横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【アプローチは、今季更なる熟成とそれによる「高い位置でのボール奪取、2次攻撃」を期待したいところ。SHとボランチ、SBの連動性が肝になる by 蒼井真理】 about [練習試合] 横浜 9 v 0 青山学院大

aoi_mari.png蒼井真理



日産スタジアムのお隣、日産フィード小机。11:00からエリク横浜2016シーズン最初の対外試合、青山学院大との練習試合です。土手は風がぴゅーぴゅー寒いです

練習試合vs青山学院大1本目

FW 伊藤翔
MF 兵藤、俊輔、和田昌士
MF 朴正洙、三門
DF 金井、ファビオ、勇蔵、パンゾー
GK 飯倉

朴正洙が2番、金井貢史が24番、和田昌士が14番

1本目は20分で終了。2分、13分に和田昌士のゴールが決まり 2ー0。全体的に、仕上がり早くキレある印象。俊輔も流し気味のプレイながら、軽快な動き

2分、俊輔のFKをファーサイドで朴正洙がヘッドで折り返し、エリア中央の混戦から和田昌士が落ち着いて流し込み1点目。2点目は右サイド、パンゾーのカットイン起点に右奥に和田昌士が流れ受けて、内にドリブルを仕掛け対面DFを1人外して左足シュートを決める

練習試合vs青山学院大2本目

FW 伊藤翔
MF 兵藤、俊輔、和田昌士
MF 三門、練習生
DF 金井、ファビオ、勇蔵、パンゾー
GK 哲也

2本目も20分で終了。3分に練習生、10分に和田昌士、16分に俊輔がゴールを決めて3ー0。和田昌士は40分で3ゴール。18分に、ボール越しの接触プレイで三門が脚を傷めてアウト。1本目からキレッキレだっただけに少し心配

3本目はガラッとメンバ入れ替えてくるかなー

2本目の1点目は和田昌士のマイナスクロスに俊輔スルー、伊藤翔シュートがブロックされたこぼれ球をボランチ練習生がニア上バーに当てゴール。2点目はペナ右角、狭いスペースを俊輔がドリブルでスリ抜け走り込む兵藤に絶妙スイッチ。エリア内クロスを和田昌士が体勢崩しながらもGKを抜くシュート

2本目の3点目は、右サイドから俊輔が内にカットインしつつ左足を振り切る。約22m、豪快にニア上に突き刺すゴラッソ。仕上がり早め

練習試合vs青山学院大3本目

FW 富樫敬真
MF 学、天野純前田直輝
MF 喜田、中町
DF 下平、朴正洙、中澤、新井一耀
GK 田口潤人

富樫敬真が17番、前田直輝が25番、新井一耀が15番

練習試合3本目も20分で終了。6分に相手のゴール近くでのミスを奪い富樫敬真がゴール、終了間際20分に天野純の当たり損ない右足ミドルがDFに当たりGKの逆をついて、2ー0。前田直輝は、まだあまり局面に絡めず

練習試合vs青山学院大4本目

FW 富樫敬真
MF 学、天野純前田直輝
MF 中町、喜田
DF 練習生、新井一耀、中澤、練習生
GK 高橋拓也

高橋拓也が31番

なるほど樋口さんがメインスタンドで観戦されてますね。今季も解説者なのかなー

4本目も20分で終了。11分に天野純の右CKからクリアミスを大外で新井一耀のボレー、天野純が獲得したゴールほぼ正面23mのFKを中町公祐が追い風も上手く使ってニアサイド、ゴール右上に直接決めて2ー0。ただ3、4本目は流れの中から崩したシーンはほぼ皆無

練習試合vs青山学院大 20分×4本

2ー0、3ー0、2ー0、2ー0

得点者:和田昌士×3、練習生、俊輔、富樫敬真天野純、新井一耀、中町公祐のFKが対外試合で決まるの初めて見たかも

ラフィーニャ仲川輝人や遠藤渓太らリハビリ組と一緒に、ピッチサイドでボールを使った別メニュ調整のみ。いやーこんな寒い時期に大学生相手の練習試合にラフィにゃんを使える訳がないじゃないですか! 特に細くはなかったです普通です。着痩せしないタイプです


----

――2016シーズン最初の対外試合、青山学院大との練習試合@小机の雑感・備忘録をだーっと連投

1、2本目は「相手陣内でボールロスト直後のトランジション」が秀逸で「奪い返しに行く、制限する」アプローチと奪ってからの速攻にも連動性と勢いがあり、全体のゾーンが下がり過ぎる事もなくゲームを支配し「エリク横浜らしさ」を体現できていた

対する3、4本目は前目4枚にレギュラ実績の少ない選手が多く1、2本目と比して連動性と勢いが出ず。攻めは散発、守備はハメ切れず。共に2-0で終えたものの崩した局面はほぼ皆無で、あまり質の高い内容とはならなかった。が、個々の問題と言うより単純にコンセプト理解度、練度の問題だろう

1、2本目で体現できた「エリク横浜らしさ」「奪い返しに行く、制限する」アプローチは「中央のスペース、バイタルは消しつつもボールサイドの斜め前方向に連動して圧力を掛ける」動き。SBもボールサイドでは果敢に前向きな圧力に参加。スイッチ役として三門がとても利いていた

この「ロストした瞬間、奪い返しに行く、制限する」反対サイドが絞り内は締めつつ、ボールサイドの選手は斜め前に押し出し強く圧力を掛ける――アプローチは、今季更なる熟成とそれによる「高い位置でのボール奪取、2次攻撃」を期待したいところ。SHとボランチ、SBの連動性が肝になる

システムは4本ともに 4-2-3-1で変わらず。今季も基本となるシステムは変えず、選手の組み合わせを変える中で戦術的なバリエーションを獲得していく事になると思われる

――以下、新加入選手を中心に主観に満ちた個人評

DF2朴正洙。1本目はボランチ、3本目はCBでプレイ。思っていた以上に足元の技術「ボールを引き出し止め、捌き散らす」余裕とセンスがありアンカー的な仕事ができる。が、関東大学2部5位が相手なので、よりプレッシャが掛かる局面での可否、また守備全般の評価は先送り

DF24金井貢史。1、2本目に左SBでプレイ。問題なくチームにフィットし遅攻ビルドにも関与。ボールを保持できる展開であれば、左SB起用でも「中を向いて視野を確保し」より内側に絡むパスおよび展開関与が可能で、それは金井の特徴にも合致する。両SBのバックアッパとしては十二分だろう

現状、SBは全くもって補強ポイントではない。数の問題でなく質の問題。左の専門職でバックアッパとか、いる訳がない。負傷者が連続したら…とか言ったらチームは35人くらい必要になる。最悪、兵藤がやってくれる。全然そこじゃない

FW14和田昌士。1、2本目に右ウイングハーフでプレイ。攻守にガツガツ感を見せタイミング良くエリア侵入、特徴である「ゴール前の嗅覚、どんな形でもねじ込む」強さを見せ3ゴール。今日イチのアピールに成功した。得点力を生かすには、1トップより2列目サイド起用が合っているかもしれない

DF15新井一耀。3本目は右SB、4本目はCBでプレイ。大学時代に見た印象と変わらず。サイズあるCBの割には、縦方向のフィード、スイッチ入れるパスのセンスが高く蹴り分けができる。やや疑問視される対人守備、跳ね返す力は今日の試合では確認できず。要経過観察

MF25前田直輝。3本目と4本目に右ウイングハーフでプレイするも、前線4人の連携が未構築なため、特に効果的な関与はできず。一定のボールとの親和性、半径小さくスムースに前を向く旋回能力は見られたが、特筆すべき打開シーンはなかった。生粋のドリブラというより裏抜けも織り交ぜるタイプか

MF25前田直輝。とりあえず特徴である攻撃面の良さは、キャンプを通して周囲との連携・相互理解を深めてからでないと見えてこない。サイドの守備(ワンサイドカット)で「肩が入り過ぎ」変化に対し柔軟な対応ができていないのは少し気になった。クセだと思うが、早めに直した方が良いと思う

FW17富樫敬真。3、4本目に1トップでプレイ。相手のミスを突いての1ゴールはあったが、流れの中エリア内での決定機でシュートミスも。また1トップとして「攻守に前線の道筋を作る」プレイ、決定機以外での貢献は、やはり伊藤翔には遠く及ばず1、2本目とのゲーム質差の理由の1つとなった

伊藤翔さんも伊達に2シーズン続けて「気付けば不動の1トップ」務めてないっス。今日も40分でシュート2本0ゴールだけど、今季も5~9位くらいでいいなら伊藤翔で全く問題ない(怪我もしない)し、2列目の3人がそれぞれ15点ずつ取れるなら、1トップ伊藤翔でも全然優勝狙えます

GK31高橋拓也は特記事項なし。今日はGK4人とも、特に見せ場はありませんでした。左足首捻挫の遠藤渓太はラフィにゃんたちと別メニュ調整で、ゲーム出場はなし

昨季までのメンバで印象に残ったのは1、2本目ボランチでプレイした三門。攻守に縦方向にキレある動き、特に両局面のトランジションでスイッチを入れる役割を務め、チームにダイナミズムと能動性を生みだした。2本目終盤の負傷が心配(ボールを相手選手と足で挟み合い、もっていかれ捻ったか)

俊輔は1、2本目トップ下。概ね高い位置取りをキープし、前線でアクセントに。自陣からのカウンタで一拍タメ過ぎ伊藤翔のウラ抜けを使えないなど「らしさ」もあるが、全部を俊さん経由にしない、その独特のタメ変化をアクセントとして使えるかはチーム次第。依存でなく「俊輔を使う」意識を

今日は流し気味のプレイも、俊輔の動きは軽快そのもの。バイタル、ペナ角で密集地をスリ抜けるドリブルなど、キレと今季「よりゴールに直結する仕事を」の意気込みも、そこはかとなく感じました。とにかく怪我なく、できるだけ100%に近いコンディションでシーズン通してプレイできますように

兵藤は1、2本目左サイドハーフでプレイ。兵藤らしく内側に絞り「隙間に顔を出しDFを背負って縦パス引き出し1タッチで叩いたり」攻守トランジション良好なチームで、テンポを損ねる事なく良き潤滑油となった。逆説的には、兵藤がレギュラ奪取するには得点力ある1トップが必要という事だろうか

3、4本目にトップ下でプレイした天野純。前線4人が噛み合わず、また昨季、サイドでは攻守に「エリク横浜の約束事」が身についてきた天野純だが、中央では少し迷子気味。決定機のシュートはバーを叩き、1ゴールはDFに当たりコースが変わったもの。もっと確かな結果を積み上げていきたい