横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【前半チーム一丸での主体性、ボランチ2人は実に素晴らしかった。2失点はまたも不運とミス絡み。終盤は強い反発も示し、あと一歩。しかしあと一歩が足りない届かない。本当に残念なドロー by 蒼井真理】 about [2016-J1-1st-11] 横浜 2 v 2 甲府

aoi_mari.png蒼井真理



ホーム甲府戦のGKは、引き続き飯倉大樹

哲也と飯倉はGKとして実績や実力にほとんど違いがない。違いがあるとすればスタイル、特徴であり飯倉が哲也に比して長けるのは「クロスに対する守備範囲の広さ」「キャッチ率」の2つ。加えるならセーブ後の体勢のリカバリ速度だ

名古屋戦2つのキャッチミスは批判を免れないが、それはミスそのものに対するべきであり「クロスに対し積極的に出て処理しようとした」「キャッチにいった」プレイ選択にではない。それは飯倉が哲也を差し置き出場している最たる理由であり、むしろ無難を選ぶ時こそ、飯倉がベンチに下がるべき時だ

樋口監督時代から、殊に被セットプレイにおける哲也の「ほぼゴールエリアに限定された」守備範囲の狭さには不満があった。それは「はね返す個の強さに長けたCB」との役割分担という意味で「俺が俺がでなく皆でゴールを守る」哲也らしさ、特徴でもあり必ずしも短所でなかったが

しかし対空防御の要である中澤のアジリティや反転能力が齢相応に劣化、フィールドプレイヤの対応力が低下する現状に対し、哲也の守備範囲が「そのまま」である事は大いに不満だった。「皆で守る」スタイルなればこそ、GKがカバーすべき問題であろうと

エリク1年目の昨季10節からポジションを奪い返した飯倉は、足下の技術やキック精度より「クロスに対する守備範囲」「キャッチ率」に哲也との違いを強く示した。クロスに出なければ「分かりやすいミス」とは無縁でいられる。しかし同時に、エリア近辺での確実なマイボールもない

GKが哲也から飯倉に変わり、被クロスに対するGKの直接守備関与やキャッチ率がどれだけ向上したか正しく把握している者はチームの外におるまい。が、エリクがリーグ戦で哲也でなく飯倉を起用し続ける小さくない理由の1つだと私は考える。実力的に大差ない哲也と飯倉の、最たる「違い」だからだ

エリクが名古屋戦の2失点を受けても飯倉を替えないのは理解できるし、なればこそ飯倉はスタイルを貫くべきだと思う。クロスに出ずゴールマウスにへばり付いたり、局面を選ばずパンチに逃げる事は、飯倉がピッチに立つ意味、エリクの起用に応えるに能わず。ネジが2、3本ぶっとんでる飯倉なら、できる

哲也は雌伏の時を経てスタイルを変える事で1度はレギュラを奪い返した。しかし同質のGKが2人いる中で、エリクが敢えて飯倉を選び起用し続けるならば飯倉はスタイルを貫くべきだ。無難に逃げる飯倉を見たいとは思わない。今日も変わらぬクロス守備範囲と、キャッチからのフィードを期待している

「大事なのは自信を失わない事。GKは責任を求められるポジションで、自分の役割を受け入れる強いメンタルが必要になる。監督の役割は困難に立ち向かう選手を支える事なので、飯倉には『あまりにも責任を背負い過ぎないように』と少し話をした」エリク監督

まあ柏好文を広島に抜かれて後の甲府は、サイドからのクロスで頻繁に好機を作れるチームでなく、セットプレイでもマリノスに対し単純に高さで勝負してくると思えんが。甲府戦の飯倉に求められるのは被カウンタから1度は訪れるであろう決定的なピンチ、その1度に備え続ける集中力とメンタリティかな

GW最終日の日産スタジアム、キックオフ1時間10分前に到着。3連敗を受けてのホーム甲府

キックオフ1時間5分前のホーム自由席。出足はまあ、発券1万6000枚に満たずならこんなもんか。日曜デイゲームで2万を割っちゃうかな

ホーム甲府戦のスタメン

FW カイケ
MF 学、俊輔、遠藤渓太
MF 中町、喜田
DF 下平、ファビオ、中澤、パンゾー
GK 飯倉

SUB:哲也、勇蔵、新井一耀、兵藤、伊藤翔富樫敬真

前節とスタメン変わらず。1トップはカイケ、GKは飯倉大樹。俺の金井は再びベンチ外へ

中澤佑二は今日フル出場すれば、J1のフィールドプレイヤ4人目となる100試合連続フル出場記録を達成。歴代1位は水本裕貴(137)2位 服部公太(126)3位 阿部勇樹(102継続中)

中澤の連続フル出場は2013年14節の大分戦から継続中。その前節は鳥栖戦で負傷交代

あのアウェイ鳥栖戦の悪質なラフプレイがなければ、中澤の連続フル出場はあと21試合加算されてるんだけど

でも記録の数字より、もっと大事なものを中澤は身をもって示し続けてくれてるから

「若い選手には、よーいドンじゃ勝てないから」中澤は最近、自分でもそんな言葉を発するようになった。高いラインを保ちつつ、スピードあるFWとの駆け引き。急激な動き出しや変化に対応するための予測、ポジショニング修正。でも「よーいドンじゃ勝てないから」は、多分それだけじゃない

10:00から始まるチーム練習の約2時間前に到着し、身体を動かし始める。練習のための準備をする。全体練習が終わった後も、遅くまでピッチに残りボールを蹴りながらランニングを続ける。中澤佑二は日々のトレーニングから、周りの皆と「よーいドン」じゃない。先に動き出し、最後まで動いている

「若い選手には、よーいドンじゃ勝てないから」

自嘲的な中澤の言葉の裏には「よーいドンの勝負にしないため、俺はできる事を考え尽くし、日々やり尽くしてる」という強い自負がある。皆が「ここから始めればいい」と思ってるずっと前から始め、「ここまででいいや」と思うずっと後まで続けてる

ずっとずっと中澤は日々のトレーニングからチームに示し続けている。リーグ100試合連続フル出場は、その結果としての数字でしかなく大事なのは記録じゃない。もっと大事なものを、中澤はチームに与えてるはずなんだけど… あんま響かねえなw

「佑二さんスゲーなあ」とは皆思う。でも「あの佑二さんがこんだけやってんだから、自分みたいな試合出れてないのはもっとやんないと」とは思わない「佑二さんスゲーなあ。お先っス!」

中澤さんはちょっと偉大すぎるというかストイックすぎるのかな、最近の若い子たちには

「自分個人の記録はどうでもいい。結果が伴わなければ100試合、200試合出ても意味がない。その中でどれだけ勝ち、優勝争いをしタイトルを獲ったかが重要。今季は失点が、それも『あれ?』という失点が多い。0-0の時間帯を作れてないのも問題」中澤佑二

12位の甲府は、10節まで2勝4分4敗
○●△●●○△△△● 11得点15失点

開幕戦以外、無失点試合なし。戦術兵器クリスティアーノの6得点で中位に踏みとどまってはいるが、16位の湘南、17位の仙台との勝点差は僅か2ポイント。失点を減らしてかないと先々厳しそう

開幕前の年間勝点予想、甲府は【予算・戦力的に厳しい】17位の降格候補。甲府は、湘南や福岡と並びチーム人件費5~6億規模、予算的にはJ1に定着するのは難しいクラブで J1連続4シーズン目はほとんど奇跡的。佐久間氏とJFKは神であり樋口さんは普通

しかも甲府は毎年のように、前季の主軸だった選手が抜かれるわ新外国籍選手が開幕前、開幕直後にほとんどいなくなるわの繰り返し。高みを望まず「ただ純粋に残留だけを」「俺らより3つヘタこくクラブがあればいい」理念で掴んだ4年連続J1。樋口さんは多分、理想を求め過ぎた

「俺らより3つヘタこくクラブがあれば」今季で言えば、福岡と湘南が甲府と同等に予算と戦力的に厳しく、ソレに近いのが仙台。あとは💀サプライズ枠で名古屋や柏あたりがヘタこいてくれたらギリ残留の目もあるか…といった所だが、名古屋はシモビッチであり柏は監督交代が奇跡的に奏功

甲府も現状、名古屋のシモビッチっぷり程でないにせよ、こと得点源に関してはほぼクリスティアーノ頼み。💀やらかし枠として期待した柏(J未経験監督⇒即解任)で、移籍した伊東純也が輝く姿はプロヴィンチアの宿命と知りつつ歯噛みする思いだろう…「なんでSBやってんの?」それはさて置いて

甲府は新加入FWチュカもベルギー国籍取得のため「家庭の事情」とやらで一時帰国中につき欠場。2年目CB熊谷駿190cmがFWでJ1デビュと、厳しい台所事情。

我が軍の主砲カイケは家庭の事情とは無縁、単身赴任も3年2か月のいわゆる過酷な1人旅もへっちゃらでこの世は正に大迷惑である

GK飯倉と哲也がアップ開始。ホーム、マリノスのゴール裏からいつも以上の飯倉コールと、飯倉チャント。それに応える飯倉

ミスを責めて批判し否定するのは簡単。ミスはミスとして受け入れ、もう一度信じて期待して支える

フィールドプレイヤもアップを開始、ゴール裏に挨拶。もう一度カイケに期待してみる。カイケだけでなく、全員に本気で期待する。アイツがコイツが誰のせいとかうるせえ皆が皆でマリノスだ馬鹿野郎

ホーム甲府戦の注目ポイント

・3連敗を受けてのGW最終日
・ホーム日産スタジアムで今季未勝利
・いろんな意味で勝利しか許されない
・湘南戦でも同じこと言ってたような
・まあとにかく、強い気持ちを示せと
・言葉でなく、プレイと結果で示せと
リスク管理だけでは頂点に届かない

篠田フィジコの下でアップする選手たちの表情は気のせいか厳しく「日産スタジアムで今日こそ」の思いを感じさせますが、単に日射しが強くて暑い、眩しいだけかもしれません

森保一の広島みたく「足りなかったリスク管理」を加え大きな成功を得たチームもある。でも俊輔とリーグ穫るには、挑戦者でなきゃ届かない。それは2013シーズン後半に得た教訓。25点取るストライカがいる、学+もう1人のWHで13点ずつ取るとかなら、リスク管理だけしてりゃいいけど

それ以上に、もっと攻守に主体的にリスクトライしてくんないと響かないんだよ。観戦者、応援者の心に伝わるものが乏しいんだよ。プロだから結果に拘るのは当然だけど、それだけじゃないでしょ? 本当に勝ち負けだけなら、ジャンケン大会でいいじゃない。客集めてサッカーする必要ないじゃない

そんな精神論的なものを仄かに期待しつつ、試合はいつもどおり醒めた視点でぼんやり眺めよう

でも3連敗後の甲府戦、ここで反発できなきゃ上は望めない。1stステージどうこうでなく、もちろん今シーズン全部の話。強いチームが上に行く。弱者は足踏みし進めない。当たり前の話

キックオフ25分前のアウェイ甲府ゴール裏。屋根下に隠れずピッチが見えにくい日産スタジアム1階の前段に出てきて密集するアウェイのサポータには好感

カイケにもゴール裏から大きなコールと、拍手が。手を上げ、サムアップして応えるカイケ。本当に本当に頼みます。スペースないと思うけど、チームを勝利に導くゴールを!

カイケだけでなく、富樫敬真伊藤翔さんにも熱いコールとチャント。チームに勢い出すためにも、やっぱりFWにゴール欲しいッスよね

チーム一丸となった反発を、スタンドまで伝わる強い気持ちをピッチのプレイに

ホーム甲府戦、間もなくキックオフ!

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甲府の190cmFW熊谷駿(本職はCB)のチャントは、森のクマさん

甲府は本来CBの190cmの熊谷駿(2年目、今日がJリーグデビュ)を1トップ起用しシモビッチ的に使い、結構クロスを放り込んでくる。狙われてるぞ、負けんな飯倉!

中町が遅攻、相手陣内でとても上手く絡めているゲーム序盤9分まで

前半10分経過。今日も入りは攻守に悪くない、むしろ遅攻の部分はとても良い。磐田戦からこっち、入りはずっと良いんだ

喜田はそんなアピールする子じゃないから、たぶんクリスティアーノのダイブだろうけど仕方ない

飯倉は「パンチの選択肢」は強くイメージして試合に入ってるのは間違いない

素晴らしき前半30分まで。実に素晴らしい。しかし決定機はゼロ。あと一歩。押し切り、寄り切りたい

前半31分、俊輔のFKから中町公祐のヘッドで先制! DFを抑え込みながら、よくぞ決めた! 大きな価値ある先制ゴール!

今日の前半34分までの中町と喜田、2人のボランチは極上! 2人が俊輔を、チーム全体を前に押し出している

この甲府のFKも、マチさんファーサイドでよく競った!

前半38分、甲府に同点ゴール。Jデビュ戦、本職CBの急造FW熊谷駿に押し込まれる。1つ前の決定機を、飯倉が足でストップしたとこまで最高の流れだったのに…。そこで皆が足を止めてしまった

今日のマチさんは本物のマエストロ。遠藤渓太は「そこに飛び込む」センスは間違いないんだけどなあ。あとは決めるだけなんだけどなあ

前半46分、学が甲府を再び突き放すゴール。このゴールは喜田拓也のミドルを褒めてやって欲しい

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前半終了、横浜2ー1甲府。シュート10:5(枠内6:4、エリア内7:1)決定機4:2。CK&FK2:3。終始能動的なゲーム支配と、大きな価値ある2ゴール。1失点はしたものの、こんな積極的で動きある甲府戦の前半を俺は見た事がない。前半46分で、感極まっててヤバい。後半もしっかりね

ハーフタイムの短い時間では語りきれないし、まだ後半しっかり勝ちきらないと何も意味ないからアレだけど、この前半はとても素晴らしく胸に響くプレイをチーム一丸て見せてくれた。特にボランチの中町と喜田が、とてもとても素晴らしくゴールにも絡んでくれた

さあ後半! 後半も決して緩めずに、ホーム日産スタジアムで強く勝ちきろう。カイケや遠藤渓太も、この流れに絡み結果を出して欲しい

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いつものマチさんで安心した

甲府は熊谷駿が後半5分てお役御免

俊輔がいったん少し休憩タイムなので、甲府に自由なポゼッションを許し押し込まれる時間帯が増えてる。今は耐え所。俊輔はなかなか下げられないからなあ…

追加点ほしいよお

中澤さんのヘッドとみせかけボレーとかどうかしら

後半16分、カイケ⇒伊藤翔さん

後半22分、再び甲府に同点ゴール。まあこんなもんだ、受け身になり、決めるべきを決めず、エリア内で簡単なクリアミスが2つ出てしまっては、そりゃ失点する。さあ、もう一度反発しよう

まだ20分以上ある。受け身になってなんとなく勝ち終わるより、もう一度反発して勝ちきる方がずっといい

でも、勝たなきゃダメだよ

前田直輝がスタンバイ

後半28分、遠藤渓太⇒前田直輝

後半32分経過、奪い所を作れない。苦しい。みんな疲れている。でもこんな時だからこそ、やり切って欲しい

最近の下平匠には全く納得がいかない

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試合終了、横浜2ー2甲府トータル決定機8:3。前半チーム一丸での主体性、ボランチ2人は実に素晴らしかった。2失点はまたも不運とミス絡み。終盤は強い反発も示し、あと一歩。しかしあと一歩が足りない届かない。本当に残念なドロー

手元トータルスタッツ、シュート17:10(枠内6:6、エリア内12:4)決定機8:3。CK&FK7:6。ゲーム支配やチャンスの質と数、内容や決定機で言えば 2ー1以上のスコアが妥当なんだけど。2失点は、ちょっとあり得ないゲーム内容。マリノスがこの試合内容、展開で2失点しては…


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お腹も満たされ、食事しつつボンヤリと甲府戦の受け止め方もイメージできたから、なんとなーくホーム甲府戦を振り返り備忘録

前半はハーフタイムに書いた通り、ボランチ2人を中心に実に素晴らしかった。ほぼ完全にゲーム支配し、相手陣内で能動的かつ果敢にボールを動かし外と中を使い分け、攻⇒守のトランジションと距離感も良好。セカンドを拾いまくり2次攻撃。失点は不用意だったが、ATに勝ち越し。ほぼ文句なしの内容

甲府を相手に、これだけ「主体性持ってゲームを動かしにかかる」前半は稀有。昨季8月ホーム日産、ラフィーニャと三門が躍動したあのゲームくらいしか記憶にない。あの試合は、甲府の出来が散々で守備がユルユルだった。それよりは全然歯応えある甲府に、このメンツで圧倒して見せた

特にボランチ2人が際立って良かった。縦斜め関係になり、中町が相手陣内で運動量豊富にボールにさわり気の利いたパスを出しつつ、ラスト1/3にも顔を出しチャンスにも直接的に関与。磐田戦の前後から「足りない、もっともっと」と要求し続けたタスクを見事に果たし、FKから先制ゴールも

喜田は基本は後方に残りリスク管理も、縦に強く行くべき局面では後ろを捨てて激しく食い付き、ルーズボールを回収し、ミドルを放つ。遅攻ビルド関与とブロック内への縦パスも含め、プレイ全般で「能動性とリスクトライ」のレベルを、過去数試合より2つは上げた。その上でバランスも維持した

もちろん最終ラインも勇気もって押し上げ、全体が押し込む事で「ほぼハーフコートゲーム」を実践した訳で、それがボランチ2人のより高い位置での仕事と積極性を後押しした側面はある。が、私には「ボランチ2人の勇気と挑戦」が、前半のチーム全体を前に押し出した印象が強い

その証左として、この甲府戦では「俊輔が引いてビルド起点となる」シーンが、試合を通しほとんど見られなかった(後半は、また少し異なる理由によって) 甲府が自陣ブロックに強みあるチームという側面を差し引いても(過去には出来ていなかったのだから)これは実に素晴らしい手応えだった

さて後半だ。残念ながらチーム全体が受け身に回ってしまった。理由は2つで、前半からハイペースで飛ばした(攻守トランジション、プレス、エリア近辺のランと仕掛け)俊輔が消耗し、運動量が激減。前からの限定がほぼゼロに。リードし折り返した事で、チーム全体もリスキな守備は避けた⇒結果の受け身

それでも、後半22分の失点以外で甲府に決定機は与えていない。あの失点も「本来は存在しなかった」被決定機。後半のスタッツは、シュート7:5(枠内0:2、エリア内5:3)決定機4:1。受け身に回ったのは止む得ぬ理由もあるし、その中でゲームはコントロールできた。勝利に値する内容だった

勝てなかったのは、7割が不運と実につまらないミス絡みの「あれ? って言うような」2失点。それも含め結果であり実力であるのは否めず受け入れるべきだが、「甲府を相手に五分の内容で 2ー2、それが今のマリノス」は結果と失望に寄り過ぎた感情的な評。足りないものはあるが、上積みもあった

1失点目は、必死に戻ったパンゾーの足に当たりコース変わったシュートを飯倉が足に当てビッグセーブ。しかしこぼれ球、喜田はよく反応したが奪いきれず、クロスに対し中澤が何故か中央の熊谷駿を放してしまうボーンヘッド

汚名返上、飯倉の好守を生かせず失点に繋げてしまうのもホント流れが悪い

2失点目は、ファビオの小学生みたいなエリア内の処理ミスとクロスに対し中町の空振り、中澤が津田琢磨に付ききれずGKと逆のコースも切れず。『あれ? という失点が多い』戦前の中澤コメント通り。相手に上回られた崩された失点より、不運や単純なミスの連鎖、自滅系。本当に最近こんな失点ばかり

受け身に回ってしまった後半も、2ー1のスコア内で決定的な3点目を得るチャンスが3度もあった。後半11分、俊輔の浮き球パスを学が実にテクニカルなトラップで持ち出しDFを外し、左ペナ角からシュート性の柔らかな巻いたクロス。カイケが反応しきれず、直接ポスト叩き内側に跳ねる。あと数cm…

後半16分にはペナ脇のFK、ショートで学とワンツー、俊輔がDFを2人外しクロス。中央ファー寄りで後ろからファビオが飛び込みヘッド。ほんの僅か突っ込み過ぎてのけぞり、シュートはバーの上に。これも完全な決定機。後半の俊輔は休憩時間が増えたが、瞬間のキレはまた90%まで回復

後半21分、途中出場の伊藤翔がカウンタから左サイドを力強くDFを振り切り突破。左ペナ角からエリア中央の俊輔へグラウンダクロス、俊輔はファーサイドでフリーの遠藤渓太へ。あまりにフリー過ぎ考え過ぎたか、渓太は痛恨のシュートミス。サイドネット。これも完全な決定機

能動的な守備ができなくなり押し込まれ受け身になったのは確かだが、後半も21分までに完全な決定機が3度。この時間までの後半決定機は3:0。甲府にシュートを許してない。3つ目の決定機を外した1分後、前述の「あれ?」な失点で同点に。サッカーの「通説的には必然」ながら、あまりに流れが悪い

3点目を決めるリアリズムの欠如。カイケか遠藤渓太があの決定機を決めて勝ちきっていれば、これ以上なく「チーム全体が上向く」勝ち方だったハズ。でも、そうならない。飯倉の好セーブが失点回避に繋がらず、中澤が記録試合で2失点に絡み、もう1人のCBファビオが致命的なミスを犯す

ちょっと尋常でないレベルで流れが悪い。もちろん、その不運の連鎖に反発しきれないのも実力の内(特にサッカーという競技では)ではあるが、それにしても、これだけイージなミスの連鎖が「失点に直結する」のは、相当である。まあ序盤は結構クソ内容で「勝点拾って」きたし、収支があってきたのかも…

個人的なホーム甲府戦の総括 1

・前半は本当に素晴らしかった
・特に中町と喜田、ボランチ2人の
・俊輔への依存を下げる働き振りは
・チームとして大きな進捗、手応え
・しかし尋常でなく「流れ」が悪い
・個人の凡ミスが、失点に直結し過ぎる
・それを断ち切れないのも実力ではあるが

ここ数試合の飯倉然り、甲府戦のファビオや中澤然り。誰でもミスはする。失点に直結するから注目され批判されるが、ある意味サッカーでは当たり前の光景。でも今のマリノスは、失点に直結し過ぎる。不運も大きいし、周りがカバーし切れてない。瞬間、皆の足が止まったり集中が切れたりは課題かも

最後の最後まで「やり切る」「人任せにしない」「責任を持つ」「判定も含め不運を言い訳にせず現実を受け入れた上で、それを乗り越えていく逞しさ」そんなモノが少しずつ…… 俗っぽく言えば「勝者のメンタリティ」的なものが、今のマリノス、チーム全体と選手たちに足りてないのかもしれない

やだねえ、勝ちに見放されると「スケープゴート探し」か「精神論」の二択とか

でも真面目に、そんくらい「流れ」に見放されてると感じたホーム甲府戦。そして運命論か

個人的なホーム甲府戦の総括 2

・2失点は単純な個のミス絡み&不運
・後半、3点目を取り切れなかった
・リアリズムの欠如は受け入れるべき
・決める、外すも運の要素も大きいが
・あの展開、3つの決定機を全部外す
・そんなチームは頂点目指せません
・カイケをどこまで引っ張るか…

――さあて監督と選手のコメントを拾い読みつつ、なし崩し的に選手とか雑感の付け足しとか

「2度リードするなど、勝利すべきゲームだったと思う。しかし個人の守備での大きなミスが原因で甲府に2度追いつかれ、またこういう結果に終わってしまった。ポストに当たるシュートなど惜しいチャンスも多く作ったが、最後のところで決め切る事ができなかった」エリク監督

「個人の守備での大きなミス」
「チャンスは作るが最後で決めきれない」

会見に臨むエリクとしては『またしても、今日も』と二重カッコで強調したいとこだろう。実際のところエリクは毎試合、良い準備をしてると思う。中3日の連戦でも。試合の入りは、ここ数試合ずっと悪くないし

Q.カイケを含め今後目指す攻撃構築は?

「今日の前半に顕著だが、相手が低い守備ブロックを構築すると中央の打開は難しい。良いタイミング、かつ連動したウラへの動き出しが必要になる。パスの出し手と受け手のイメージ共有。カイケはもちろんだが、彼だけでなく前線の選手たち全てに必要だ」

「今日は(甲府が引いてDF背後の)スペースがなかったという事もあったし、そういったウラへの動き出しも足りなかった。この2つの理由から、ウラを取る事ができなかった」エリク監督

Q.4試合勝利がないが、次の試合の課題は?

「毎試合、ゲームの課題は変わる。甲府戦は相手の低い守備ブロックを如何に攻略するか課題だったが、次の鹿島戦は、また違う問題を解決しなければならない。攻撃力が非常に優れたチームに対し、我々はより良い守備をしなければならない」エリク監督

「昨季のマリノスはリーグでもトップクラスのディフェンス(失点数)だったが、今季ここまで失点が多すぎる。自分たちの持っている守備のクォリティを取り戻せるように、しっかりと失点の内容と原因を分析してトレーニングしていきたい」エリク監督

昨季、2015年のマリノスは、リーグ34試合で32失点。30失点の広島に次いでリーグ2位の失点数、ゼロ封が12試合(3試合に1度以上)

今季、2016年のマリノスは、リーグ11試合で14失点。ゼロ封は6節ホーム浦和戦(0ー0)の1度だけ。加えて「あれ?」な、不用意な失点が多い

「修正するとかしないとか以前の個人のミス」や「流れの悪さ」「不運」あるいは、それらの連鎖による失点が続いている。組織的な不備より、そういった要素が強いだけにタチが悪い。「しっかりしろよ」な相互不信を呼ぶし「オマエモナー」になる⇒

⇒何より「先制されると厳しいな」とか失点の度に「またか」「今日もダメなのか」とスタンドだけでなく、選手たちもネガティブ思考に陥りやすいメンタル環境になる。少しずつ改善、進捗しつつある「前から、縦に」の能動性や勇気が、後ろ髪引かれ削がれてしまう。そうなると悪循環

特効薬は「勝利」しかない。まず勝つ事、理想を言えばカイケや遠藤渓太あたりのゴールが勝点に直結すれば尚良い、勢いのつくゴール、勝利が欲しい

今日の甲府戦は、そのお膳立ては十分だったんだけど…… ハイ次、次!

Q.遠藤がシュートを外した時、思い切りボトルを蹴った。監督には珍しいのでは?

「やってはいけない事だった。もちろん普段はやらない。しかし決めれば2点差、勝利を決定づけるゴール。勝利すべきゲームだったが、相手に “まだ追いつける” という気持ちを与えてしまった」エリク監督

記者陣の敗戦の傷に塩を塗り込むような質問に、正直に答えるモンモン。ズバ抜けて斬新な、チームに新たな価値を見いだし植え付けるようなケレン味ある名将でも策士でもないが、仕事(特に試合に臨む準備)は丁寧実直で、まずまずの良将――というのが2シーズン目序盤を終えてのエリク評

あと1つひとつの結果や、個人の出来不出来に脊髄反射的なリアクションをエリクは取らない。監督として、精神的にとても落ち着いている御仁。メンタル的な安定感は、信頼できると思う(乱高下はない、と)

ロジックベースの思考だけど、現実を受け入れる度量はある。俊輔の存在、扱い然り

「前節の名古屋戦もそうだが、流れが悪い時は少しのミスが失点につながってしまう。いい時だったら味方にボールが当たっても入らない事もある。仕方ないと片付けず、練習から細かい事を積み重ねていかないと解決できないと思う」飯倉大樹

全く飯倉の言う通りで、今は「小さな個人のミス」があまりに失点に直結し過ぎる――ってゲーム総括で指摘した繰り返しか。修正策も飯倉の指摘する通り。ディテールを突き詰める。本当に不運だけか、周りがカバーできなかったか?

飯倉のポロリ2つも、相手が先に反応してる事をどう解釈するか、とか

甲府戦のGK飯倉大樹。流れから高さある被クロスは11本。セットプレイから2本。関与は3度、キャッチ1にパンチ1。さすがに守備範囲とキャッチ判断には自重傾向、特に前半は「パンチの選択肢を持つ」試合前からの準備を強く感じた。しかし臆病さは別段に感じず。1失点目は好守が結びつかず残念

「モヤモヤしてしまう。ここ数試合の全部、いろんなミスが重なった失点が多い。チームでなく個人的なミスが失点に直結してるのを変えてかないと、ポジティブなイメージを持てない。1失点目も大樹が止めてくれたのにミスが繰り返された。チームにマイナスのエネルギが働いている」中澤佑二

100試合連続フル出場達成の中澤さんも、概ね飯倉と同じ戦後評。これまた繰り返しだが、チームの過失でないだけにタチが悪い。モヤモヤする。全くその通り。『マイナスのエネルギが働いている』うんうん、そういう怪しい表現になってくるよね、この失点の性質と連鎖は

処方箋は「無理くりポジティブ」のみ、あと根本的な治療には「勝利のみ」なのですが、ここまで流れが悪いと比嘉さんや小椋祥平の不在が寂しく感じられますね。そう感じる時点で、まあ結構な末期ですけど。誰かに頼らず、1人ひとりの責任感と強い気持ちで乗り越えよう!

「試合中に焦りはないが、今はチームに “鉄板” みたいものがない。“こうすれば落ち着く” みたいな原点が、みんなの中で見当たらない」中澤佑二

……これ言っちゃダメなヤツかもですが、その “鉄板” って過去に「中澤佑二」そのものだったヤツですよ多分。苦しい展開で、抜群の予測と集中力で「鬼神の如くはね返す」中澤佑二が、そういう展開でもチームを落ち着かす拠り所でした。ここ数試合、ちょっと発動してませんがそんな時もありますよ

数年前、俊輔が「ボンバー1人で、間違いなく年間10点は防いでる」と中澤を評してましたが、今はちょっとそれが十二分には発動してない。衰えなのか、たまたま中澤とチームの悪いバイオリズムがシンクロした結果か、今は即断できない。でも、頼り切るのを止めるよい機会とすべきかも。否しなければ

いやそれは「中澤をスタメンから外そう」とかでなく、これまで「押し込まれる展開時、あまりに中澤が個の力でチームの危機を片っ端からはね返して周囲のミスもカバーしてきた」その “鉄板” を、少しずつ皆で分かち合おう、と。ボンバーのミスを周りがカバーする頻度を増やして行こうよ、と

甲府戦の中澤佑二。2失点に絶対的な責はなくとも、関与は事実。個人的には特に1失点目、クロスに対しエリア中央の熊谷駿を離しファーに寄せたた動きは解せない。名古屋戦もシモビッチに苦戦、湘南戦でも決勝ゴールは呆気なく背後を取られた。ここ数試合、お世辞にも好調とは言い難いパフォーマンス

「出だしは良かった。途中まで、1ー0のスコアで進んでいたのだから。ただ、ミスから決めさせてはいけないゴールを決めさせてしまった」ファビオ

甲府戦のCBファビオ。中澤と同様、広島戦のミキッチへのやや軽率な対応といい今日のエリア内での処理ミスといい、悪い形で失点に絡んでしまっているので印象は良くない。遅攻では、手詰まりになると彼の前に出てきての関与や何気ないフィードがアクセントになってる部分は意外と大きいのだが

「2ー2になる試合ではなかった。客観的に観た訳ではないが、勝たないといけない試合だった。それだけは言える。今季このチームで経験した事がないような事が起きている。在籍6年目で初めて起きる事が多すぎて、何故こうなっているのか一言で説明するのは難しい」小林祐三

パンゾーその後のコメントは飯倉や中澤と等しく「いい時は個人のミスが連鎖しないものだが、今はそれが失点に直結する」と。本当になあ、理由を説明するのは難しい。サッカーにおける失点はそもそも、小さなミスや不運、相手にとっての幸運や「めったに成功しない好プレイ」の連鎖だったりする訳で

ほとんどの失点は、その責任や原因は「後付け」で「どっかで止まってりゃミスとして問題視される事もなかったであろう」小さなミスの連鎖だったりするもの――って話は、過去にもしたと思う。こんだけ露骨に分かりやすく、個人レベルのミスが失点に「直結」し続ける流れは、パンゾーの言う通り少し異常

うーん少し醒めた目線で客観的に説明するとしたら「偏り」だろう。それが説明の全部じゃない、正面から取り組むべき課題、ディテールはあると思うけど。過去にセットプレイ失点とか、富樫敬真の決定率100%でも指摘した通り、「偏り」は生まれる。サッカーは得点の少ない競技だから

「CKからの失点が続く」「ルーキ敬真がシュート3本で3得点」「個人のミスが失点に直結する」

サッカーの理由説明は全部後付けで主観的なものだから、「CK守備に構造的問題」「敬真に超絶ストライカの資質」「飯倉はダメ、中澤劣化、ファビオも無理」分かりやすい説明、背景をみつけたがる

「人間は “起こらなかった事、起こるかもしれなかった事” は気付いたり評価するのは苦手」だし、物事を類型化して考察、理解、咀嚼したがる。それは脳ミソがそういう風にできてるから、ほぼ不可避。だから私はチームに対し思う「あんま深刻に意味を考え過ぎるな、ドツボにハマるよ」と

「CKから連続失点」もシーズン終えればリーグでむしろセットプレイからの失点数は少なかった。「シュート3本で3得点の富樫敬真」も、その後はゴールは生まれずシュート決定率は人並みの数値に下がっている。「偏り」は長い視野でみれば、母数を増やせば平均値に向かう――それがサッカーの真実だ

まあ「アタマで理解」しても、結果がでないと先述のように選手たちから能動的な姿勢や勇気を奪うし、分かっていても「しっかりやれよ」「オマエモナー」な空気はできちゃうので、なんとかしないとダメなんですけど。

でもやっぱ根本的な治癒法は「勝利」のみ。たがらハイ前向いて次、次! としか

ただ救いというか、あんま不安視してないのは先日から度々指摘した通り、エリク・モンバエルツに「そういった偏りを偏りと見抜く」「目先の結果や個人レベルのミスを、ミスと指摘しつつ重く受け止め過ぎない」成熟した思考法、メンタルを感じる部分。だからまあ、大崩れはしないだろう

甲府戦の小林祐三。前半は今日も今日とて相手陣内、ペナ付近で遅攻関与に実効性。前半45分、パンゾーとのワンツーで学が抜け出しGKと1対1の決定機。かつて「パンゾーは実直だけど遅攻関与がねえ」と嘆いたあの頃が懐かしい。素晴らしき小林祐三、そのバイオリズムは常にチームと裏返しw

コメント無し左SB下平匠。最近の下平匠には全く納得いかない。武器のはず「自陣から縦に入れるパス」「クロス」がズレるシーンが大杉。スピードの無さ守備の軽さが微妙に気になるだけ、チームにプラスアルファのクオリティを加えられてない。頼むよ匠、カイケを使い切る部分でもお前はキーマンだ

「自分も含めミスから失点する事が最近多く、マリノスのチームカラーとして有り得ない現象。シュートやチャンスも多いわりに結果(ゴール)が伴わない。なんとか改善したいと思うが、できてない」中町公祐

マチさんのコメントは普通。いつも無難。パンゾーみたいな捻りはなく、黒さも出さないから面白味に欠ける。まあそれはどーでも良いか。失点の「異常さ」は守備陣の皆さんと同様。シュート数やチャンスがゴールに結びつかないのは、まあ単純に前線のクオリティ不足でしょう(マチさん含む)

甲府戦の中町公祐。勝ってればマンオブザマッチになっていたマチさん。後半は受け身でシュートがバー超えるだけの通常運転も、前半は実にマエストロ。相手陣内に押し込む展開、高い位置で起点&チャンスメイク。この試合のタクトは俊輔から中町へ。43分、遠藤渓太へのループスルーパスはエレガント!

「(2点目のシーンは)キャッチさせないシュートを打てたので良かったと思う。学君があそこでしっかり決めてくれた。点に絡めたのは良かったが、勝ちにつながらなかったので悔しい思いしかない」喜田拓也

勝ってればマンオブザマッチだった2人目、喜田拓也。中町を高い位置で仕事させるため後方リスク管理しつつも、押し込む展開で「ここぞ」の場面では背後を捨てルーズボールや相手ボールホルダに食いつき、果敢にミドルを枠に放つ。インテンシティと知性、判断と勇気の融合。喜田の特徴がフル発揮の前半

甲府戦の喜田拓也。後半はチームが受け身になり良さも半減。リードする時間は多く、自陣ビルドでは圧力掛かるとパスがズレる。前掛かりでない展開でも実効性を示せるか、ユース時代から変わらぬ課題。ポジションと役割的に、やはりチームに落ち着きを与えたい。でも前半は秀逸至極、後半も及第点

何度も言うが、甲府戦前半の中町と喜田は、磐田戦の前から繰り返し指摘した不足「俊輔というリソースを前で使うため、俊輔を前に押し出すプレイ」ミドルサードより前でバランス取りつつビルド起点になる、1人はバイタルやエリアに飛び込む――プレイが高いレベルで実践された。素晴らしい手応え

甲府は、少なくとも磐田なんぞよりはずっと手応えあったし、クリスティアーノという戦術兵器も保有リスク管理はずっと難度が高かった。それでも、あれだけ押し込み遅攻て外と中を使い分けた。メインキャストは中町と喜田。俊輔や学が、バイタルのブロック内側で「受け手」に。これはスゲー進捗

「前半、マチさんからのパスに飛び出したシーンと、後半の俊さんからのパス。どちらかでも決めてれば勝っていただけに悔しいと言うしかない。俊さんから受けた時は時間がありすぎて、迷った末に右足で打った。狙いすぎてサイドネットにいってしまった」遠藤渓太

持ってねえなあ遠藤渓太! 持ってねえとしか言えねえ「時間と余裕がありすぎ迷って狙い過ぎた」もう知ってる知ってる! としか言えねえけど初ゴール童貞は迷ったらアウトだよな!「なんかよく覚えてませんが、気付いたら入ってました」みたいなのな! 別にシモの話じゃなくな!

甲府戦の童貞、遠藤渓太。俊さんのパスが丁寧過ぎたな! 2つの決定機、俺はまだ「そこにいた事、決定機に絡んでる事」を評価して全然OKな時期だと思ってるから「気付いたら入ってました」な日が、もうすぐそこだと信じてる。余裕とか視野とか、そんなの童貞捨てた結果の後に付いてくるもんだから

俺は全然シモビッチの話はしてないよ。いちおう女子高生の設定は捨ててないつもりだよ

だってお前らに聞くけど童貞が「余裕あるよ」とか「視野広くもってるよ」とか言ってそんなのホンモノの余裕や視野だと思うの? どう考えてもハッタリもいいとこだし、そんな虚勢は童貞こじらせるだけだろ。「余裕なかったです、視野狭かったです」いいじゃない、こじらせる不安要素が消えて

甲府戦の俊輔。ちょっと評価が難しい。後半は俊輔の守備運動量低下が、ほぼダイレクトにチームの受け身に直結。でも前半、地味な仕事で凄く飛ばしてたから。休憩挟んで終盤はまた決定機に絡んだし、局面では90%のキレ。連戦終えて、ボランチ2人が今日のパフォーマンス再現できた時、何ができるか

「今日こそ悪い流れを断ち切りたいと、前半の最初からアグレッシブにいった。先制した後もっとアグレッシブにと、前半途中から渓太とポジションを替えた。パンゾー君とのワンツーでCKを取って、自分のゴールに結びついたと思う。もっとアグレッシブな姿勢をチームとして出さなければ」齋藤学

学さんはコメントでも「アグレッシブ」連発。その姿勢は試合開始からチームからも、学からも伝わった。連戦の最後、メンタル的にもフィジカル的にも苦しい試合で、しかも日射しもある中でとてもアグレッシブだった。前半は、凄く伝わってきたよハーフタイム前に半泣きになるくらい

甲府戦の齋藤学。攻撃隊長は前半からアグレッシブに攻撃をリード。名古屋戦ではタッチ際に張り過ぎたキライも、今日は内と外の使い分けが絶妙。ボックス幅に入れるスイッチの縦パス、出し手にも受け手にも。攻撃を回し、自ら打開も、シュートも。ほぼオチャクラ全開。あとは自ら仕上げ切る精度と結果

甲府戦の学隊長はかなり異次元ではあったけど、まだまだ満足しないよ。もっともっと、試合を決めるゴールもアシストも。まだ出来る、もっと出来る。CK取ったパンゾーとのワンツーも、本当は1つ目で仕留めなきゃダメ。目指す上のレベルでは「次(CK、喜田ミドルこぼれ球)」は無いと思わないと

「コンビネーションは時間を掛ければ掛けるほど、良くなっていくもの。チームメイトも自分のやり方を分かってきてくれていると思う」カイケ

良くなってきているのか。信じていいのか。周りのカイケへの理解も大事だけど、周囲のチームの要求をどれだけ理解し、応えているのか。なぜ俊輔が毎試合のように、カイケに対し荒ぶって指示や修正の要求をするのか。投資は回収したいが、試合毎に少しずつ「損切り」の文字が脳裏で色濃くなるのも確か

甲府戦のカイケ。後半16分までプレイ。前半にエリア外からミートしきれないボテボテの枠内シュート1本、エリア内での枠外シュート1本。前半の前半は、学と2人「ボックス幅で少し引いて縦パス引き出す」絡みあったが、時間と共に攻守の運動量低下。現状、俊輔への負担も大きいと言わざるを得ない

まあカイケについては、エリクの判断に丸投げでお任せ(…いやまあ当たり前だけど)現実的な見極めを信じてる。そこら辺りのモンモンの「大人で」「ロジカルだけど、現実もしっかり直視し受け入れる」判断を信頼。実際問題、じゃあ伊藤翔さんや富樫敬真に全幅の信頼おけるかっつーと、それも無い訳で

凄くアレなGWトップのリーグ戦に終わったけど、なんか甲府戦の振り返りの途中から結構ポジティブになれたな。実際問題、手応えもあったし

アウェイ鹿島戦は、またフレッシュな気持ちで懐疑心なくチームを観ることができそう。虚勢でなく、ホント楽しみだ

※データ的な誤りの修正

飯倉の高さあるクロスへの処理関与

×キャッチ1、パンチ1
×キャッチ1、パンチ2

ちなみに前半パンチ2、後半キャッチ1