横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【守備の集中力、能動性は高く、攻撃の形も1トップの絡め方に僅かながら進捗も見られたのだが。 by 蒼井真理】 about [2014-J1-10] 横浜 0 v 1 浦和

aoi_mari.png蒼井真理


「ターンオーバできるところはしないといけない」樋口監督、有言実行。SBは奈良輪とドゥトラ。富澤が出場停止のボランチに小椋と三門雄大。2列目に俊輔、藤本淳吾、兵藤。1トップは藤田。パンゾー、中町、学、伊藤翔はベンチスタート。かなり思い切った

学をベンチに置いたのは「チームの得点力不足→先制点は与えたくない→前半は我慢→後半勝負」の思惑もあるか。…私的には「先制点」に拘るのは自縄自縛、本来目指すべきを見失うリスクが大きいと思うが。上手くいけば明確なゲームプランになる。ただ先制された時、消沈し反発できなくなる危険も

とにかくリーグ序盤の「ベスト布陣」になかった奈良輪、ドゥトラ三門雄大、小椋、兵藤、藤田らの奮戦を期待したい。彼らが存在感を発揮し勝利すれば、チームの雰囲気はプラスに一変する可能性もある。何よりチーム内の競争意識が高まり、個々の不満や不安をどうこう言う空気でなくなるからだ

大きな賭けではあるが、ここで起用しなければ三門雄大など何故獲得したか分からなくなる。過去の実績ではない。今日この試合で、チームの勝利に貢献できる選手たちがベストメンバだ。存在意義を、自分の力を示して欲しい。皆、モチベーションは高いだろう

ここまでリーグ戦の先発起用に恵まれなかった選手たちへの期待と別に、この試合でスタートから注目したいのは藤本淳吾と俊輔の位置関係、役割。ガス戦の後、監督会見やレビュー記事でも誰も突っ込んでないのが謎だが、あの試合はほぼ一貫して藤本淳吾が中央、俊輔はサイドでプレイした

ガス戦、トップ下の藤本淳吾は、前半は1トップの藤田との距離を詰め、後半も相手守備ブロック内で受ける&ブロック内に入れるトライを繰り返した。それは俊輔が不得手とするプレイで、今季の俊輔トップ下よりもチームにリズムとアクセントを生み出し効果的で、攻撃をリードしていた

俊輔は前半から、基本は学とサイドを時折入れ替えつつプレイ。相手のマークを引き連れ淳吾や学にスペースを提供したり、引いてビルドの起点になったり、時折アクセントのパスを出したり。それらは効果的で中央の藤本淳吾との関係性も悪くなかったが、やはり窮屈で、何より楽しそうではなかった

あのガス戦の藤本淳吾と俊輔の位置関係、役割は樋口監督の指示だったのか? それとも俊輔からの、藤本淳吾の良さを引き出すための提案だったのか(藤本淳吾から俊輔への提案は、有り得ないと考える) あの関係性に、私は大きな可能性を感じたのだが、今日の浦和戦で再現されるだろうか?

俊輔は「新たな王」藤本淳吾を引き立てるための黒子となる事を良しとするだろうか? 少なくともこれまでの俊輔は、常にチームの中心として…とりわけ「中央、トップ下」でのプレイに執着に等しい拘りを見せてきた。最近の試合、練習場でも強い葛藤やストレスを抱えているのは見てとれるが、さて

もう1つの注目ポイントは、1トップでスタートするこの試合、どれだけ藤田が攻めの型に絡めるか。ガス戦は、藤本淳吾がかなり意識的に近寄ったが上手く絡めていない。ポストプレイが機能したのは2トップにした後半から。練習での修正があった訳ではないが、少しでも改善が見られるか?

今は何よりも結果が欲しい。勝って、勝点とリーグタイトルへの可能性を積み重ねる中で、着実に内容的な上積みを試みて行きたい。だがこの浦和戦は、選手個々にも内容的にも注目すべきポイントは多々ある。非常に楽しみだ

あとミシャ系(浦和、広島)へのゲームプランの完成形は「ボランチは相手ボランチを食い、2シャドウはライン押し上げCBとSBで受け渡し」という非常にリスクと難度の高いものだが、パンゾーを欠いた布陣で実行するか? 一個前のミシャ系対策「ボランチがゾーンで2シャドウを見る」が現実的か

【おさらい:ミシャ系対策の進化】
ボランチ2人が2シャドウをマンマーク」→「ボランチ2人がゾーンで受け渡し2シャドウをケア」→「ボランチ2人は相手ボランチに食い付き、2シャドウはCBとSBで受け渡し。SBはWBもケアしなければならず、瞬時にどっちに付くか判断が求められる」

浦和については、最近一番脅威だったのは「結構な頻度でフリーになってるシャドウの柏木陽介」だった(でもそこにパスが出ないパターン)ので、彼が今季ボランチをやってるのは歓迎する。興梠慎三のスマルカメント(マークを剥がす、消える)が一番の脅威か。勇蔵と中澤のコンビが弱いとこ

---

前半終了、横浜0-0浦和。シュート1:4(枠内1:2)決定機0:1。シュートはエリア外から藤田の1本のみ。守備は「ミシャ系対策最終形」全員で集中高く、能動的な守備。アグレッシブだが堅牢。攻撃は意識的にウラへのボール、縦パス意識も高めているが、まだ上手くない。だが基本プラン通り

藤本淳吾は遅攻時は、藤田に近寄ったりウラを狙ったり。俊輔は少し落ちて配球役。斜めの縦関係になる展開が多め。ただし「どっちがトップ下か」という議論に意味はない。特性を生かした位置関係、役割分担となっている

藤田はあまり上手く絡めてないが、この展開ならばある程度仕方なし。小椋は攻守に効いている。引くだけの浦和の守備に、効果的な起点のパスも。三門雄大セカンド回収に特徴。奈良輪は、クロス精度を…!

---

試合終了、横浜0-1浦和。8年振り埼スタで敗戦。勝てない、点が取れない。小椋や三門雄大は存在感を見せ、チーム全員で集中力高く戦った。「こういう試合で結果がついてくれば…」という試合で、ことごとく勝てない

後半はシュート5:3(枠内1:1)決定機0:2。90分トータルシュート6:7(枠内2:3)決定機0:3。ボール保持は浦和。うん、まあ妥当な結果か。マリノスは守備の集中力、能動性は高く、攻撃の形も1トップの絡め方に僅かながら進捗も見られたのだが。枠内シュート2、決定機ゼロでは

三門雄大は素晴らしかった。セカンド回収する予測と集中力、長い距離を思い切りよく詰めるインターセプトからチャンス演出。シュート性のクロス。バランス維持しつつ、果敢なトライ。しかしCKから、マークを担当していた李忠成に決勝ヘッドを許す