横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【このチャレンジは失敗だったとは思わない。「藤本淳吾のトップ下」「俊輔不在時の代役」に一定の目処が立った事が、メルボルン戦で一番の収穫か by 蒼井真理】 about [2014-ACL-予選3] 横浜 0 v 1 メルボルン

蒼井真理


スタメンはGK哲也、DFパンゾー、勇蔵、ファビオ、奈良輪。MF三門雄大、小椋、優平、端戸、学。1トップに矢島卓郎か。今季初めて「俊輔抜き」の試合。のみならず昨季ベスト布陣からは哲也、勇蔵、学のみ。「 誰が出てもコンセプトの中で特徴を出せる。チャレンジするタイミング 」樋口監督

俊輔や中澤、伊藤翔を帯同させなかった事、富澤や中町、藤本淳吾を抜いたスタメンには是非あろうが、個人的にはかなり好感。「樋口監督、本格的に始まったな」。このタイミングでコレやっとかないと、選手ぶっ壊れてリーグ優勝争いからサヨナラのリスクは高まる。チャレンジであり、リスク管理

更に言うなら、仮に昨季のように奇跡的に長く「ベスト布陣」を固定し続けられたとして、2年後のチームはどうなる? 1シーズンのスパンでも2、3年後を考えても、絶対やらなければならない施策。正直、ナ杯でなく「ACLの」GLで樋口監督がコレをやれるかシーズン前は不安だったw

ACLだと、日産自動車からの期待も高まるだろうから。有形無形のプレッシャがあったりするのかな、と

チームのコアである俊輔、中町、富澤を全員欠いた布陣で「誰が出てもコンセプトの中で特徴を出せる」かは、正直かなり疑問。藤本淳吾も不在、いつもよりガチャガチャした展開が増える可能性は高い。収める、タメる、落ち着かせる選手が皆無。その中で如何に冷静にゲームを進められるか?

矢島、端戸、優平、三門、小椋、奈良輪、みんな楽しみ。期待してる。藤田にも、チャンスあるかな!

「俊輔や富澤がいるチーム」と同じサッカーは絶対不可能。ピッチに経った選手たちが強い責任感を持って、意志疎通して戦うしかない。不安は大きいが、期待はより大きい。今日のマリノスをBチームだとは思わない。1つでも多くの可能性を見せて欲しい。もちろん、勝点3という結果も

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前半終了、横浜0-1メルボルン。シュート2:3(枠内0:1)決定機0:2。CK6:0。ポゼッションは6:4でマリノスメルボルンの攻め手はシンプルなカウンタのみ。シュート3本で決定機2、スタッツが試合内容そのもの。予想通りガチャついた展開。距離感遠くパスコース作れず→パスミス

やはり収まり所、落ち着かせる存在がいないのは厳しいか? ボール持った時、スペースを探し走り出す動きに偏り過ぎ「寄って顔出す」選手が少な過ぎ。だからパスコースが少なく狭い。マリノスのサッカーをするなら、もう少し寄せて距離感保たないと

1トップ矢島卓郎も存在感希薄。攻撃が「学ありき」過ぎる。彼を軸に端戸、優平、奈良輪がサポート(あるいは学を囮に)で、学があまり調子良くなく打開出来ないもんだから手詰まり。依存し過ぎ。左ペナ角偏重。奈良輪のスワイプからのクロスには可能性を感じるが

後半開始から中町か、富澤を投入するかな? 偏りと距離感を修正し、落ち着かせる存在が必要。このままの布陣で、彼らが自分たちで考えて修正できるのが無論ベストだが

なるほど、藤本淳吾か。さて、どんな役割を与えられピッチに立つか。どんな変化を生み出せるか。流れを変えられれば、今後にも大きな収穫となる

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試合終了、横浜0-1メルボルン。後半はシュート10:3(枠内3:1)決定機6:3。CK4:0、FK3:0。ポゼッションは7:3、ほぼハーフコート。トータル決定機は6:5か。後半序盤から25分までの攻勢で決め切れていれば…。藤本淳吾が入って攻撃に厚みと幅、余裕も生まれたのだが
前半は「学ありき」でシュート2、決定機ゼロ。特に端戸にはもっと自己主張が欲しかったところ。しかしこのメンバ構成では厳しかったか。後半、トップ下に藤本淳吾が入って大きく変化を生み出せたのは、かなりポジティブな収穫。ただ6つの決定機も、完全に崩しきったものは1つあるなし

前半はやはり、収めタメを作る選手が不在→全体に余裕なくスペースに走り→距離感悪くなり→パスミスが増えた。カウンタ脅威のメルボルンに、ガチャついた展開としたのは良くなかった。ボール支配では上回り被シュート3本も1失点、これが決勝点となった。藤本淳吾が先発起用できる状態であれば…

後半は前半以上にボール支配したし、何より藤本淳吾が入りタメを作れるポイントが出来た事で攻めに厚み。前半は三門雄大のシュート2本のみが、後半はシュート10、決定機6。決まらないのは技術と運。メルボルンにもカウンタから決定機を作られ、オフサイド誤審で追加点を免れたのも確かだが…

これでGLの半分、3試合を消化して勝点1。GL突破は厳しくなった。しかし今日のチャレンジが間違いであったとは思わない。特に後半は、大いなる可能性を感じさせてくれた。チームと個々に確かな収穫もある。惜しむらくは前半、藤本淳吾か中町か富澤、誰か1人ピッチにいてくれれば…

でも90分トータルの決定機数では上回ってるしなあ。メルボルン相手に「ボール支配=ゲーム支配」とは決してならないが、後半は悪くない内容だった。「藤本淳吾のトップ下」「俊輔不在時の代役」に一定の目処が立った事が、メルボルン戦で一番の収穫か

優平は運動量と切り替えの速さ、ターンの質。奈良輪はダイナミズムとクロスのコースを作るドリブル。小椋は縦の潰しとセカンド回収。三者は本来の良さを発揮し、まずまず良いアピールができたのでは。ただ繰り越す課題も変わらず、いずれも決定的なインパクトは欠くが

やっぱり悔しいし、消化不良の感はある。「もっとできるだろう」という気持ちはチームにも選手個々にもある。それでも繰り返すが、このチャレンジは失敗だったとは思わない。否、必ず次に繋げ、生かさなければならない

選手にしろチームにしろ、1試合で判断しない。例えば今、藤本淳吾が急激に存在感を高めている事も、まだ彼のコンディションも周囲との連携も十分でなかったゼロックス杯から(計算できる兵藤を外し)我慢して樋口監督が起用してきたからだろう。そうやって「俊輔不在」にも目処が立つようになる