横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【俺の中の金井厨が前触れなく暴れ出した by 蒼井真理】 about 磐田戦・名古屋戦の金井について

「良い意味でフリーダムな金井貢史」と「悪い意味でフリーダムな金井貢史」がある訳だが、今日の金井貢史は前者であった。本当に素晴らしかった

俺の中の金井厨が前触れなく暴れ出したので、試合全般を振り返ることもなく朝から金井貢史とSBのオーバーラップについて連投する


昨日の金井貢史の素晴らしさを理解できず「守備で穴あけすぎ」「裏とられすぎ」「リスク管理できずフラフラしてるだけ」とか言っちゃうマリサポさんは、毎日ベンゲル時代の名古屋をDVDでリピート鑑賞して三浦俊也を監督招聘する署名活動でもすればいい

夏場の勝てない時期にドゥトラが批判されてた時も思ったことだが、SBの攻撃参加にリスクが伴うのは当たり前。何のリスクもなく数的優位や相手守備の混乱を誘えるわけがない

当然のトレードオフ問題や、SBが空けたスペースをどうカバーするかなどチームとしての機能性を無視して「オリジナルポジションを相手に使われたから」だけで批判されたり起用されなくなったらSBはオーバーラップなんてできない

「守備ありき」の考えならドゥトラを起用することなんてない。逆に復帰当初「守備も凄い! ミキッチを完封!」とか言う人がいたことにも「?」だった。ドゥトラは受けにまわった守備は昔からずっとヘタ。攻撃的な「奪ってそのまま持ち上がる」系の守備に良さがある

アウェイ広島戦はチームとして上手くハメこんだけど、ミキッチには時々突破を許してチャンスを作られていた。だからFWの小野裕二が頻繁に学とポジション を替えて、左サイドをヘルプしてミキッチとマッチアップしてガツガツやりあって警告も受けた(この日の小野裕二の仕事量は異常だった)

磐田戦の1点目を映像で確認してほしい。起点は相手陣内中央を越えたサイドで、SBの金井が手で「富澤を制して」山田大記に素早くアプローチ。山田はターンしたが金井のプレッシャにタテパスをミス、待ち構えた富澤へ。富澤がダイレクトで中町に→俊輔→マルキ

磐田戦の1点目は、目立たないかもしれないが金井の高い位置取りと、富澤を後方に余らせてボールホルダに寄せた判断とタイミングの良さが起点になっている。素晴らしい個人戦術によるファインプレイで、こういったプレイにこそ金井貢史の良さはある

本人は常に公式戦出場後に「ゴールやアシストなど分かりやすい結果を出さないと(次のチャンスをもらえない)」とコメントするが、金井のゴールやアシストは私に言わせればオマケみたいなもの。そもそもSBの得点など、たまにあるから意外性があり嬉しい

磐田戦の1点目につながったような、地味であっても意味のあるプレイの積み重ねが大事で、ゲームの流れを引き寄せる。小林祐三にはない、金井の良さだ。金井にもそのことを自覚してほしいし、観戦するファンにも地味に良いプレイをちゃんと気づいて評価してあげてほしい

評価されないから、分かり易い結果に拘って「悪い意味でフリーダム」な部分が全面に出ることなどは練習試合などではよくある。磐田戦や名古屋戦の金井を「リスク管理できずフラフラしてるだけ」と言って評価しないスタンドは、選手を育てない

昨日の名古屋戦では、磐田戦に続き「気が付けば流れの中で相手ペナ内」のフリーダムな動きで、決定機に絡んでいる。72分のピッチ中央から長い距離を思い 切り詰めてのインターセプト、そのまま相手陣内中央へドリブルで持ち上がりファウルを獲得したシーンなどは金井貢史の真骨頂

もちろん、空けたスペースを使われるシーンもあった。しかし繰り返すがそれはSBのオーバーラップに必然的に伴うリスクで、空けたスペースの管理はチーム としてカバーする問題。ドゥトラや金井は機を見た攻撃参加に良さがある。加えて言えば展開的にも名古屋戦では一度もリードを奪ってない

名古屋戦の金井貢史は素晴らしかった。磐田戦も悪くなかった。もちろんまだ修正すべき点は(90分の運動量と集中力の維持を中心に)沢山ある。ただそれは試合に出続けないと改善は難しい(金井の性格的にも)。早くレギュラを取ってほしい。金井厨はそう願って止まない