事を言っている。でもマチさんは福岡では2列目からエリアに飛び込んでのゴールも多かった。マリノス加入後は眠らせている、素地素養はあると思う。取り組めば、もっと出来ると思う。もっと、もっと

中町公祐。セグンド・ボランチとしてのキーパス、スイッチ入れるパスも同様。もっと1つひとつのパスに意図やメッセージが欲しい。「マエストロ」を自称するならば、全然足りない。パスを受ける前の状況判断と選択肢確保のレベルを、あと2つ上げて欲しい。もっと出来る。もっと、もっと

「前半、学からパスを受けて決められなかったシュートもあったが、サッカーではよくある事。今の状況は良くないが、運がない部分もある。サポも熱いし、今は歯車がちょっと噛み合ってないだけじゃないかな。先は長いんだから、このまま焦らずじっくりいけば問題なしだと思うよ」マルティノス

※マルティノス選手のコメント引用が、途中から別のコピペと混同してしまいましたが、言ってる事は概ね変わりありません

アウェイ鹿島戦のマルティノス。異次元の高速変態ドリブラか、A級戦犯か。功罪が両極端、内容的にも両極端。その特徴と負の要素は表裏一体。とても面白い、不備と不安要素も満載な選手。良さを殺さず伸ばし引き出し、少しずつ不備を消していくエリクの指導と本人の意識改革に期待

鹿島戦のマルティノス。変態的な初速とステップワークで「普通ならチャンスになってない局面」をチャンスに変える、個の打開力は魅力。前半の攻め手は自陣ブロックからのカウンタのみ。マルティノスなくして成立しなかった。前半の後半から押し込めたのも、学とマルティノスを警戒し鹿島が引いたから

マルティノス。初速とストライドの大きさがあり、アデミウソンとはまた違った「50・50のボールをマイボールにして前にゴリゴリ運ぶ」ちょっとファビオ寄りの強さと、コーディネーション能力。それだけで単純な戦術兵器。特にマリノスが不得手な少数ロングカウンタと、ラスト1/3打開で実効性大

マルティノス。感情のコントロールが不得手、幼児的なアピール。9分の先制FKは不用意なファウルから。直後の12分にも守備をサボり山本脩斗にフリーでシュート許し被決定機。前半2つの被決定機に直接関与。ゾーン捨てどこまでも追いかける事もあり、本当に守備は気分次第。要管理、指導

マルティノス。現状は「とんでもない突破打開力とスピードある大きな幼稚園児」エリクやチームメイトが、上手くコントロールしメンタルを矯正していけるかが全て。そのスペシャリティは疑いなし。鹿島戦は、実際よくパンゾーが攻守にフォローしサポートしていた

「今日は鹿島の良さを出させなかった。鹿島が先制したのもあるが、それを差し引いても自分たちの時間帯を多く作れた。簡単な不要なファウルから失点を繰り返す、そういう細かい部分の反省は必要。選手はメンタルの強さを出せたと思うし、あとはピッチで結果につなげるのが自分の仕事」小林祐三

アウェイ鹿島戦の小林祐三。「新しいマリノス」のための支柱ではなくとも脇を支えるための不可欠なキーマン。攻めのメインキャストである学とマルティノス、タッチ際ではサポートし選択肢を増やしマークを剥がす、内側に絞らせるために高く張り出す。且つ背後をケアして、守備の負担を減らす…

鹿島戦の小林祐三。得意の「膠着打破する」カットインは無かったが、それは前方の学とマルティノスのサポートにほぼ注力したため。後半45分、マルティノス最後の決定機を生んだエリア脇のインタセプトが顕著だが、学とマルティノスの躍動はパンゾーと下平の地味だが勇気ある援護なしに有り得なかった

鹿島戦の小林祐三。この日のパンゾーは、最後尾からの「飛ばす」長距離フィードが秀逸。以前にも、アウェイ鹿島戦で好フィード連発したゲームがあった。ピッチをワイドに使う、後方で無駄にチマチマ繋ぐよりシンプルにサイドから――。展開にも合致した、良い選択と質を伴ったフィードを数本見せた