横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【「攻守に能動的な取り組みを徹底する」べき。昨季の「奇跡的な補完関係」の幻影を追い過ぎてはいけない。 by 蒼井真理】 about 2014/04 現在、チームの現状について

aoi_mari.png蒼井真理


「得点が少ない、チャンスそのものが少ない、1トップが点を取れてない」のは、昨季後半から半年以上繰り越した課題

浦和戦の振り返りは、とりあえず置いといて。チームの現状について過剰に連投。

――リーグ戦は開幕3連勝の後、4節甲府戦から10節浦和戦まで勝利なく2分5敗。この間、1得点のみ。5試合連続で無得点。14位まで後退し、首位鹿島との勝点差は10に広がった

昨季は寸前でタイトルを逃したとは言えリーグ2位、天皇杯も獲得したチームがどうしてこうなった。何が問題でどう対処すべきなのか。今後の可能性、選択肢は。過去から現在の流れも踏まえ、少し俯瞰した目線で考えてみたいと思う

【勝てない、とにかく点が取れない】10節で7得点。開幕3連勝も、1節大宮戦は伊藤翔のダメ押しスーパゴールあり、清水戦は1-0。徳島戦は、10節までに28失点の攻め手を持たない相手に、FKからの先制で勢い付いての3得点。やっぱマルキがいないから? 問題の本質はそこかしら

まず今季10節までを振り返ると、チャンスや決定機の数そのものが少ない。無論、新たに1トップを務める伊藤翔や藤田が上手く攻めに絡めてない事も小さくない原因ではあるが、それはチーム全体で解決して行くべき問題。得点の少なさをFWだけ(マルキ不在)の責とすべきではないと私は考える

[参考資料] football-lab マリノスの攻撃回数(ボールを保持してから相手に渡る、ファウル等で試合が止まるまで)は1位。シュート数は9位。チャンス構築率は14位。シュート成功率は15位

そもそも論として昨季の後半も、23節浦和戦以降のリーグ戦11試合で複数得点がゼロ。1-0が4回、1-1が1回、0-0が2回の4勝3分4敗。チャンスを作れない、点が取れない割に勝点を「拾って」優勝争いを続けたが、最後に力尽きた

■2013年24節~34節

0-1大宮
1-1C大
1-0清水
0-0仙台
1-0広島
1-0大分
1-2名鯱
1-0磐田
0-2新潟
0-2川崎

昨季の24節~34節でマルキーニョスの得点はゼロ。シーズン終盤は勝ち切れない、点を取れない原因としての「マルキ不調論」も囁かれたが、磐田戦の直前これに反論する連投をした

要約すれば、昨季のマリノスは「夏を境に少しずつリスクを嫌い、前で奪ったり攻撃に人数を掛ける(≒マルキをサポートする)取り組みが小さくなっている」「互いに決定機の少ないロースコア決着となりやすいのは自然の流れ」で、マルキは限られたチャンスを決めるか否かで「神にも戦犯にもなる」と

「昨季は最初から最後まで優勝を争った」「昨季はリーグ16得点のマルキがいて、今季は彼の代わりとなるFWのビッグネームがいない」事から見過ごされがちだが、「得点が少ない、チャンスそのものが少ない、1トップが点を取れてない」のは、昨季後半から半年以上繰り越した課題なのだ


まずはチームの現状を正しく受け入れて共有する事

まず、得点とチャンスそのものの少なさを解消するために何をすべきか。極めて個人的な意見を言えば、「本来目指したチームコンセプトに立ち戻り、妥協や言い訳を可能な限り排除してリスクにチャレンジする。攻守に能動的な取り組みを徹底する」べきだと考える

とにかく今のチームは中途半端だ。勝てない点が取れないから、思考が受け身になる。「奪うためでなく守るための守備」になり「相手を崩しシュートを打つためでなくロストしないためのボール回し」になる。後ろが重く、ボールを奪っても追い越す動きが少ない。攻めに人数をかけない

いっそ完全に開き直ってシンプルな「4-4-2ブロックで堅守速攻やります」なら、伊藤翔や藤田はもっと得点を奪えるかもしれない。自陣で奪って繋いで相手に帰陣する時間を与え、周りが追い越したりサポートする動きも少なく「さあ点を取って」じゃ、どんなFWも無理ゲー。マルキでも無理だった

・1トップで収まるターゲットタイプのFWが不在
 ・自陣からビルドする、崩しの局面でも連携も未成熟

  ↑この現状を受け入れ、それでも能動的にと思ったら、それこそ「今の順天堂大のサッカー」に近い事やるしかないんじゃないかしら

「今の順天堂大のサッカー」についての私的考察は4/27日曜日の連投後半部を参照のこと

・ビビらず最終ラインを押し上げコンパクトに保つ 
・前から惜しみなくコース限定、プレスをかける 
・ピリピリ集中維持して球際で身体張り、セカンド奪取 
・相手陣内でボールを奪う。2次攻撃、3次攻撃をしかける 
・相手の守備が整う前に攻め切る。シュートで終わる
・ボールを奪ったらボールホルダを追い越せ 
・エリアに(時間差つけて)複数人飛び込め 
・理想は「高い位置で奪い切る」守備 
・それが出来なくても、最悪ゴチャつかせセカンド勝負 
・自陣で繋ぎロストするくらいなら、蹴ってセカンド勝負

なんかゴチャつかせてセカンド勝負とか「鳥栖のスタイルにゾーン上げてハイプレス加えただけ」っぽいけど、気にするな!

…繋ぎ、ビルドのとこの意識付けは難しい。「自陣でロストするくらいなら蹴れ」って言っちゃうとスタイル構築において、後戻りできなくなる場合もあるからなあ。非可逆性。オプション添付が難しく再構築になる問題性を孕む

「繋げるとこは繋いでいこう」じゃ木村和司だし。本当に難しい。そこそこ繋げるメンツだとも思う。「そこそこ」だけど。相手次第、ゲームプランで変えるのが現実的か。甲府とか昨日の浦和とか、前からこないで引く相手に蹴っても仕方ないし

守備に関しては「高い位置で奪い切る」のが理想。攻撃のための守備。でもね、樋口監督3年目だけど「ハイプレス&ショートカウンタ」は一度も型として成立してない。個の判断で奪ってる局面はあるけど、組織でできてるのは「セカンド回収からの2次攻撃」まで

もう少し「奪い所を設定し、組織的にハメて絡め取る」(できれば相手陣内で)取り組みに注力してもいいかな。小坂コーチに相手のボールの動かし方を降ろしてもらい、小林ヘッドが奪い方を構築して叩き込む。その一歩手前の準備段階の意識付けは出来てると思うから

一度まとめます。まずはチームの現状を正しく受け入れて共有する事。今の自分たちに、何が出来てできないか。そして目指す目標と方向性を、今一度確認する。その上で、そこに到達するため何をすべきか設定・共有し、言い訳なく実行する

樋口監督3年目チームの積み上げとは何か? 「そんなものはない、だからこの体たらくだ」と就任以来アンチ寄りな発言を続ける人もいるが、私はそうではないと思うし、選手たちも2シーズンでチームとして積み上げたものは感じているはずだ

最終ラインを勇気を持って押し上げ、コンパクトに保つ。選手の距離感を攻守両局面で保ち、セカンドルーズボール奪取率を上げる。前線からコースを限定し圧力をかけ、より後方の味方がボールを奪いやすい環境を作る。受け身にならず、主体性ある守備をする

ボールを持ったらパスコースを多く作り、相手を動かしながら前に運ぶ。間あいだのギャップに人が入り受ける。寄せて、新たなギャップを作る。相手守備が背走する局面を作り、エリアに多くの人間が入り込む厚みのある攻撃を。組織的に崩してチャンスの可能性と頻度を高める

…全てが100%体現できている訳ではない。理想に留まり据え置かれたままの課題もあるが、かなり達成度が高まって「出来ていた」ものもある。最低限の意識、方向性の共有は今季新加入の選手も含めできている。基本は「チームのために皆がサボらず同じ方向を向いて」

複数年にまたがるコンセプト的な積み上げ、ベースとなる方向性がブレずにあるという一点においても、20数年のマリノスの歴史でも稀有なこと。その価値は認めてほしい。「そんなものはない」と言う御仁には、何を説いても無駄だけど

もうひとつ積み上げたものがあるとすれば、そのコンセプトから乖離して監督や選手たちがブレてしまった時にチームの機能性が落ちた、そして何度かそこから立ち戻る事により機能性を回復したという失敗・成功体験だと私は考える

樋口監督の過去2シーズンとは

樋口監督の過去2シーズンはずっと順調な右肩上がりだった訳ではない。そもそも最初から大きく躓いた。その中でもブレずに「懐疑的にならず、みんなで同じ方向を、コンセプトを貫こう」と出来たことが、昨季の優勝争いと天皇杯優勝につながった

まとめますと言いつつ、また少し脱線します。樋口監督の過去2シーズン、いきなり勝てない時期もあったり紆余曲折ありつつも、選手の気持ちがバラバラにならず、不満や不安はあっても露骨に表面化しなかったのは、木村和司・前監督の2シーズンあってこそ

木村和司2シーズン目の2011年、チームは夏に首位に立ちながらも大きく失速し、終盤にチーム混迷と意思統一の欠如、監督に対する求心力の低下は極まった。選手は露骨に監督への不満を口にし、それがオフィシャルの選手コメントに載る(つまりチームも削除しない)

契約更改の席で「あの監督では」という選手が多かったのは容易に推察できる。何人かはチームを去り、シーズン終盤まで「来季も任期を全うしてもらう」と話していた嘉悦社長は急遽監督を解任、樋口ヘッドコーチが監督に就任した。移籍を決意した某選手は「もっと早く決めてくれれば…」と言ったとか

木村和司が「チームとしての底」を見せてくれたから、樋口監督も選手もそれを反面教師として「明確な方向性を持ち、ブレずに、懐疑心や不満を持たず、仮にあったとしても口にはせずコンセプトに従う」事の重要性を、身に染みて理解した。だから紆余曲折あっても、積み上げることができた

新しい監督が、チームに新しいコンセプトを植え付けるにはそれに相応しい土壌・環境というものがある。ヘッドコーチからの繰り上げという意味では、樋口監督はそれをするに相応しい人ではなかったが、「失敗体験の共有」という意味では適材であった



例えば仙台は、昨季まで6年間チームを指揮した手倉森誠がU-21代表監督に就任、グラハム・アーノルドが監督となり、手倉森も着手していた「攻守に主体性ある」スタイルの構築を試みたが、開幕から僅か1か月、公式戦8戦未勝利で解任され、ヘッドコーチの渡邉晋が監督となった

手倉森誠は長い時間をかけて仙台に「堅守速攻」のスタイルを根付かせ、チームを再びJ1に導き、2011年は4位、12年は2位というクラブ予算に見合わない好結果をもたらした。スタイルを築き、結果をもたらした監督の「次」は本当に難しい。基本、上手くいかない

仙台の事はどうでもいいか。まあ、新しい監督に新しいスタイルを構築させるなら、最低1年はどんな結果でも受け入れて見守らないと。クラブとしては降格がとにかく怖かったから早めに見切ったんだろうけど、それにしても早すぎる

アーノルドの指導、要求するコンセプトには現場からの不満も少なからずあったと聞く。結果が伴わないなら、そして前監督が偉大であればある程、その流れは止められない。選手の中には「正しいベガルタを、手倉森さんと俺たちが作ったものを守ろう」と考える者もいただろう

西野朗ほどの結果を出した監督ですら、神戸では「それはウチのスタイルじゃないんで」といった中堅以上からの反発に会い、新たなスタイルを「少しずつ」浸透させる事もままならなかったと言う。沈みかけの泥船でさえ、新たな船長の言葉を無視する船員は出る

スタイルを築き、結果を出した監督の「次」なら、さもあらん。ほぼ無理ゲーに近い難度。クラブが相当腹を括り、1、2年は見守る。選手が反攻し揉めたら間に入る、それでも収まらなければ選手を切る。それくらいやらないと難しい

仙台も降格への恐怖があったにせよ、もう少しアーノルドを引っ張るべきだったと思う。それで改善の兆しがあるなら良し、悪化の一途だとしても「チームの底」を見せてくれたなら、次の監督が凄くやり易くなる。あまりに中途半端なタイミングでの監督交代。せめてマリノス戦の後にしてほしかった


「昨季の成功体験」が影響しているのではないか

…話をマリノスに戻そう。過去2シーズンの樋口マリノスの「一体感や継続性、積み上げ」は、木村和司が「底」を見せてくれた事も小さくない理由であると。その逆に、今のチームが悩み、やや意思統一を欠いてしまっているのは「昨季の成功体験」が影響しているのではないか

「自分たちには積み上げたものがある」昨季や今季序盤に、かなり頻繁に監督や選手たちから聞かれた言葉。しかし今はその「積み上げ」の認識にズレがあったり、単に成功体験に縛られて「現状を受け入れての新たな構築」に二の足を踏んだり、チームが一体となれてないのではないか

もう一度繰り返す。昨季の「奇跡的な補完関係」の幻影を追い過ぎてはいけない。あれは奇跡であり、再現は不可能。「チームの積み上げ」は別にある。もう一度、基本的なコンセプト、目指す方向性を確認・共有する事。中途半端はダメ。やるべき事をやる、結果は結果。後からついてくるもの

例えば。最近は点が取れないもんだから、監督も選手も「先制点が大事」「前半は0-0でも」みたいな発言を平気でする。あのね、昨季も一度書いたけど「先制点が大事」なんて「あたり前だけど、意味のない言葉」は解説者だけが言ってりゃいいの。そんな「結果」部分に意識を割くから、意識がズレる

「先制点を取られないように」どうする? まず守備から。慎重にリスク抑えて。後ろに人数かけて。相手こなきゃ自陣でまわして。パスミスなくして。でもFWは「先制点を取れば、取られない」と考えるかもしれない。ブロックの中にチャレンジのパスを入れるのは正解? それともNG?

「先制点が大事」は典型的な「正しいけど意味のない、あるいは全体の意思疎通やコンセプトを阻害する」言葉。ゴールや、もっと言えば勝ち負けですら(サッカーにおいては偶然の要素も大きく影響する)「結果」でしかない。そこに焦点を当てては、根本がズレる。チームがブレる

大事なのは、求められるのは「如何にチームがコンセプトの元で意識共有し一体となり、チームとして良いパフォーマンスをするか」「個々はチームのために、周囲のために有益なプレイをするか」でしょ? ゴールとか勝利は、その結果でしかない。ゲームプランやコンセプトに「結果」を刷込んじゃダメ

「そのために、どうするか」を共有し徹底すること。良いチームプレイ、良い個人プレイを相手よりも多く積み上げて、ゴールや勝利という「結果の確率を上げる」こと。監督や選手に出来るのは、それだけ。どういうスタイル、コンセプトを目指すか。その達成度を上げるために何をすべきか。もうそれだけ


今季は「どちらに転んでもおかしくない」試合で、勝点を落とし過ぎている

例えば。ゼロ杯の広島戦、ACL初戦の全北戦は完敗だった。あと鹿島戦の後半。でもそれ以外の敗戦や引分けは、違う結果になっても全然不思議ではない試合ばかり。直近で言えばアウェイの新潟戦や柏戦(どちらも0-0)は内容的に素晴らしかった。負けでもおかしくないけど、ゲームの質が高かった

0-2で敗れたホームの仙台戦も、チャンスや決定機の数で言えば1-0で勝っていてもおかしくない試合。今季は、そういった「どちらに転んでもおかしくない」試合で、勝点を落とし過ぎている

ACL敗退、リーグ14位」という文言が示すほど、チームのパフォーマンスが絶望的だとは思わない。まあ逆説的には「内容的に圧倒できてない、勝って当然という試合もない」と言えるし「接戦を勝ち切る勝負強さがない」とも言える。でも後者は、運もあるからね

なので今は冷静にチームを見守り、樋口監督と選手たちがチームを立て直し、シーズン終盤にはリーグ優勝を争ってくれる事を信じたいと思います。リーグ優勝は昨季よりずっと難しく、他が勝点を潰しあってくれたり、対戦の巡り合わせとか運も必要だとは思うけど。それは開幕前から分かってた事だから

鍵になるのは、樋口監督と俊輔の2人が「昨季の幻影を捨てて、現状を受け入れ、開き直り、すべき事をする」事ができるか、かな? この2人が、一番昨季の呪縛が強そうに見えるから。まあ、昨季の俊輔はキャリアハイとも言える環境、パフォーマンスで、樋口監督は優勝まであと1勝だったし

でも過去は過去。再現不可能なものはスッパリ諦めないと。大事なのは割り切り、最後は開き直りも大事ですよ。面白いもので、中堅以上の選手よりも、学とか新加入の藤本淳吾下平匠の方が少し醒めたM戦で客観的にチームを見れているような。樋口監督1年目の富澤や中町もそうだったかな

カンペー兄貴は、今季目指した理想と現実の隙間を埋める作業中かな。昨季2/3までの「俊輔と中町、2人の司令塔に自由を与えるために後方に余る」攻撃や挑戦が30、守備や調整が70のバランスから、今季は攻撃や挑戦が60、守備や調整が60と全体の底上げも図った。そして上手くいかなかった

プレイ振りや試合後のコメントを見ても、富澤は途中出場の仙台戦、続く全北戦あたりから、バランスを昨季の「後方に余る」「攻撃や挑戦が30、守備や調整が70」に近づけたように感じる。とりあえず現状、良い効果が出ており守備の安定に繋がっている

『樋口監督を解任すべきか?』NO。今季はそもそも開幕前から無理ゲー要素強め。「リーグ・ACL・新たなスタイル構築・世代交代」どれも完全に捨てる訳にはいかず制約が多い。どれも捨てられずギリギリの配分をした結果、多くの果実を取りこぼしているのが現状。運もない

特にマルキが抜けて脱ドゥトラ依存を試みる中で、開幕までの準備期間が少なかった事、ACLとリーグの連戦で修正・構築する余裕がほぼなかった事、その中で結果もついてこずチームの意気が上がらなかった不運など、擁護・同情の余地は大きい

例えばアウェイのメルボルン戦、あのメンバで臨んだ事に批判もあるが、あれは「あのメンバで勝たなければいけない」試合だった。実際、チャンスや決定機は上回り、勝機もあった。勝てていればGL突破の可能性、チームの底上げは大きく進捗しただろう。リーグや底上げも見据えての布陣。あとは結果論

今は樋口監督に、大きな失策やブレは見えない。クソ真面目な性格だからこそ腹を括れてない感じはあるし、迷いは大きそうだけど。選手への求心力も「地に落ちて」レベルではないし、先程の話じゃないけど、もし解任するならもっとチームをボロボロにしてもらってからじゃないと効果がないよ

今の難しい局面を開き直り腹を括って乗り越えたら、真の名将樋口に生まれ変わって即断能力も兼ね揃えた戦術家要素も持つ、今後100年の基盤を作ってくれるレジェンドになるかもしれないよ。みんなで樋口監督を漢にしようよ


残留争い?夏にFWやドリブラを補強すべき?

『そんな事では降格するのでは?』ほぼ有り得ない。34試合を戦うリーグ戦では「どっちに転ぶか」の運要素も、最後はある程度帳尻が合う。今季マリノスの総合的な戦力がワースト5に入るとは思えない。概ね落ちるべきチームが落ちる。あと「守れる」チームは比較的降格しにくい

残留争いになれば、それなりの戦い方も可能。中断明けて3試合まで勝てないのが続いたら、4-4-2で自陣ブロックしてカウンタ&セットプレイ(2011序盤)やればいいよ。多分どんな相手からも一定の勝点は稼げるから。スタイル構築は大きく後退、あるいはリセットする事になるけど

『夏にFWやドリブラを補強すべき?』チーム状況と懐次第。確かに1トップにボールが収まり後半10得点くらい期待できるターゲットタイプのFWを獲得できれば、諸々解決する可能性も。でもねえ、それだけの情報収集能力と交渉力、資金があるなら…って話です。学が移籍したら、代わりは絶対必要

【追記】
○能動的→受動的要素をプラスする
×受動的→能動的要素をプラスする 

↑コレは何故か、というテーマについて

「自陣に堅固なブロックを形成し、カウンタ」をベーススタイルとして一定レベル以上完成したチームが、そこに後付けで「能動的、主体性を持ったポゼッション」を加えるのは極めて難しい。逆に「能動的な守備とポゼッション」に、後付けで「場合によって受動的な自陣ブロック」は可能。何故だろう

ドアをノックする。相手の反応がない場合、更に強くドアを叩いたり声をかけたりする。「あるいは内側からの反応を待つ」これが、能動的スタイルに受動的要素をプラスするという事

「ドアの内側で相手がノックするのを待つ」のをスタート、スタイルとしてしまうと「自分がドアを叩く」という選択肢を後から付け加えるのは難しい。そもそものスタート・自分の立ち位置の概念、スタイルの否定になるからだろう

私待つわ。いつまでも待つわ。たとえあなたが振り向いてくれなくても――これが「自陣にブロック形成しカウンタ、をスタイルとして完成したチーム」のフィロソフィ。振り向いてくれないからって、焦れて自分から口説いたりするとアイデンティティが崩壊する。キャラ崩壊