横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【番外編:「改革着手後にクラブライセンス制度が導入されたのは誤算。赤字解消はまぁご想像のような結果(日産が解消?)になると思います」 by 嘉悦社長】 about FOOTxBRAIN 2014/02/08 より

※FOOTxBRAIN(2014/02/08)の内容について、foot_brainさんのツイートの転載になります。

今夜11:30~のFOOT×BRAIN、ゲストは横浜F・マリノスの嘉悦朗社長。日産時代は「ゴーン社長の懐刀」と呼ばれた嘉悦氏が、その改革手腕を詳細に解説! 債務超過の話題も… マリノスの挑戦に迫ります!

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嘉悦 朗? 日産の社長にカルロス・ゴーンが就任した際、プロジェクトチームのリーダーに抜擢される。社内課題解決の迅速化の枠組みを作るなど、ゴーンの右腕として様々な改革を実施した日産復活の立役者のひとり。(続く) 

嘉悦 朗? 改革の実績を買われ、2010年にマリノスの社長に就任。成績不振と収益の悪化に苦しんでいたチームを改革し、近年の躍進を実現させている。

嘉悦氏が社長就任以来(2010年~)、横浜F・マリノスのリーグ戦成績は8位、5位、4位、2位と上がり続けている。


横浜F・マリノス 近年の平均入場者数
08年23,682人/
09年22,057人/
10年25,684人/
11年21,038人/
12年22,946人/
13年27,496人 

Jリーグ観客動員数ベスト5(2013年、1試合あたり) 
1位 浦和37,100人/
2位 横浜FM 27,496人/
3位 新潟 26,112人/
4位 F東京 25,073人/
5位 C大阪 18,819人 

「ゴーン氏はある意味、経営者のお手本。日本人に合った経営、組織運営、人材育成・活用をしている」(嘉悦社長) 

クラブライセンス制度の導入により、今シーズンでその10億超の債務超過を解消しなければ、横浜F・マリノスにはクラブライセンスが交付されない、すなわちJリーグでの試合ができないことになってしまう。債務超過の真実、マリノスの挑戦に迫ります。

J1クラブの収入構造:海外クラブに比べ、スポンサー収入への依存度が高い。大企業を親会社に持つクラブほど、その支援に頼っているのが実情。

嘉悦社長就任以前のF・マリノスの収入構造はおよそ半分がスポンサー収入。うち2/3は日産からの支援だった。嘉悦社長は健全なクラブ経営を理念に赤字補てんを断ち切り、できるだけ自力でこれを挽回しようと考えた。したがって4年前から赤字が「表面化」した。

マリノスの負債総額推移:07年1.2億⇒08年1.2億⇒09年1.6億(ここまで日産による赤字補てんあり)/10年5億(嘉悦就任。以降補てんなし)⇒11年10億⇒12年16億。

選手にも会社の考え方、経営の現状について話している。その上で選手に協力してほしいこと、会社としてやるべきことを伝えている。選手たちはかなり理解をしてくれていると思う(嘉悦社長)

「(選手に会社の考え方、経営の現状を伝えることは)僕が現役のときは無かった。選手がどのように感じるかはまた別問題だが、それを理解する選手もいる。クラブとしては良い姿勢だと思う」(福田正博)

「チーム消滅、というのが出てから行動していては遅い。もっと早い段階で選手が経営について理解するというのがあったら、ひょっとしたら横浜フリューゲルスは消滅していなかったかもしれない」(三浦淳寛)

J1全体の入場者数が伸び悩む中で、マリノスは集客も売上も確実に上がっている。入場者数は09年~13年で25%アップ。スポンサー収入、グッズ販売、スクール事業なども好調に推移。

昨年のホームラストゲーム、2013年11月30日 J1第33節 VSアルビレックス新潟。62,632人の入場者数はJリーグ史上最高記録を更新した。

歴代J1リーグ入場者数ランキング:
1位 62,632人 13/11/30 横浜F・マリノスVSアルビレックス新潟(日産)/
2位 62,241人 06/12/02 浦和レッズVSガンバ大阪(埼玉) / 
3位 62,123人 07/11/24 浦和レッズVS鹿島アントラーズ(埼玉) 

パーチェス・ファネル 
消費者の購買プロセスを下向きの“funnel”=じょうご、ろうとの形で表現したマーケティング理論。
認知⇒親近⇒好意⇒購入意向⇒購入⇒再購入
という各プロセスの質を上げ、購入(=観戦)に至る確率を少しでも高めていく。

横浜F・マリノスはサポーターを増やすためにパーチェス・ファネルを社員・選手全員で共有した(嘉悦社長)

マリノスのホームタウン活動:日産スタジアムのある横浜市港北区の25の公立小学校すべてにトップチームの選手を派遣したり、3万人の小学生にチームの下敷きやクリアファイルをプレゼントしたりした。結果、港北区の来場者が全体の観戦者の10%まで上昇。

マリノスのプロモーション活動:コラボポスター以外にも市内のラッピングバスや、ホーム最終節告知用ののぼりを街中に掲出した。

横浜F・マリノスのホスピタリティを向上するために。一流のおもてなしを学ぶという意味で、目指すのは「東京ディズニーランド

クレド(理念)カードを全スタッフに配布してコンセプトを共有。以前番組出演した藤井純一氏(元C大阪、元日本ハムファイターズ社長)も導入していた。そのC大阪も選手のファンサービスを徹底し、観客動員数を増やしている(昨季J1第5位の18,820人/試合)

クロス・ファンクショナルチーム
ゴーン氏が日産リバイバルプランでも導入。1つの課題を担当部署だけでなく別部署や役職の人が集まり検討。嘉悦社長はこれをマリノスに移植。例えばコラボポスターを提案したのはマーケティング部ではなく、スポンサー営業の部門だった。

クラブライセンス制度:2013シーズンから導入。クラブを競技、施設、人事体制、財務、法務の5分野で審査。3期連続赤字(12年度~判定)または債務超過(14年度~判定)があるとJリーグでの試合ができなくなる。マリノスは今季10億の債務超過解消が不可欠。

改革着手後にクラブライセンス制度が導入されたのは正直言うと誤算だった。時間をかけ赤字、債務超過を解消する想定だった。だがチームは優勝争いをし、売上高も過去最高。これを日産が高く評価している。債務超過をどうするかは日産側と議論を重ねている(嘉悦社長)

編集注)三浦淳「日産が解消するのか?」嘉悦「まあようするにご想像のような結果になるような気がしますけど」

チーム成績と収益のバランスを見つけ出す努力が重要。(嘉悦社長)

嘉悦社長「勝敗に対するこだわりがないとダメ。ボクは負けたときは本当に悔しいし、暴れまくるんですよ!壁を蹴りまくるし(笑)」