横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【決して特殊なことではなく普段着のプレー。相手の強度やコンディショニングというエクスキューズはあれど、恐れずにやれたことは胸を張っていいし、ペップやアルテタの賛辞は決してリップサービスだけじゃない。 by いた】 about [EUROJAPANCUP] 横浜 1 v 3 マンチェスター・シティーFC

f:id:harukazepc:20170419104133p:plainいた

シティさんとの腕試し。

65000人の前での、そして世界中のファンに対してのサプライズを与えたポジティブなイントロダクション。
偉大なるパイオニアであるシティさんにを相手に、積み上げてきたものを臆することなく披露し、手応えを得れた試合、かな。

繋ぎの部分

序盤は特に、だけど、素早い反応から速く丹念アプローチで蓋をされてロストしたり、攻撃方向を制御・誘導されて狙われたりするシーンもあったり、と普段の試合に比べても捕まるシーンは多かったかな。
そこは流石シティさん。あちらにとっても重要な試運転、という位置づけだったのかもね

ただ、時間と共にアジャストし、相手を困難な状況に追い込むぐらいの質を示せた。

  • GKを使ってプレッシャーをいなし空いた中盤の選手を使う。
  • 半身で受けてプレッシャーを外してスペースを狙う。
  • 引き出して作ったポイントからワンタッチパスでプレッシャーゾーンから抜ける。

決して特殊なことではなく普段着のプレー。
相手の強度やコンディショニングというエクスキューズはあれど、恐れずにやれたことは胸を張っていいし、ペップやアルテタの賛辞は決してリップサービスだけじゃない。

守備の部分

通常通りプレスにいっても、一つのプレッシャーでは奪いきれず、キープされて、浮いた外を使われて回避される、ドライブで運ばれる、デ・ブライネのロングスルーパスで裏を突かれる…流石のシティさんだったことは否めず。
速いんだよねぇ、判断が。澱まないからなかなか捕まえられない。

相手も横浜のことを知っていたし、リスクを見逃してはくれなかったなぁ。その上での3失点。必然。
ただ、凌ぎ切ったり、シビアにいって複数でパック出来たり、ラインをコントロールしてオフサイドを取ったシーンもある。恐れてバスを並べていては感じられないこと。
体感、いいレッスンだったかしら。

特にチアゴとパギさんは大きな手応えを得れたんじゃないかな。
アゴの対応力とスピードはシティさんのアタッカーも阻害できてしまう。
アゴは何時も凄いけど、これだけ魅せちゃうと買われてしまうのでは…早く買い取りたい。

パギさんは2失点は喫したにせよ、素晴らしい危機察知と飛び出しで広いゾーンをケアして未然に救った。ビルドアップも後で触れるけど素晴らしい質を示してくれた。
飯倉様を送り出す試合で、その席を奪い、跡を継ぐ選手としてその存在意義をきっちりと示してくれたこと、凄くよかった。

ゴールシーン

【17分:ケヴィン・デ・ブライネ】

クラウディオ・ブラボのロングボールから右で幅を取ったベルナルド・シルバが一発で外から裏を取りポイントを作ると、ケヴィン・デ・ブライネが外を追い越す。
ボックス侵入後、前に入ったDF外して弾丸シュートをニアに突き刺す。

すげえシュート。触ったら腕が吹っ飛んじゃうよ…。
後手に回され、クオリティが示されるとさすがに難しい…
ベルナルド・シルバのキープからの角度を作ってのスルーパスも素晴らしい。うまいよね、ベルナルド・シルバ…ダビド・シルバにしても時間と角度の作り方がうまい。

学べることがあるとしたら、GKからの形。
相手が高いラインを敷き、強いプレッシャーを掛けてきた時にどうするのか。そのモデルケース。
繋ぐことはアイデンティティ、ただ、あくまでも一つの選択肢に過ぎない。パギさん&渓太くん・テルくんに取り組んでほしいパターンかな。

【22分:遠藤渓太】

横浜の培ってきたものが流れを作る。そして、同点弾。

同点弾の前の一つの流れが余りに素晴らしかったので取り上げたい。
一つはGKを使ったビルドアップ、もう一つは抉る畠中慎之輔の鋭い楔。

・素晴らしかったプレス回避

ボックス手前でのシティの攻撃を凌ぎ、ネガトラで前を塞ごうとプレッシャーを掛けてくるシルバ・ジンチェンコをパギさんを使っていなし、彼らが上がって空いたスペースで浮いたテルくんを浮き球パスを使ってプレスを回避(ロドリが切っていたパスコースの上を抜いた)

慌てることなくフリーのGKを使う、パギさんも空いてる選手をしっかりと見つけていいパスを出す、繋ぐアイデンティティはポーズじゃない。培ってきたものが見事に出た。 スタープレーヤーが迫力をもってプレス掛けてくると慌てるけれど、試合の中で順応し、冷静に普段通りのプレーが出来たことに拍手。

・畠中慎之輔の真骨頂、抉る楔2連発

テルくんがプレッシャーをかわして畠中くんへ、そこからDFの間に立ったティーラトンへ楔、ティーラトンはプレッシャーを掛けられて畠中くんへ戻す。
次はトップから落ちたマルコスを見つけて更にもう一本、今度はマルコスがスキルフルなプレーでDFを外し展開。

これぞ真骨頂!そぶり見せずに相手抉る。
特に2本目のマルコスへ通したプレーは二階層を飛ばすパス、痺れた。
マルコスも畠中くんから出てくる認識があると思うから顔出したと思うけど、このラインが繋がると攻撃に流れが生まれそう。
(マルコスのらしいシャペウでマークを外したプレーも流石ね)

この攻撃はゴールには繋がらず、ただ、その後のプレーで畠中くん→タカくん→みよっしに繋がり、みよっしからテルくんへスルーパス、テルくんのフィニッシュ!これは凌がれるもマルコス、そして渓太くんと二の矢三の矢とシュートを浴びせてゴール。
我が後輩が世界のシティさんからやりましたよ!

三好康児に期待したいこと

ゴールに繋がるアプローチとしてみよっしのドリブルからのゴールに直結するプレー、これを今後の試合で期待したい。前述の畠中くん、そしてこのプレーの起点となったタカくん、喜田くんにせよ、うまく浮けばパスは出てくる。

彼は運べる、プレーを加速できる、それが攻撃に迫力とクオリティを与えてくれる。
みよっしにはエジガルを失った攻撃に置いての新たなメインウェポンとなってほしいし、なってもらわないと困る。

マルコスが落ちて引き出す形は増えれば、入れ替わる縦のポジションチェンジで浮くことも出来るはず。
その上で欲しいのは数字、まじで。
10G10Aぐらいお願いしたいの。期待してます。

【39分:ラヒーム・スターリング

ケヴィン・デ・ブライネがダビド・シルバとのワンツーで中盤を打開、そしてアウトサイドのロングスルーパス。ワイド気味にポジションをずらしていたラヒーム・スターリングが完璧なラインブレイク。パギさんとの1vs1を難なく。

これは無理。あいつらすげーわ。

その他

その他新戦力の現在地、という面では風希くんの決定機関与率の高さは面白い。
まだ、一つのプレーアクションで切れるというか、思考して止まる、探すというのが垣間見えるけど、決定機の匂いを嗅ぎ取りいいポジションに顔を出してる、ってところは凄く面白い。
15分で2回かな、凄いことよ。秘密兵器。

そしてやっぱり喜田くんは尊い
90分、勝ちに行った、戦い続けた。質の高いターン、鋭いワンタッチパス、タイトかつシビアなアプローチ、意思を示すってそういうこと。培ってきたプレーを全てチャレンジし続けてた。
喜田くんほんと凄い、最近喜田くんのプレーを見ると泣きそうになるわ。尊い

終わりに

ま、負けは負け。
(特に個人の部分)でクオリティの部分で差が出たとは思うけど、チームとしてチャレンジしてポジティブな要素が示せたのも間違いない。スタッツ見てもシティさんにこういうスタッツ出すチームってそうそうないし。
そんな自信を胸に後半戦頑張りたいね、ということで。

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