横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【広州のギアが上がり切らなかった印象はあるが、そうさせなかったのはマリノスが能動的にゲーム支配しようと終始トライしたため。誇らしい内容 by 蒼井真理】 about [2014-J1-2] 横浜 1 v 0 清水

蒼井真理


スタメンはエルゴラの予想通り。強者を相手に富澤を外してきたのが最も意外。あるいは小椋の起用も樋口監督のメッセージか。「受けて立とうとするな、前から行こう」。引いて守りきれる相手でないし、今日は結果以上に「今の立ち位置を知りたい」

強者相手のターンオーバには是非あるが、例えば現時点で最も信頼できる1トップの伊藤翔。彼がリーグ2試合で示した強みは「強靭なポスト」でも「無類の決定力」でもない。攻守の献身、動き直しの回数、運動量。連戦で疲弊させてその良さを消すような事があっては、起用に何の意味もない

今季の補強と選手層、昨季逃したリーグタイトル、9年振りのACL。シーズン前から思うところは色々あるが、この試合で「現在のマリノスACLの距離感」が測れると思う。昨季ACL王者の広州はこれ以上ない相手。本当に楽しみだ。マリノスには本来の、目指すスタイルを貫き通して欲しい

あとね、ホーム&アウェイ6試合を戦い2チームが勝ち抜けるグループリーグで「最初の2試合を落としたら実質的な終焉」とかあり得んからw 客観的に見れば1強3弱。全北とメルボルンとの兼ね合い次第。「脱・絶対に負けられないテレ朝イズム」どうにでも転ぶ、皮算用は最低3つやってから

ネガティブに見れば端戸と小椋には不安材料も少なくない。それでもやっぱり期待せずにはいられない。強い気持ちよいを見せて欲しい。特に小椋。壮絶に空回るのか、高い位置から相手の攻撃の芽を潰しまくるのか。広州が今日もスロースタートなら、後者となっても驚きはない

あと、藤本淳吾が外れたことで、俊輔のポジショニングや役割どころがどう変化するのか、しないのか(小椋も入るし変化しない訳はないが)立ち上がりから注目してみたい。今季ここまでは多くの時間帯「見」に回っていた俊輔が、どんなプレイを見せるか。たぶんスゲー燃えてると思うんだよな

戦え、ここは俺たちのホームだ。

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さすが王者、広州。学にも特別なマークや対応はなし。Jではない光景。もっと利用すべし

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前半終了、横浜1-1広州。シュート4:4(枠内3:2)決定機1:3。CK1:1、FK2:2。やっぱ個々のレベル高ぇなあ。Jでは見られないシーン、シチュエーション、展開が見られ楽しい。その中でマリノスの選手たちがそれぞれ良さを発揮している事も。ACL、いいなあ

取りに行こうとしても持たれてしまい下がらざるを得ない時間帯も。新鮮な体験。シンプルなワンツーで置き去りにされて決定機になったり(こうなると中澤は厳しく、ファビオが頼もしい)でも撤退戦にはしない、中澤が置いてかれるのもクサビにチャレンジしているからこそ

兵藤、エリア内で上手くパス引き出し相手背負って受けて落として、藤本淳吾にない持ち味を存分に出してたのに。負傷交代は残念! でも強者を相手に十分存在感を示した

小椋も持ち味発揮。18分の果敢な潰しからのカウンタ起点は真骨頂。何気に、惜しいフィードで決定機になりかけてるシーンもチラホラあったり。端戸も小椋も、組織よりも「個」の強さを押し出す相手だからこそ良さが出せている面もあるように思う。選手1人ひとりの距離感が大きいからね

ファビオが頼もし過ぎて、来季チームに残っているか心配なレベル。持ちすぎて危ないシーンはあるけど。パンゾーも、ステージと相手のレベルが上がるほどに集中力とモチベーションが上がるなあ

小林祐三 7.0。素晴らしい

ごめんパンゾー、7.5でいいやw

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試合終了、横浜1-1広州。後半はシュート6:4(枠内3:3)決定機2:2。ボール保持、ゲーム支配する時間帯も多く、互角以上に戦えた。広州のギアが上がり切らなかった印象はあるが、そうさせなかったのはマリノスが能動的にゲーム支配しようと終始トライしたため。誇らしい内容

個々の力の総和では広州が上であったろう。しかし後半はそれをほぼ感じさせなかった。マリノスがチームとして意図したゲーム内容、展開に出来たため、広州のペースにさせなかった。まだ時期的に上がりきってないのも確かだろうが、マリノスはホームに相応しいパフォーマンスを見せてくれた

マンオブザマッチは哲也7.0。前半のコースが変わったFK、後半クロスからのヘッド。2つの決定機阻止。パンゾーは極上の7.5だけど、より直接的な結果への関与という意味で哲也を選出

「まだ時期的に上がりきってない」ってのは広州がね。まだ公式戦消化が少ないから。今日の結果と内容で「ACLで頂点を目指せる」とはならないと思う。でも、マリノスの挑戦する姿勢、端戸や小椋、兵藤、ファビオのパフォーマンスは素晴らしかった。選手層の底上げという意味でも充実の手応え

端戸は、広州がゼロックス杯の広島のような「圧縮」した守備でなければ生きる「場所」を見つけ、走り、輝ける。一定の組織はありつつも基本、個の強さをベースとして押し出してくる(1対1の局面、人と人の間が生まれやすい)広州は、端戸や小椋にとって良さを出しやすい相手だった

前半ATに負傷交代した兵藤も、エリア内「人と人の間」に入り込み、パスを引き出し、マークを引きつけ背負って受けて、浮いた味方に落としチャンスを演出。昨季開眼した良さを存分に発揮。1トップ端戸との補完関係も良好であった。幾分相手を選ぶかもしれないが、オプションの拡充にも手応え

俊輔は想像通り、リーグ2試合より高い位置取りをキープ。それを可能にする中町の攻守に気の利いたバランサとしての仕事振り、ポジショニング。強者を相手に富澤が不在、小椋が入ったの試合で、これほど中盤より後ろの守備で安定感を出せたのも大きな収穫

広州の攻めが、あまりサイドに厚みを出し幅を使うものでなかった理由もあるが。CBは積極的にクサビを潰しに行き、SBは絞ってカバーの意識を高く。バイタルの密度圧縮。クサビ潰しがいなされても、パンゾーが抜群のや予測と集中でケアするシーン多し

リーグでマリノスの守備が崩されるのは、SBのウラを使われCBが引っ張り出される形が多いから。学に対する警戒の低さも同様、広州は王者らしく、あまりマリノスを研究してきてない印象は試合を通して強かった

ファビオも個の強さを押し出す相手に、振り切られる中澤をカバーするなど高い存在感を発揮。局面守備や高さはもちろん、ビルドにも確かな進捗が見られる。チャンスに絡む惜しいシーンもあったが、あそこでインパクト出してたらマジで来季は買われていっちゃうよ

そして小林祐三。高い守備の集中力と予測、余裕と勇気あるボールキープ、そしてドリブルによる局面打開の仕掛け。ステージと相手のレベルが上がるほどに質を高めるプロフェッショナル。本気でA代表で、より高いレベルでプレイする姿を見てみたくなるほどに素晴らしく極上