横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【ありがとう下平匠。マリノスに来てくれて、マリノスを愛して心配してくれてありがとう。俺は下平匠が、そのシンプルで的確な判断も職人的な扱い難さもスピード全般の不足も面倒見の良さも全部まとめて大好きだったよ。昨季天皇杯ラスト2試合、伊藤翔さんへのアシストも一生忘れない。ありがとう by 蒼井真理】 about 下平匠選手の期限付き移籍

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

横浜F・マリノス【公式】@prompt_fmarinos

下平匠選手 ジェフユナイテッド千葉期限付き移籍のお知らせ

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「チームが難しい状況の中、このタイミングでチームを離れることは本当に悩みましたが、移籍することを決断しました。これからも下平匠を応援よろしくお願い致します。ありがとうございました」下平匠

さもあらん。是非もなし。自分がチームに監督に必要とされている、数に入っていると感じられなくなっては選手はモチベーションやロイヤリティを保つのは難しい。何故イッペイだったのか、とは問うまい。ボスには下平匠は数に入ってなかった。そう考えざるを得ない

16時間前@Yokohama_EX
Yokohama_EX@Yokohama_EX

【ヨコハマエクスプレス】誰もが目を疑う、まさかの人選に下平は「この決断には失望した」と悔しさを噛み殺すしかなかった [下平匠期限付き移籍について]
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16時間前@jef_united
ジェフユナイテッド市原・千葉(公式)@jef_united

この度、横浜F・マリノスより下平匠選手が期限付き移籍にて加入することとなりました!
詳細はこちら
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横浜F・マリノスから移籍してきた下平匠です。ジェフのJ1昇格のために一生懸命がんばりますので応援よろしくお願い致します。フクアリで会えることを楽しみにしています」下平匠

4月4日。ル杯GL3節アウェイ新潟戦の試合後の深夜バスで連投した下平匠賛美をコピペ投下

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下平匠の最大の特徴、良さは彼の高い戦術理解力とそれを源泉とする落ち着き、淡々飄々としたプレイ振り「サッカーを、プレイを難しくしない」シンプルに捉えシンプルに実行するところにあると私は思う――のっけからざっくりし過ぎた印象論でアレですが

下平匠のプレイで言えば「ほとんどのプレイが2タッチ以内、無駄な切り返しとか滅多にしない」「周囲が複数のパスコース選択肢を用意さえすれば、限られた時間でも常に最適解、且つ最もシンプルで実効性ある選択をシンプルに遂行」「自らの発想閃きやスキルを誇示しようとする顕示欲や承認欲求が薄い」

下平匠はメディアやファンに対して自分の考えや手柄をガツガツ主張するタイプではない。山中亮輔みたいな愛され方をするキャラとは真逆であり、おっとりした関西弁のトークは捉え方によっては少しアホの子みたいにも映り会長のような「キレ者」感もない

下平匠のプライベートやあるいは学業においての成績や理解力がどんなものか分からぬが、しかし事サッカーIQ戦術理解力という面では、ズバ抜けて高い。経験蓄積より地頭、思考パターン。ピッチの事象や監督からの要求に対し、その表層でなく中身や裏側や理由原因に目線や思考が向く

下平匠に2タッチ以内のシンプルなプレイが多いのは「効率がいいから」それが出来るのは「そのために必要な身体のアングルや事前に収集すべき情報が何かを把握してるから」ケレン味や自己主張の強いプレイがほとんどないのは「そんなの無駄だし興味がないから」

プレシーズンマッチ翌日、瓦斯との練習試合で下平匠は偽SBとして抜群に高い適性を示し、ボランチの位置から配球しIHやWGとポジションを入れ替えつつ、被カウンタではミドルサード中央の防御壁となり、セカンドボールを回収しまくり2次3次攻撃につなげた

スピード全般に欠ける下平匠にとって、旧来的なタッチ際のアップ&ダウンよりも内に絞りビルド&ポゼッションでもより幅広く主体的に「使う側にも使われる側にもなる」偽SB的なタスクとプレイエリアは適性が高かった。しかし新潟戦、下平匠は内に絞る比率は少なく、むしろタッチ際のプレイが多かった

「(起点になった1点目は)SBが中に入る今の形だとああいうシーンは少ない。でも流れの中でイッペイが中から縦に抜けて、その瞬間に翔もうまくニアサイドに入ってきた。普段と配置は違うけど、そこに人がいることは分かっていた」下平匠

あのプレイとポジショニング判断、このコメントこそが下平匠の真骨頂ですよ奥さん! パスの技術、2点目のアシスト精度や視野よりも何よりも「今この展開と状況で何が最もシンプルで実効性のある解か」を導き出す思考、表層でなく内側の真理を読み解く戦術理解力こそが下平匠

「僕はスピードないしパス展開力なんかに良さがあるからタッチ際のプレイより、ボスが求める内側に絞る動き」「その方が特徴生きるし評価される」下平匠はそんな表層的な理解の仕方は “しない” チームと状況が求める内側のロジックとシンプルな最適解を見つけだし遂行する。淡々と、飄々と

チーム2点目のアシストも、伊藤翔ハットトリックのアシスト未遂も下平匠は「自身の分かりやすい結果」など求めない。他の選手でボールを回せる時は相手の視界から消える。淡々としかし絶妙なポジションで準備をする。パスを引き出す。常に変化する状況を把握し、最も可能性や実効性の高い解を選択する

下平匠の戦術理解力、ケレン味や自己主張、承認欲求を排しチームにとってのシンプルな実効性を淡々と追求する彼の思考や性質は、ボスの要求するスタイルへの適応度が極めて高い。カップ戦要員で終わらせるには実に惜しい希有な異才。左SB下平、左WG山中のセットもリーグ戦で一度試して欲しい…

――コピペ終了。山ちゃんと下平匠のセット、試してくれなかったねボス。瓦斯とのプレシーズンマッチの偽SB下平匠は、あんなにも輝いていたのに

2015シーズンエリク1年目の開幕戦早朝に連投した選手評から下平匠をコピペ投下

DF23下平匠 27歳(2015 10/6)

プロ9年目 マリノス在籍2年目

2014 28試合(28) 2651分 2得点 1A
2013 30試合(29) 2815分 1得点 3A ※大宮
2012 34試合(34) 3234分 0得点 2A ※大宮

DF23下平匠:樋口体制の3シーズン
加入1年目の昨季は、ドゥトラが半年契約で引退する事が決まっており、序盤からリーグ戦で積極起用。前半はドゥトラと比較され欠点を指摘されがちだったが、少しずつチームにフィット。シーズン終盤には左SBのレギュラとして不可欠な存在に

DF23下平匠:プレイスタイル
守備よりも、攻撃面に良さのある左SB。左足のキック精度や、局面を前進させるビルドアップのパスに特徴。攻守両面に長所と短所が明確で、周囲のサポートと組み合わせの妙が必須。178cmと日本人SBとしてはそこそこ長身で、打点の高いヘディングも意外な強み

DF23下平匠:長所
判断精度&速度と技術が高く、周囲が複数のパスコースを作る事を怠らなければ、少ないタッチで局面を前進させる有意義なパスを出せる。左足のクロス、フィードは精度高く球質も豊富。相手エンド付近で、決定機に絡むセンスも。ヘディングも簡単に競り負ける事は少ない

DF23下平匠:短所と課題
SBとしてスピード全般とアップダウンの運動量を欠き、攻守におけるカウンタへの関与・対応が不得手。遅攻関与に良さがあるタイプだが「とりあえず預けてお任せ」なキープ力、1人でタメを作るドリブルスキルは無い。アジリティや対人守備は凡庸、やや粘り強さに欠ける

DF23下平匠:パーソナリティ
おっとりマイペースな関西人。プレイにもガツガツ感が少なく、ややスロースタータな傾向もあり試合序盤にミスが散見される事もしばしば。あまり闘志を表に出さないタイプだが、決して芯が弱い選手ではない模様

DF23下平匠:今季への期待
個人的には長所と短所がハッキリして好きなタイプ。マイペースな性格もキライじゃない。下平の良さを引き出し、短所を隠すチーム作りが出来るかは特に遅攻の実効性という意味でキモになる。下平をどれだけ相手陣内、より高い位置でプレイさせられるか

――下平匠が2014シーズンに加入し、最初の印象は「ああコレは左利きの、SB版の佐藤由紀彦だ」 キック精度とバリエーションをベースとし、それを活用し実効性とするための知性もあるがスピード全般を欠き球際もさほど強くない。長所と短所が明瞭で自分でも正しくそれを理解してる、個人的に好きなタイプ

下平匠のリーグ出場数は加入1年目(樋口3年目)に28。2年目(エリク1年目)は34試合全出場。ドゥトラの後を継いでレギュラを掴み、獲得と信頼に応えた。しかし3年目の2016シーズン後半から負傷が長引き、2017年4月の復帰まで約10ヶ月、公式戦から遠ざかり、復帰後もリーグ戦での先発機会は限られたまま

怪我による長期離脱、エリク2~3年目のタイミングでチームとクラブは「新しいマリノス」の構築を進めていた。エリク3年目の昨季には山中亮輔も加入し、下平匠が復帰を果たしたのと前後して山中がレギュラポジションを奪取。下平にとっては間が悪かったし、エリクやクラブにとっては刷新の好都合だった

――ただねえ、ボスに聞きたいんだけど山中亮輔もボスの求めるSB像とは違うよね? 山ちゃんWGの仕事してるよね? 山ちゃんが一番生きるのはユンユンが左WG入って内に絞り大外のレーンを提供した時だよね? だったら左WG山中亮輔、左SB下平匠も、試してくれても良かったんじゃないのかな(しつこい

下平匠さんと言えば圧倒的な海外異文化コミュニケーション&需要スキル。ジョンスを筆頭に多くの新外国籍選手が、チームに馴染むため匠兄さんのお世話になりました

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同じく今夏移籍した金井貢史の「トレーニングからバカみたいに大きな声で明るく周囲をイジり倒し盛り上げる」スキルとか、下平匠の異文化需要スキルとか、直接公式戦やクラブの評価査定には影響しないけれどチームにとって重要で付加価値の高いパーソナリティって間違いなく在ると思う

下平匠の2016年末のブログの内容には、いろいろと思うところがあった。

『たった三年間しか在籍してない一選手が何言ってんだって思う方もいるかもしれませんが、このままではダメだと僕は思ったし、本当に正しい方向に進んで欲しい』

https://ameblo.jp/takumi-shimohira/entry-12233587690.html

下平匠は、2014年の加入から短い期間で「ドゥトラの後釜となる左SB」というマリノスにおいて極めつけにハードルの高い期待と要求に飄々と応え、短い期間でマリノスの不動の左SBとなり、短い期間でマリノスを愛し忠義を尽くしてプレイのみならずチームに4シーズン半貢献してくれた

4シーズン半か。短いよなあ。1年近く公式戦から遠ざかった時期もあるし、復帰後も不遇を囲った。エリク3年目の昨季、久々のリーグ先発が右SB起用だぜ? 左のスペシャリスト下平匠の冷遇は、別に今季ボスの下で始まった訳ではない。だからこそ、監督が替わった今季に賭ける思いは強かったと思う

下平匠との4シーズン半。もっと下平のプレイが見たかった。長所と短所が明瞭した職人的なSBだからこそ、一度構想から外れると競争さえさせてもらえない、その特殊性や扱い難さも分かる、分かるけどそれが下平匠の良さであり味じゃないか…。それをチームに落とし込めない監督なんて×凸○△のピーだね!

そんな下平匠だから、シーズン途中のローン移籍で監督に認められ信頼を得られるかは正直疑わしい。でもエスナイデルなら…! あのアンドリューという別の意味でクセがあり過ぎるポテンシャル王子に絶対の信頼を置いたエスナイデルなら…!

ハイラインと下平匠、うーん無理! そんな常識的な判断さえもエスナイデルなら! エスナイデル! 頼むよエスナイデル!

さよなら下平匠。ローン移籍でもボスがマリノスのボスである限りは片道切符だろう。寂しいけれど、この世界では仕方ないことだ。下平匠がその良さを発揮して輝ける場を得られることを切に願っている。レギュラ取ったらフクアリ行くから、頑張って

ありがとう下平匠マリノスに来てくれて、マリノスを愛して心配してくれてありがとう。俺は下平匠が、そのシンプルで的確な判断も職人的な扱い難さもスピード全般の不足も面倒見の良さも全部まとめて大好きだったよ。昨季天皇杯ラスト2試合、伊藤翔さんへのアシストも一生忘れない。ありがとう