横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【昨季後半からの課題が、何か解消された訳ではない。中断期間に、どんなアプローチを採るか。非常に楽しみだ by 蒼井真理】 about [2014-J1-14] 横浜 3 v 0 川崎

aoi_mari.png蒼井真理


セットプレイが不発だったら、先制点が取れなかったら、相手が堅守速攻やガチャついた展開に持ち込んできたら? 遅攻の中から如何にチャンスを増やすか? 昨季後半からの課題が、何か解消された訳ではない。中断期間に、どんなアプローチを採るか。非常に楽しみだ
俊輔的にも「中断前ラストで3試合振りの4-2-3-1」ここで結果を出さねば、な思いは強かったはず。ある意味では追い詰められていた、とも言えるかもしれない。そして、そんな時の俊輔は必ず結果を出して、自分の価値を認めさせる。やっぱりスターなんだなと思う

鳥栖戦、川崎戦の結果を受けて、中断期間のアプローチは「俊輔をトップ下に置いた4-2-3-1の熟成」そうなると現状の1トップは伊藤翔ほぼ一択「如何に2列目、3列目にも点を取らせるか」「セットプレイの精度とバリエーション充実」という方向性か

1トップにターゲット役と得点力が期待できるFW補強? 鳥栖戦の後に書いた通り、現行1トップには「守備のスイッチ役、方向付け」としても高い貢献が求められる。昨季のマルキは質、今季の伊藤翔は量での貢献大。単純にガチムチ外国籍FWを入れて、俊輔が気持ち良くプレイできるかはまた別の話

俊輔の次には、中澤の名前を挙げたい。3点目の美しいCKボレーはオマケであって、遅攻時には勇気持ってラインを押し上げカウンタの芽を潰し、自陣ブロックでは水際の守備で高い集中力を発揮。「36歳で、そのタイミングでそこに脚を出せるか」という反応速度とコーディネーション

中澤佑二は「デカいだけで才能も高校までの実績もない中、不屈の努力と信念で高みにたった雑草魂」的な語られ方をされがちだし、自身もそういうセルフプロデュースするけど、あんだけ動ける「コーディネーションに優れた187cm」は日本人には本当に希有だからね。凄い才能だよ

それを36歳の今も維持してるのは、間違いなく不屈の努力と向上心であり、それも化け物レベルでなかなか「若手には良いプロの見本、お手本」っても、逆に難しいだろうなあとは最近よく思うところですが

「勝点3への貢献」という意味では、前半24分エリア内にドリブル侵入したレナトの足元から、ファウル無しでボールをもぎ取った哲也のビッグセーブは外せない。前述の通り、先制点が極めて大きな意味を持つ展開。あそこで決められていたら、逆のスコアでも別に不思議はない

パンゾーは凄く良かった。特にオーバーラップのタイミングが絶妙。守備も僅かに小林悠の縦突破、レナトへの対応で後手を踏むシーンはあったが、概ね堅牢で完封への貢献大。周囲からの信頼も厚い。相手が強く試合の重要性が高まるほどに、素晴らしき小林祐三

三門雄大も素晴らしかった。前半36分、ハーフウェイ付近での奪取からサイドを駆け上がりシュート性の低く強いクロスで決定機演出は、正に三門の真骨頂。ブロック守備でも、富澤とバランス維持しつつ全体が引き過ぎないようアプローチと修正の繰り返し。地味に細かな良い仕事

特に前半は川崎が4-4-2で、2トップをCB2人が、SHは対面のSBが担当。富澤と三門は、相手攻撃陣がサイドに人数かけてギャップを作ろうとする際はDFラインをヘルプ、それ以外の局面では相手ボランチに圧力を掛けて、自由な展開を許さず。その細やかな判断の繰り返しが素晴らしかった

後半開始から川崎がシステムを変えたのは、前半のマリノスの対応が完璧だったから(システム的に噛み合ったのもある)しかしよりギャップを作ろうと試みた後半も、マリノスのブロックは崩れなかった。終始リードした展開で、リーグ屈指の攻撃力を誇る川崎に、後半はシュート2本しか許していない

まあ川崎にはまだACLがあって、マリノスは終わってたのは小さくないとは思うけど。でもやっぱり、相手と展開にもよるけどマリノスの自陣ブロック守備は堅いね。CB2人の適性から言っても、こっちの方が…って思う事も

伊藤翔は頑張った。特に守備。遅攻時はスペースランニングより引いてスペース提供。これは少し変化をつけたアプローチか? 藤本淳吾、学との出し入れがスムーズになれば、更なる可能性。時折ラストパスにも意外性。プレイの引き出しは多い。後半34分、抜け出しGKと1対1は決めたかった

伊藤翔の抜け目ないゴールは、エリア手前フリーでセカンド拾った学のDFの間を割りに行く仕掛けから。大きな仕事だけど、シーズン前から期待値高いから全然満足しません。もっともっと。終了間際のアレも決めて欲しい。もっと出来る。もっともっと

他のみんなも、今日はとにかく全員よく頑張ってくれました。本当にチーム全体の集中力による勝利。自陣ゾーン、ブロック守備が、それを出しやすいってのはあるかも。前から追ってもいいけど、単発単独神風プレスはダメ。距離感とカバー意識を失うと全然ダメ

結局「凡事徹底」あたり前の事を、言い訳や妥協なくこなしなさいって事か。その意識付け、互いにカバーし合い、ピッチすべての事象を「誰か任せ」でなく自分の事、自分たちの事と常に考えられるか …そういうとこか。マリノスの選手はプライド高いから、少し緩むとすぐ人のせいにする癖もあるから