横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【「今のマリノス」をぶつけ挑むも、完敗。今日の鹿島は、ちょっと強すぎた。ホーム0ー3以上の完敗。いささか愚直な感もあったが「鹿島が強かった」それに尽きる by 蒼井真理】 about [2015-J1-2nd-16] 横浜 0 v 2 鹿島

aoi_mari.png蒼井真理




2015リーグもラスト2。アンドリューへの期待を隠しきれないアウェイ鹿島戦。またまた往復、屋根下バスのお世話になります! よろしくお願いします

屋根下バス開門15分前にスタジアム到着も、キックオフまで3時間以上あるので外の屋台でダラダラ下世話にヒマ潰し、ようやく入場。バクスタのアッパー、イーストゾーン前売り2500円。俯瞰厨には最高ランクの視界

アウェイ鹿島戦スタメン

FW 伊藤翔
MF アデミウソン、俊輔、学
MF 三門、アンドリュー
DF 下平、ファビオ、中澤、パンゾー
GK 飯倉

SUB:椋大、勇蔵、奈良輪、兵藤、藤本淳吾天野純、矢島

2列目は左にアデ、右に学。ベンチにはリーグ戦1ヶ月振りに矢島卓郎

「アンドリューには喜田とは違うクオリティを出しつつ、喜田がやっていた役割をやってほしい。横パスや、ただボールを回すプレイは期待していない。縦へのボールを出してほしいし、バックパスばかりではチームが成功しない」エリク監督

「こういったチャンスは何度もあるわけではないので、出場したとき自分に何ができるかだと思う。ピッチで何かを残したい」アンドリュー

――本当に「こういったチャンスは何度もある訳ではない」んだ、アンドリュー。そこで何を残し掴めるかで、キャリアが決まっていくシビアな世界。今まで何度も勝手に期待して失望してを繰り返してきたけれど、やっぱり今日も期待せずにはいられない。本当のアンドリューが見たい

「こんなもんじゃない」と「持って生まれた性格がプロ向きじゃなかった」で行ったり来たり。でも、変えられると思いたい。ひとつ自信を得られるキッカケさえつかめれば、乗り越えて行けるものだと信じたい。今日も勝手に期待する。本当のアンドリューは、絶対あんなものじゃない

アウェイ鹿島戦の注目ポイント

・双方の試合の入り方。どちらが主導権を握るか
・互いのプレス開始位置、ハメ所
・自陣からビルド、あるいはシンプルな縦ポンか
・アンドリューのビルド関与&貢献
・俊輔が高いポジションをキープできるか
・ロングカウンタの頻度と実効性

過去のアンドリューは「試合の入り、ファーストプレイ」の持つ意味が過剰に大きかった。良い入りができれば良いプレイができるし、無難なら無難。最初にミスがでると、どんな些細な大勢に影響ないミスでもずーっと引きずって縮こまったプレイしかできなくなる。正直、プロ向きじゃない

でも、そろそろ開き直ってその悪癖を乗り越えてほしい。サッカーはミスありきの競技だし、1人のミスを皆がカバーし合える団体競技なんだから。だからねアンドリュー、テニスとか卓球じゃなくて良かったじゃん。いやマジで。サッカーで良かったじゃん。そういうポジティブ思考でやってみようよ

サッカーはチャレンジ前提のミスありきだし、俊輔でもミスするし、周りがカバーしてくれるし、周りのミスをカバーできる。最後の笛が鳴るまで「取り返しのつかないミス」なんてないんだ。その試合で取り返せなくても、次の試合がある。そう考えられない事が、最も取り返しのつかないミスなんだよ

まあ「そんな事は分かっちゃいるけど」自分の感情をコントロールできないのが問題なんだと思うけど。アンドリューだって「コンチクショー」感を持ってる、その発露が下手なのもよく知ってるけど。結局、大きな成功体験で自信を掴むしかないのかな。それが、今日である事を心から期待している

「横パスや、ただボールを回すプレイは期待していない。縦へのボールを出してほしい」

エリクも、アンドリューの良さと無難に逃げる心の弱さを解ってる。凡百には見えないパスコースが見えて、そこに出す技術とセンスがあるのは間違いない。出せ。表現する勇気を持って、そのパスを

バクスタアッパーの鹿サポも「マリノス埋まったなあ」と唸るアウェイゴール裏は全開放。メイン寄りに、7~8割の埋まりか

選手入場前のホーム鹿島ゴール裏。赤いなあ

さあ連勝へ! 本当のアンドリューを。アウェイ鹿島戦、間もなくキックオフ!

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7分経過。アンドリューは、かなり悪くない入りができてる印象。かかり過ぎてもない

青木が倒れてるから、切ると思った? 相変わらずマリノスは正義の味方、性善説なお人好しチームのままだなあ

前半43分まで、マリノスは流れの中からのシュートがゼロ

マリノスもそんなに悪くはないが、鹿島が強すぎる

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前半終了、横浜0ー1鹿島。シュート1:8(枠内0:3、エリア内0:2)決定機0:3。CK&FK1:4。最初の被決定機で先制を許したのは痛恨だが、スタッツが示す通りの内容。マリノスは流れの中からシュートゼロ。鹿島の守備、追い込み方と狩場設定が秀逸。反応速度や球際の強度でも劣勢

序盤から前半通してマリノスが全然ダメな訳ではない。単純に、鹿島が強い。今のチームの完成度や全体の総合的な強度、練度、つながる力の差。鹿島の狩場と、遅攻の起点はハーフウェイのタッチ際。ブロック守備は上手く中を閉めて、マリノスの遅攻を狩場へ誘導。アンドリューは、そこに付けてはダメだ

入りは悪くなかったが、序盤5分あたりから「イーブンボールへの反応、寄せの速さと球際の強度」で鹿島が上回わるシーンがチラホラ。それと狩場設定、遅攻起点設定の明瞭さの差が合わさり、鹿島ペースへ。前半はずっとそのまま鹿島ペースで推移。マリノスのチャンスは皆無ではないが少ない

自陣からの遅攻で、鹿島の誘導されるがまま狩場であるミドルサードのタッチ際へ「なんとなく」パスを付けるのは宜しくない。特にアンドリュー。だんだん選択が無難に、人任せになってる。それじゃダメだ。誘導されるくらいなら、もっと単純にウラに放り込み間延びや疲弊、アゴのミスを誘う方がマシ

まだ1点差。さあチーム一体となり、打開するための明確なプランを共有できるか? ハーフタイムのエリクの修正に期待 ----

学はエグい選択。や、鹿島戦はそれで良いと思うよ

本当に「つながる力の差」だな…。マリノスの選手たちも、気持ち入ったプレイあるし1人ひとりは悪くない。でもマリノスは散発、鹿島は2人、3人とつながりナチュラルに連動してる。現時点での、完成度の差。普通にやったら、今日は勝てない。勝敗に拘るなら、ゲームを壊してかないと難しい

「ゲームを壊す」という意図的に、矢島卓郎の投入はアリだと思うのだが

今日の飯倉は凄く良いなあ

ちょっと今日の鹿島は強すぎるな…。距離感や反応速度、とにかくチームの「つながる力」が素晴らしい

学は足首が限界か。天野純は、こういう展開でも短い時間でもピッチに何か残してこないと

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試合終了、横浜0ー2鹿島。公式戦12戦無敗、連勝の勢いをかりナ杯王者に正面から「今のマリノス」をぶつけ挑むも、完敗。今日の鹿島は、ちょっと強すぎた。ホーム0ー3以上の完敗。いささか愚直な感もあったが「鹿島が強かった」それに尽きる

マリノスも個々のパフォーマンスは悪くない選手がむしろ多かった(飯倉や学、三門、伊藤翔や途中出場の兵藤など)が、試合途中に何度か指摘した通り「つながる力」に決定的な差。距離感やイメージ共有。圧倒的な反応速度。まあナ杯優勝によるメンタル的な充実、補正はあったと思うが

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――試合後「鹿島が強かった」しか特に書き残さなかったアウェイ鹿島戦を、備忘録のため振り返る

ホームとは意味合いの異なる完敗。6月20日の 0ー3は、前半の決定機2:3で0ー2とされた事、俊輔が「完全復活」前でスタメンでなく、アデを1トップ、伊藤翔をやや下がり目で起用、後半イケそうな展開となるもラフィ投入が裏目など不運もあった。個人的に、鹿島にそこまでの強さを感じなかった

しかし昨日のアウェイ鹿島戦は、清々しいまでの完敗だった。単純な「現時点での完成度」だけでなく、1週前にナ杯を制しステージ優勝とプレイオフへの可能性を残す(そして天皇杯は敗退済み)鹿島のモチベーション&コンディション的な充実と「2週開いた」マリノスのバイオリズムの差も、確かにあった

「今日の試合の総括は、非常にシンプルだ。“我々よりも強いチームと戦った” という事、それに尽きる」エリク監督

相変わらず完敗したゲームの総括は、めっさシンプルやでモンモン!

「あまりチャンスを作れなかった。鹿島の守備は素晴らしくアグレッシブでパワーがあり、強度の高いプレスを攻略する事はできなかった。鹿島のフィジカル能力、個人のスピードやアグレッシブさ、ウラへの走り出しは我々よりも優れていた。それらによる力関係を引っくり返す事は難しかった」エリク監督

「球際の強さやアプローチの速さ、それはたぶんリーグで一番の相手だった。そういう相手とやった時のビルドアップの仕方ができなかった。自分が下がっても、前に行っても状況は変わらなかった。いいボールが来ても、1つひとつの寄せが速いし強いから、単純に何もできなかったよね」中村俊輔

エリクの会見と俊輔のコメントが全て。ちょっと鹿島が強すぎた。何もやらせてもらえなかったし、それを覆すのは難しかった。――特に自虐でも悲観でもなく、先にも書いた「チームのバイオリズム」の問題、巡り合わせもある。鹿島も常に昨日の「ちょっと強すぎる」鹿島ではない訳で

少し趣は異なるが、ホーム浦和戦のマリノスも(というか中村俊輔か)「どうやっても勝てない」特別な強さを見せた。あの試合の浦和も、ほぼ何もできなかったが浦和とその選手たちが、そこまで悪かった訳ではない。「相手が悪かった」サッカーには、そういう日、そういう試合もあるという事

岡田武史の名言に「サッカーは相手がいる、相対的なものなので “互いに100%” という事は有り得ない。一方が100に近いパフォーマンスなら、相手は40とか50しか出せない(出させてもらえない)」というものがある。マリノスの準備や積み上げが、スコアや内容差まで劣悪だった訳ではない

前半のマリノスのシュートは、壁に当たった俊輔のFKのみ。鹿島の「内側をしっかり閉じつつ、外に追い出しミドルサードのタッチ際で狩場を作り、そこをカウンタの起点とする」プランと、そのための個々のプレス強度と連動性、常に「次」を予想した動き出しの速さは、ちょっと尋常でなかった

イーブンボールへの寄せも速いし、そこで奪い切れずこぼれ球になっても、次の選手が「予めこぼれ球になる事を想定して」既に寄せ動いている。全員の関与意欲、展開予想、ポジティブな姿勢とその一体感が、めっさハイレベル。前述した「ナ杯優勝⇒リーグも!」なメンタルの顕れも大きかったと思う

マリノスの選手たちも、僅かに残る「リーグ優勝、プレイオフ進出」へ個々の意欲は高く感じられた。が、鹿島と比べると「つながる力」は弱かった。これは多分に「置かれた状況」の影響も大きな問題で、ゲームの中での修正は難しかったと思われる

例えばアデミウソン伊藤翔は、序盤から攻守にアグレッシブで「何とかしよう」とする意欲、インテンシティ、ゴリゴリ感も十分。でもチームの「つながる力」が相対的に鹿島より弱く、「アデや伊藤翔」が相手陣内ガーッとプレスかけて相手のミスを誘っても、そのルーズボールに詰める選手がいなかったり

三門は、自陣からのビルドが上手くいかない展開で仕方なく俊輔がポジションを落とす中で、不足する前線のリソースを補完すべく平時以上に「縦方向の長いランニング」を増やし、惜しいチャンスの芽も作った。が、鹿島はこの3列目からの飛び出しケアも怠らず、逆に三門が空けたスペースを活用

アウェイ鹿島戦の三門を「前に掛かり過ぎ、穴を空け過ぎ」と批判する向きもあるが、個人的には「俊輔が引いた場合の三門の縦に長いラン」は、まだまだ足りないと感じていたプレイで、昨日の三門の姿勢は高く評価している。それを実効性とさせなかったのは、「ちょっと強すぎた」鹿島

三門の飛び出しによる「惜しいチャンスの芽」が花を咲かせなかったのは、もちろん三門の課題である「ファーストタッチ精度」にも難があった。が、より大きな視点で昨日の鹿島との差を言えば、「そこで収まらずルーズボールになる」事を周囲が予め予想しフォローできたか、その違いの積み重ねが大

リーグ戦、今季2度目のスタメンとなったボランチのアンドリュー。これといった貢献や実効性、インパクトを残せぬまま後半12分に無念の交代

「ボールを奪いにいくことにチャレンジはできたが、その後が雑になって、味方につなげることができなかった。先制点を奪われたシーンも、自分が取れると思ったんですけど…。3年前、プロ初ゴールを決めたカシマで、やってやろうという気持ちはありましたが、やり切れませんでした」アンドリュー

また「できなかった、やりきれなかった」経験と記憶だけを積み上げてしまった。でもなあ、昨日のアウェイ鹿島戦に限れば「相手が悪かった」部分もあるから、あんま深刻になんない方がいいよ…。変な話「適度に無責任になれる、無駄にポジティブ」なのも、プロに必要な資質

エリクの「横パスや、ただボールを回すプレイは期待していない。縦へのボールを出してほしい」期待を完全に裏切り、前半の途中からは「責任回避の横パス」に終始。ただ、前方にパスコースがあったか、秀逸な引き出す動き出しがあったかと言うと「ちょっと強すぎる鹿島」に、ほぼ閉じられてた訳で

結果論で言えば――前半途中から感じてたけど、自陣からの丁寧なビルドによる崩しに固執する必要はなかった。「鹿島の狩場であるミドルサードのタッチ際」に横パスを流すより、もっとシンプルにSBウラに伊藤翔やアデを走らせる縦ポン入れても良かった。SBとCBの間、アゴが飛び出し迷うとことか

これはアンドリューだけの問題でなく、チーム全体として「ちょっと強すぎる鹿島」から勝点をもぎ取る事だけを考えるなら「ちゃんとゲームをする(今日の力量差が内容とスコアに反映される)」より「ゲームをしない、ゲームを壊す」必要があった。ネルシーニョあたりが、まま仕掛けてくるように

――具体的には、プレスかけられたら無理につながずDFラインのウラに縦ポン。DFに背走させて圧力かけてガチャつかせ、こぼれ球狙い。ミスを誘い疲弊を狙う。相手ボールになったら、自陣ブロック形成し無理に食いつかず自陣に呼び込み、アデや学を使ったカウンタ狙い…

だがそういう「理想や目指すスタイルは “さて置いて” 現実的に勝点を取りに行く」は、こないだ川崎戦でやったばかり。鹿島戦は「ナ杯を制し、今リーグで最も勢いあり強い鹿島」に、今季のマリノスの積み上げを正面からぶつけて現在地を測る試合、エリクも選手たちも多分そう考えて臨んだ

であれば「諸々バイオリズム的にもピークで」「ちょっと強すぎる鹿島」に愚直に正面からぶつかり、清々しいまでに何も出来ず完敗を喫した事、今の「足りないモノ」を誤魔化さず露呈した事は、エリク体制1年目終盤の大きな収穫であったと、私は思う。その観点からもホーム0ー3とは全く意味が異なる

「連動性の高いハイプレスに対し、如何に実効性ある攻めを出せるか?」これは今に始まった課題ではないように思うかもしれないが、さりとてマリノスは「自陣に引きこもりブロック形成する相手」の攻略も、決して得意ではない。――まだまだ強みやスタイル、柔軟性の確立は途上にある

アウェイ鹿島戦をネガティブに評すれば、「それにしても “ちょっと強すぎる鹿島” に対し、あまりに愚直。ピッチ上、あるいはハーフタイムのエリクの修正にもう少し現実的な “破壊” があっても良かったのでは」「相変わらず、真面目で正義の味方なマリノス」な感はある

ただその愚直さも、アウェイ鹿島戦に限ってはエリクも選手たちも確信犯的にやってた感も。互いの置かれた順位やらモチベーション。アンドリューにしても、中盤の底から縦ポンするだけなら自分の存在価値は示せない。横パス繰り返しながら「どっかで縦パスを」絶対狙ってたハズ。やらせてもらえなかった

――とまあ、そんな感じでアウェイ鹿島戦は完敗だけどホームでの0ー3みたいなモヤモヤは無し。鹿島は本当に強かったから、アレを壊しに行くのも(サッカーファンや、リーグの価値という観点では)少し罪悪感。これも、置かれた順位やら絡む問題。良いモノを見せてもらったし、糧にしなくては

つまりエリク横浜は「来季もしシーズンの大一番タイトルが掛かった試合で、昨日の “ちょっと強すぎる鹿島” に当たったとしても、それを上回れる地力を積み上げる」分かり易い目標を得られた、と。「強度と連動性を備えたハイプレスへの対抗策」という明確な課題も得られた、と

極めて個人的には、鹿島は2000シーズンに3大タイトル全て直接対決で敗れ奪われた時から、また「短期間でない継続的な強さ」という意味でも、ずっと「一番勝ちたいクラブ」だし、そう思わせてくれる「憎たらしい強さ」を備えたクラブであって欲しいと思ってます

――アウェイ鹿島戦、書き忘れた選手評

途中出場でボランチに入った兵藤慎剛。「ちょっと強すぎる鹿島に対し、相対的に40や50しか出せないチーム」にあって大きな実効性はなかったが、能動性やガツガツ感は感じさせた。守備強度が高く「中を閉じる」相手に対し「ブロックの内側でハブ役となる」スキルは、今のチームで得難い存在

なかなかエリクは、兵藤の「ブロック内側でハブ役となるスキル」を評価してくれないけどね…。前3枚には「前を向く」「個で打開するスペシャリティ」を重視するから? 趣味、趣向の問題か。特に「昨日の鹿島」みたいな展開なら、得難いタレントだと思うんだけど

後半38分から出場の天野純。終了間際のGKとのエリア内1対1は決め切りたかった。また43分、自陣ミドルサードでの反転から抜け出しかけるまでの速さ滑らかさは秀逸。故に尚更、直後にコンタクトで潰された事が惜しい。確かな結果と、強さ(あるいはそれを補う判断や速度)を。本当に惜しい

「ゴール前での落ち着きを、もっと出していかなければいけない。あれは決めないといけないし、しっかりそこはやっていかないとチームに迷惑をかける。もっと上手くなりたい」天野純

天野純はズル剥けるまで、本当にあと一歩。自らが自信や落ち着きや余裕を、エリクや周囲の選手からの信頼を得るためにも、必要なのは目に見える確かな結果。方向性は間違ってないし、エリクの期待も大きい。応えようとする姿勢や進歩もある。本当に結果だけ。でもそれが不可欠なのがプロの世界

後半43分の鋭いターンから前を向くプレイ、「相手に囲まれながら、動きながら、スピード殺さず縦パスを受けて滑らかに前を向き突破の体勢に入る」のは、俊輔には絶対できないプレイ。今のチームだとアデミウソンしかできない類のスペシャリティ。天野純、方向性はそれで間違ってない

細かく言えばアデの「コンタクトの強さと足元スキル」で打開するスキルとも違う。天野純は「半身のボディアングル、瞬間的な隙間の活用」間あいだを使うセンス。あとは「よりエリアに近い場所で」「頻度高く」実効性を発揮するための準備。練習から貪欲に呼び込み、結果を積み上げ信頼を得る事

「でもフィジカル羽毛だから」今は確かに。でも少しずつ強くなってるし、究極的には「タイミング」を突き詰める事で、フィジカルコンタクトの差は無効化できる。隙間で逆を取ればいい――うん、どんどん言ってる事が風間八宏みたくなってる自覚はあるよ!

天野純には、森谷賢太郎みたいになって欲しくないんだ…。マリノスでも、ああいうセンスやスキルを活用できるプロトタイプになって欲しい。そのためにも、やはり日々レギュラチームに絡む頻度を増やし「自分が受けたいタイミングを周知させる」とこからだな

でも天野純は最近、相手SBを限定するサイドの守備は目覚ましく進歩してるし、鹿島戦で後半38分からの出場で2つ見せ場を作るくらいガツガツした関与意欲と危機感も感じるし、本当に期待してるよ。迷わずそのまま。あとは結果を出すだけ。焦れずに自分を信じて、やり続けて