横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【全員の球際とトランジションへの拘り、俊輔のトップ下で見せた意地とキレ。最後の20分を耐え跳ね返すマリノスらしい強さ。 by 蒼井真理】 about [2015-J1-2nd-8] 横浜 2 v 1 鳥栖

aoi_mari.png蒼井真理



アウェイ鳥栖戦はお留守番。久し振りの大崎 FooTNiK。べつに新幹線に乗り厭きたのでも、蘇我に通い詰めて財布が軽くなったからでもなくて、明日の朝早くから行きたい場所があるからなんだよ本当だよ

アウェイ鳥栖戦スタメン

FW 伊藤翔
MF 学、三門、アデミウソン
MF 俊輔、中町
DF 下平、ファビオ、中澤、パンゾー
GK 飯倉

SUB:椋大、勇蔵、比嘉、賢星、天野純、淳吾、端戸

2連勝固定メンバから、ラフィが左太股前痛、喜田が脳震盪で離脱。1トップには伊藤翔ボランチには俊輔。ベンチには端戸や賢星の名前も。川崎との練習試合、3本目にも出なかった端戸がメンバ入りする厳しさ。でも、やり方を変える必要はないし「幅と厚みを作る好機」として欲しい

「名古屋戦、甲府戦と連勝して内容も良かったわけだから、今のサッカーを続けていくだけ。結果が出ることで自信になるし、自分たちが間違っていなかった証明になる」齋藤学

今の「前線4枚がポジションを入れ替えつつ、交互にウラ抜けを狙う」スタイルと、伊藤翔の相性は悪くないと思う。翔さんは昨季後半から「後方からのパスを半身で受けてウラ抜け」でGKと1対1になる、ストライカっぽい動きを凄く増やしている。あと何気にラストパスも出せる

来季、新たに「計算できるFWを1人、2人と獲得できる」保証はない。「伊藤翔がエリク横浜にとって、CFとして計算できる存在になるか」は大きな要素。ポジティブに考えなければならないし、ポジティブな結果をだしていかなければならない。

俊輔ボランチにしても同様。今はエリクの中で志向するスタイルとの差異が大きいオプションの1つかもしれない。しかし互いにイメージのすり合わせを行いつつ実戦を重ねる中で、適合性を高められれば――。11人のベスト布陣だけでは、シーズン通しタイトルを争う事はできないのだから

ピッチでスタイルに適合し、証明するしかない。自分の価値、実効性を。監督の志向、チームのスタイルを理解しつつ、その中に自分の特徴や強みを落としこむ。受け入れるべき現実は、受け入れなくては。――エリク横浜に、俊輔の望み求めイメージする「トップ下」というポジションは、ない

だが監督が最初にイメージした完成図や理想から離れた所で、チームのベスト布陣や完成されたスタイルに落ち着くのは、決して珍しい事ではない。俊輔がボランチとしてエリク横浜でも高い機能性を獲得する可能性はいくらでもある。だから、自分でその可能性を潰して欲しくない

『他にもっと賢い生き方があると解っていても、そこに背を向けたら自分の積み上げてきた全てが嘘になる』――俊輔にとって「トップ下のファンタジスタ」であろうとする事、人々を魅了し試合を決める存在でありたい、その思いでキャリアを築いてきた事は、それなりに理解しているつもりだけれど

――それでも、やっぱり俊輔とリーグタイトルが穫りたい。だから俊輔には、エリクのチームから弾かれて欲しくない。ボランチでも、積み上げてきたプレイビジョンや一瞬の閃きを活かして、チームに貢献し周囲を輝かす事で自らも輝く事は、きっとできると思うんだ

アウェイ鳥栖戦の注目ポイント

・メンツ変わり、前線の機能性を維持できるか
伊藤翔の使い方、その解は見えるか
ボランチ俊輔の機能性、実効性
・シンプルな、周りを助けるプレイであるか
中町公祐のマネジメント手腕
・左SB下平匠は俊輔の存在を得て輝けるか

鳥栖は――谷口博之がFW登録だけど、また早坂良太の1トップでタニは3CBの左なんでしょ?

試合前のコンコース、谷口博之水沼宏太が俊輔や中澤と笑顔で握手を交わすシーンに萌える

鳥栖は4バック、谷口博之はFWか

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おお今日もアデミウソンがスタートから憤怒モードだww

タニかあー。よりによってタニかあ。強えなあ相変わらず

マリノスは両CBからのロングフィード多め。鳥栖の狩り場で無駄に繋がないゲームプランか

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前半終了、横浜0ー1鳥栖。シュート6:5(枠内3:2、エリア内3:3)決定機2:3。CK&FK5:4。互いにソリッドで手堅くシンプルに相手の隙を窺う展開。マリノスは俊輔トップ下が一定値の機能性を見せるも、前4枚の距離感と密度、連動性が今ひとつ。厚みがなく、やや単発で淡白

トップの伊藤翔も、トップ下の俊輔も、両サイドの学とアデミウソンも、それぞれ単体では良いパフォーマンスを見せている。時折、2人の連携プレイもある。しかし4枚での連動性、出し入れ、有機性、厚み、3人以上が絡むコンビネーションがない。接着剤の不足

俊輔のトップ下は、清水戦とは別物て良いと思います。サイドにはながれるけどズルズル引いてこないし、一瞬引いて受けても叩いて前に入っていく。14分にはエリア内で決定的なヘッドも。起点のパス、良質のクロスも供給。あとは、周囲との絡み。サポートに入るタイミング

さて後半、誰が不足する「接着剤」役を務めるか。三門がポジションを上げるか、藤本淳吾か。あるいは俊輔や学、アデミウソンが一瞬の閃きや個の力で打開してしまうか。チームの厚みや幅という意味では、前者に期待したいが

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良いターン! 俊輔、かなりキレももどってきたなあ

ただあれを、サイドでなく中でも見せられれば。開いたら、三門か中町が開けたスペースに入ってかないと厚みは出ない

下平匠かあ! そこで上がっていたか! 素晴らしい中への入り込みと絶妙のスルー! そして伊藤翔の右足! エリア外から強烈に一閃!

下平匠、俺は本当に大好きだ

これは面白い試合になってしまっている

鳥栖豊田陽平を投入。マリノスは4バックの強度の見せ所

中継映像では、前半途中から学が消えてしまっているのだが実際のところどうなんだろう

俊輔の右CKから、ニアで問答無用にファビオのヘッド! これはどうやっても止められん! 絶対的なセットプレイ。俊輔、逆転ゴールをアシスト!

今日の鳥栖は、強い。この鳥栖に、このメンツで逆転勝利する事は破格の価値がある。残り20分のゲームの作り方は交代を含めとても難しいが、勝ち切って欲しい…!

アデミウソーン! 林は良いGKだ

さあ誰が呼ばれたかなー

俊輔⇒藤本淳吾。俊輔お疲れ!

少し引き気味、もう少しミドルサードで制限と圧力かけたいけど、ブロックの作りは悪くない。学と藤本淳吾に、決定的な3点目に絡む仕事を期待したい

勇蔵を入れて5バックか

88分で、もうGKの林が上がるのかw

飯倉! 飯倉大樹! よく止めた

飯倉! 飯倉! 飯倉!


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試合終了、横浜2ー1鳥栖。ラフィと喜田、兵藤も欠く厳しい布陣で、本来の強度を取り戻しつつある「強い鳥栖」に逆転勝利! 全員の球際とトランジションへの拘り、俊輔のトップ下で見せた意地とキレ。最後の20分を耐え跳ね返すマリノスらしい強さ。勝点3以上の価値ある、極上の勝利!

私的マンオブザマッチ飯倉大樹。89分までは該当前者なし「全員の勝利」だったが、ATに連続的に見せた2つの決定機阻止。その価値は計り知れない。勝ってこそ、結果が伴ってこそ意味がある。飯倉らしい反応とシュートストップ。本当に良い仕事をした

私情まるだしで言えば、伊藤翔のスーパーミドルを引き出した下平匠の絶妙な内への入り込みとスルー、後半22分のシュートブロックを高く評価して欲しいところ。俺は下平匠が大好きだ

俊輔、トップ下の中村俊輔ボランチの位置まで下がらない。サイドに流れ起点を作り、キレある切り返しで縦に仕掛けたり良質クロス供給したり。時折、ブロック内で受けるシーンも。逆転ゴールのピンポイントCKは、俊輔ならでは。俊輔らしい、強い拘りと意地、矜持を示した

伊藤翔、素晴らしき同点弾。開眼しつつあるウラ抜けスキルは前半5分の決定機のみ、やや孤立するシーンも多かったが、ストライカとして代役以上の立派な仕事をした。でも、伊藤翔はもっと使い方次第で彼の良さを引き出せる。可能性も残した上での大仕事

中町と三門は、やや攻め上がりを控え鳥栖のカウンタをケアしつつミドルサードで球際の強度とトランジションというエリク横浜のスタイルを忠実に再現、鳥栖に勢いを与えず。中澤とファビオは跳ね返す強さを示し、最後は勇蔵も加え「マリノスらしい」跳ね返すブロックの堅固さを見せ、リードを守った

名古屋戦、甲府戦の「エリク横浜の完成形」を思わせるカチッとハマったメンツでない布陣で、それぞれが責任感と特徴を発揮して、マリノスが伝統的に持つ強みも示しての逆転勝利。名古屋よりも甲府よりも、鳥栖は強かった。本当に大きな意味と価値ある勝利

手元トータルスタッツは、シュート13:12(枠内9:8)決定機5:5。CK&FK7:11。展開的にもスタッツ的にも、拮抗。「どちらかが2ー1で勝利」が妥当なゲームを、強かに逆転勝利。ラスト20分を「守りきる」と割り切り、それなりにカウンタの好機も得ながらリードを守り切った

鳥栖戦の2ー1は、本当にいろんな意味で大きな価値がある逆転勝利。3連勝。本当に強いチームは、主力の欠場などマイナス要素すらもプラスの上積みと結果に繋げる。否そうでなければ、リーグタイトルには届かない。戦前の期待以上、良い勝利だった

過去2戦の出場試合ではなかった俊輔の試合後コメントが、本当に楽しみだ

遠くベアスタまで赴いたマリサポの皆さんにおきましては、谷口博之のヘッドも含め全ゴールを眼前で見られて大勝利なアウェイ遠征でしたね! お疲れさまでした。良い祝勝会を

「予想していた通りフィジカル的にタフな、非常に難しいゲームだった。我々のプレイを出すためにはボールの奪い合い・球際のファイトで相手に負けないパフォーマンスが必要だった。それを示してくれた選手たちを称えたい」エリク監督

「(終盤は)押し込まれたように見えるかもしれないが、2つのチームが違うやり方で互いに攻撃をしていた。つまり我々はカウンタを使って、より大きなチャンスを作った。確かに最後の5、6分はセットプレイで危険なシーンもあったが、少し引いてリードを守る戦い方を選択した」エリク監督

――今日の鳥栖戦、エリクはたぶん明確に「自陣では無理につながない」「リスク感じたら前に蹴り出す」ゲームプランを選手たちに授けていたと思う。1つは「自ら好んで鳥栖の土俵で勝負しない」ため、2つには「俊輔を中盤で起用するリスクを低減し、高い位置でプレイさせる」ため

鳥栖は、J1昇格時から少しずつプレイゾーン、ブロックの高さを上げて「堅守速攻」から「ミドルサードでガチャつかせハーフカウンタ」色を強めている。鳥栖を相手にハーフウェイ近辺で繋ぐ、プレイ時間を増やすのは余程ビルドに自信がなければオススメできない。そこは彼らの強み、狩り場

そして自陣ビルドが上手くいかない、詰まったり引っかかったり前に進まず味方が困ると、俊輔はどうしてもボランチの位置まで引いてくる。だから、その2つの理由とリスクから、おそらくエリクは「自陣では無理につながない、縦ポン」を徹底させた

もちろん、ミドルサードでの攻防・球際の戦い、セカンド奪取戦は試合になれば不可避。そこで負け続けると鳥栖ペースになる。だからそこで「相手に負けないパフォーマンスを」求めた。しかし、自ら望んでソコで戦う・プレイ時間を増やさないゲームプランを選択。これは実に賢明だったと思う

ある程度ビルドを放棄し縦ポンを多くしたため、攻めの単調さと伊藤翔の孤立は否めず。しかし、それなりに効果的ではあった。鳥栖は昔よりブロックの高さを上げているため、DFラインも高くなる。縦ポンで狙う「ウラ」のスペースがあり、放り込まれる度に、DFラインは上げ下げ対応を迫られる

自陣ビルド、ハーフウェイ近辺でのガチャつきを望まなかったのは、鳥栖の土俵であると同時に、マリノスの苦しいベンチ事情もある。喜田の不在、そしてベンチには誰一人として中盤より前でインテンシティ・ハードワークの強度を回復させられる選手がいない。消耗戦は、避けたかった

平時ならば「中盤より前は90分保たそうと思うな」でインテンシティ! トランジション! ハードワーク! で適宜、伊藤翔なり兵藤あたりを投入して運動量と強度を補充するのですが。天野純、端戸、中島賢星では…

「なんで終盤あんな押し込まれて、アデミウソンもヘロヘロなのに交代枠を残す!」という批判もありますが、答えは明白で、アデミウソンの方が天野純や端戸や賢星よりキープできて前に運べてカウンタできるからです。実際、終盤も何度かシュートまでは至ってます。何より「失わず前に運ぶ」が大事

スタメンはともかく、夏場だというのにガチムチなフィジカル勝負に持ち込もうとする鳥栖を相手にまともなベンチメンバがいない。エリク横浜のスタイルの範疇で、この難しい局面を如何に乗り切るか? 鳥栖戦でエリクが示したゲームプランと交代策は、理に適った秀逸なものであったと思います

・自陣で無理に繋がない
鳥栖のDFラインの背後に縦ポン
伊藤翔は走って死んで
・ハーフウェイ近辺での消耗戦を避ける
・避けつつ、球際では絶対に負けない
・最後は勇蔵を入れて徹底的に跳ね返す

ほぼほぼエリクのゲームプランと想定内で展開は動いたのかな、と。想定外の、より即断を求められる展開での戦術指揮官としての冴えはまだ感じられないものの、理詰めで望んだ展開に導く手腕は有る監督かも

エリクは試合後の会見で、この辺りのゲームプランとか意図をあんま喋ってくんないから妄想になるけどね。樋口さんは、ほとんど全部隠さずペラペラ喋ってくれたけどなあw まあ妄想するのも楽しい。あと会見に参加する記者さんはもっと突っ込んだ質問を…!

ああ、単純に「芝、ピッチコンディションがよくなかったから」という理由もあるのか。ロングボールを多用したのは

「今日は、“強い時の鳥栖” に勝てたと思います。相手の圧力とかそういうものを感じたし、やることが徹底していて、球際も強かった。そういう鳥栖にアウェイで、この悪いピッチ状態で勝てたのは良かったんじゃないかなと思います」小林祐三

パンゾーの物事の見方、捉え方、思考パターンはなんか時折すごく近いものを感じる

「今日は、飯倉くんが全てです! どっちが勝ってもおかしくない試合でした。僕らが2点取って、鳥栖が1点しか取れなかっただけ。克服すべき問題は、まだまだあります」中澤佑二

「どっちが勝ってもおかしくない試合」「僕らが2点取って、鳥栖が1点しか取れなかっただけ」中澤さんの言は正しく、どちらかが2ー1で勝つ試合展開だった。でも、そういう試合で勝ち切るのって本当に本当に大事で意味があるから! サッカーの勝敗は50%運だし。上手く次に繋げないとね

逆転の決勝ゴールをアシストしても俊輔のコメントはないのか。モヤモヤしてんのかな