横濱戦術四天王(仮)~マリノスの戦術を読み解く〜

横浜が誇る戦術四天王による、横浜F・マリノスについてのつぶやきをまとめます。 ちなみに、あと2人がみつかりません。

★新春★【タイトルの夢が潰えた終盤戦も、柏戦の前半は今季ベストの内容であったと思うし、学の長期離脱を受けた吹田戦の渓太の決勝ゴールは感無量で1人バクスタでさめざめ泣いた。首位鹿島戦の勝利も含め、3年目のエリク横浜、2017マリノスは最後まで投げ出さず、前を向き続けてくれた。私は誇らしく思う by 蒼井真理】 about 2017シーズンのリーグ戦総括

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

エリク横浜のラストゲーム、元日決勝の前夜大晦日に『2017シーズンのリーグ戦総括』を連投*1

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  • 蒼井真理
    • 【基礎的なデータ】
      • ◾前半戦 10勝2分5敗 得22失14+8 勝点32
      • ◾後半戦 7勝6分4敗 得23失22+1 勝点27
      • ◾通年
      • ◾️単純な勝敗データからの総括
    • 【2017シーズンを3つの時期に分ける】
      • ◾序盤 1~12節
      • ◾中盤 13~24節
      • ◾終盤 25~32節
    • 【直近6シーズンの比較(エリク&樋口体制)】
    • 【2017得点パターンと前年比】
      • ◾ゴール
      • ◾2016得点上位4選手
      • ◾シュート本数と決定率
      • ◾決勝ゴール
      • ◾アシスト
      • ◾ラストパス
      • ◾スルーパスと成功率
      • ◾クロスと成功率
      • ◾ドリブルと成功率
      • ◾敵陣空中戦と勝率
      • ◾自陣空中戦と勝率

【基礎的なデータ】

17勝8分9敗 得45失36+9 勝点59 5位

優勝した川崎と勝点13差。ACL圏3位C大阪と4差。4位以内DAZNマネーも獲得ならず

45得点はリーグ8位
36失点はリーグ5位
得失点差+9はリーグ7位

◾前半戦 10勝2分5敗 得22失14+8 勝点32
  • 先制できた試合○○△○○○△○○○○○
  • 先制された試合●●●●●
  • スコアレス試合なし

先制した試合は10勝2分、先制されると全敗。昨季から続く「先制点次第」な傾向は強調。8~10節に3連敗、13~17節に5連勝

◾後半戦 7勝6分4敗 得23失22+1 勝点27
  • 先制できた試合△△○○○○△○○●●△○
  • 先制された試合●●△
  • スコアレス試合△

先制した試合は7勝4分2敗。昨季から続く「先制すれば無敗」記録が終盤に途絶えて連続逆転負け。先制した試合そのものは、前半戦より多かった

◾通年
  • 先制できた試合 17勝6分2敗
  • 先制された試合 0勝1分7敗
  • スコアレス試合 1分

先制された試合は8戦勝ち無しだが「先制できた試合」を昨季の14から25試合に大きく伸ばして総勝点と順位を上げた。一方で目標に届かなかった原因は後半戦の先制できた試合での取りこぼし

◾️単純な勝敗データからの総括

昨季は先制できた試合が14戦無敗、先制された試合が18試合。昨季総括で「先制できる試合を増やしたい」「0ー0展開を主体的にコントロールしたい」と書いたが、その通り先制した試合を25試合と大幅増、勝ちパターンを確立した事が中盤戦の無敗期間に繋がる


【2017シーズンを3つの時期に分ける】

  • 序盤 1~12節
    「若さ勢い好発進も壁に直面し模索」
  • 中盤 13~24節
    「先制勝ちパターン構築し無敗街道」
  • 終盤 25~32節
    「頂に挑むも敗れて負傷者も続出」

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*1:本記事は、2017/12/31の投稿内容となります

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【徹底的に相手に合わせて対応する采配で勝負に徹するような試合をしてもいい。こだわるべきは結果。勝負師ではないエリクだけど、勝つための采配というのを見てみたい。 by いた】 about プレビュー of [2017-天皇杯-準決] 横浜 v 柏

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【再掲】【明日は天皇杯準決勝】

hamatra match preview 011:問われるのは、ビハインドメンタリティ。 〜 【2017 明治安田生命 J1リーグ 第26節】 vs 柏レイソル - Web Magazine hamatra http://www.webmagazine-hamatra.com/entry/2017/09/15/120000
www.webmagazine-hamatra.com

【再掲】【第26節柏戦レビュー】【明日は天皇杯準決勝】

2017.9.16|いた|note(ノート) https://note.mu/itaruru/n/n804c3eb913be
blog.yokohama-tactics.com


3週間の空白の後の天皇杯準決勝。

勢いや流れといった線は一度途切れているといっていい。

選手はオフを経て心身ともにリフレッシュした状態のはず。不安要素は「試合勘」「試合体力」。

また、相手を分析し、策を落とし込む時間もあっただけにスペシャルカスタマイズがあったとしても驚きではない。

前回対戦では積極的なプレスと左サイドのコンビネーションで圧力を掛けて優位性を保った前半は今季1、2といっていいほど素晴らしい内容。

しかし、後半は柏がビルドアップの構成を変化させたことで柏が優位に。押し込まれ、最後は劇的なFKに沈む。

両監督の采配も含め、見ごたえ抜群の好試合。

その前の日立台での試合は柏の試合。

柏の強烈なプレッシングに横浜の攻撃は地盤から瓦解、ほとんどサッカーにならず。

怪我明けの齋藤学は小池龍太に封殺され、左サイド偏重の横浜は完全に手詰まり。ゲームの流れそのままに柏が加点し、柏としては完勝。

これらのゲームを例に考えれば…

  • ゲームの趨勢を決める攻撃構築制限。日産のリピートか、日立台のリピートか。(+采配・配置の頭脳戦)
  • 齋藤学不在によるキーサイドのパワーバランスの変化
  • キーマンの攻防、山中亮輔×伊東純也から下平匠×伊東純也となることで生まれる"スピード"のミスマッチ
  • マルちゃんのコンディション(ロングカウンター、アイソレーションプランの鍵)
  • 柏の前線の組み合わせ(クリスティアーノ、伊東純也、ハモン・ロペス+1は誰になるのかでプランが透けて見える)
  • 中断挟んだ試合で余り成績が出ていない横浜の試合の入り方。

個人的な願望として。

就任1年目、日立台でやった柏戦、喜田拓也をトップ下に置き、大谷秀和に対してマンマークに近い形で起点潰しを敢行して相手のリズムを壊した試合を鮮明に覚えている
三門雄大サイドバック配置転換からの2アシストによる逆転勝利

多くとも2試合、期間にして1週間。長期的な視野に立つような状況でもないだけに、徹底的に相手に合わせて対応する采配で勝負に徹するような試合をしてもいい。タイトルのための最後の2試合、こだわるべきは結果。

勝負師ではないエリクだけど、勝つための采配というのを見てみたい。

【崩す・突き抜ける「エリア」の違い、外を崩すことが目的になっていないか。じゃあそれをゴールに繋げるには?という考え方に違いを感じました。セレッソ強かった… by いた】 about [2017-J1-32] 横浜 1 v 4 C大阪

f:id:harukazepc:20170419104133p:plainいた

セレッソに色んなことを気付かされたかも。うん。

分析しつつやろうとしてることが似てるな、って思ってたのだけど、ちょっと違う、そのちょっとが大きな差。

見たくないけどもう一回見てみよう。

〜〜〜

意図は同じ、サイドバックセンターバック間のギャップへの侵入。

ただ、それがボックスの外なのか、中なのか。どちらがゴールの可能性が高いのか。

崩す・突き抜ける「エリア」の違い、外を崩すことが目的になっていないか。その違いが大きく出たような気がするの。 もう一度考えてもいい。

楔を通した上での中起点、幅を取った上での外起点の違いはあるのですが、どこを使うかは同じなんですよね。

そこの部分で直接的な脅威としてセレッソの「考え方」は参考になるのかなーと思ったりしました。横浜の子たちのユースからの「癖」に近いのですが、その「エリア」をもう5m内に出来たら…

作り方、崩しに入る過程の違いなので一概には言えないのですが、真ん中を締めるのはスタンダードになりつつある中でギャップを広げる・突くという考え方もスタンダードになってますよね。じゃあそれをゴールに繋げるには?という考え方に違いを感じました。セレッソ強かった…

〜〜〜

松原健の判断ミスはあるにせよ、セレッソはこれまでも崩す過程においてギャップを突くトライでは「ボックス幅」を共有していた。だからこそ清武弘嗣水沼宏太はゴールに直結するプレーが可能だった。

もう一手間掛ける意義はあるのか。中の厚みを削ってまで外を崩すことで得点率は上がるのか。

【曖昧だった要素を選手達に示すことができたからこそ伸びた選手がいたと思うの。選手個々でまだ足りない部分もあるにせよ、道を示したことの功績。 by いた】 about エリク モンバエルツ監督の退任に際して

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「個人そしてチームレベルでたくさんの改善がみられていますので、我々がその目標を達成できると信じています。」

のっぴきならない状況での緩やかな世代交代とチームの新たなプレーモデルの礎を作ってくれた功績には最大限の感謝。
最後に一緒にタイトルとりたいね。

築き上げた礎の上に、更なる積み上げが出来る監督を呼んでいただけたらこれ幸い。
ほんとみんなうまくなったから、それを結果に、数字に反映できるような。シティさんおなしゃす!

しかし、このタイミングかぁ…

もう少し運に恵まれていたら、というのはある。
「持ってる」「持ってない」で言ったら「持ってない」カテゴリに分けられると思うから。

明確なプレーモデルがあって、求めるべき基準も明確になる。
強度やトランジッション、フリーランニング、その他にもポジショニングや優先順位。

曖昧だった要素を選手達に示すことができたからこそ伸びた選手がいたと思うの。

選手個々でまだ足りない部分もあるにせよ、道を示したことの功績。

鹿島じゃないけど、勝つ、タイトルをとる成功体験みたいなものがもたらされたら言うことない。最後にとれたらいいなぁ。

【エリクの退任は、マリノスが「更なる高みを目指す準備」ができた、その仕事をエリクが見事に成し遂げた――その判断に基づくものだと思いたい。新監督が決定する頃までに、番記者の皆さんには利重さんやドルに取材して報じて頂きたいと切に願う。 by 蒼井真理】 about エリク モンバエルツ監督の退任に際して

f:id:harukazepc:20170419105933p:plain蒼井真理

横浜F・マリノス【公式】@prompt_fmarinos

このたび横浜F・マリノスでは、エリク モンバエルツ監督が2017シーズンをもって退任することになりましたのでお知らせいたします。

2018シーズンの監督につきましては、決まり次第お知らせ致します。
http://sp.f-marinos.com/news/detail/2017-11-02/100000/180508 #fmarinos

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エリクは今季限り3シーズンで退任か。個人的には3年目の今季がある意味「本当の意味でのスタート」だと思ってたし、その中で内容も結果も一定以上のものを示しているので4シーズン目があって良いかなと考えていたけど。3シーズンが1つのサイクル、マンネリ回避というのも道理ではある

監督には類型、タイプというものがあり「全分野、要素で100点満点」の監督はいない訳で、大事なのは「今のチームと目標に即した監督に託す」事。エリクの強みは間違いなく「若手育成チームのベースアップ」にあり、そこは期待通りの仕事をしてくれたから、次は「収穫期、タイトルを狙う」という事か

ただ来季は高卒5名の加入も決まっており、CBは次の1、2シーズンで大きな世代交代をしなければならない。そのポジションは「堅守マリノス」という強み拠り所でもある。さてCFGや現強化部の思惑は、次の監督にどんなタイプを考えているのか――

監督が変わる事による無条件最大のメリット、期待は「現監督の下では期待重用されなかった選手が奮起する」というものだけど、エリク体制下で今季も残留してる選手では30歳以下の選手にほとんどいないんだよな

逆に喜田や天野純は、エリク3年目の今季はほぼ絶対的レギュラとなったが、おそらく本人たちも自覚はあるだろうが「誰が監督をやっても間違いなく主軸となる」程の安定した活躍はできていない。新監督の趣向によっては序列はリセットされ、ゼロからの競争になる。最悪構想から外れるかもしれない

個人的には喜田パイセンの扱いがどうなるか少し不安もあるが、プロの世界では監督交代のリスクは不可避。あの中村俊輔ですら不可避なのだから。リスクに怯えず、エリクに求められ評価された部分は伸ばし続け、新たな監督の要求にも応える中で選手としての価値を高めていって欲しい。全ての選手も同じく

大事なのは「これからのチームの成長と目標に合った監督」を据える事。チームと置かれた環境が変われば監督に求められる資質も変わる。エリクの退任は、マリノスが「更なる高みを目指す準備」ができた、その仕事をエリクが見事に成し遂げた――その判断に基づくものだと思いたい

新監督が決定する頃までに、「エリクに求めたタスクと3シーズンの評価」と「新監督に求めるタスク」クラブが考える現在地と目標について、番記者の皆さんには利重さんやドルに取材して報じて頂きたいと切に願う。前オフみたいに「何が起きてるこれからどうなる」臆測するだけの日々はノーサンキューだ