横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

【メンバー入りもかなり厳しい争いになる。昨シーズンとはまた違う幅のあるチームに。 by いた】 about 2014オフの補強について

新体制発表を日曜日に控え、オフの動きが収束しつつあるので、印象などを。

今オフの動きにテーマをつけるとしたら、このような形か。
1.マルキーニョスの穴を埋める新たな前線の核の獲得
2.ドゥトラの引退に備えての左サイドバックの後任候補の獲得
3.齋藤学の欧州移籍に備えての2列目の獲得
4.チーム内競争を生むための実力者の獲得
まず一つ目、契約がまとまらず神戸への移籍となったマルキの穴を埋める補強。
これに関しては矢島卓郎が担うことになるのかな、と。

ボールが収まり起点を作れる、陸空万能、最前線からのチェイスで守備貢献もこなし、もちろんゴールも出来る。そんなスーパーマンのようなマルキの代わりとなると早々に見つかる訳もないのだけど…
このポジションの重要性は2012年シーズンに嫌というほど味わっただけに矢島に掛かる期待は大きい。

磐田・前田遼一(残留濃厚)、大宮・ノヴァコビッチ(→清水移籍)の獲得を目指したものの実現とはならず、結果として矢島の獲得となったわけだけど、個人的に彼もまた怪我さえなければ、非常に期待のできる人材だとは思う。

持ち味は身体能力。分厚い筋肉の鎧を纏い、ジャンプ力・スピード・シュート力と並はずれたものを持ってる。一言で表すなら「怪物系」。09年天皇杯4回戦で決められたミドルシュートは記憶に深く残っている。

横浜の今のスタイルに馴染めるかは未知数なところがあるけれど、川崎でもボールの引き出し方や裏の獲り方など風間監督に指導され、怪我をする前は中村憲剛とのホットラインで結果も残していたところは注目点。この辺が横浜で花開いてくれたら嬉しいな、と。

世界的な潮流を見ても依然としてストライカーの価値は高く、引く手あまたで、獲得競争も激しい。それもそのはず、スコアによって試合の結果が変わり、成績も変わる。そこに直接関わる選手を限られた予算内で獲得するというのは非常に難しいタスク、どのチームも手放したくはないだろうしね。

次にドゥトラの後釜。今シーズンにもという話があったけれど、無事契約延長した動虎様。40歳でもフル稼働でその必要があるのかと思ってしまうけれど…近い将来訪れるであろう「その時」に向けて、準備が必要だったのも間違いない。 そこで獲得したのが大宮の下平匠

横浜が動虎様に最も頼っている部分は左サイド低い位置からのビルドアップ。全盛期のように一人で運んで剥がしてクロスを上げて、と全てを賄うとまではいかないけれど、相手を引きよせては狭いパスコースを通して前に繋ぐプレーは健在。横浜のポゼッションの一翼を担っている。

ガンバユース出身の下平くん。足元の技術やセンスに定評がある選手。繋ぐ、という点で彼が備えてるものは高い。キック自体も持っていてクロスボールの質も備えている。横浜が動虎様に頼っている部分と強みとしては合致しており、納得の獲得か。

守備に置いて、スピードに欠ける部分、守備の粘り強さなどに難点はあるけれど、ここが横浜の文化に染まって脆さが消えれば、楽しみな存在。移籍金払ってまで獲りに行った価値をぜひとも示してほしい。

3つ目、2014年シーズンの契約更新を行い、今シーズンも横浜でプレーすることになった齋藤学も、WC後の動向に関しては不透明。獲得オファーのあったヴォルフスブルク以外にも手が上がり、大枚を叩けば移籍の可能性はあり得る。その可能性を考えると2列目の獲得は不可欠だった。

そこで獲得できたのが藤本淳吾。穴埋めと呼ぶには豪華すぎるビッグネーム。3年前清水の契約切れの際にも獲りにいったレフティが名古屋での3年間を経ての横浜への「復帰」となった。

彼に期待したいのは俊様頼みの側面が強かったアタッキングエリアでのアイデア付与、ミドルシュートなどの違いを付与するプレー。俊様に万一何かのアクシデントがあった際に攻撃のリーダー役を担えるという意味で彼が加わったことの意義は小さくない。

俊様と比較する必要はないけれど、俊様に比べるとプレーエリアはよりゴールに近く、ボックス内への侵入も多い印象。個のイメージが強い名古屋だけど、玉田や小川と絡んだ崩しは美しかっただけに、横浜でも兵藤さんや俊様といい関係を築いて頂きたい。

また、伊藤翔も面白い存在。話題先行の面は否めず色眼鏡で見られることも多いけれど、これまでの横浜にいなかったストライカー色の強いアタッカー。サイズもあり、フィジカルもあり、スピードもある(加速、という点では…)万能系な選手。

裏抜けが得意とのことで矢島や仁といい関係が作れれば点を取りに行くオプションとなりえる。毛色の違う選手が入ることでの化学変化含めて期待したい。

様々な可能性含めても、元々層の薄いポジションなだけにここに実力者が来たことはチームにとって大きな+となるのではないかな。翔くんはここに食い込むこと、簡単じゃないけれどその決意を姿勢に、アピールに。頑張れ。

そして、チーム内競争の活性化、という点。1トップ以外のレギュラーが残留となれば、昨シーズン同様の戦力なら無風状態は続いていたと思う。しかし、前述の4選手はもちろんのこと、中盤・SBを高いレベルでこなす三門雄大の加入で、どのポジションも競争が生まれるのではないか。

三門くんは本職ボランチだと思うのだけど右サイドバックとしても能力を発揮していた。特に昨シーズンホームの新潟戦、まなをクレバーかつタイトな対応で抑えたのは記憶に新しい。スピードを備え、頭の切替も早いハートワークも出来るとなれば、アグレッシブなチームを目指す樋口監督には重宝されるはず

実際、加入してくる選手は前所属でスタメンだった選手。わざわざベンチに座るために移籍を決断したのではないはず。高いモチベーションをもって取り組み、信頼を勝ち取れば、レギュラーの入れ替えもありうる。野心を持ち加入してくる選手による新風には凄く期待してる。

また、メンバー入りもかなり厳しい争いになるはず。コンスタントに名を連ねていた選手も必然的に押し出される可能性があるし、コンディションや調子を崩したりすればすぐにベンチ外となるはず。高いレベルで競争できるコンディションやモチベーションを整えていかないと蚊帳の外になりかねない。

まだA契約枠、外国籍枠、アジア枠と枠を残しているとはいえ、昨シーズンに比べ選手層は間違いなく厚くなった。既存のチームに組み込む、アジャストする必要はあるとはいえ、昨シーズンとはまた違う幅のあるチームになれる可能性はある。

昨シーズンあと一歩足りなかったものがこのチームにあるかどうかはわからないけれど、期待したいし、期待を持ってシーズンに臨みたい。そういう意味で新加入選手が吹き込む新しい風を歓迎したいな、と。

あまじゅんがんばれあまじゅん、あまじゅんかわいいよあまじゅん←