横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【前週の勝因が、今日の敗因となる。サッカーって難しい by 蒼井真理】 about [2014-J1-12] 横浜 1 v 2 鳥栖

aoi_mari.png蒼井真理


鳥栖戦スタメン。俊輔、中町、富澤、兵藤の4人が特に怪我でもなく揃ってベンチスタートなど、昨季は考えられなかった。ボランチは3戦続けて小椋と三門。「豊田対策」で富澤をアンカー起用するかな、と思ったが。相手に合わせず今日も「前から、縦へ」か

鳥栖は自陣からのロングフィード豊田陽平の頭に合わせてくるが、その際の狙い所は「中澤とドゥトラの間」空中戦には利のないドゥトラをカバーするため中澤が外に引っ張りだされ、その落とし・こぼれ球を拾って密度の下がった中央を攻略

だが昨季の対戦、特にアウェイでは鳥栖ロングフィードに対し、富澤が豊田陽平と競り合い、DFライン4人はこぼれ球の回収に専念。この対応策は非常に上手くハマった。さて富澤を先発させない今日の試合、中澤がいかに豊田に競り勝つか、周りの…特に勇蔵が集中を維持しセカンドに対処するか

…つーか、ドゥトラでなく下平匠を先発させとけば、少し中に絞らせて下平が豊田に競っても良かったような。下平のヘディングは巧さはないけど、打点の高さと「競り勝てなくとも競り負けない」程度の強さはある。なんでドゥトラにしたかな。ターンオーバだから、か

俊輔が外れて学が先発。はじまりの終わりか、終わりの始まりか。…んな大袈裟なもんじゃねーか。学については「途中出場でも変化をつける、限られた時間で結果を出す」のもアピールだと思ったんだけどな。そっちの方が現実的じゃない? 俊輔を途中投入するシチュエーションが思い浮かばない

右SBはG大阪戦で傷めたパンゾーがベンチ、奈良輪が先発。少し過剰な「ターンオーバ」感はあるが…。樋口監督の狙いは十分に理解できる。「選手を入れ替えつつ続けて結果をだす」事で、一気に選手層の拡充を図りたい。しかし鳥栖を相手にした両SBの組み合わせ耐久性に、やや不安は感じる

「勇気をもって前から、シンプルに縦へ」勢いをもってやり切れるか。少しでも受けにまわっては、今日の陣容で鳥栖のフィジカルコンタクトを厭わない圧力とハードワークに抗するのは難しいだろう。両SBも、積極的に行ってほしい

特に守備、ボールの奪い方に関しても戦術練習では次官を割いていない。まあ大方、G大阪戦と同様の「神風プレスよりは幾分マシなレベルの、早野スクランブル的ハイプレス」か。勢い、気持ちと球際で負けちゃ絶対ダメ!

樋口監督としても「勝てない苦しい時期があっての2トップ&選手の入れ替え」そこで結果が出て、成功体験あってのターンオーバの目覚め。この挑戦が、吉と出る事を祈ろう!

---

前半終了、横浜0-2鳥栖。シュート5:7(枠内1:7)決定機0:6。相手の特徴を考慮しない、G大阪戦の流れを汲んだ勢い重視の布陣とゲームプランが裏目の45分。枠内シュートと決定機数からも0-2は妥当。果敢な挑戦は、鳥栖のストロングポイントを強調してしまった

「前から、縦へ」の意識が強過ぎて、あまりにリスク管理がずさんだった。FWが相手DFを押し下げ深い位置で受けようとする。全体が間延び。この際、両ボランチと両SBの4人が揃って前掛かりになるのは、さすがにマズい。1つのパスミス、こぼれ球が即相手カウンタの決定機に。2バック状態

立ち上がりには「1トップには無かった良い攻撃の形、その芽」がいくつも見られ期待感もあったのだが。攻守に、各選手の特徴と起用意図が上手く表現できていた。それだけに、あまりに不用意な被決定機の数々が惜しまれる

さあ後半は開き直りつつ、最低限のリスク管理を。0-2は決して絶望的なスコアではない。……藤田に代えて俊輔?

---

この交代の意味はよく分からないな。試合後の会見待ち

鳥栖は残り25分から4-3-2-1に変えてバイタル圧縮、逃げ切り体勢へ

---

試合終了、横浜1-2鳥栖。90分に俊輔による意地の一発はあったが、後半こそ完敗と言える内容。組織の完成度、選手の攻守における連動性に明確な差。勢いだけでは如何ともし難い、大きな差があった

後半も立ち上がりから15分間はペースを握り、決定機も作った。しかし多くはやはり勢い任せ、あるいは学の打開力任せであり「チームとしての狙い、意図の見える」攻めの形はむしろ前半にあった。再構築に取り組まなければならない段階で、あまりに動き過ぎではないか?

動けと言ったり、動き過ぎだと言ったり。全くファンとは節操のない生き物であり監督とは難儀な職業だとつくづく思うよ。…しかしね、こんだけ勢い任せに動いて負けたら、何も積み上がらない。拠り所とすべき軸が見つからない

前週の勝因が、今日の敗因となる。サッカーって難しい