横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【「ぶっつけ本番」5ー4ー1は、それなりに堅固でソリッド。シンプル明瞭なタスクで混乱はなし。だがゲームの質は低かった。 by 蒼井真理】 about [2015-J1-10] 横浜 2 v 0 名古屋

aoi_mari.png蒼井真理



名古屋戦スタメン。GKは哲也でなく飯倉。哲也はベンチスタート。2012年12月1日ホーム鳥栖戦以来、2年半振りの飯倉大樹リーグ戦スタメン出場

■名古屋:故障者リスト
レアンドロ・ドミンゲス
田口泰士
本多勇喜
大武峻
野田隆之介
青木亮太

2週前のナ杯対戦時のスタメンからCB6本多勇喜、右WB19矢野貴章が外れ同ポジにDF3牟田雄祐、MF35田中輝希が先発。ボランチでMF8ダニルソンもスタートから

■横浜:故障者リスト
中村俊輔
ラフィーニャ
伊藤翔
矢島卓郎
栗原勇蔵
奈良輪雄太
仲川輝人

「今季もチーム得点王」伊藤翔、「俺たちの秘密兵器」矢島卓郎が仲良く負傷でベンチ外。ラフィが「太腿裏に違和感」またスぺ発動。アデミウソンの1トップ、端戸仁が今季初ベンチ入り

俺の中で矢島さんのキャラは完全に「ダイナマイト四国」で定着

「矢島さんの稼働限界は1か月に5分間だけ」とか全然シャレになってなかった。いつだって現実は虚構を上回る。ラフィーニャも残念ながら、開幕前の懸念通りスぺ体質キャラで定着しつつある。本当に残念ながら

ラフィーニャ伊藤翔矢島卓郎の3トップ」夢の3トップを期待したら、ぶっつけ本番3バックだったでござる

スタメンから兵藤慎剛が外れ、三門雄大富澤清太郎中町公祐の3人が同時に先発に名を連ねるという事は、まあそういう事なんだろう。中町が右SH? そっちのほうが伏線もなければ説得力もない

今日もキックオフ1時間前にスタジアム到着。前回のホーム広島戦よりは、賑わっている感じかしらGW最終日

明治安田生命J1リーグ1stステージ第10節、横浜F・マリノス(勝点11・11位)vs名古屋グランパス(勝点14・6位) 暑くもなく寒くもない良い天候。ゴール裏の前ではウルトラマンショー

今日のマッチデイプログラム表紙は「存在の耐えなれない軽さ」ベンチスタートの兵藤慎剛、添付の選手カードは負傷離脱でメンバ外の伊藤翔。まあスタジアムでの配布物は、大概こんなもんだよ!

「客観的に見て、自分が何をすべきか整理されている。今は高い位置でボールを待っていてもプレイに絡めないので、少し下がったところからゲームを作るプレーも必要」齋藤学 EXP名古屋戦前コメントより

ああ、やっぱりね。学の中では「ミドルサードで、ショートカウンタ以外で攻撃のスイッチを入れる選手がいない」「俺がやらなきゃ」な自負と責任感あった上での今のプレイセレクトか。本人が「整理できている」と言うのなら、何も言うまい

2012シーズンの小野裕二がそうだった。自らに大きな責任と、端から見てて抱えきれないだろうと思える程の幅広いタスクと仕事量を課し、それでも「整理できている」と言った。練習中からの取り組む姿勢も変わり、目の前の小さなつまずきにイラついたり腐ったり落ち込む事もなくなった

「ああ、彼はより明瞭な、具体的かつ大きな目標を得たのだな」と思った。そのシーズン終了後、小野裕二マリノスに多額の移籍金を残し欧州へと巣立って行った

今季の学も、おそらく2012シーズンの小野裕二と同じように「明瞭な、具体的で大きな目標」を持ち、そのために日々の取り組みをブレずに続けている。体重を軽くした事、サイドに偏らず中央でのプレイ比率を高めた事、ミドルサードで起点となるタスクもこなそうとする事。学の中に、確かな意味がある

であれば周囲が「たかが1試合ごとのパフォーマンスやタスク判断」で、あれこれ指摘しても意味がない。そもそも頑固で可愛げのないひねくれ者の学が、そうそう周囲の声に耳をかしたりするものか! 自分で自分の事を決められる選手だけが、自分の道を切り開いていける

だからマリノスと学のファンの皆様においては、学の挑戦、今は語らないけど大きな目標と彼が描く自らの理想形への歩みを、疑わずガタガタ言わず見守り応援してあげてください。…俺はあれこれ思ったままに無責任に呟き続けるけどねw あんまそういう雑音に、影響されないでください

ファビオと富澤、三門、中町が同時にスタメンである事から、おそらくスタートから「昨日1日しか練習してない」3ー4ー3を採用してくるものと思われる。ミラーゲーム。名古屋と同じシステム、というだけでなく「対面の噛み合わせ」がカチッとハマる。おそらく、そこに大きな意味がある

「ぶっつけ本番」なのは、この際そんなに大きな問題ではない。マリノスの選手たちの特徴、傾向を考えると、大事なのは準備期間よりも「与えられたタスクがシンプル明瞭であるか」 対面が噛み合うミラーゲームに持ち込む事は「少しでも高い位置で奪うため」あるいは良い効果を生むかもしれない

「マンツーマンでなくかなりゾーン寄りで、バイタルに穴を空けるのを嫌う」エリクの志向的に、対面を噛み合わせる意図がどこまであるのか読み切れないが…。まあ、試合を観て読み取り、試合後の会見で答え合わせだな。あんま先入観もっても仕方ない

なので今日のホーム名古屋戦のチェックポイントは無し。ボーッと観る、あるがままを眺める

ホーム名古屋戦、間もなくキックオフ! サッカーはシステムだけでやるもんじゃねえ、大事なのは勝ちたい気持ちを出し切る事だ!

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マリノスは戦前予想通りの 3ー4ー3。ボランチに三門と中町。名古屋に対しミラーゲームを挑む

対面をカチッと噛み合わせる「ミラーゲーム」意図じゃあねえな。守備ブロック形成時は、完全に5バック。ミドルサードで奪う狙いは、かなり捨てたゲームプランか? 攻撃時は、SB(WBではない)もボランチ、あるいは右CB富澤も、かなりオリジナルポジションを崩し相手陣内で遅攻関与

8分の右スミを突いたアデミウソンのシュートも、バイタルから縦パスを入れたのは学

学、素晴らしい。結果出したな!

これはアレだな、双方がボール握って押し込む際も、自陣で守備ブロック作る際もそこそこ人数かけるスタイル、ゲームプランたがら、互いに「自陣で奪って前にガッと出る」迫力、ロングカウンタに見所と楽しみがある、一見さんにも分かりやすいGW最終日に相応しい展開になりそう


自陣の守備と奪って最初のビルドが、相当バタバタしてるなあ。なんとか誤魔化し凌ぎたい

パンゾーはマンツーマンではないが、かなーり対面する名古屋の左WB11永井謙佑をケア。逆に遅攻時は高い位置取りをする事で、永井を自陣深くまで下げさせる狙い。今日のパンゾーは、地味に良い駆け引きと働きをしてるので要注目

45+1、アデミウソンがカウンタ突破から名古屋の右WB35田中輝希を退場(警告2枚目)に追い込む。これは勝ちゲーム

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前半終了、横浜1ー0名古屋。シュート5:3(枠内4:1)決定機1:0。「ぶっつけ本番3ー4ー3」もシンプル明瞭なタスクで堅実に機能。前半唯一の決定機をアデミウソンが決め、相手に退場者を出させて折り返し。名古屋に自ら打開する力は無い。これは確実に勝ちきりたいゲーム

マリノスの3ー4ー3は、守備ブロック形成時は実質 5ー4ー1であり、重心を下げた事でミドルサードでも奪いに行かない。ここはエリクの哲学に忠実。サイドに押しやり「ミス待ち」あるいは「クロスを上げさせ、中で跳ね返す」とても受動的なプラン。でもマリノス、伝統的にこういうの大得意

名古屋は「好調」だの「強力攻撃陣」だの言われるが、自ら打開するアイデアや組織の力はほぼ皆無。基本リアクション、相手が自分から穴を開けてくれないと、得点はカウンタとセットプレイ頼み。矢田旭は良い選手だけどね、まだ中心となって仕切る立場にないから

なので1点リードし、1人多いマリノスは後半も、傍目には退屈で志の低いサッカーであろうとも「自ら穴を開けない」事に徹し、結果に拘れば良い。そうすべきだ。どうせ「ぶっつけ本番3バック」なんだし。まず内容より結果。永井謙佑川又堅碁をケア。あと勿論、闘莉王の攻撃参加な

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また学だよ、決定機を作ったのは。アデミウソンはなんで狭い方へ行ったかなあ。決めろや

パンゾーのクロスから中町ゴールとか、薄い本の職人さんにはたまらないタメ押し弾だな。そうダメ押し。試合の趨勢は決まった。でもラスト10分までテストとか出来んよ? そんな余裕はございません

後半35分、中町⇒喜田。手堅い! 得点し下がる中町に対し、エリクは通訳を交えつつも中町の肩を抱き、ご機嫌を損ねぬようにケア

危ないな、少し矢田旭に自由にやらせ過ぎだ。マリノスさん、期待の若手に覚醒のきっかけ与えるの得意だからなあ…。鹿島の土居聖真とか

淳吾なあ。この巡ってきたチャンス、名古屋相手で、相手1人少なく足も止まった展開でコレか。この程度のパフォーマンスか。厳しいなあ

あの下平匠のシュートも、さかのぼると起点は学からパンゾーへのスイッチ

懸念の名古屋のキーマンになりつつある矢田旭は、喜田パイセンがケアしてガッツリやっつけてくれてます。流石に機微を心得てますね、喜田パイセンは

後半30分、藤本淳吾⇒兵藤。あー、ねえ

2点リードだし端戸を試そうぜ! とか言う人はサッカーを知らない人

もう時間と展開的に、あと次の試合を考えると両SBパンゾーと下平匠は自重してもよい頃

結局、攻撃のスイッチを入れられるのは学だけ。アデミウソンもなあ… アクセント役、スパイスとしては秀逸なんだけど

別に今日の学が、超絶スゴい訳でも実効性高いプレイを連発してる訳ではない。ただただ、他にやる選手がいない

後半39分、アデミウソン端戸仁。エリクから1分余分にプレゼント。さあこの短い時間でも、とにかく結果!

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試合終了、横浜2ー0名古屋。トータル決定機4:1。妥当な勝利、効率よいスコア。「ぶっつけ本番」5ー4ー1は、それなりに堅固でソリッド。シンプル明瞭なタスクで混乱はなし。だが名古屋の疲弊消耗は明らかで能動性が皆無、ゲームの質は低かった

マンオブザマッチ齋藤学。縦突破からクロスで先制点アシスト、ダメ押し2点目でも起点。ほぼ全ての決定機とシュート、チャンスが学が起点。彼を経由しないと何も起こらなかった。特別にパフォーマンスが良かった訳ではないが、少なくとも今日のチームにおいては、完全に別格の存在

学以外に、観るべきものの少ないゲームだった。2年半振りリーグ戦スタメン飯倉大樹は、後半に唯一の名古屋決定機をセーブしたけどね。ビルドではあんま見せ場なし。…心なしかメインスタンドに挨拶する選手たちの表情もイマイチ冴えない感じ

ヒーローインタビュは、ゴールを決めたアデミウソン中町公祐。うーん2人もあんま、テンション高くないなあw まあこの内容でアゲられてもなあ

「(自身の得点を振り返り)僕の技術が詰まったスーパーゴールでしたね」「今日の勝因? 僕の2点目じゃないですか」中町公祐 ヒーローインタビュにて

「チームはまだ色々なチャレンジを続けている最中で、上手くいかない事もたくさんありますけど、選手みんな頑張っていきますので皆さんも一緒に応援お願いします」中町公祐

やっぱ選手たちも、モヤモヤしつつ「それでも前に」なんだろうな。連戦中は、なかなか修正する時間もないしね

とまれ結果が出る事、勝点3を積むのはとっても大事、価値ある事。いつだって「勝って反省するのが一番」。勝ってもモヤモヤする今日みたいなゲームもあるけど、そこはまた次に繋げよう。5月は後半もまた連戦になるけどな…

学のシュートはゼロ。ダメ押し2点目シーンでは起点になりつつ、パンゾーのクロスにはファーで良い位置にいたけどね。あと後半5分の縦ドリドリエリア侵入は打ちきれず。まあ今のチームでは「こんなサッカーしかできない」し「俺がスイッチ役やんないと」って割り切りだと思うよ。うーん

別に学を激賞してるわけでも、コレで良いと思ってる訳でもないんだけどな。伝わらねえなあ。まあ色々モヤモヤするけど、学が自分でコレと決めてやってるんなら、それでいいと思う。頑固だから周りが何を言っても無駄だしw


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東神奈川のドトールで、モヤモヤと今日の試合を振り返ったり、学について考えてみたり。とりあえず監督と選手のコメント待ち

スタジアムからの帰り道、久し振りにS君と会って少しお話できたのは嬉しかった。スタジアムに知人は多くとも、ディープな話ができる(つーか俺のネガティブな話を聞いてくれる、その中身を正しく理解してくれる)人は3、4人しかいないから…。次の機会には長時間、俺の愚痴を聞いてもらいたい

考えてる事を話すと自分の思考が整理されるし、受信能力の高い人と会話してるとその中で自分だけの思考では至らないナニカがズルリと引き出され言葉となり、新しい思考に至る事がある。他者の意見に直接左右される事が少ないだけに、それは自分にとって凄く貴重な時間

今日の選手入場時のビッグフラッグ掲出も、広島戦に続きなかなか凝ったギミックだった。先に教えてくれてれば、またメインスタンドから動画撮っておいたのにw ゴール裏1階はフラッグが多くて、民衆の歌からとても美しかった

「今日は内容も非常に良く、我々が勝利に値したと思います」エリク監督

ーーさあ答え合わせタイム。「内容も非常に良く」か。まあ、名古屋に勝機は薄く、勝利に値したのは間違いない。試合は常に、結果も内容も相対的なものだ

「(3バックを採用した理由は?)まず1つは、(連敗の中で)何かを変えたかった。そして2つ目は、サイドに選手が張りだしてくるチームに対し、前向きに守備をしたかった。1対1をアグレッシブにできたし、そこでの勝負に勝ち、先制してからは更に前にスピードを持ってプレイできた」エリク監督

「(3バックはオプションか?)Jリーグには同じような(3ー4ー3やその亜流)やり方をするチームも多い。我々の 4ー2ー3ー1だけでは後ろに下がりながらの守備が多くなってしまう。“前向きに守備をする” ために、相手に応じて今日のシステムと使い分けていければと思う」エリク監督

「名前は挙げないが、何人かの選手は今日のシステムの方が、より自分の長所を出せていたと思う。前向きにプレイし、より攻撃面で自分のスピードを生かす事ができていた」エリク監督

まあ、明らかにパンゾーの事だわな

試合中にも指摘したが、今日のパンゾーは対面の永井謙佑を自陣ブロック形成時はケアし、マイボール時は高い位置取りで牽制。パンゾーらしい理詰めの駆け引きで、永井にほとんど仕事をさせなかった。あと5バックだと思い切って前に出られる。確かにパンゾーの良さは「分かりやすく」出るね

ただこれは俺の妄想だけど「理屈っぽい小林祐三」としては多分、「それは表面的な見方であって、チームも自分も3バックも4バックもそれぞれ一長一短で」「自分としても見えにくいかもしれないけど、4バックの時も(ロジカルな動きで)特徴を出している」…って考えてると思うよw

つまり「3バック(実質5バック)の方が、パンゾーは良さが出る・輝く」って安直な評価をされるのは、きっとパンゾーは嫌がるだろう、と

4バックで相手陣内に押し込んだ際の被カウンタ、不可避で出現する(そしてエリクの嫌う)「下がりながらの(特に同数や、数的不利な)対応」でこそ輝く、小林祐三のクレバーな守備、ポジショニングとかもあるからね

ただ現状の「遅攻のスイッチがなかなか入らない」チームにあって、パンゾーと下平匠、両SBの攻撃参加を促す、彼らの特徴をチームに落とし込む(被カウンタのリスク管理しつつ)という意味では、今日の5ー4ー1はオプションの1つとして効果的である事が、少なからず実証された

ただそれも「3バックだから、4バックだから」「どちらが優れる」という二元論は馬鹿ばかしい。お杉じゃあるまいし。自陣ブロック形成時と遅攻時は、形も変わる。オリジナルポジションに、そこまで大きな意味はない。例えばミシャ系も、遅攻時は 4ー1ー5になる…

今日の5ー4ー1も「ミドルサードでは奪い所を作れず(※正確には “作らず”)中を切ってサイドに追い出し相手のミス待ち、クロス上げさせ中で跳ね返す」で、ロングカウンタが主体となっていたのは確かであり。先制されるとスゲー厳しいプランなのは間違いない

まあそれでも「浦和戦、その反省が何も生かされなかった広島戦」2つの敗戦を受けて、1つの解を示せたのは好感。選手たちは(試合後の表情から推察する限り)主体的な「奪いに行く」守備がほぼなかった事に、少し違和感なり不満もありそうだったけど。この辺はこれからのすり合わせ&使い分けだね

「システム変更で役割がハッキリした。後ろにカンペーさんがいるので、僕は余計な事を考えずライン際を守ることができた。だからといって、コレが正解だとは思わない。あくまで1つの形。これからやらなきゃいけない事は山積み」小林祐三

パンゾーのコメントは、引用した部分に限らず想像していたものに非常に近かったw 実にパンゾーらしい

試合後の選手コメントは、やはり「5バックの方が守備は分かりやすい」「役割がハッキリする」「誰が誰にマークに行くか明瞭」といったものが多い。ぶっつけ本番でも「個々のタスクを明瞭にすれば」選手が責任感を発揮し、チームとしてまとまる「マリノスらしさ」が出た印象。概ね、戦前の予想通りか

「今日はサイドに張るより、中で関わるのが自分の役目だった。自分がスイッチになって、何度も前に行くシーンが増えた。他の選手とも色々な形で関わる事でバリエーションは増えるし、コンビネーションも良くなると思う」齋藤学

戦前の解釈では、今の学は「打開、フィニッシュだけでなくミドルサードでのスイッチ役も」なチームに対する責任感と自負、「あれもこれも」な向上心の顕れだと思っていた。今日の試合後コメントに「でも自分にゴール、シュートがなかった」課題指摘もあると思ったが…。まあ語る事が全てではない、か

「試合に入って、一歩ダッシュした時、“こんなにもゲーム体力がないのか” と思いました。ヤバいです」端戸仁

エリクになって今季はまともな練習試合も組まれないからなあ。普段ベンチ入りできてない選手たちは、意識して自分で日々のトレーニング+自主練で追い込み準備しないと…

エリクが準備期間1日で新システムを採用した事に否定的・懐疑的な意見もあるが、好意的に解釈すれば、今のエリクはまだまだ「諸々様子見、テスト、素材集め」な時期に見える。チーム内外が自分に対し「期待半分、疑い半分」なのも承知の上、最初から「自分のカラー、主張」を押し付ける事なく

嘉悦&下條の「樋口マリノスをベースとし、ブラッシュアップを」との要請を “表向き” 受け入れ、スタートは大きな変化を加えず「ベースとなる意識、メソッドの落とし込み」から。少しずつ様々な選手とシステムや戦術を試し、先入観を排し「理想形」を見つけるための材料集め。結構のんびり達観

あくまで好意的な「こうであったらあいな」なポジティブ解釈ですが。ただ今まで見てきた中でも、経験ある監督は「そういう手法」を採るケースが多かったように思うので

つまりスクラップ&ビルドに際し、丁寧に時間かける。前監督の仕事やそれまでの主力に敬意を払い「外国籍監督である自分が、急激な変化を与えては少なからず軋轢やリスクが生じる」という慎重さを、始動からここまでのエリクの手法に、そこはかとなく感じる

なので、今「目の前の1つひとつの試合」の結果と内容で評価しても、あんま意味ないのかなと。少しずつエリクの趣味なり志向・思考を読み取り推察して、シーズン通し「流れ」として「ああ、コレがやりたいのね」を、少しずつ理解するのが、より適当な新監督の楽しみ方ではないかしら

近年のマリノスは、幸いにも「そういう楽しみ方」ができるクラブになりつつある事ですし。例えば大宮のサポータなんかは、こういう視点でチームを見守る事、そういう楽しみ方は(現状)絶対にできない訳で

「連戦を言い訳にしたくないが、今日は選手全体の動きが今シーズンで一番重かった。連勝している状況で気分的には軽いかと思ったが、ピッチの選手からは試合開始から重さを感じた。その上で、(退場者を出し)数的不利な状況も自ら作ってしまった」西野朗 名古屋監督

「後半は、(1人少ない中で)0-1で凌ぎ最後に仕掛ける考えがあったが、追加点を許してしまった。その後もペースを握れず、反攻するためのパワーも足りなかった。疲労がある中で数的不利な戦いとなれば、行くべきところでも行けないゲーム展開となった」西野朗 名古屋監督

「前節に続きアグレッシブな守備から前へ仕掛ける、名古屋の今のベースとなる機動力・運動量を生かした戦いを考えていたが、それが出せなかった。0-1で凌ぐサッカーをもっと厳しく出す必要があった。今は選手に強い要求を出せないが、立て直して次の試合に向かいたい」西野朗 名古屋監督

「今は選手に強い要求を出せないが」西野朗の言葉に、名古屋の厳しい内情が表れている。マリノス同様、名古屋も離脱者が多い。今日の勝因の1つに「名古屋の不出来、チーム全体のパフォーマンスの低さ」があった事は否めない。“どんな状況の時に対戦するか” は、リーグ戦で小さくないファクタだ

この事も、私が短期決戦のリーグ2ステージ制を嫌う大きな理由の1つなのだが。審判のジャッジ(誤審)など、様々な不確定および運・不運の影響が強い要素が、リーグタイトルの結果をより左右してしまう

凄く後ろ向きで情けない発言になるが「あのタイミングで浦和とはやりたくなかった」。順番としては、まず広島とやって「適度にボールとサイドを支配されて、自分たちの強みが出ない」経験しつつ引き分けに持ち込み勝点1を拾って、間隔あけて修正する時間を得た上で、浦和とやりたかったw

Jリーグ経験ない(※敵も味方も強み、弱み把握しきれてない)新監督で負傷者続出、シーズン前半の中2日、3日の連戦続きはマジ厳しいッス! 言い訳じみてますが、正直「まあ勝点拾えてる方かなあ」と。やっぱ年頭に考えてた通り、本当の勝負は2ndステージから(…もしかしたら来シーズンから)