横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【僕にとっては初めての体験、存分に堪能したい。 by いた】 about プレビュー of [天-決勝] 横浜 v 広島

「元日・国立」
 お正月の風物詩は、午前中に年始の挨拶を済ませ、お年玉を配り、おせちとお雑煮をつつきつつ、少し飲んで酔った状態で職休みも兼ねてテレビの前に。勝ちたかったな、ここでやりたかったな、と思いつつ、羨望の眼差しでタイトルを懸けた熱戦を見るのが恒例だった。

しかし、今年は違う。当事者としてスタジアムでこの一戦を迎えることが出来る。気温はぐっと下がり、影の掛かるスタンドは芯から冷えるような環境となることが予想されるけれど、そんなことすらうれしく思える。僕にとっては初めての体験、存分に堪能したい。

しかも相手はリーグチャンピオンである広島。横浜の手からすり抜けたシャーレを手にしたチーム。それが出来たのも序盤の不調を耐え忍び、後半戦着実に勝ち点を積み上げてきたからこそ。勝ち慣れたチーム。強敵であることは間違いないし、相手にとって不足はない。 タイトルを懸けたゲームの多くが硬いゲームになる、なんて通説があるけれど、今年の決勝戦も硬いゲームになるんじゃないか、という予感がある。何故かと言えば互いに守備に安定感があり、簡単にスコアを許さないチームであること、そうなればただでさえ重い先制点の重要性が更にます。簡単な連想ゲーム

深めのライン設定で裏を消し、最終ラインに5枚、中盤に4枚並べて、相手の侵入を許さずにしっかりと受けきる守備スタイルが成熟した広島の守備に以前のような危うさは全くない。

ゲーム展開によって相手が主導権を握ることもあるからこそ、守るべき時には守る、という割り切りの発想は、クレバーな森保一らしい考え方。この守備があるからこそ2連覇を達成した。

特に成長著しいのが塩谷司。ビルドアップや攻撃参加の質を買われ、昨シーズン水戸から加入、しかし守備でもクオリティを見せている。1vs1に安定感があり、危機察知も非常に早く、カバーもうまい。浦和へ移籍した森脇より間違いなく安定感はあるし、守備の技術は高い。

横浜も守備に関してはリーグ1、2を争う堅守。伝統の屈強なセンターバック、経験豊かで危機察知能力の高いサイドバックセンターバックとしてもプレー可能な選手をアンカーに置き、チームとしてもしっかりと前を塞ぐなど、しっかり守れるのはご存じの通り。

となれば、静的なゲーム展開。拮抗した攻防の果てにどちらがいかにしてウイニングポイント、いやチャンピオンシップポイントを取るか。

広島は自陣に引き込んだところからボールを奪い3バックもしくはボランチからのワイドに開くウイングバックへの一発展開と高萩・石原が中盤に降りて楔を引き出し、コンビネーションで中盤の守備をはがして崩しにかかる形。前回対戦ではワイドは抑えるも高萩・石原を捕まえ切れとは言い難い。

対して横浜は、打ち出の小槌のような中村俊輔の左足からのセットプレー、そしてボックス角からの齋藤学の独力打開+コンビネーション、ここのところ復調傾向にある能動的中盤守備からのショートカウンターといったところか。前回対戦では齋藤学のドリブルシュートが決まり、首位攻防戦を制したが…

準決勝から中二日、リカバリするのに精いっぱいで相手の対策を特別に落とし込むというのは正直難しい。既に2度の対戦を済ませ、情報としても34試合+αのものがあって、チームとしての戦い方も、個人の癖もある程度揃っていてお互い丸裸と言ってもいい状態。

となれば、今持つ力のぶつかり合いになる。決勝戦独特の雰囲気の中でどれだけ「正常」な精神状態を保てるか、試合に飲まれず入りきれるか。スタジアムの雰囲気が勝負の流れを変える一因になる可能性もある。ホームのような雰囲気で戦わせてあげたい。決勝戦は結果が全て。石にかじりついても勝ちたいね